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033:学府 其の1 

 学府の6月の初日。レド一家の朝方、地下の自宅に住む一家、養女の姉妹の三名も同じ様に住み、同じ家に住むならと養父のレドはしっかりと決まりを説明した。

 また朝方の訓練なども決めた。

 戦闘・生産系区画の居住区に住む、自警団の活動もあるのである程度の広さがいるという事もあり、自宅の近くに演習場を作り、自警団用の施設も作られた。

 そんな自警団の事もあって二人の入学生が参加する。


 一人は武偵学園より入学してきた入学組、探偵の中でも才能に恵まれるも、依頼があったから仕事をしていただけという性格の劣等生のプレイヤーネーム:アケチ。クラス:魔偵[スキル]召喚 鑑定 工作


 一人は鳳凰学園より入学してきた入学組、犯罪者の中でもエリートの中のエリートこの怪盗の称号を持つ摸犯生、プレイヤーネーム:ジョーカー。クラス:妖盗[スキル]召喚 盗み 工作


 二人はコンビを組み、犯罪者+探偵という固定PTを持つ。

 しかも二人のシステム的には違うが、一般の者とは違ったスキル構成はユニークな物であり、クラスもユニークで有った。

 専攻は従者召喚、特技は犯罪と推理と工作、戦闘能力よりもそう言った知的労働者タイプの二人、知識ではないのは、一般的な知識とは違い、ユニークすぎる知識しかないからで、一般的な知識による労働は不可能だ。


 全員がビックリするような奴らなのだが、性格の方は問題はあるも、レドとは好く行動を共にするタイプの連中でもあり、特にジョーカーは好んでする、アケチの方も面倒でもあるが、相棒の頼みは聞くのでやはり行動を共にすることが多い。


「久し振りだ騎士」

「おう。ジョーカーも久し振りだ。アケチもよく犯罪者とつるむな」

「どうでもいい」

「はいはい。どうせ相棒に誘われたのだろ」

「ああ」

「人生を間違えたな」


 ジョーカーは何も言わず黙っており、アケチはレドの言葉を鼻で笑っていた。


「狙いは」

「・・宝だ。それもただの宝ではダメだ」

「大陸級以上だ」

「なるほど、大陸が買えるな」

「・・・そんな物なのか」

「ああ。そんなものだ。地球が1個は買えそうな金額かな」

「結構な金額だ」

「お勧めは惑星級だ」

「その手掛かりは」

「家の養女の双子だ」


 ジョーカーが双子を見る。双子の方の前にピローテスが立つ、あまり良くない空気ではあるが、ジョーカーは人には興味がないので安全圏だ。

 面倒臭がり屋のアケチが首を振る


「相棒は人に興味がない、特に性別というものが理解できないのだ」

「変人だな」

「悪い奴じゃない、犯罪者ではあるが、人を傷つけるのも傷つけられるのも好きじゃないんだ」

「すまなかった非礼は詫びよう」

「いい」

「変人たちの中でも特に変人の二人だ。レドのライブにもよく登場する二人さ」

「・・・」

「囮捜査の方は完了している、日本もこれでマシになったと思いたいね」

「各地域での対レド同盟は混乱している、特に地球防衛の為の要であった長官とサーフの裏切りに」

「各地ではすでに動きがある、日本警察も準備が整えば、周辺各地への犯罪者一掃を画策するだろう。必然的に軍事的な緊張も始まり、自然の流れで各地での反乱も起こる」

「そんな地球には興味がない、相棒と共に異星に渡るつもりだ」

「そういう訳さ。えーと天翔」

「二度目だなアケチ。俺の日本名を呼ぶのは」

「そうだっけか、まあそれは別にいい、暫くは厄介になるぜ。まあ4年ぐらいか」

「現在の学府は4年制だ。知識、常識、技能、訓練、武装を整える為には必要だ」

「平和な場所だ安心しろ、何せ俺の一家が住む場所だ」

「なら安全だな。久し振りに休めそうだ」

「ああ。まずは休んでから朝方の訓練と行こう、何せ体力が無ければ冒険者などできん、あーと。エルフと竜を見たら近付くな、相性は最悪、出会えは戦争しかない関係だ。惑星誕生より争った関係でもある」

「そうか」

「宇宙海賊と銀河警察にも伝えておく、何かと便宜は測るだろう」

「いつも感謝する」

「面倒にならなければよいがな」

「ならん。地球の遅れたサル共がって思うさ」

「ならよいが」

「家の地下に自宅は作ってある、他にも色々と必要と思い兄と話して作って終わっている、後だが忍者達には口出しは禁じるぞ、彼奴らは本当に護衛と防諜の忍びだ」

「好い奴らだ。今の情報部に教えてやりたいものだぜ」

「場所は」

「案内する、後だが、兄がお前さんらに強く興味を示している、何かと便宜も図るだろう、専用の装備の方も相談するといい、生徒会より許可は取り部活の方には所属しないでもよい様にしている他には」

「特にない」

「そうだな。まあ今のところは別に良い。しかし養女とは驚いたな同族か」

「ああ。同じ種族だ」


 二人が三名を見る、特にジョーカーは興味を持っている様だ。


「珍しいなジョーカー、正直に言えば嬉しいものだな。お前か人に興味を持ちしかも女の子とはな」

「女の子?」

「養女なのさ。人間でいう女だな」

「なるほど、性別というものがあるのか」

「あるが、タイプは大過ぎて何を基準に性別と言うべきかは謎だ。タイプトは地球でいう人種だ。長女のピロへテスはダークエルフタイプ、褐色のエルフでスタイルが良いのが特徴で有り、他のエルフに比べ戦闘能力が高いのも特徴、他のエルフに比べ魔法に対する適性が高いのも特徴だが、それは個人と言う能力の点から言えば他のエルフと同じ、何かに優れると何かに優れなくなるそんなものさ」

「欠点は」

「・・・いうべきか困る」

「是非知りたい」

「分かった。まあお前さんが好まない事なのだが、子供が生まれにくい」

「失礼した」

「ああ。次女と三女の方はヒュムタイプ、一番平均的でもっと多いタイプだ。しかし能力的には色々で地域、文化によってまちまちだ。武装の点から言っても一番汎用的な物を好むタイプだな。地球人とはかなり違う、地球人は良く争うがこのヒュムは争いを好まない、争うことそのものが好きになれない、得る為に戦うのは別良いが奪うとか盗むとかはまず考えない」

「平和な星だ」

「ああ。ただ戦おうと思えば地球人の同規模の兵力では話にならんスキルというものにより圧倒的な能力を発揮する、地球人のような種族のような武器を持たなければ戦えない人種派とは比べようがない、まあ地球人のようなものが一般的な宇宙のような文化ではあるが、その点から言えばWHO惑星はジョーカーやアケチの様な変わり者にとってみれば住み心地が良い場所だな。何せ俺の同族が多い」

「興味深い、実にユニークだ」

「そいつは平和だな。ここに来て正解だったやはり相棒の勘は正しいな」

「じゃ案内するぞ」


 □


 ジョーカーとアケチを案内し、珍しくジョーカーは特殊マスクを外していた。

 地下2階の方は快適なような作りになっており、二人用でもあるが小型宇宙戦闘艦のような作りになっており、二人の将来への希望に沿ってのトレーニングや学習機能が豊富にあり、クラスに対応した専用の訓練施設も豊富にある。

 そんな二人には兄から特別に説明があった。

 世界システムも二人には関心を示しており、一言で言うのなら地球人にしてはユニークだと。


 終わってから施設内を案内し、朝方の朝食も有るので上がってから家族と共に食事する、マスクを外したジョーカーの顔は地球人的に言えば美麗な貴公子なのだが、異星人にとってみれば皆同じにしか見えない、普通に挨拶してからの食事だった。

 そんな時に仲間もやってくる、腹をすかせたユキカゼとルリも歩いて来る。

 それぞれが挨拶し、クラス、スキルを紹介し、珍しくコンビの方は楽しそうにしていた。


 朝食後、兄より自警団特典として合戦トレーニング用の機能やシステムなども拡張され、これらは自警団のみとなった。

 また自警団用の為に装備も追加され、自警団トレーニングログラムを行う

 ▽PT説明

 プレイヤーネーム:レド 日本名:天翔武久

 クラス・学科:錬金術師

 [装備]

 自警細剣 投擲用薬品瓶 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 剣Lv1 投擲Lv1 錬金Lv1 調合ⅢLv1 染料Lv1 園芸Lv1 工作Lv1 味わいⅡLv1 香りⅡLv1 着心地Lv1 染色Lv1


 NPCネーム:ピローテス 日本名:―

 [クラス・学科:錬金術師

 [装備]

 自警細剣 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 スキル]

 剣Lv1 踊りLv2 調合Lv20


 NPCネーム:ティア 日本名:―

 クラス・学科:錬金術師

 [装備]

 自警細剣 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 剣Lv1 歌Lv3 調合Lv10


 プレイヤーネーム:コマリ 日本名:西園寺コマリ

 クラス・学科:錬金術師

 [装備]

 自警杖 錬金術師の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 杖Lv1 回復魔法Lv4 調合Lv10


 プレイヤーネーム:ウルカ 日本名:天川昴

 クラス・学科:忍者

 [装備]

 自警忍者刀 大型手裏剣 忍者の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 忍者刀Lv10 手裏剣Lv10 裁縫Lv14


 プレイヤーネーム:サクヤ 日本名:鳳鳴

 クラス・学科:戦士

 [装備]

 自警槍 戦士の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 槍Lv20 鍛冶Lv10 木工Lv10


 プレイヤーネーム:アリサ 日本名:皐華菜

 クラス・学科:獣使い

 [装備]

 自警大鎌 獣使いの制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 大鎌Lv20 テイムLv1 装飾製作Lv1


 プレイヤーネーム:ヒリュウ 日本名:桜木このは

 クラス・学科:召喚士

 [装備]

 自警斧槍 召喚士の制服 ゼロ組バッジ

 [スキル]

 斧槍Lv20 召喚Lv2 料理Lv25


 プレイヤーネーム:ジョーカー 日本名:―

 クラス・学科:妖盗

 [装備]

 妖盗の制服 ゼロ組バッジ 携帯工作セット

 [スキル]

 召喚Lv1 盗みLv1 工作Lv1


 プレイヤーネーム:アケチ 日本名:―

 クラス・学科:魔偵

 [装備]

 魔偵の制服 ゼロ組バッジ 携帯工作セット

 [スキル]

 召喚Lv1 鑑定Lv1 工作Lv1

 ▽


「おーし。いつも通りの鬼ごっこから始めるぞ。優先するのは体力訓練、次に逃げ足、三番に防御、四番目に節約、五番目に適当だ。ほんじゃ陣形を整えるぞ」

「各自開始」


 レドの説明とウルカの号令で、自警団のプレイヤー達が、指揮官達の元で陣形を整える、何せ場所は草原、有るのは見渡す限りの草と土と地平線だ。


「二人は参謀な」

「了解した」

「了解」

「ピローテスとティアは俺の傍で見ておくといい、なにが経験になるかさっぱりな時代だしな」

「はい」

「うん!」

「サクヤの方は相談役を頼む」

「了解したぞえ」

「ウルカはいつも通りの副官役を頼むぜ」

「了解したが、真面目にやらなければ殴るぞ」

「へいへい」


 各自より陣形整列の報告が上がり、ウルカが報告し、参謀の二人は見渡していた。


「対戦相手に関しては今日はまあ誰かが起こるかもしれないが、一応対人戦な、ゴブリン+コボルト、武装の方は棍棒、弓、パチンコ、防具の方は盾、革製の鎧、指揮官の方は迷ったが、ゴブリンシャーマンだ。所謂の召喚士の主に精霊召喚を行うタイプだ。なお相手側の名称は同盟軍、規模は不明、指揮官傾向も不明、その他の詳細も不明、ただ今回は援軍があるそうだ相手にだが」


 全体から猛烈なブーイングを受けた、特にラストアタックを狙う前衛達は猛然と抗議した。レドが片手を揚げると止まり。


「代わりにVIP、ラストアタックの方はランクアップしている」

「「おお!」」

「なお今回は体力が楽しめる相手のなので、特に逃げ足の訓練に励む」

「「え~」」

「という訳で逃げる準備だ」

「全体逃走準備」

「銃がある」

「ダメだ。訓練にならん、冒険は体力が資本、逃げ足自慢が一番長生きできる」

「なるほど」

「穴掘った方が速くないか」

「いかん、罠など贅沢だ」

「いや贅沢って」

「逃げるのだひたすら逃げるのだ。まあそんな訳で逃げるの準備はしておけ」


 参謀コンビは困った顔で居た。

 前衛から報告が上がる、ウルカが頷いた報告し、レドがあっさりと片手を下ろし、全体が直ぐに逃走し始める。

 こういう時に補助スキルのダッシュなどを持っていると羨まれる。


 所謂のマラソンで有るが、体力の無い体力不足の者からすれば、地獄のようなトレーニングの一つだ。こんな事を毎日するので逃げ足は順調に成長中だ。

 特に防具スキルを持つ者には非常に辛い、何せ重い。

 こんな事をするために誰もが軽量な物を選ぶ、そうでなくても辛いからだ。


「そろそろだ」

「全体停止」


 全体が止まり方向転換を終える。


「妨害」

「妨害部隊は節約しつつ妨害を開始」


 妨害部隊がケチりながら妨害を行う。


「はいいつも通り逃げるぞ」


 再び逃走、逃げまくってから、同じ事を繰り返す。

 新メンバーなどは、体力が兎に角に必要と言う事だけは、よく分かる。

 体力のないティアなどは、へとへとで、何度も倒れるが、姉が起こしてから走らせる。


「イエローが何名か」

「おっしポーション配給開始」

「イエローにポーションを配れ」


 終わったらまた逃走、これを繰り返し、相手からの矢や石かなくなる。

 これをウルカが報告し、レドは片手を上げてから下げる。

 直ぐに指示が飛び、陣形を整え始める。


「1に体力、2逃げ足だ。これが古き良き時代の訓練だ」

「・・・」

「なんて言ったらいいか分からない」

「本来は甲冑などをつけたいが、何せ体力がない」


 二人の参謀は困った顔だ。ピローテスやティアはげんなり、サクヤはいつも通り、ウルカの方は考えていた。


「甲冑か、ふむ。やはり重たい物が良いな」


 他の者がぎょっとした顔になる。特にウルカの性格を知る者は、絶対に辞めて欲しそうだ。しかし無情にも副官は重たい物を考えていた。


「召喚は」

「まだ訓練の途中だ。何せ体力がない、他にも防御スキルなども鍛えなければならない、防御スイッチも鍛えねば、他にもやはり連携というものを学ばないとな」


 参謀の二人は納得していた、訓練中に楽をさせる気は全くないという事を。

 囮に引っかかった敵は、遊撃の陽動にも引っかかり、ウルカの判断で二つの部隊が押し返し、前方中央をひたすら殴る。


「うーむ。今回も訓練にはそれほどならないか。よし攻撃開始」

「攻撃部隊攻撃を開始、召喚士は召喚を開始」


 攻撃が始まった事に参謀の二人は前方を見る。

 攻撃魔法による敵中央へのスペルにより爆発、召喚された従者のサラマンダーが敵を焼き払う、遊撃も節約していたところから攻撃に転じると苛烈な攻撃を食らわせる。


「整列はしなくてもいいぞ、今回は早い者勝ちだ」

「伝えても良いが、チャイムが暴れるぞ」

「アシルに鎮圧させてから適当に説教だ」

「分かった伝えよう」

「父さん」

「ん?」

「踊った方が良いか」

「・・・・いや駄目だ。そんなものは贅沢すぎる」

「ならティアの歌は」

「ダメだ。そんな贅沢は禁止だ」

「攻撃の時ぐらいは良いのではないか」

「・・・・ふむ。次からな」

「分かった」

「ティアの方は体力特化訓練だ」

「酷い!」

「逃げ足が遅すぎる、コマリ並みに酷い」

「う、コマリ」

「敵側の増援が来たぞ後ろだ」

「あーこれは不味い」

「遊撃を後ろに回せ、魔法の方も後ろに回せ」

「了解した」


 指示を出すウルカ、直ぐに遊撃が動き、休んでいた魔法の方も動き直ぐに周辺を殲滅し遊撃の前衛である格闘部隊を集中的に支援する。


「従者は前方を焼き払え、前衛は狩れ、敵側の指揮官は残せ」


 矢継ぎ早にレドが指示を出しウルカが伝える。


「父さん」

「・・・仕方がない、許可は出す」

「よしティア、行くぞ」

「うん」


 ティアが歌い出す【スペル:タイプ歌:生命の歌】

 ピローテスが踊り出す【アーツ:タイプ舞踏:瞑想の舞踏】

 HP回復の歌、MP回復の踊りにより周辺へのバフがかかる。


「素晴らしい」

「おー。こいつは凄い」

「Lvは低いが、二人のアーツやスペルはこちらを重視したものだ。森の都での専門的な教育も受けていた、姫君とティアは気が合うからな」

「なるほど」

「じゃ召喚と行くか」


【召喚:タイプ従者召喚:サラマンダー】が現れる、味方の上空を通り後方への攻撃を行う、自立型機動兵器のように考えたらしい。


「前方の掃討完了、指揮官は長柄が抑えている」

「・・・気に食わんな。何処から後ろに来た」

「・・・忍者を派遣するか」

「ダメだ。忍法の使えない忍者はまだ1年生だ。孤立し撃破されるのが目に見え」

「分かった」

「・・・もしかすればだが」

「なんだジョーカー」

「騎兵、もしくは二つの同盟勢力と言うべきものでは」

「同盟軍だしな」

「ふむ。飛兵も居ないしな。せめて天馬騎士の一騎でもいれば楽だがな」

「偵察を行う部隊の方を新設すべきだ」

「後前衛を増やすべきだな」

「後にそうしよう、しかし二つか、騎兵では乗らない筈はない、騎を置くバカは居ない敵に捕られるからな。とするとどちらから叩くべきか、ふむ」

「偵察部隊を迅速に新設するべきだ。もしくは」

「危険を覚悟に前衛を派遣するかになる」

「スキルの関係でまだ無理なのだ。自警団しても上げてはいるがな」

「3個だからな」

「厳しい物だ」

「ウルカ戦況の方は」

「芳しくない」

「長柄に指揮官を倒させろ、こうなっては態勢を整えしかない、刀剣と鈍器は休ませたままだ」

「二つが戦い、二つが休むか?」

「ああ」

「了解した」


 長柄によって指揮官が倒される、従者が後方に向かいブレスで敵を焼き払う、多少の支援にはなるもの、根本的な偵察部隊、前衛の不足というものは重大な訓練への痛手となる。


『トレーニング中断。ガーディアンに帰還します。詳細は後に程送信しますのでご心配なく、VIPはなし、ラストアタックはなし、全体指揮官はレド。疲れ様でした』


 帰還した後、反省会、参謀二人の意見を元に、ローグ系の偵察部隊、前衛の特に盾を持つ者のみで構成された盾部隊の新設が決まり、盾に関してはアシルになり、刀剣部隊はビルでが担当する。偵察部隊に関しては色々と有ったがウルカに決定した。

 また射撃部隊の客車可能な者のみで構成される弓弩部隊、直射専用の銃器部隊の二つに分けられ、弓弩部隊は引き続きバッシュ、銃器部隊はガンナーでも最強の一人のツグミとなる。

 体力優先、次に逃げ足優先、三番目には防御、四番目には節約と言う優先順位度での自主練も決まる。

 各指揮官の為に専門的な講座もあるが、自警団の為にレドが簡易的に行う。

 指揮系統に確立、全体への伝達、連携法、支援優先順位、スペル、アーツのタイミング及びクールタイムなどの時間からの各種スイッチにタイミング、優先すべき取得推進スキル、トレーニング推進アイテム、今後の事もあり消耗品の生産優先順位etc

 一つ一つを学ぶために時間は必要であり、直ぐには無理なので、今後の優先的に勉強する項目なども追加された。


「騎士」

「どした」

「機甲兵という項目がある」

「有人型のロボットを操るクラスだ」

「使える」

「それがな、まあ必要になる装備が異常に高いんだ。比率で言うのなら生身の個人用の100倍だ」

「初期装備は」

「あるが、酷い装備でな、棍棒なんだ」

「全高」

「約2mと有るが、実際も大きい、一振りで大盾装備の騎士職が吹き飛ぶ程だ」

「スカウトする」

「うーんまあ。そちらのクラスの考えでいえば兎に角に装備代がない、この為に傭兵をしている、何せ一つの装備が高い、他にも維持費も高い」

「スカウトし専用部隊として育成すべきだ。特に偵察部隊との相性は素晴らしい」

「なるほど、偵察か、分かった交渉は任せる。生徒会と交渉するしかないな」

「放課後までに作成する、詳細は後ほど」

「ああ。だが学校には必ず行かないと規定に反し、世界システムより死に程痛い拳骨が飛ぶ、しかも回避は不能だ」

「・・・困る」

「相棒仕方ないだろ。ここは一応学校と言う事になっている」


 参謀の二人は困っていた、自由に動ける時間が減るからだ。


「1秒でもホームルームに間に合わないと酷い目にも遭う」


 自警団の活動の朝方も終わり、帰宅してからの準備を終えてからの登校。


 □


 高等部1年生0組、錬金術師が4名の所属するクラス。

 委員長には固定PTのノラノラのリーダーこのアプリ、自警団の攻撃魔法部隊の指揮官を担当する、投資を使い色々と金を稼ぎ、PTへの支援を行う奴だ。

 副委員長には固定PTの南十字星のリーダーこのリード、現在は弓弩部隊に所属し、指揮官の補佐を行う。

 軽い自己紹介と、人数は17名、学府の方針で20名以下なのが基本だ。

 所属する学生プレイヤーは、固定PTの4個、星空の記録、南十字星、ノラノラ、犯罪者+探偵。

 担任に関しては決まらない筈であったが、必要と言う事でサクヤが行う。

 暇な仕事の者もこの担任に参加し、授業以外を行う予定だ。


「今日の予定じゃが、まずの午前中の授業の代わりに各種説明会、昼食を取ってからの午後はダンジョン区でのトレーニングじゃ、まあ実質的なダンジョントレーニングの時間じゃの、参謀の二人は星空に当座は所属してもらうぞ」

「了解」

「なんでまた」

「まあの妾もここがよく分からない事なのじゃがの、世界システムより必要という強い要求があったそうじゃ、珍しい事じゃ」


 二人が質問を終える。


「そんな訳で講堂に行くぞえ、委員長と副委員長はクラスメイトの指揮を任すぞえ」

「了解した」

「よいのだが、星空が10名にもなるぞ」

「そうなんじゃよ。とはいえ前衛が多い故にそれ程困らない話ではあるの」

「前衛に偏って構成だからな」

「星空で唯一の魔法担当がコマリだしな」

「歌と踊りかよ、反則的に強すぎるだろ」


 極端に前衛に偏っている、PTの星空の為に、後衛なら大歓迎であった。

 委員長のアプリに引率されて向かう。他のクラスでも既に移動を行う。

 講堂に入ると組別になっており、順番に座る。

 講堂での生徒会より説明もあって、主に新しく開放されたダンジョン区の説明等だ。


 担任の説明、担当する授業の説明、ロボットが担当する授業の説明、部活の説明、顧問の説明、自警団の説明、トレーニングメニューの説明とかなり豊富だ。

 これらの説明も全て紙は渡されず、記録端末に転送される。

 また新しく解放されたダンジョン区、この専用の装備が学府の購買部でも販売される。

 新しく支給される学生カード、簡易的なステータス表も記載されたカードで、主にコインの保管用にも使える物。


 これらの説明の後に、昼食、クラスでは食事であるが星空、南、野良には必ず料理スキルを持つ者がいる為に、好みに素材とレシピによって生産された弁当が提供される。

 進学してきた二人と、両学生の二人にはヒリュウよりスタンダートな物が提供された。


 会話は主にPT単位、これには普通の学校ではないので、どうしても連絡が必要であり、特に短時間での連絡は必要不可欠なのだ。

 固定PTの星空と組むC+Dは共闘PTとなる。


「おし。ダンジョン区に行くぞ。じゃあな南、野良」


 二つメンバーが手を振る。

 ダンジョン区に行くと、既にソロが臨時を開いていて、そんなダンジョン区の購買部は、既に新しく増設されていた。


「ジョーカー、どうする」

「まずは灯だ。次にロープ、三番目に棒だ」

「ピッキングツールも必要だ」

「妥当だな。ウルカ選んでくれ」

「別によいが鍵開けなどできんぞ」

「おいおい忍びを指導しているのは俺だぞ」

「であった」


 ウルカが選び、購入した後に、ダンジョンに入る。


 □


 ダンジョンの内部、所謂の初級の場所だ。

 最初の扉を発見した。


「れど~壊そう」


 ヒリュウがこう言うと、ジョーカーとアケチがヒリュウを見つめる、二人の発する雰囲気を言えば何を言っているのだこいつはと言った所だろ。


「ダメだ。ウルカには鍵開けを覚えてもらうという訳で頼むぞウルカ」

「面倒だ」


 ウルカが珍しく面倒臭がる、ヒリュウは目を輝かせ斧槍を握る。


「ダメだ」

「むぅ」

「さてとヒリュウ、適当に休むぞ」

「はーい」


 9名が休む中、ウルカは孤独に鍵開けを行う。

 先頭にはウルカ、その後ろに男子三名、中央にはアリサ、サクヤ、ヒリュウ、レドの養女姉妹の三名は、後方でおしゃべり中だ。


「あっ調味料が、レド調合」

「了解」


 レドが味わいレシピから調味料を作り渡す。

 何もかもが初めての二人は意外そうだ。

 最初にはサクヤに渡す。


「すまんのぅ。これが無いと飯がの」

「サクヤは竜だから普通の食事がダメなんだよ」


 参謀の二人は納得していた。

 サクヤはスープを啜る、見た目が狐人なのでなんとも愛嬌がある。


「次はうーん。三名にするか」


 次は養女姉妹に渡すために創り出す、調味料を変えてから渡した。


「わーありがとうヒリュウさん」

「いつもすまんな」

「ヒリュウ感謝」

「三人はブースデッドヒューマンだからね地球の味覚とは違うんだ」


 これにも参謀コンビは納得した。


「次は地球人の方にと」


 渡されたスープにアリサは迷わずに一気に飲もうとし、ヒリュウに睨まれ渋々少しずつ飲む。

 参謀コンビも飲むと、頷いてから更に飲む。


「ヒリュウの料理は味わって食べる事が原則でな、一気に飲み干すのは禁止なんだ」

「大変だな」

「異星人と付き合うというのは思いの外大変なものだな」

「お前さんらには好い経験じゃないか」

「ああ」

「良い勉強になる」

「おーいウルカ」

「む、難しい」

「誰も手伝わないぞ。お前は忍者だろうが」

「何かで練習させてからの方が覚えやすい」

「ふむ。なら工作を頼む、おいウルカ休みだ」


 苦役から解放されたウルカは、やっとの事でスープにありつく。

 参謀コンビが鍵を調べ、直ぐに携帯工作セットでレプリカを作る。

 ウルカからすれば羨むような器用さだ。

 そんな時にアリサが暇そうにつぶやく。


「暇ねぇ」

「暴れちゃーダメだよアリサ」

「やぁーねー暴れないわよ。軽く刈りたいとは思うけど」


 作られた鍵をウルカに渡し、ウルカはよく分かっていないが嫌な予感がひしひしに感じる。


「練習のカギだ」

「・・・殺すぞ」

「忍者ではないのか?」


 ジョーカーに言われ、ウルカの葛藤は直ぐに鍵を開けようとし、直ぐに失敗する、参謀の二人が教え始める。


「不器用だからウルカは」

「忍者としては辛いよね」

「直ぐに開けられるようになるジョーカーとアケチは優秀なんだ。学園でも1,2を争うな」

「随分な人材を派遣したわね」

「二人にとってみれば地球には興味なさそうだしね。召喚仲間も増えて喜ばしいよ」

「そうねー」


 ただジョーカーとアケチでも苦戦する様な、才能が無さすぎる生徒のウルカの為に、時間が必要だった。

 やっとの事で開いた。

 才能が無さ過ぎた生徒に二人はホッとしていた。


「やっと開いたか、おし前に進むぞ」

「・・」


 ウルカは茫然としていた何故なら開いた扉の前には垂直な壁、そしてウルカは忍者だ。

 リーダーのレドをウルカは見る、珍しく涙目だ。


「俺達がやる」

「感謝する、重ねて感謝する」


 ウルカは相当嬉しかったらしく泣いて喜んでいた。ジョーカーとアケチは工作し、直ぐに道具を作ってからロープで上がる。


「おし上がるが、戦闘組は最後だ。ピローテス」

「分かった父さん。行くぞ」


 姉のピローテスが二人を上がらすが、体力が悲しく、運動神経も悲しい二人は直ぐに失敗した。重い沈黙だ。

 姉の方は簡単に上がるが、双子は頑張っているのはわかるものの全然上がらない。

 見かねたジョーカーとアケチが持ち上げる。

 他の者は直ぐに上がる、忍者のウルカもこう言ったものは得意の為に壁を蹴り上げてさっさと上る。


 上がった通路の先、平均台のような細い通路の周りは穴。

 ジョーカーとアケチは溜息を吐いて双子に近付く。


「双子を頼むぜ、兎に角辛いからな」

「ティアも頑張っているもん」

「コマリも頑張っているもん」


 同じことを言って拗ねた二人が懐から飴を取り出し、直ぐに機嫌が直る。

 少なくても参謀の二人が、このPTには欠かせない存在なのが、誰にも分かった。

 乗った者達は直ぐに通り過ぎる。

 次に現れたのはネズミ、アリサが笑顔で武器を置いて傍による、ネズミはアリサを襲ったがアリサは気にせずに頭を撫でる。これでネズミは敵ではないと判断し困った様な顔でアリサを見る。

 コマリが回復魔法で癒す。

 ティアがネズミの傍による。


「どうしたの~」


 ネズミはティアに話す、ティアはわかるのでうんうんと話を聞く。

 参謀の二人は付いていけない。


「ティアの動物の言葉が分かる、恐らく生き物なら全て」

「天性のテイマーだ」

「コマリは」

「知りたいかアケチ」

「ああ」

「無機物の言葉が分かる」

「凄いな」

「だからな、まあ惑星では色々な事をしていたそうだ。所謂の通訳だな」


 ネズミがアリサの前に立ち、頭を下げてから近くを指さす。


「あら案内してくれるの?」

「きゅ」

「今から案内するからついてきてって」

「了解よ。皆行くわよ」


 案内された場所、小さな穴を通り、通りついた場所はネズミの国ではないが、このネズミ一族が暮らす場所らしく、数多くのネズミが居た。

 案内してくれたネズミに名前を付けキューと名付け、このキューの長老の者なのか代表が前に出る、この代表にティアが挨拶し、キューも説明した。

 他の者には言葉が分からないが、話を聞いたティアが説明した。


「ネズミさん達は、ここで暮らすけど特に困った事はないって、お母さん、何か」

「「お母さん?」」


 参謀が見る、レドは男性型だが、何せ異星人だ。


「色々と有るものなのさ。薬でも作るか、よしヒリュウはスープを配ってくれ」

「はいはーい」


 錬金術師たちが薬を作り、ヒリュウがスープを作ってから提供し、サクヤとアリサはネズミたちと遊び始める。

 参謀コンビは付いていけないが、同じ感想を持つ。


「悪くない」

「ああ」

「やはりレドの仲間だ」

「レドの家族もやっぱりレドの家族だ。来て正解だったな相棒」

「ああ。楽しめそうだ」

「1名ほどあれだがな」

「これからの成長に期待しよう」

「大変だぞ」

「少し酷かった」

「控えめに言うな」


 そんな時にネズミ達が小石をティアと渡す、これをコマリが見てから父親に話す。


「魔法石が」

「砕いてから調合してからネズミ達に提供しよう、俺達は生産用経験値と熟練度で十分だ」

「とても貴重な物」

「彼らの物だ」

「分かった」

「父さん、これはスキルポイント取得のアイテムだ」

「彼らの物だ。一つも受け取ってはいけない物だ」


 こう言う所がとても厳しい人なので姉妹はこれ以上は言わなかった。

 ネズミ達に調合したものを提供し、キューが飲む。


「言葉分かる?」

「ああ」

「何故?」

「皆に配ってからスキルを取得し、これで整えるといい」

「貴方達は」

「俺達は既に貰っている、経験値や熟練度だ」

「・・・欲がないね」

「くだらん」

「貴方は良い人だ」


 ネズミ達から受け取った小石を調合し、これをネズミ達に配った。

 ネズミ達も言葉や魔法スキルを取得していた。

 その後に出ようとすると、キューがついてきたがアリサはにこりと微笑んで帰した。


 次に遭遇したのはスケルトン、小さな短剣に、ボロボロの服、これを見たアリサが一閃し刹那で首を刎ね終えた。


「あら丈夫ね。じゃ」


 今度は縦に兜割りのように縦に両断し、スケルトンは淡い光を放って消滅した。

 動物には優しいが、それ以外には怖い女性なのだと参謀は理解した。


「ん♪」

「被害はなし、敵影見えず、その他の障害物無し、現在は異常なし」

「よし前に進むぞ。動物が出ればアリサとティアに押し付けるぞ」


 一行が返事をする。

 次に出た扉に、ウルカの心は挫けそうだった。コンビが直ぐに複製し、ウルカは必死に練習していた。


 休んでから鍵が開くと進む、垂直の壁、参謀コンビがロープを掛けてから直ぐに上がり、固定した後にティア、コマリの双子を引き上げ、他の者が上がる。

 今度も細い通路と穴、双子を参謀コンビが担ぎ通過し、残りも進む。


 単純な戦闘能力以外を要求されるダンジョンだ。

 一直線に進み、初めての分かれ道につく。

 レドがロウソクを立て、火をつける。

 炎の揺らめきやらなんやらで判断し、他にもコップに水を入れてからも調べる。


「なるほど片一方は地上に通じ、片方は地下に通じるか」

「どうする」

「全員は持ち物検査だ。特にコマリな」


 コマリは嘆息しちゃんと出した。

 レドにこっ酷く怒られ、戻ってから返却し、また戻ってきた。

 こう言う所が仲間から信用されるところではあり、他の者からも一目置かれる良い点ではあるが、欠点でもあるのは考える所だ。

 一言で言うのなら弱き者からは受け取らないという事だ。


「ふむ。変化した」

「・・・何故?」

「よくあるし掛けなのさ、欲をかけば罰し、欲をかかなければ救う」

「・・・」

「弱き者からは一切何も受け取るな、何があっても受け取るのは許さない。その最大の理由は何か分かるか」

「・・・」

「自分達が力を持つからだ。力あるものが得ればどうなる、それは何に当たる、単なる贈り物で住むのなら別に良い、単なるそれで済む世界などないが」

「・・・仲間を危険に合わさないため?」

「ああ。受け取った以上はと考える者は多いぞコマリ、特に欲が深い者はな。だから受け取ってはならないのだ決して」

「分かった」

「カルマの方にも変化が出るだろう」

「・・・」

「世界システムは俺達を観察し、この人達はどうするかを考えるだろう。だから様々な障害や試練を押し付ける、コマリはその試練に失敗した単純にそれだけだ」

「・・・」

「だから学びなさい」

「はい」

「ならよし、さてと進むか」


 レドが前方の壁を調べる、ダンジョンなどに詳しいサクヤは気付いていたがシークレッドドア、隠し扉だ。


「ウルカには荷が重いか、ジョーカー、アケチの二人に経験は積ませるかな」

「分かった」

「だが普通のカギではない、所謂の魔法のカギ、対応する魔法属性に反応して扉の一つのカギが開く仕組みだ。調べてみればわかる」


 二人が頷いてから調べる。


「・・あの女かえ」

「昔の仲間だ。色々と教わった。特に魔法の仕掛けなどもな」

「そうかえ」

「あのくそ盗賊が居れば楽だったがな」


 珍しくレドが汚い言葉を使う、家族にとってみれば初めてだ。

 サクヤが苦笑して尋ねる。


「誰かえ」

「昔、遥か古代の昔、俺、レッド、ポリス、盗賊はPTを組んで様々な惑星を探索していた。地球人からすれば理解に苦しむ事が多い様な探索、冒険だな」

「そうかえ」

「俺は前衛の騎士、レッドは当時はまだ若い海賊、盗賊の方は誰にも負けない盗賊技能、これだけは誰にも負けない、世界の至宝すら容易く手に入れるほどの腕前だ」

「腕が良いの」

「頭は酷い、性格も酷い、最低最悪な奴だったが腕前だけは世界一だった」

「そうかえ」

「そいつは最後に言ったよ。何でゴミの為に生きると」

「その盗賊にとってみれば主もそのように映ったのじゃな」

「ああ。だからそいつと一つ約束をした、俺はゴミ以下の仕事を行い、そいつは人の為に生きると、互いに最後に理解し合うために生きると決めた」

「・・良い奴でははないか」

「彼奴が居ればかなり楽が出来るのだがな、直ぐに逃げ出すからな彼奴は」


 コンビが調べるも全く開かない、困ったジョーカーがレドに声を掛ける。


「無理だ。召喚に反応しない」

「他の魔法属性と言えば回復か、地上に出ててひとまず訓練成功だな。帰還しよう」


 □


 ダンジョンから帰還した時の地上、帰還口の方には健気に待っていたポリスが居た。

 直ぐにレドを癒し、持っていた飲み物を渡す、誰も何も言わないが、アリサとウルカはレドにとても冷たい目で見ていた。


「怒るとは思うけど」

「・・・怒りはしないが、俺は特別扱いが好きじゃない」

「後、レットが人材の事で相談があるって」

「・・・嫌な予感がするな」

「色々な所から話が来ているの、とても多いそうよ」

「やれやれ、レッドの事だ。適当に断るだろうが彼奴は情に弱過ぎるからな」

「ええ。他の人達も集まっているけど、地球人には難しいから」

「分かった夜中にでも行くさ、じゃないと色々だ。後だがお前の所には絶対に夕方以降は何が何でもいかないからな」

「無理しなくてもいいのよ」

「無理してねえよ」


 ポリスが去る、レドは忌々しそうに睨んでいた。

 問題しかないPTだったと分かり、そのリーダーの苦労が伺える。


「さてボケエルフも去ったし、ひとまずは安全か」

「・・・父さん、今は方は」

「話したくない絶対に話したくない」

「昔の女性ですか」

「違う、断じて違う」

「では」

「あの正気じゃないエルフは昔の仲間だ。戦艦に求婚するバカだ」

「そうですか、別に良いのでは」

「良くない、断じて嫌だ」

「残念です。ティアやコマリにも」

「嫌だ。あんなのは嫌だ」

「ならよいのですが」

「問題のない人しかいないね」

「姉さんそれは言っちゃダメ」

「もう一潜りだな。準備してから潜るぞ」


 再びダンジョン区の前に付いた購買部には人は殆どいないが、PTのリーダーのレドが二度目のダンジョン訓練を申請し、購買部への入り口が開く。

 男子3名は、別のコーナーに行く、女子7名は主にウルカ用の装備の方に行く。


「むぅ鍵ばかり」

「あのエルフ」

「・・いかん」

「刎ねておいた方が、色々と都合は好いわよ」

「ダメだ」

「分かったわ。一時保留ね」

「どうしてアリサは直ぐに過激に動くのかなぁ」

「あら邪魔だからよ」

「単純だね」

「キーピックはと」


 物騒な会話をする中、錬金術師の3名はそれぞれの装備を見ていた。

 会話の中心は主に母親はどうするかだ。

 三人の理想としてはリャナのような女性であるが、理想には妥協も必要だ。

 相談役のサクヤとしては常に問題ばかりのPTに、更に追加するような会話に頭を悩ませた。

 男子3名は何も言わず装備を見る。

 主に工作用の物だ。

 妖盗、魔偵の二人の主な戦力は召喚した従者、自らは工作等での生産後に移動に徹するらしい、妖盗のジョーカーには盗みがあり、様々な物を敵より盗め、魔偵のアケチには鑑定があり、様々な物を鑑定できる。


「平和って言いな」

「人間なら喜ぶような話ではある」

「色々な意味でな」

「かもな、ただドラゴンを一瞬で焼き尽くすような女だ」

「「・・・」」

「巨人をあっさりと氷漬けにし、どんな戦闘艦も笑って破壊する、そう言う戦闘能力に特化された戦闘型の魔法使いなんだ。しかも回復魔法を研究し、これで攻撃魔法を開発する様な」

「逃げるか」

「宇宙の隅ですら安全じゃなさそうだ」

「あれでも世話になった、それはとても嫌ではあるが」


 不憫さが漂うような話である。話のような内容の女はさすがに二人もお断りだ。


「姫さんさえいれば助かるのだがな」

「天才の主君か、あの開発者ですら及ばなかった」

「実質的に死んだ以上はどうしようもない」

「まあな。兄が速く復活させることを祈るしかない、特に俺の色々な意味での、特に安全の為にも」


 物騒な女によく言われるらしいレドに、ジョーカーは気の毒でしょうがない。

 アケチとしても、一般的な女性でも紹介しようかとも考えるが、下手したら自分が殺されるので黙っていた。


 □ダンジョン区→初級ダンジョンLv2


 前回の教訓も得て、先頭にはウルカ、その隣にはリーダーのレド、後ろにはジョーカー、アケチの参謀コンビ、その後ろにはヒリュウ、アリサ、サクヤの三名、最後に養女姉妹三名がいる。


『初級Lv2を解放します。PT星空の記録+犯罪者+探偵を確認しました。NPCネズミの要請で、こちらにも進出しますが、出会えば支援する程度です。訓練を開始します』


 最初の広場、二つのルートに別れ、一つの水泳でも楽しめそうな水路、一つの通常の石造りの通路だ。

 二つを見たウルカは石造りの方に向かおうとするが、参謀の二人が止め、レドが道具を取り出した。


「やれやれ用心が足りない」

「む」

「水路の方は恐らく安全だがエネミーが強い、石造りの方は恐らく安全ではないがエネミーが弱い」

「そうなのか」


 コンビが頷く、ウルカの方は簡単にはいかないダンジョントレーニングと再び実感した。

 レドが取り出した銃のような物。


「工作用の道具だ。主に移動用の足場を作る」

「便利な話だ」

「そう言う難関なのがダンジョンだ。単純なフィールドとは訳が違う」

「そうだな」


 レトが工作用の銃で作った足場に乗り込む。

 参謀コンビも足場を作り、少しずつ前進する。

 小石を見たレドは、直ぐに近くの穴を見付け、後方に注意を促す。


「トラップゾーンに来たぞ。なにも拾うなよ。全部罠だ」

「「はーい」」


 引率をするレドではある、進むと飛行するエネミーが現れる。

 所謂の蝙蝠のような体にスケルトンの顔をした生き物だ。

 近くにはもう一種類の小型ヘリコプターだ。


「撃ち落とすのが良いか、それとも焼き払うのが良いか」

「手裏剣で落とせるぞ」

「分かったウルカに任す、後ランプはこちらに」


 レドにランプを渡し、ウルカが取り出した大型十字手裏剣を直ぐに投擲し、一匹と一機を撃ち落とした。地面にトラップが作動し一瞬で燃え上がる。

 沈黙が流れる。

 特に最後尾の三名は硬直していた。


「コンロか、中々好い仕掛けだ」

「これは便利だ。落とせば燃える」


 リーダーとサブリーダーは嬉しそうに言う、参謀コンビは困った顔で見合していた。

 足場を作り進み、現れた飛行型のエネミーはウルカが撃ち落としていた。

 曲がり角に来る。

 レトが立ち止まり周囲を観察していた。

 何せウルカより遥かに優れた忍者の為に、こういう場合においても優れていた。

 そんなレドは直ぐに二つの壁の中央にある、印に気付き苦笑した。


(教科書のマークか)


「道具が足りなかったか、まさかな」

「説明しろポーション」

「中に入れば楽しい経験値が入るが、人にはお勧めしないタイプの奴だ」

「要すればトラップか」

「そう言う可愛い物ではない」

「なんだ」

「アクセレーター、一方通行型の転送床だ」

「厄介な」

「床、か」

「壁の方は」

「壁の方もさらに愉快な経験が出来る様になっている、一つは隠し扉、一つは楽しい警報機器満載の宝物庫だ」

「隠し扉の方に入ろう」

「いや、一度戻り準備を整えよう」

「何故だアケチ」

「相棒、二人ほど不安な奴らがいる」

「そうだった」


 帰還し、ダンジョン区の購買部の近くにあるバーガーショップで休む。

 一つのテーブルを囲み、オーダーしたドリンクが届く。

 ジョーカーが精密な地図を作り、アケチが説明した。


「まず判明したのがこれ位だ。しかしどこに気付いたのだレド」

「一つには宝物のマーク、一つにはさらに楽しいマーク、魔法トラップ付きの扉の印だ。暇な時間に教科書で学んだ物だ。どちらも戦艦には効かないが、人には効果的な物だ」

「どれぐらい小さい」

「電子顕微鏡でも見えないサイズだ」

「なるほど工業用のマークか」

「何せ本体は戦艦だ」

「下手したら全員仲良くトラップの餌食、召喚を取って正解だった」

「待て、Lv1の開けられなかった扉もある」

「確か魔法属性対応扉か、召喚は独立した特殊型だぞ」

「召喚した従者には属性がある」

「なるほど、厄介だな」

「壊した方が速くない」

「ヒリュウ、そう簡単にはいかないのだ。まず地図を見よう」


 参謀達が説明した、簡単に推測できることであったが曲がり角の先には水路との合流地点がある、この合流地点にはおそらくボスがいる。これは戦う選択肢を取るのならそれほど苦労はしない事はわかる。

 では何故隠し扉があったか?

 理由は簡単である、このボスに対する何らかのヒントがあると推測されたのだ。

 簡単に倒せるようなボスではないという事にも繋がり、ヒリュウが壊せばどうなるのかもわからなくなる。

 更に、何故宝物庫があったか、これは恐らくボスに対抗するために武器があると推測された。もしレドが気付かずに進めば一方通行型の転送床に捕まり、そのままボスの所まで転送され、いきなりのボス戦だ。

 これは厳しい。

 参謀達の意見も終わり、レドを除く全員から尊敬の目が注がれる。

 二人は苦笑していた。


「まあもう少しLv1を調べるしかないな。あのトラップはさすがに酷い、工業マークに気付けとかどんだけだよ」

「普通は気付けない、騎士のおかげで全滅は避けられた」

「ドラゴンにも厳しいぞえ、細かい物を見る様には出てない故」

「工作用の道具も要るし、Lv1での経験値稼ぎと、忍者の修行だな。投擲の方は腕前は良かった」

「ああ」

「壁登りの方もよかったが、鍵開けとか縄抜けとか、細かいのが苦手なのだな」

「器用じゃない、鍵開けとかは苦手だ」

「分かった。工作道具でどうにかするしかない、幸い騎士の方も腕前は良い」

「本領じゃないがね」

「獣使いの方は従者だ」

「まあね。あたしとしても家族が居るのは、どうしても嫌なのよ。引き裂くのは可哀そうよ」

「なるほど、なら単独行動をする者か、卵だな」

「ええ。今度探してみるわ」

「召喚士の方は何でも壊そうとするな、それと召喚型の従者の確保だ」

「了解~」

「ドラゴンの方は特に言う事はない、そもそも前衛を担当する方だ」

「了解じゃ」

「残る三名の姉には頑張って貰うしかない、双子の能力は認めよう、しかし体力と運動神経が酷すぎる」


 双子は反省していた。朝方も合戦訓練でも体力不足を指摘されていたからだ。


「ではLv1だな。他のPTも有るし別のLv1にしよう」


 初級Lv1№2となる。

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