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037:学府 其の5

 ▽PT説明

 プレイヤーネーム:レド 日本名:天翔武久

 クラス・学科:錬金術師(戦闘型)

 クラス説明:戦闘に重点を置いた補正を与える

 [装備]

 自警細剣+1 投擲用薬品瓶 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 グロック型ハンドガン 通常弾 徹甲弾 爆裂弾

 ダネル型グレネードランチャー 閃光弾 催涙弾 榴弾 薬品用弾 魔法弾

 [スキル]

 剣Lv1 銃Lv1 投擲Lv1 錬金Lv1 調合ⅢLv1 染料Lv1 園芸Lv1 工作Lv1 味わいⅡLv1 香りⅡLv1 着心地Lv1 染色Lv1 塗料Lv1


 プレイヤーネーム:ウルカ 日本名:天川昴

 クラス・学科:忍者(忍法型)

 クラス説明:魔法系に属する忍法を重点を置く。

 [装備]

 自警忍者刀+1 大型手裏剣 忍者の制服 ゼロ組バッジ

 単体 火遁の忍法具 雷遁の忍法具 氷遁の忍法具

 範囲 木遁の忍法具 水鏡の忍法具

 [スキル]

 忍者刀Lv10 手裏剣Lv10 忍法Lv1 裁縫Lv14


 プレイヤーネーム:サクヤ 日本名:鳳鳴

 クラス・学科:戦士(魔法)

 クラス説明:魔法戦士ともいうべき存在、武器と魔法に適性を持つ

 [装備]

 魔法槍+1 戦士の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 槍Lv20 魔法剣Lv1 鍛冶Lv10 木工Lv10


 プレイヤーネーム:アリサ 日本名:皐華菜

 クラス・学科:ドルイド

 クラス説明:引き攣れる従者を自らに宿し戦う歌う戦士

 [装備]

 風の大鎌+1 獣使いの制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 大鎌Lv20 テイムLv1 獣化Lv1 装飾製作Lv1


 プレイヤーネーム:ヒリュウ 日本名:桜木このは

 クラス・学科:召喚士(幻神型)

 クラス説明:引き攣れる従者を自らに宿し戦う戦士

 [装備]

 大地の斧槍+1 召喚士の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 斧槍Lv20 召喚Lv2 融合Lv1 料理Lv25


 プレイヤーネーム:ジョーカー 日本名:―

 クラス・学科:妖盗(召喚)

 クラス説明:召喚に比重を置いた盗賊

 [装備]

 森の都の指揮棒+1 妖盗の制服 ゼロ組バッジ 携帯工作セット

 [スキル]

 指揮棒Lv1 指揮Lv1 召喚Lv4 盗みLv2→Lv3 工作Lv1 騎乗Lv1


 プレイヤーネーム:アケチ 日本名:―

 クラス・学科:魔偵(召喚)

 クラス説明:召喚に比重を置いた探偵

 [装備]

 森の都のギター+1 魔偵の制服 ゼロ組バッジ 携帯工作セット

 [スキル]

 楽器Lv1 演奏Lv1 召喚Lv4 鑑定Lv1 工作Lv1 騎乗Lv1

 ▽

 昼食の後のフォルゼン、フォルスト、セリル、アイリス達のPT相談にも乗り、星空の7名はどうするか考える。

 PTリーダーのレドは戦闘型の錬金術師のガンフェンサースタイル、サブリーダーのウルカは忍法型の忍者、相談役のサクヤは魔法型戦士のマジックランサースタイル、参謀の二人は召喚、盗み、鑑定、工作要員、アリサはアニマルと融合しバードマンのような羽を生やしている、ヒリュウは融合型の召喚士。


 朱雀ダンジョンに向かう。

 獣使い達はアリサの姿に直ぐに聞く、殆どの者が一考に値したらしい。

 上手く飛べないアリサには、サクヤが教えていた。

 ヒリュウ、ウルカ、レドはのんびりと歩く、コンビの方はサラマンダーに乗っての移動だ。

 現れるエネミーなどは動物を狩ろうとすると、アリサが怒るので狩らずに進む。

『イーニャ草原・北』から『イズミ』ここから、『イーニャ草原・南』の『イクツキ』ここから朱雀ダンジョンと『朱雀キャンプ』に別れ、久し振りに会いに行く。


『朱雀キャンプ』の狐村、村長の金色を訪ねる、白狐の金色、その娘の金糸騎だが、二人とも人の姿になっており、変化、人言語、調合を取ったそうだ。

 そんな母親の金色の娘の事もあり、何かとい活発な娘の為に頭を悩ませていたらしい。

 親として実に分かる為に互いに話し、金色も久しぶりに笑ったと言っていた。

 そんな星空に金色が、娘に金糸気に教育を考えていたらしい、何せレドは腕の良い錬金術師の、調合士の称号を持つ腕利きだ。この辺りでも有名な人物の一人だ。

 そんなレドに弟子入りさせたいとの申し出だ。

 しかし娘の方はよく分かっていない、お菓子を食べて遊んでいる。

 親としてはよく分かるほどにあれだ。とても心配にもなる。


「了解した引き受けよう」


 レドが快く了解すると、金色は涙を拭って喜んだ。

 娘の方は理解が追い付いていないらしく、首を傾げながらクッキーを齧る。

 この軽量級過ぎる頭の狐人少女を弟子として教育する気のレドだ。

 サクヤとアリサに指導し、ヒリュウとウルカの方は暇そうに素材集め、コンビの方は村の方で色々とみていた。

 金糸騎に母親の金色が説明し、レドもちゃんと教えたが、頭が緩すぎる為に分かっていなかった。

 親の二人は長い嘆息し、この娘の将来を案じた。


 □『朱雀キャンプ』→『朱雀ダンジョン』


「うわー懐かしい、お家だ」


 頭が緩過ぎて、軽量級過ぎて、警戒心も全くない、レドの次女とよく似た少女の金糸騎。


「金糸騎いいから離れるな」

「?」


 よく分かっていないレドは何度目かの嘆息をした。

 女仲間もこの娘が相当なバカな事は解っていたし、男仲間の方も特に言わずにいた。


「・・困った」

「どうしたのおじちゃん」

「悩みはあるのか」

「?」


 ジョーカーの質問が理解できないようで、男仲間の顔が青ざめた。

 相談役のサクヤの方も、問題児しかいないPTだとつくづく思う。


「まあよい、金糸騎」

「なーにー」

「ひとまずは帰還しよう」


 レドの判断に誰も言わなかった。

『イーニャ』に戻り、問題児の弟子の事を家族に話した。

 レドの養女姉妹の次女のティアとは直ぐに仲良くなり、ピュシーは似たような二人と、コマリはひとまず教える事が増えたと、長女のピローテスは薬を作り飲んでいたが、ストレスから解放されず、頭痛まで起こし親の薬で緩和していた。


 兄の方もこんな弟の弟子に直ぐに適性データを送ってきた。

 狐の中でも知性が高く、魔法に強い適性を持ち、様々な特殊系にも強い適性を持ち、優れた白狐、この中でも金糸騎の方は、年齢が幼過ぎた。

 幼稚園児程度の年齢もない、そんな娘に分かるはずもない事はレドには理解できた。

 性格の方もあり狐の中でも運動系に強い適性を持ち、成長すれば恐ろしい能力を発揮する程に高い潜在能力を持ち、他の人々に比べ体力の比が違い、恐らく体力のみなら人種に比べて遥かに高い。


 金糸騎を呼び、ひとまず話を聞き、色々と有ったらしく抱きしめてから落ち着かせた。

 見た目があるのではあるが、精神的な年齢でいえば保育園児だ。

 勉強が分かるはずもなく、色々と辛い目にも遭ってきたらしい。


「そうだな。目標の方はどうでもよい、好きな道具を扱ってみよう」

「いいの?」

「お前と似たような経験は沢山した、そう沢山な」

「・・うん」

「文字が読めないのは覚えられない、理解できない、その理解その物が理解できない、本が読めない、知識が分からない、分からなくても別によいぞ」

「本当?」

「ああまあお前が金色位に大きくなれば覚えるぐらいでよいか」

「うん!」


 師弟の関係にもまず一歩らしい、金糸騎を連れて町に出る。

 この娘にとってみれば沢山いるな程度にしか理解が及ばない。

 本や魔法が出来ない年齢なので、向かう先は武器屋、それも簡単な物が得意そうだ。

 槌等や格闘武器も簡単ではあるが、金糸騎の適性のあるのは意外にも鞭なのだ。

 昔からよく縄で遊んでいたらしく扱いはそこそこ上手であり、購入してから装備させ自宅で教える。

 そんな金糸騎はすっかりとレドに懐いていた。

 リャナも金糸騎に色々と世話し、育児が得意なので察したらしい。

 だがピュシーにはとても面白くないので会話が無かった。


「金糸騎、昔の姿には戻れるのか狐の姿だ」

「うん」

「まあ偶には狐になって遊んでみるのもよい」

「怒らない?」

「ああ怒らない」


 金糸騎が狐の姿になる、とても小さく30cm程度の小さな狐だ。

 これで分かったらしく、幼いではなく、幼児と同じだと。

 リャナが食べ物を出し頭を撫でる。

 ピュシーも反省していた、元の姿になれば幼児と同じ、色々な事が分からないことぐらいピュシーにも分かり、周りには分かれと押し付ける、しかし幼児には分からないだが周りとは馴染めない、必然的に友人もできるはずもない。


「狐の成人は9カ月、人間の成人は20歳、もし白狐がもっと高ければどうなるのかしら」


 言わんとするアリサの言葉に、成人年齢が高ければ必然的に成長も遅い事になる。

 人には厳しいが、動物には優しいアリサらしい言葉でもある。

 養女姉妹の方も困る、よく分からない為でもあるが、ティアは分からないなりに理解に努め、少なくても金糸騎とは友人の関係を築ているので、どうしたものかと考えていた。

 ウルカもヒリュウも、幼いというレベルではなく、育児でもあるらしく少し困った顔で居た。サクヤとしてもこんな子供とは思っていなかったために困る。

 コンビの二人は特に何も言わないが、微かに困っていた。

 リャナもレドも特に困らず、金糸騎の近くに座っていた。

 二人にとってみれば、人の子も、動物の子も、エネミーの子も同じ惑星に住む者くらいでしかない、似た様なものとしか思えない一面もある。


 朱雀のドレは近付いて座る、ユキカゼとルリも同じ様に近付いて丸くなる。

 三匹ともこの子狐を守る存在と認識したらしい。


 □『イーニャ』→地球『ガーディアン』


『星空の記録がログアウトしました』

 地球に転送され、子狐のままの金糸騎は眠たそうに欠伸をしていた。

 ユキカゼ、ルリ、ドレは傍から離れない。

 今日は自警団の方を休み、金糸騎を休ませてからこれかを話す。


「白狐の育児、レドらしいわ」

「なら手伝ってくれアリサ」

「ええ構わないわ。狐には興味も有るし、仲間にとってみればよくわからないもの、しかも園児より幼い子供、あまり気を使い過ぎないように」


 一同が頷く、アリサが色々と話、養女姉妹の方も聞いていた。

 人の幼児より恐らく幼いが、種ランクによる初期ステータスの違いから知性が高い、当然のように様々な能力が高く、成長するまでは見ての通りの子供でしかない。

 文字を読むのも、絵を見るのも解るはずもない、何故なら子狐のまま力を手にし、今に至るのだから、それが幸せなのかはアリサにはわからないと締めくくった。

 鳥のピリューはアリサの近くでクッキーをついばんでいた。


 単純に人の子供ではなく、アニマルの狐でもない、エネミーの中でも魔法を得意とし、人の言葉も解し、召喚も行う、高Lvのエネミーでもある幼児だ。

 全員が少しずつこの金糸騎を理解していけばそれでよい、時間が大きな意味で解決してくれると。


「相変らず二人はよく似るな」

「従者は家族、それが二人にとってみれば当たり前、それ以外は必要ないからね」

「分かり始めたわね。良い事よ」

「召喚士には理解に苦しむよ」

「あら育児の経験もないからって僻まないでよ」

「まあ別にいいけどね」

「ヒリュウにはまだ難しいか」

「どういう意味レド」

「忘れたのか、朱雀のファーストを」

「・・・」

「お前は畏れ失敗した。大してリードはこれをせずに成功した。人の適性と言うべきものだ。ヒリュウは戦う為に生きる、リードは共に生きる為に生きる違いだ」

「・・・」

「それをどう受け取るかは自由だ。ヒリュウは戦う為に力を欲し、この為に適性を持った、つまり戦う為に力なのが従者だ」

「・・・」

「リードは共に生きる仲間であり、同じ時間を生きる家族と接する、力と人の扱い分からないお前ではないだろうヒリュウ」

「・・・」

「多くは言わんが、かつてサーフに向けた時の切っ先はそんなもののための物か」

「・・・」

「学ぶといい、この学府とこのPTで、多くがお前の違う異質なもののみで構成されるのだから、後なコマリの事は覚えているか」

「・・・うん」

「あの子は試練に失敗した、恐らく世界システムは考えるだろう。この娘はティアの傍においても良いのかと、何故なら欲があるからだ。それを悪く言うつもりはない、多くの惑星でそれがあるから発展した。しかし世界システムにはそれを理解する必要はない、力のレベルは惑星レベルなのだから」

「・・・」

「ティアを世界システムはユニークと判断した、それは個性を認めたという事だ。ジョーカーとアケチを地球人にしてはユニークと認めた、個性として認め、個人として認めたこれを理解できない者が居たか」

「・・・」

「あの惑星には大きなことが沢山ある、その中で世界システムは個性を持った存在を集め始めたそれが星空だ。その中でコマリは失敗し、他の者は審査中だ。誰かの失敗の度に世界システムは考える、こいつはその他大勢、置いてよいか、と」

「コマリは」

「置いてある以上は何かの理由があるが、世界システムは次に失敗すれば恐らく排除に向かうだろう。最悪異星にログインは不可能になり、下手すればアカウント停止だ」

「・・・」

「失敗するなとは言わん、だが欲は自らを必ず滅ぼす、典型的なPTを見たろコマリ」

「・・・うん」

「ユニークは個性、その中でもティア、ジョーカー、アケチは認められた個性、恐らくアリサも同じ様になるだろうな、世界システムの枠を飛び越えた存在だ。何せ世界システムのシステムアシストなしのテイムだ。世界システムが少し表示したに過ぎんよ」

「僕は」

「まだわからない事は有るが、一つだけ言える事は力故に力に過ぎない、腕力は個性なのかヒリュウ」

「・・・」

「ピローテスを排除しない理由は薄々わかるがな」

「力」

「違うな、全く違う、とてもユニークなん存在だからだ、恐らく世界システムも予想外過ぎたのだろう、だから慌てた。これへの足止めとしてのコマリがいるわけだ」

「ユニークなピローテス、ティア、アリサ、私、相棒、ならウルカとお前は」

「ウルカの方は恐らく考えたのだろうな、地球人へのテストケースとしてのモデルとしての、俺は見たの通り戦艦だ。戦って勝てる相手ではない、だから強制的な行為は世界システムは控えてきた。そうだろうな世界システムからすれば俺が恐ろしい存在でしないのだから」

「色々と有るね。本当に沢山があり過ぎる事なのだね」

「自分にとっての良い道が有らんことを祈ろう、賢い事も力もある事も正しい姿の一つではあるが、世界システムからすればそんなものはゴミ以下の価値もない、小石と同じ、小枝と同じ、惑星という規模からすれば何も変わらない、サクヤと言う存在に関しては誰にでもわかる、龍と言う存在へのテストケースだ」

「本当に聡い少年じゃの」

「龍の時間は、俺にって見れば瞬きにも入らない分からないサクヤではないだろう」

「そうじゃの、沢山の者を見たが少年のような聡い心優しい戦艦は初めてじゃ」

「まっそんなだからユニークな存在が多いのが星空なのさ。その一人が金糸騎という訳だな、ユニークな子狐なのさ」

「・・・父さん一つ教えて」

「何だコマリ」

「失敗したコマリは姉さんに足枷の為に置かれているの」

「正確には違う、理由はコマリだから都合がよい判断したのだろうな」

「それは父さんへの足枷?」

「それも違う、分かっているのは色々と有るが、コマリはユニークな個人ではないが、レアな存在と言う事だな、地球育ちのブースデッドヒューマン、簡単だったろ?」

「・・・」

「世界システムは色々とくだらない事も画策しているらしい、まあやり過ぎると俺にどうされるかはよく知っているだろう。その塩梅を考える為に色々とする、その為に色々と動く、この多くの理由がユニークな存在や、レアの存在を集めたテストケース、一言で言うのならこいつらは何をするのか、それに興味を示すから動くのさ」

「私は?」

「地球人へのテストケース、そのファーストモデルだな」

「よくわからん」

「こいつは何故こいつと動く、こいつの何だと、一番理解不可能な奴だから」

「壊した方が良いなシステムは」

「惑星その物だぞ。まず無理だろうな」

「レド、もしかしてまた経験があるの」

「よくある事だ一々気にもしないさ」


 色々と経験するとこんな奴に育つというのは確からしい。

 ユニーク、レアな存在が集まった星空。

 金糸騎を守る、ユキカゼ、ルリ、ドレも薄々と理解していることはレドにはよくわかる。

 その為にスキル調整が特別に有った事も分かり易いからだ。

 ただユニークな存在の中でも特別にユニークな地球人、それがシステムの枠を超えてのテイムを可能としたアリサ、これに強い興味を示すのは直ぐに分かった。


「世界システムは分かり易く言うのなら、プレイヤーというケースからこいつらを置いても良いのかを考える材料としている、所謂の反省材料だな、世界システムの目標は完璧、それも不完全な完璧と言う矛盾の命令の中にいる、しかも自分で考えたな、ウルカの考案した様々な命令の中でもとびっきり厄介なものが我儘をしろ、これに尽きる」

「「・・・」」

「うむ。良い結果となろう」


 ウルカへの非難の目があるが、本人は気にしない、レドも特に気にする必要はない。


「しかし一つの段階が過ぎた、それがプレイヤーがもたらした情報、これを考える様々な事でもあるが、7月の事は自ら得る為に動き出したそれが代表だ」

「厄介な話だな」

「まあくだらない事をすれば殴られるからな、俺に極太の対惑星砲で一発な」

「ああなるほど、騎士は近所の怖いお兄さんか」

「そういうことなのさ」

「システムを擁護する気はないが、苦労しただろうな」

「だろうな。それも人で言うのなら、慎重に慎重を期して、まだ慎重をきす作業だ」

「それでどうするのだ」

「特に変化はない、ただアリサへのちょっかいが増える程度だ」

「システムは好みじゃないわ」

「まだ許容範囲だから、まあメールの一つぐらいは送ってやろう。世界システムが大混乱を起こすような文章のものを、な。言葉で言うのなら楽しいか?壊されたいか?だな」

「さすがは父さん」

「頭の不出来な子供には拳骨が一番だ」


 惑星サイズの宇宙戦闘艦からすれば、世界システムはそんな評価らしい。

 家族からすれば心強い親である、もし世界システムが干渉してきても直ぐに察知し、何せ経験や過ごした時間の比が違う、当然のように最初は言葉で、次には殴って聞かせるという単純なものだが、世界システムからすれは恐怖そのものだ。

 双子も喜ぶ、特にティアは安堵していた、コマリともう離れたくはない、世界システムはそんな二人を引き裂いたらしく、父親は直ぐにこれを理解していたらしい。

 コマリも父親の言葉をはしっかりと守ろうと考えた。

 長女のピローテスとしても、父親の事は色々と謎も多いが、世界システムからすれば近所にいるベテラン冒険者のようなもので、その娘に興味を持ち色々と遊んでいる内にベテラン冒険者に警告された、言葉で聞かなければ殴るぞと、それも父親の性格から言って死なない程度にと言うレベルでしかないが、惑星サイズからの攻撃はとんでもない痛みだろう。

 世界システムからすれば絶叫のような言葉だ。


(うむ。少しぐらいは殴られた方がいい)


 ピローテスから行ってもそんなものが世界シスステムだ。妹に当たる双子この姉のティアを気に入って惑星だ。もしレドが言っても通じないなら直ぐに実力行使をするだろう。

 そう言った意味で父親は既に頭のいきかけているらしい。


(ざまあみろ)


 実に気分の良い話だ。


「まあ今日ぐらいは家族で過ごすさ、性別の方は変更しておこう」

「え?」

「ん?」


 コマリが信じられない顔で父親を見る、レドにはよくわからないがなんとなく察した。


「まあ俺は男性型だが、性別はいつでも変更できる」

「・・変態!」

「うーん。地球人と違った性別は固定されないぞ」

「え?」

「そうなの?」

「ああ。一定なのは便利だからだ」


 知らない誰もがビックな話、特にコマリは硬直していた。


「まだ幼いお前たちには早い話だがな」

「はーい」

「・・・」

「本当に知らなかったのかコマリ?」

「・・・うん」


 ショックだったらしく、テーブルに伏せ、姉のティアが分からないので首を傾げる。


「まずは風呂に入ろう、性別の方は女性型に移し、という訳で仲間は自宅に戻れ」

「興味がある」

「ああ」

「そうか?何が珍しいのやらはわからないが、後で適当な服でも着てから挨拶にでも行くよ」

「分かった」

「ならいう事はない」

「よし風呂に入るぞ」


 □


 レドの自宅の風呂場、本人の趣味での大きな石造りの風呂があり、184cmの大柄な女性、男性としての人格が大きいレドにはそれなりに負担ではあるが、女性型しか知らない姉妹にとってみれば安堵らしい。

 スタイルの方はピローテスより少し大きい程度、体を洗ってから浴槽で酒を飲む。

 長女からすれば偶には良いかと思う程度、次女からすればご褒美、三女からすれば悪夢で、しかも見た目が立派な女性なので理解が及ばない。

 次女は体を洗うと直ぐに親の元に行く、思いっきり抱き着き、頬ずりまでしていた。

 長女の方は近くで酒を飲む、三女には理解不可能世界だ。


「・・・レド」

「産めないぞ」

「・・・」

「そう言う機能はない、そもそも俺は惑星対応型ではないからな」

「宇宙船だから?」

「ああその試作型だ。宇宙専用戦闘艦、知っているだろ」

「ええ。ただなれなくて」

「少しずつ学べばよい」

「何故コマリを迎えたの」

「同じだからだ」

「コマリは宇宙船?」

「違う」

「なら何」

「ふむ。難しい質問だ。そもそも宇宙船は乗り物だ」

「ええ」

「コマリ俺と同じの理由は戦闘型なのだ」

「兵器?」

「それも違う。戦闘型ではあるが兵器ではない、そう言う役割を与えようとしたバカな奴はいたが、警告は直ぐにしたさ」

「なら何」

「うーん。地球でいう武器ではあるな」

「戦闘型で、兵器ではない武器?」

「ああ。コマリは兵器ではない、兵器とは呼べないでも戦闘型の武器だ」

「・・・人?」

「それ以外にあるのか?」

「コマリにはわからない」

「難しいものだ。地球人からすれば俺たち一家は人とは思えないだろうな。存在が違うというレベルではない、親の方は惑星サイズの宇宙戦闘艦、長女の方はエルフの中でも戦闘能力に秀で、更に上位のナイト、双子の方も同じとは思わないだろうが風変りとは思うだろう」

「コマリは何」

「知りたいか?」

「知りたい」

「うーん。地球でいえば神剣だな、神の武器だ」

「・・・」

「別に本体がある訳じゃないぞ」

「・・よくわからない」

「うーんまあ戦闘艦、戦闘兵器、神剣、ならティアは何と思う」

「神剣」

「いや魔剣だ」

「・・・地球にはない家庭」

「だろうな。地球にはない惑星だからな」

「普通は逆」

「そうか?俺にはよく表していると思うぞ」

「そう?」

「ああ。相反する性質持たせることでバランスを取ろうとしたってところかな」

「レドは言葉が辛い」

「?地球育ちだと大変な事になるからよ学べよお前は賢いしな」

「うん」


 何故か脱衣所が騒がしい、何やらバトル中らしい事だ。

 バカの二乗の方も有るので、熟練の戦士のサクヤも加わればすぐに鎮圧できるだろう。

 ウルカ、アリサ、ヒリュウの三名の事である考える事はうっすらと分かる。


(持つべきものは友人だな二人とも頑張れよ)


 性別が一定ではないと知った三名は、当然の帰結ではあるが女仲間と思うだろう。

 だがレドの性質を知る三名は、男性と思うので、当然のように防ごうとする。


「騒がしいな」

「ウルカさん、アリサさん、ヒリュウさんからすれば女仲間と思うかな」

「間違いなく思う」

「まあだからなるべく言いたくはなかった」

「地球の人達は性別に拘るから変な所があるよね」

「全くだ」

「それが当たり前のはず」


 姉妹の方は仲良く会話中だ。

 親の方はのんびりと酒を飲む。


 風呂場から出る、体は直ぐに乾かして服を着込む、暴徒の女仲間の三名は鎮圧されていた。男仲間の2名と龍が説教していた。

 女性型の4名、レドは既に成人なので幾らでも変更できるが、男仲間との約束も有るので現れる。


「おう」


 男仲間2名はとても驚いていた、女仲間の若い方は喜ぶ、龍の方はどうでもよいらしい。


「本当に変更できるのか」

「こいつは驚いた」

「じゃ見せたので戻るぞ」

「ああ」


 男性型に戻る、若い方の女仲間はブーイング。

 龍に槍で殴られる3名、その前を通り寝室に行く。

 偶には家族で休むのもよいという事になり、家族そろって休む。


 □


 翌日の朝方、好からぬことを考えそうな3名の仲間に、朝食の時間に厳命しておいた。

 ブースデッドヒューマンにとってみれば、成人に達したものでも、性別を変更するのは精神的な負担になるので、変更して、というのは銃で撃つ以上の危険な行為なのだと。

 下手したらその場に殺し合いに発展するような言動でもあると。

 またレド一家の様に人の形をしているが、地球の文化で言うのなら別物というケースは多い、見た目に拘らないのが良い付き合い方とも教えた。

 地球人にとってみれば、地球の物差しで考えがちだが、異星人にとってみても同じのようであり、それぞれの異文化によって生きる為に、地球の当り前が必ずしも通じかは別だ。

 それでも三人は不満そうだった。


 自警団の訓練後、金曜日の授業の為に登校した。

 学府にも申請してあったので、動物たちの席は有った。

 アリサの方は気にせずに獣化し、翼を生やしたまま登校していた。

 クラスメイトは沈黙していた。

 獣使いのバッシュの方には話が届いていたらしく、説明して納得してもらう。

 レドの方も説明し、より重い沈黙が過る。

 成人すれば性別を変更できるが、下手すれば殺し合う様な禁句の意味合い、レドの家族は人の外見をしているが、地球でいう該当するものを上げるより沈黙が重くなった。

 正真正銘の異星人というものが、どれほど地球からすれば異質なのが分かったらしい。

 一々カミングアウトするのは面倒だからとも言っておく、理由は直ぐに分かりこれを質問するような奴は直ぐに退学してもらうとも伝えた。

 クラスメイトは沈黙、南や野良の7名が主に沈黙していた。

 龍のサクヤからも説明があった。

 レドのようなよくわかっている者もいるが、分かっていない者もいる為に警告でもあるのだ。

 異星人や異種族を、同じ尺度や価値観で測る事は出来ないという例題だ。


 地球人の面々は考えをそれなりに改めるらしい。

 この為に学府があり、異種族、異星人との付き合い方も学ぶことの一つなのだ。

 この為にヒーロー達とは付き合えない事になる。


「固定PTは当座は休むか」


 仲間にも提案した。

 考える時間の為にと、レドは付け加えると全員が頷く。

 レドも久々のソロ活動だ。

 家族の者、養女姉妹はまとまって動き、気に入った者と組んでみることにしたらしい。

 午前中は兵器学、その後の昼食は金曜日は教室で行う。

 他の固定PTも今後の事もあり一度は解散する事が決定し、他のクラスメイトと組む事になった。異星人組のレド、ピローテス、ティア、コマリ、サクヤ、違う学園からの入学制組のジョーカー、アケチとは特に理解を進ませるために組む予定だと伝えてきた。

 クラスメイトもそれぞれやっとの事で自己紹介し、学科を選択した理由、クラスの選択、スキルの育成方針、装備の事も話、PTは臨時とはなる。


 0組:

 ・アプリ

 役職:委員長 学科:魔法使い 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 杖 攻撃魔法 投資


 ・マキ

 役職:- 学科:魔法使い 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 弓 回復魔法 料理


 ・リード

 役職:副委員長 学科:召喚士 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 クロスボウ 召喚 調合


 ・ヒリュウ

 役職:- 学科:召喚士 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 斧槍 召喚 融合 料理


 ・ジョーカー

 役職:- 学科:妖盗 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 指揮棒 指揮 召喚 盗み 工作 騎乗


 ・アケチ

 役職:- 学科:魔偵 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 楽器Lv1 演奏Lv1 召喚Lv4 鑑定Lv1 工作Lv1 騎乗Lv1


 ・ウルカ

 役職:- 学科:忍者 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 忍者刀 手裏剣 忍法 裁縫


 ・チャイム

 役職:- 学科:商人 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 槌 行商 金融


 ・アリサ

 役職:- 学科:獣使い(クラス:ドルイド) 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 大鎌 テイム 獣化 装飾製作


 ・バッシュ

 役職:- 学科:獣使い 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 弓 テイム 料理


 ・ビルド

 役職:- 学科:戦士 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 剣 剛力 鍛冶


 ・アシル

 役職:- 学科:騎士 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 剣 盾 鍛冶


 ・サクヤ

 役職:- 学科:戦士 人種:竜 性別:女性

 [スキル]

 槍 魔法剣 鍛冶 木工


 ・レド

 役職:- 学科:錬金術師 人種:WHO 性別:男性型

 [スキル]

 剣 銃 投擲 錬金 調合Ⅲ 染料 園芸 工作 味わいⅡ 香りⅡ 着心地 染色 塗料


 ・ピローテス

 役職:- 学科:錬金術師 人種:WHO 性別:女性型

 [スキル]

 剣 踊り 調合


 ・ティア

 役職:- 学科:錬金術師 人種:WHO 性別:女性型

 [スキル]

 剣 歌 調合


 ・コマリ

 役職:- 学科:錬金術師 人種:WHO 性別:女性型

 [スキル]

 杖 回復魔法 調合


 □


「おしアシル、バッシュ、組もうぜ」

「ああよろしくな」

「どんな事になるか楽しみだ」

「アプリ」

「別によいが」

「0組臨時〆」


 集まってから話す。


「まず呼んだが、忍者+錬金術師+ガンフェンサーを担当させてもらう」

「ガンフェンサー?」

「銃と細剣使いの事だ。俺本来のスタイルだ」

「なるほど、私の場合は何も言わず火力だ。特に範囲系の攻撃魔法が得意だ」

「俺の方は片手剣と盾、主に盾での防御だな、剣の方は単なるおまけだ」

「俺の方は弓が主力だな、獣使いであるが、鳥を従者にしようと思っている」

「さて、話し合う段階だが戦闘・生産系の場合」

「使うアイテムは全部必要経費」

「飛び道具系の消費した消耗品も必要経費」

「ああ。それが嫌なら組まない事になる、それは何にしろ自由だ」

「この面子だとダンジョンか」

「ダンジョンは苦手だ」

「囲まれにくいが逃げにくい、挟み撃ちは悲惨だ」

「しかも召喚士が居ない為に援軍もない、これは一度装備と道具を整えよう」

「では臨時リーダーを頼むぞレド」

「まあ呼んだのは俺だしな、了解だ。高等部の1年購買部だな」


 四人が向かう。

 珍しい組み合わせなので、他の組の者も興味深そうだ。

 購買部につく、まずは広場、ここでの地下のダンジョン区、地上のフィールド区の二つに繋がる。


「まずは情報を提供しよう」


 三名が静かに聞く。


「クラスに試作型が導入される、主にクラスに対応した補正傾向だ。例えば俺のような錬金術師のような生産クラスでも、戦闘に補正傾向を変更した戦闘型だな」

「それで」

「ウルカの忍者にも、忍術型、忍法型と有る」

「ふむ」

「戦士や騎士にも物理型、魔法型も選択可能だ」

「そいつは嬉しいな」

「獣使いにも自らの従者を戦わせる従者型、自らに融合させるアリサのような獣化を持つ融合型も導入された。召喚士の方も似た様なものだ」

「獣化か、やはり融合型もよいな」

「魔法使いの情報はない、何せ星空にはいないからな」

「そうであった」

「ただ魔法使いにはかなり豊富らしい、例えば攻撃型、回復型なんかな、他の学科と違い細分化する傾向にあるそうだ」

「攻撃型だな。うむ。より火力が増す」

「これにのクラス傾向と言うが、対応する装備の方も追加される」

「助かる」

「さらにこのクラス傾向を選択するとスキルポイントが+1される、俺の銃はそうして取った」

「他の者は」

「星空が教えるだろう、何せ一番多い」

「うむ」


 ・アプリ

 役職:委員長 学科:魔法使い(攻撃型) 人種:地球人 性別:女性

 [スキル]

 杖 攻撃魔法 交渉 投資


 ・アシル

 役職:- 学科:騎士(物理型) 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 剣 盾 鍛冶 騎乗


 ・バッシュ

 役職:- 学科:獣使い(融合型) 人種:地球人 性別:男性

 [スキル]

 弓 テイム 獣化 料理


「攻撃型と交渉だ」

「物理型と騎乗だ」

「融合型と獣化だ」


 三人の報告にレドが頷いてから、次の段階に進む。


「次に向かう先だな。忍者を活用させたければダンジョンだ、主に魔法アイテムも多く、小石などの鉱石も多い、対しての通常アイテムは少なく、薬草なども採取し難い、また料理素材に対応したものも少ないが、経験値は多く、コインもやはり多い」

「なるほど」

「俺は騎士と忍者を教えている、両方の委員長でも話にならないレベルの達人だ。だが魔法は得意としないし、盾も得意ではない、従者に関しては知っての通りの獣使いよりの考えだ」

「私の方は魔法系クラスの纏め役、攻撃魔法に関しては断トツ1位、ただ運動は得意とはせず、体力も他よりある程度、武器を使った戦いは得意とはせず、防具も好まない、従者に関しては召喚士に賛成だ」

「俺はレドより騎士を教わるが、攻撃より防御が得意だ。体力も運動も得意じゃないが、盾に関しては重点的に鍛えている、魔法は好きじゃないし、従者に関しては召喚士よりだな」

「俺は見ての通りの獣使いだが、弓も、小剣も、槍も扱える、恐らくアシルよりも武器には精通しているが、レドよりは劣る、防具は好まないし、魔法も好きじゃない、従者に関しては獣使いなので理解してもらいたい」

「という訳で何かの目的がいると思う例えばバッシュの従者探しとか、アシルの盾修行とか、アプリのフィールド狩りとか、俺のダンジョン修行とか」

「やはりダンジョン派か」

「ああ実に楽しい、特に罠を潜っての宝が最高だ」

「ふむ。まあ私もダンジョンには興味がある、特に魔宝級には興味が湧く」

「騎獣が乗れる場所が良いな」

「鳥がいる所だな」

「ならフィールドは除外か、前と後ろいがいけそうもないしなアシルは」

「取ったばかりだからな」

「ああ今後に期待できる。いつも貧乏くじを引くからなお前は」

「レドほどじゃない」

「そうか?まっテイムし易く、また鳥がいる場所だから草原ダンジョンか、植物系が多い場所だな餌が多いし、運が良ければネズミ達からの支援も期待できる」

「辻ネズミか、召喚と魔法なら何でも使ってのプレイヤー支援NPC」

「チーズが好物だ。特に鮮度の高い奴が好みだったな」

「彼奴らには世話にもなる、そして魔宝級の多い場所で鑑定がし易い場所か、初級Lv1系だな。まずはアシルの騎獣から購入し、対応する剣と盾を購入し、戦闘配置の方だな」

「やっとだ。やっと騎士見習いだ」

「おめでとうアシル。騎獣を購入し、乗る事が可能なら昇格だな」

「予算の方は必要経費で落とそう」

「いいのかよリーダー」

「構わん」

「なら俺も出そう。何せ騎士見習い第1号だ。偶には良いし、バッシュには動物の方を聞いておけ、獣使い達は詳しい」

「任せておけ」


 購買部での騎獣を選別する、アシルの気に入った騎獣は、所謂の二足歩行の陸鳥で、扱いなれているからと本人が言って、バッシュが色々と教えていた。

 半額はレドが出し、半分はアプリが出した。


 その後の装備更新。

 陸鳥の大きさやら乗り方やらを見てからレドが選び、こういうものは見習いにはわからないもので、騎士の経験がものを言うレベルらしく、この為にレドは騎士学科でも頼りにされているらしい、特に槍を好む者にはとても頼りにされる、この教師候補生は剣等より槍を得意とするタイプの元騎士なのだ。


 選ばれた剣は騎士剣、アシルの上半身より長い剣身だけでも1mはある長剣だ。

 これを馴染む物に厳選していき選び、最終的にはナックルガードをレドの工作で取り付けた。パーツを取り付ける物なので、綺麗な物ではないが、単純それ故に機能美がある。

 次に選んだのは盾、この騎士盾ともいうべき盾は、下半身を守るために工夫された逆三角帆盾の分類に入り、更にアシルが好む幅広い物、これを厳選していった購入した。


 騎乗してからの扱い方もレドが教え、剣と盾の扱い方も教え、防御を得意とするアシルは盾の扱い方が上手なので、こちらをメインに教え、剣での攻撃はついでに教えた。

 アシルも経験があるので、コツを覚えると直ぐに扱えるようになる。


 騎獣に乗ったアシルは嬉しそうにしているのが、リーダーのアプリにとってみれば心温まる、レドも同じの様に懐かしそうに見ていた。


「よし次はアプリだな」

「何を買う必要がある」

「より火力に特化する方法がある」

「さすがは元冒険者か」

「ああ懐かしいものだ」


 購入した物は無名の杖、拡張性のみに特化された片手用の杖で、アプリの体格に合う物を選び、アプリの好みである攻撃魔法、この範囲系に特化するようなカスタムした。

 更に錬金アイテムを使い火力を強化、これも範囲系に特化した物となる。

 等級で言うのなら通常級、品質で言うのなら☆×1程度の物だが、得られる火力は魔宝級を易々と突破するほどだ。


「経験だけはどうしようもないものだな」

「来年の1年生には丁度良い話になったかアプリ」

「ああよい土産だ」

「次はバッシュだな」


 バッシュの場合は弓、この愛用の弓を見たレドは、悪くはないと言って弓ではなく弦を交換し、バッシュに合わせて調整し、矢の方も通常の矢、このサイズなども教え、動く的用の物を選ぶ、このバッシュに合う弓と矢に合う属性矢も併せて購入した。

 そんなレドは最初は手助けしないという、その多くの理由が依存してしまうからと。

 自分の者は合う物が一番、好みの物が一番らしい。


 ・アプリ

 役職:委員長 学科:魔法使い(攻撃型) 人種:地球人 性別:女性

 [装備]

 無名の杖 魔法使いの制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 杖 攻撃魔法 交渉 投資


 ・アシル

 役職:- 学科:騎士(物理型) 人種:地球人 性別:男性

 [装備]

 騎士剣 逆三角帆盾 騎士の制服 ゼロ組バッジ

 [騎獣]

 陸鳥

 [スキル]

 剣 盾 鍛冶 騎乗


 ・バッシュ

 役職:- 学科:獣使い(融合型) 人種:地球人 性別:男性

 [装備]

 バッシュ調整済み弓 通常矢 属性矢 獣使いの制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 弓 テイム 獣化 料理


 ・レド

 役職:- 学科:錬金術師 人種:WHO 性別:男性型

 [装備]

 自警細剣+1 投擲用薬品瓶 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 グロック型ハンドガン 通常弾 徹甲弾 爆裂弾

 ダネル型グレネードランチャー 閃光弾 催涙弾 榴弾 薬品用弾 魔法弾

 [スキル]

 剣Lv1 銃Lv1 投擲Lv1 錬金Lv1 調合ⅢLv1 染料Lv1 園芸Lv1 工作Lv1 味わいⅡLv1 香りⅡLv1 着心地Lv1 染色Lv1 塗料Lv1


 この後に試験に向かう。

 アーツ用の試験。

 まずは盾アーツをアシルが受ける、アーツの中でも難関の盾アーツ、この中でも防御アーツは回避よりも難易度が高く、それだけに最高レベルの防御性能を持つ。

 それだけに受かる者は今までいなかった、アシルは色々と合格はしていたが、選択に困っていた。何せ防御のみ、回避のみ、この両立、特殊に該当するヘイト管理用もあるからだ。

 アシルはヘイト管理用を選んだ。その理由は恩を返したいというものだ。

 剣アーツは受けなかった、自分がいかに未熟かを、よく知っていたからだ。

 レドは剣アーツの試験を受ける。

 剣アーツの単体・連続系を選択した。

 よく練習していた刺突系に属する突撃した攻撃法のアーツを取得した。

 次にバッシュの、弓アーツ、動く的に向かって矢を放つ、真ん中に当たらなければアーツの取得は出来ない。弓道では邪道であるが、冒険には必至のスキルだ。

 これに当たるが僅かにずれるも許容範囲と言う事で合格した。

 三人が合格し、アプリはスペルを受ける。

 攻撃の範囲を選択し、何度も練習した好きなスペルを選び放つ。

 精密さを優先する一方で、火力へのバランスを考えた物だ。

 スキルは確かに力を与えたが、ノウハウだけは与えなかった、特に魔法使い達は血の滲む努力を日夜行い取得するしかない。

 合格し、最後にもう一つのスペルも放つも失敗した。


 ・アプリ

 スペル取得:ファイアーストーム

 ・アシル

 アーツ取得:挑発

 ・バッシュ

 アーツ取得:狙撃

 ・レド

 アーツ取得:パイル・リニア―


「3個、か」


 レドも3個目だ。

 他の者、2個目を取るのですら精一杯なのが当たり前であるも、教師候補生ですら3個までは時間がかかる。


「レシピスペルは良いのかレド、他の者も」


 アプリが言うが、誰もが首を横に振る。

 難関の試験ではあるが、その中でもアーツは比較的まだ易い、次にスペルは難易度が高い、次にサポートは高難度、四番目にレシピスペルは最難関の一つだ。

 スキルを取得する者、スキルを育成するものは当たり前に全員だろうが、これらの試験の合格し、取得できたものはほんの一握りだ。

 それ程に難関なのが試験なのだ。


「そうか、銃は」

「熟練度が足りず条件を満たせなかった」

「試験は、難しい条件だからな。受かった者はそれだけの努力をするしかない、例え勉強が出来ても何の意味はない、頭が良いのと冒険が出来るのは全く別のものだ」

「そうだな。弓道の技術は確かに役に立ったが、所詮はその程度だ。動く的に当てるなど教わる事もなかった」

「何もかもが違うものだ。盾アーツなんて学ぶところがない、教えてくれる人すらいないからな」

「じゃ冒険に行くぞ。まあ少しは良くなった戦力が上がったしな」


 □ダンジョン区初級Lv1№3


 解放された場所に入り、騎乗するアシルはまだ名前は付けられない獣を見る、騎士の決まりで有り、決して犯せない掟の一つであり、騎士になるまでは名前を付ける事は許されないのだ。その理由は誰もが分かり、騎士が下手なら死ぬからだ。

 プレイヤーは不死かも知れないが、騎獣は死ぬ。

 命を奪う仕事をする以上は、奪われる事も覚悟せよ、これが掟の一つだ。

 この為に下馬騎士を選ぶ者も多かった。


「辛いかアシル」

「何でもない」


 騎士を教える教師候補生のレドは苦笑していた。

 全部お見通しなのはわかる、何せ祖国を滅ぼされた騎士だ。

 様々な経験があったことなど誰にでも分かった。


「まずは偵察だな。三人はここで待機、指揮の方は誰でもできるが、特に防衛戦を得意とするバッシュに任そう、よいか」

「ああ問題はない」

「任せたぞ」


 レドか細剣とハンドガンを抜いてから広場より離脱した。

 足音一つもない、頭が動く事すらないだけに、見事な動きではあった。


「まずは今後だな」

「何の話だバッシュ」

「力をつけるしかない、スキルは元を与えてくれたに過ぎないからだ」

「元、か」

「力の源、ただそれだけだそれ以外全て自分で掴むしかない単純にそれだけだ」

「星の世界には何があるかな」

「なんだアシル、センチメンタルか?」

「地球から異星へ、星系級もあり、世界級もある、下手したらもう一つの惑星に行くことになる長い冒険になる、下手したら地球には帰れなくなるもう二度」

「捨てた物を拾う矜持はない」

「捨てられた物はどうすればいいのかな」


 アシルの言葉に、他の者は黙る。

 プレイヤーの極一部を除き、なった者は皆離れていって、何もかもを失ってここにいるのだと、誰もが知っている。


「冒険と仲間しかなくなった後は全部ない、故郷ももうない、家族ももうない」


 アシルの言葉は、全員の言葉だ。同じようになってしまい、もう地球も、祖国も、母国も、故郷も、家族も、何もかもがない、何もかもが離れた。

 何もかもからも捨てられた。


「どこにあるかな何かが、何かがあるのだといい、何もないと辛くなる」


 よく恩師が言う台詞、色々と有る、そう色々と有るのだから、よい事も、悪い事も同じ様に有るのだと知っている、全員が全てを捨ててこの学府に来たのだから、もう帰る場所がない事も知った。

 全てから捨てられて、得て、捨てた者達と敵対し、全てを敵に回し、今という少しマシになった話があるに過ぎない。

 ある仲間は言った、棄てたくせに今更。

 ある者は言った、戻って来いと。

 吐き気を覚える、醜悪とも言える本音が見え隠れする。

 その戻ってこいとは、モルモットになれと何も変わらないからだ。

 アシルの恩師は何も言わないが、知っているから何も言わない、経験があるから言わないのだ。自分達の境遇も、戻って来いと言う者達の心も全部知っている、長い時を生きた星の様な少年が分からない筈もない。

 だが時々考える、昔の事が多い、今の事は少し、未来の事はわからないし浮かばない。

 昔の事を思い出し、どんな自分だったかと思い出し、自分を確認していた。


「何れ家族も出来る、そこが故郷となればよいそれだけだ」


 バッシュが言う、アシルは頷く。


「恩師は言った何のために振るうのか、自分と気に入った者のため振るうのだと、それ以外がないからな、家族が出来ると好いな」

「きっと出来る必ずな」

「そうだな」


 偵察からレドが戻ってくる、それぞれを見てから伝えた。


「うーん外れが多い」

「おい」

「いやそれなりに収穫はあった」

「いや偵察じゃなかったのか」

「ああ偵察だぞ。ちゃんと調べてマッピングも完了だ」

「何が外れたんだよ」

「ゴミが多い、もう少し良い宝が」

「「・・・」」

「ひとまず焼こう」

「PKした方が何かと好い」

「落ち着いて、味方だから!この人は味方だから!」

「ただな。中々好いダンジョンだ。直ぐに宝がポップする」

「「おお」」

「確かに質は悪いが、時間さえあれば幾らでも稼げるここは人気になるぞ」

「悪くないダンジョンだ」


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