032:ガーディアン。其の5
5月11日水曜日。
朝方の自主練、近所の人々に武器の扱い方の指導を行う。
昨日の事もあるが、チャイムは気にしない為に特に問題はないが、アプリは凄く睨んでいた。
「よし今日はちょっとした模擬戦をしよう」
「おい何か妙な事を考えていないか」
「どうどう、落ち着けウルカ」
「・・・まあいい」
「今日は合戦訓練だ」
これに全員が喜ぶ、何せ毎日のようにPVP戦争が有るので腕は磨きたいのだ。
「同じ戦闘系スキルになってくれ」
これに集まる。
武器系は刀剣部隊、格闘部隊、鈍器部隊、長柄部隊、弓弩部隊、銃器部隊。
魔法系は攻撃部隊、妨害部隊、回復部隊、支援部隊、防御部隊。
「じゃ」
『トレーニングプログラムを行いますか』
「ああ」
『了解しました。模擬合戦プログラムを行います。地形を選んでください』
「草原」
『了解しました。推進はイーニャ草原です』
「じゃそこで」
『了解しました。対戦相手を選んでください』
「人型」
『了解しました。推進はスケルトンです』
「それで」
『了解しました。またゴブリンも加える事をお勧めします』
「それで」
『了解しました。スケルトン、ゴブリン同盟軍、指揮官はゴブリンキングです』
『味方指揮官を選んでください』
「俺」
『各部隊指揮官を選んでください』
「少し待ってくれ」
武器を扱う部隊の中でも元も技量の高い者を選ぶ。
格闘部隊の指揮官には我王
刀剣部隊の指揮官にはアシル
鈍器部隊の指揮官にはチャイム
長柄部隊の指揮官にはヒリュウ
射撃部隊の指揮官にはバッシュ
魔法を扱う部隊の指揮官はサクヤが選ぶ。
攻撃部隊の指揮官にはアプリ
妨害部隊の指揮官にはジェネリック
回復部隊の指揮官にはコマリ
支援部隊の指揮官にはフレグランス
防御部隊の指揮官にはシェル
『トレーニングプログラム:合戦、地形:草原、対戦相手:同盟軍、スタート』
見渡す限りの草原、対戦する同盟軍はまだ見えない。
「おーし。部隊は指揮官の元に集まれ、適当に戦うぞ」
こう言うと、ウルカが忍者刀を抜く、もう誰も気にしない、いつもの事だと。
「訓練だしな、気張っても意味はない、あんまり派手な相手でもないし、適当で十分だ」
3月の時代のまだゲームとしての認識しかなかった頃、レドの指揮による『イーニャ草原』『大森林』『鈴々』での戦いは伝説的な物が有り、この為に戦闘指揮に関しては誰もが信頼し、特に指揮下に入った者からは絶大な人気がある。
この為にレドの指揮なら誰もが直ぐに納得する、これが他の者なら大いに揉めてしまう。だが昨日の事もあり、一部の者は不満そうでもあるが、かといって指揮官としての教育を受けたのはレド一人なので大きくは言わない。
暫く待ち。
「おし。今より陣形を整えるぞ」
「「おお~」」
「一番前の中央は長柄、右翼は鈍器、左翼は刀剣、格闘は後詰、その後ろに射撃、魔法はサクヤに任すぞ」
「嫌じゃ」
「適当に押し付けられる人材も居ないし、俺が指揮を執る、おし攻撃は射撃の隣、仲良くしろよ、回復は後衛中央、コマリ怪我はするな、防御は回復の隣、妨害、支援は仲良く最後尾だ。という訳で陣形を整えるぞ」
陣形を整える。
「よーし。今日のトレーニングの重視するのは1に体力、2に体力、3,4が逃げ足だ」
全員からブーイングが起こる。
特にウルカは既に危険な数値で、忍者刀を必死に抑えている。
「じゃあ追加だ。5番目は適当な遊びだな。ウルカがキレそうなので6番目には一応勝利?」
既に我慢の限界に近い忍者少女が一人、近くに待機するサクヤは仕方なしに槍を握る。
「7番目には引き分けと行こう、無理はするな、怪我もするな、引き分けでも訓練なので得るものは大きい、まずはコツ掴むことが重要だ」
誰もが納得し、訓練なので引き分けを狙う言う方針に、何せ今日が初めてだ。いきなり勝利と言うのはハードルが高い、かといっても敗北は死に戻なので誰もが嫌なのだ。
「そんな訳で優先する順位は体力、逃げ足、遊び、勝利?、引き分けだ」
トレーニングを精一杯遊ぶ気なのはよく分かり、指揮官ですらやる気が欠片もない。
「アシル」
「あ?」
「盾アーツは使えるようになったか」
「無理だな。難しいなんてものじゃない」
「・・・そうか、いやありがとう」
「・・・ああ」
「じゃ、適当に遊ぶぞ」
「おいもう敵が現れたぞ」
「おし。全員逃げる準備だ」
凄まじいブーイングが起こる。
レトが片手を揚げると鎮まる。
「最近の若者は何ですぐに戦いたがるのかね、相手戦力も分からない相手と戦いたいのか、構成は」
誰も言えない。
「ひとまず逃げながら相手の把握だ。妨害の方は相手の前衛の足を鈍らせ、他は攻撃するな、絶対にするな」
「「は~い」」
逃げる気満々の指揮官だ。こと戦闘指揮に関しては誰もよく分からない事でもあり、またこんな戦闘指揮など誰も知らない、何より大所帯過ぎて指揮が可能な者も居ない。
襲ってくる同盟軍は、極普通の棍棒、盾を持つ者もいる、防具はゴブリンが革製、スケルトンはボロボロの良く分からない鎧。
「妨害開始」
妨害部隊が【スペル:タイプ妨害:スロウ】を使い相手の前衛の動きを鈍化させた。
「まだ逃げちゃーダメだぞ、情報は集めておくに越したことはない」
色々と言いたい事は有るが、言う事はまともだ。
誰もがやる気もなく、暇そうに相手の観察、動きが鈍いので前衛が踏みつぶされていた。
相手が近づくと、レドが宣言する。
「ハイ降伏しま~す」
「「え?」」
相手は聞いてくれなかった。
「逃げるぞ」
逃げ出した。
「マラソン大会開始」
全員が困った。本当に逃げる気らしい、しかも相手は体力自慢の方々だ。
仕方ないので逃げる。
「部隊の指揮官は最前列に着け、もし逃げ遅れた者が居るなら蹴ってでも逃がせ」
どうも指揮官は蹴り役らしい、指揮官たちは非常に言いたそうだ。
ただひたすら逃げる、逃げるがいずれは体力が尽きるのは明白だ。
そこに全体指揮官のレドが片手を揚げると、立ち止まる。
「おし妨害開始」
再び妨害、相手の前衛が鈍化する。
「攻撃、準備しておけ」
やっとの事で戦う気らしい。
「射撃、曲射可能のみ、攻撃開始」
やる気が全くないが、銃器以外の者曲射射撃を行う。
相手の同盟軍にダメージが入る。
「は~い。攻撃魔法部隊は攻撃開始」
やっとの事で許可が下り、火力大好きの破壊好きたちは、喜んで破壊用のスペルを使う。
相手から矢や石が届く。
「なるほど、やはり軍だな。おし逃げるぞ」
再び逃げ出す。
「ウルカ被害報告を頼む」
「今集める」
「ダメージはどうでもいい」
「?」
「ダメージ以外、バテステなどだ」
「了解した」
逃げ回りながらの被害状況の収集を行う。
ウルカとしてもいいたい事は有るが、被害報告を聞いて舌打ちする。
「毒があった」
「他は」
「ない」
「矢だな」
「・・・集める」
「ああ」
再び集め、報告した。
「矢のみ」
「なるほど、毒矢か、まあむそれなら別に良いか」
レドが片手を揚げると全体が立ち止まる。
「妨害、いつも通りだ」
妨害部隊の指揮官である、薬師クラス代表でもあるジェネリックは直ぐに妨害を行う。
「攻撃魔法、全開で行け」
攻撃部隊の指揮官である、魔法系クラスを束ねるアプリが直ぐに攻撃を開始する。
「回復は解毒を行え、それだけで十分だ」
回復部隊の指揮官である、錬金術師のコマリは頷いで指示を出した。
「射撃、曲射開始」
射撃部隊の指揮官である、獣使いのバッシュは指示を出した。
「防御は前衛に防御を行え、優先は最前列、更に優先するのは長柄」
防御部隊の指揮官である、料理人クラス代表でもあるシェルは考えながら指示を出し始める。
「支援は前衛に支援を行え、優先は最前列、更に優先するのは左翼、右翼、更に優先するのは鈍器」
支援部隊の指揮官である、調香師クラス代表であるフレグランスは考えながら指示を出し始める。
「前衛は防御を優先、撃破は考えなくていいぞ」
逃げ回り、情報を集め、戦う時は防御を優先するらしく、様々な部隊の指揮官たちはレドの指揮をじっと考えていた。
悪くはない、確かに良くはないだろうが、お手本とは言えないし、しかし被害は少なく、負けない為に戦うのがこの全体指揮官に根本的な発想らしい。
この為に粘り強くなるのは考えればわかる。
前衛が防御を優先し戦う、激しい戦いが繰り広げられる。
「前衛に通達、防御を優先しつつ、スイッチにより戦列に交換を行え」
これにより更に防御が強まる。
「イエローゾーンが一人でも出れば逃げるぞ」
良くはない、だが悪くはないそんな感想だ。
ウルカが直ぐに報告し、レドが直ぐに指示を出して逃げる。
ある程度の距離を取る。
レトが片手を揚げる。
「おーし。妨害開始」
妨害がまた妨害する。
「調合スキルを持つ者は薬利を生産、これを被害を受けたのに配れ、代金は俺が持つ」
「細かい数は」
「前衛以外の被害はない、生産スキルを持つ者の多くは後衛だ、ならは前衛指揮官と後衛指揮官は、どうする?」
「考えさせるわけか」
「そうだ。指揮官同士が考えなくなり、交流もなくなった軍はとても危険だ。と言う訳で頑張ってくれ」
丸投げされた指揮官たちは、大いに困るが仕方がないと直ぐに連絡を取り合う。
生産されたポーションにより回復する。
「妨害、妨害開始」
魔法使いたちの中でも高い頻度の妨害、レドにとってみればこの部隊がもっともの要の様だ。
「ウルカ、MP状況の報告を頼む」
「了解した」
直ぐに状況の把握に動く。
サクヤとしてもレドの指揮ぶりは見事であった。満点とはいかないが、勝つために戦う前提のサクヤとは根本的に異なる指揮官で有り、防衛戦を得意とするタイプであるこのレドは、負け戦を数多く経験したたことがよくわかる。
「報告するが、攻撃のMPが厳しい」
「ふむ」
「次に厳しいのは妨害、三番目には回復、残る2つの方は微々たるものだ」
「アプリは火力好きか、よくいる勝ち戦タイプか、まあ経験次第だな、ジェネリックはよく押さている、優れたタイプだ、コマリの方は芳しくない、残る二つの方はあまり良くない、経験次第だな」
「以上だ」
「まあもう少し逃げるか、アプリの火力好きにも困ったものだな」
逃げ回り、ある程度のMP回復を行うと、レドは片手を揚げる。
「訓練も楽しくなってきたし、もう少し頑張るぞ」
労わっているが、全体の意見としては様子見で有る、他の者とは根本的な発想が違うからだ。
「次に近付いたら防御を優先しつつ攻撃も加える。ただ攻撃部隊と妨害部隊は休憩だ」
「何故だ?」
「おいおいアプリMPがやばい、ひゃっはーし過ぎだ」
アプリは指摘されて黙る、MPが厳しいのは部隊の者はよく知っていた。
「妨害の方はMPが厳しいがよくやってくれた感謝する」
「ああ」
「では作戦を変更するかもしれないのでのつもりで」
「了解した」
「後衛はMP節約を覚えろ、アプリはそれが出来ずに消費し、ジェネリックはこれを行ったために消費を抑えた」
高い頻度で有るのにMP消費が二番目なのはこれが理由で有り、攻撃専門とはいえMP消費の事を考えれば二番目のはずなので一番なのはこれが理由だと説明した。
「前衛は防御を覚えろ、特に防御を行う際のスイッチはよく覚えろ、防御スイッチこそがもっとの基本だ。攻撃などついてでいいのだ。なぜなら火力がある以上、前衛が覚える最初の者は防御だ。前衛が破れれば後衛はどうする?それをよく考えてくれ」
尤もの話ではあるが、出来るなら勝ちたいと思うのが人というものだ。
「各指揮官たちは常に前方に立ち、逃げる際には逃げ、逃げ遅れる者は蹴倒しても逃がせ、逃げれなくなるまで逃げるしかない時は必ずある、さてもう少し粘るぞ」
「何が狙いだ?」
「コマリ、解毒の方はどうだ」
「高くはない頻度、最近は減った」
「まあそうなるわな。使えば減るな」
「矢が尽き始める、特に毒矢が尽き始めた、だから減った、だからこれを抑えるために使用を控える、なお減る」
「そうだ。だからこそ後一回は逃げないといけない、これで敵は抑えるという行為をするのか、それとも抑えないという行為を取るのがが分かる」
「今までは敵を知る為の逃げ回りか」
「情報を集める、これが最もの基本だ」
「良い勉強になる」
また逃げる為に準備する、相手が襲ってくる、全員が注意するのは矢、特に毒矢の事は直ぐに調べる、特に射撃の方はこれをよく調べる。射撃の中でも攻撃に参加しない直射の銃器の者は暇ではあるが、指揮官であるバッシュから学んでいた。
「途中から毒矢が尽きた」
「解毒を終えたら逃げるぞ」
解毒を終えてから逃げる。
ある程度離れてからポーションでの回復。
「そろそろ攻撃に移るついでに叩き潰すぞ」
サクヤとしてもこの少年の指揮は解っているので本当についでに戦うらしい。
「左翼、右翼後退、格闘は射撃の護衛を常に行え、射撃は遊撃として独立せよ」
「了解した」
「バッシュが優先するのは一番に節約だ。二番には当てる事、三番には訓練である」
「了解した」
「格闘の方は恐らくわかると思うが、狙われる事になる、しかも本隊からの支援はない、孤独に戦う事になるので、後衛のバッシュ達とは連絡をよく取り合ってくれ」
「了解」
「ポーションを生産し、遊撃に持たせてくれ、よく耐えろよ」
二人の指揮官が頷く、厳密には囮である。
「じゃ適当に戦うぞ、被害は抑え、前衛はスイッチをよくな、陣形変更開始」
動きだし、敵側は絶えず移動しているが体力が尽きる傾向すらない。
中央の長柄は唯一前方にある、指揮官のヒリュウは厳しい顔で指示を出す。
右翼、左翼が下がった理由は誰も知らないが、少なくてもレドが本気で戦う気らしいことはわかる。
狙いはよく分からない、だがこの全体指揮官は良く心得ていたらしい、少なくても指揮の腕前はかつての戦い並みによい事も分かる。
敵方のスケルトン・ゴブリンの同盟軍、すでに矢は尽き、投石の石もない、全体の後衛までも前衛に回し襲ってくる。
長柄部隊の指揮官であるヒリュウは厳しい顔で、敵との戦いを行う、防御を優先し、絶え間なくスイッチを行い、徹底した防御を行いつつ、敵への攻撃妨害も行う、長柄という長さのある武器を使う事で、これを有効に活用するために様々事を考えて戦う、そんな指揮官のヒリュウは最前方で奮戦する、隣にはアリサが支援する。
次第に長柄部隊に敵が集まる、孤軍奮闘する長柄部隊、レドは敵を観察し、もう片方の遊撃の方に連絡する。
遊撃が攻撃を開始、これに敵側が食らいつく。
二分される事で、長柄部隊への攻撃が減る。
「よーし。右翼、左翼は前進、長柄は後退、長柄への回復を優先」
この指揮が直ぐに届き、長柄部隊の指揮官であるヒリュウは直ぐに後退を指示する。
左翼、右翼の二つの部隊も動き、敵が密集する前方へと進む。
これにより長柄部隊への攻撃を行う者達は、長柄部隊の恰好の餌となる。
二つが前に出る事で、一つが下がる事で、前方はへこみ、これに流れる敵は長柄の余裕の攻撃で被害を増やし始める。
左翼、右翼の二つも中央の敵への攻撃優先して行う、これによりフルボッコに遭う敵側の前方中央。
遊撃の方も奮闘、格闘の方も防御を重んじ、スイッチを行っての防御に徹し、射撃が節約を重んじる一方で攻撃を行う、これにより敵側は減っていく一方だ。
魔法の後衛達は、MP節約を行う一方で、前衛への支援を行う、回復の優先度もコマリが考え、主に被害の大きい鈍器への回復を優先していた。
防御部隊は被害の大きい鈍器を優先しつつ、刀剣への防御魔法を行う、支援は刀剣を優先する一方で鈍器と長柄にも両立して行う。
妨害と攻撃は攻撃せずに、MP回復を優先していた。
次第に減少する敵側、戦いに慣れ始める前衛達、支援をよく理解でき始めた後衛達、これにより負けない戦いは、戦う事で減らす戦いへと変わり出した。
「さてと切り札を使うか」
「良いのかえ?」
「敵側の戦力はこちらを下回った以上、もう十分だ。召喚開始」
召喚士達への召喚開始が指示される、やっとの事で行われるが、何故最初に行わないのかは後に聞くことにしたヒリュウだ。
現れたサラマンダーにより敵側が猛烈に減少し始める。
「攻撃、妨害はどうしたい」
「敵側の中央への攻撃、優先するのは敵側の指揮官、これで十分だろう」
「妨害としては遊撃への支援を行いたい」
「両方とも許可する、漸くの勝ち戦だ。あー面倒だった」
他の者としても、こんな事を言うとウルカがまたキレるかも知れないので見るが、忍者娘は耐えていた、相当な我慢をしているらしく顔が鬼気迫る顔だ。
両方の攻撃により、敵側の特に敵中央は手薄になる。
「よし長柄は突撃、好きに暴れろ」
指示により長柄部隊の者はひゃはーして突撃を開始する。
「刀剣と鈍器より我々も暴れたいとの事だ」
「うんまあ別にいいが、勝敗は決したぞ」
「うるさい」
「まあ経験値だな、許可するぜ」
許可された二つの喜んで暴れ出す、敵側の指揮官の首取る、要するにラストアタックを狙うのだ。猛烈な勢いで敵側が減り始める。
特に長柄は暴れる事と暴れる事、他の前衛とは比べようがない速度で敵を減らし、前進する、今回のVIPは長柄に決まりのようなものだ。
敵側の指揮官のごブリンキング、最初に付いたのは長柄、ヒリュウとアリサが襲い掛かる。
星空の苦労人のヒリュウ、星空の姫と言うアリサにより攻撃だ。
他の長柄も猛烈な回りを駆逐する。
刀剣と鈍器は悔しがる、特にラストアタッークーと喚くチャイムを仲間が抑えていた。
後衛達は疲れているために薬を貰い飲んでいた。
遊撃の方もやっとの事で終わりと休む。
こうして一つの訓練戦が終わった。
『トレーニング終了。ガーディアンに帰還します。詳細は後に程送信しますのでご心配なく、VIPは長柄部隊、ラストアタックはヒリュウ、全体指揮官はレド。疲れ様でした』
帰還した時には時間は立たず、費用はレド持ちではあるが、参加した者が寄付して賄った。
戦いの後にアシルが呼ばれる。
騎士クラスのアシルは、レドが呼んだ理由は解っていた。
そんなレトが言う。
「盾アーツは使えそうかアシル」
「努力はするつもりだ。ただまあ難しい、他のアーツの中でも防御系等は最難関の一つだ。特に防御専門の盾は厳しい条件らしい、他の盾使いとも考えたが、今回の合戦で盾があればと思う事は多過ぎるほどだ」
「そうか。俺も盾は専門じゃない、すまんな」
「いい。レドには感謝している、今回の合戦で、俺はあまりに盾アーツを、死にアーツと思っていた。だが違った、盾アーツは戦局すら変えてしまう。今回の戦いで盾アーツがあれば長柄は被害を出さずに済んだ。励むつもりだ」
「ああ応援するよアシル」
アシルが頷いてから去る。
他の指揮官も呼び、一人一人と話す、特にアプリは自分の行動に強く反省していた、MP消費量の多さに自分の頭が回らなかったことが、悔やまれるらしく、全開過ぎたと。
相談役のサクヤとしてもよい結果に、顔が緩む。
何よりウルカが初めて我慢を覚えた、相当な精神を要したらしく疲れて休んでいた。
ラストアタックを決めたヒリュウは、長柄の仲間達との直ぐに換金に行った。
朝方が終わり登校した。
錬金術師達も、既にクラス代表はレドではあるが、補佐には娘のコマリを当てた。
ただレドの事ではあるので、好い奴ではある一方で困った所もある、それは主に中々本心を言わない事だ。あんな仕事について入れは当然とはわかるが、クラスメイトも少しずつ互い知る事を考えた。
そんな昼の時間、珍しい事もある、戦闘・生産系に属する者達、特にレドの近所に住む者達が、それぞれ勉強し始めた、特に分からない事でもあるが簡単に言えば指揮官を担当した者達は、自分達の未熟さに、これをどうにかする為に、学ぶ事を始めた。
とはいえ昼間の前衛達はPVP戦争、魔法系クラスはこの鎮圧、生産系クラスは生産を行い、射撃系は集まっての射撃訓練、忍者に代表されるAGI重視のローグ系は、次の暗躍の為に訓練などだ。
生産系の生産会では、今日も議長を変えての生産会議の話し合い、特に薬師や調香師のクラス代表は、指揮の勉強もしていた。
何かあったのは誰にでもわかり、これにレドが明かした。
戦闘の、特に指揮は難しく、一口に指揮とはいえ、前衛、後衛の分けられ、前衛も武器によって分けられ、更に盾を持つ者と、攻撃と別れる、後衛も魔法使いと射撃に分けられこの中でもレドの近所で住む者達は合戦トレーニングを受けた事と知らせた。
午後の授業中、レドに生徒会より呼び出しがあった。
生徒会に行くと生徒会長のギルドマスターより一つの依頼が提案された。
日本警察の特別警察への査察に対する全プレイヤーの一時雇用だ。
これにレドは受け入れ、全学生は地球用の武装を元に警視庁の所に行く。
□地球『ガーディアン』→警視庁。
「久し振りだねレド」
「お久しぶり随分と老けたな」
「色々と有ったからね。君がコツコツと調べた全汚職や、様々な販売の一斉摘発の記念すべき日だ。君の囮捜査もこれで終了だね」
「長かった、長過ぎたぐらいだ」
「すでに各法律の憲法改正も提案されている、じゃそろそろ警察も動くよ」
「ああ。長かったな、すまんな友よ」
「君には感謝しきれない、あんな仕事を押し付けたことを悔やんだ。今では知る者も随分と減った。腐ったゴミ共一層だ」
仲間も納得した、警察より囮捜査で色々な事をしていたと、道理で警察の事に詳しいのだと。
この日本各地に派遣されたプレイヤー、ヤクザ、武装探偵、日本警察の元、特別警察及び関係各所への査察を行う、立法、行政、司法、自衛隊、医療、教育、ありとあらゆる各所に査察になり、大規模な武力衝突を起こす。
この時にはレドのような囮捜査官も動き、あちらこちらの特別警察の様な汚職勢力は沈黙する。
特別警察内部でも囮捜査官により行動が始まる、その特別警察本部。
囮捜査官のサーフによって制圧された本部、殆どの者が生きているのが不思議なぐらいの重症であるが生きてはいた。
「良かったのかの友よ」
「そう言う私だ。何せ私自身が囮総監でもあのだからな」
「長かったの、かつての復讐が可能じゃよ」
「・・・あの男は」
「生きてはおるの、まああれを生きているというのはあれじゃが」
「そうか、日本酒でも飲むか」
「そうじゃの、儂としては今度はカクテルでも試そうかの」
「何を若者のような」
□
憲法改正、これを基に法律が変わる、かつての憲法を旧法、現在の憲法を新法と言うが、レドの囮捜査官によって関係した各署は、密かに動き、この為に動いていた。
職業別法、職業別査察法、職業別罰則法、職業別規制法、職業別給与法、職業別倫理法etcetc。
これらの他にも団体法改正、ありとあらゆる団体への課税と応じた罰則が定められた。
資本法、資本家に対する資金に対する法、資本家の資本への規制から何までの法律が誕生する。
旅行法、旅行者に対する法律、文化と法律に理解の無い場に対する法律、主に旅行者に対する各国への対応した要求などもある。
所属法、所属した者が犯した犯罪に対してのこの所属先への法律。
これにより日本は特別警察及び関係者や犯罪者を一掃、これを基に武装に関する法律も生まれ、教育に対しての様々な国にからの干渉を規制する法律も生まれ、この一方で、公立であるに限り大学まで無料化、生活費などの初等部からの支援、成人関しても年齢ではなく対応した資格になる、また資格も免許も全ては更新制に移行した。
最大の事は、公務に付く者の給与に関する法律、最高に制限が付き、年俸は国民年俸に比例したものへと変わる。また原則としても公務に付く者も労働者である、よって公務を自分たちの税金で生きている者という言葉に対しては必ず罰則が尽く事となった。
憲法、これに基づいた法律により民主を有りながらも、法治を元にした国造りに移行した。何より政治家という職業は廃止され、立法家、行政家に別れる。
また家族に関する法律もある、恋愛に対する法律もある、親子に対する法律も、兄弟に対する法律も、そう言ったものを含めた家族法、恋愛に対する恋愛法の成立も定められる、学生に対する法律も生まれた。
プレイヤーに対してのプレイヤー法、ゲーム法も成立、ヤクザに対するヤクザ法、武装探偵に対する武装探偵法も成立、自衛隊は法律により国軍と言う言葉は排除される。
公務に付く者への法律、この最大の変更である警察その物の変更、武装警察法の誕生、これにより日本警察は二つに分かれる事となった。
全体的な変更により誕生した新法、これは直ぐに施行される、その大きな理由は他の特別警察勢力からの干渉、即ち軍事力の行使である。
国防法により自衛隊を中心とした国防隊の創設も起き、自衛官と国防官の二軍制となるも、この最大の理由は自衛隊は職業軍人に対し、国防隊は他の職業により軍、平たく言えば傭兵、もしくは市民による軍である。
当然のように官僚に対しても、役人に対しても。
政治家の廃止により議院内閣制も廃止、これを行うのは立法議会、行政議会、外務議会により3議会制に移行、ありとあらゆることへの変更があった。
□
5月12日、新法による統治が始まり、プレイヤーは全く気にせず、日本により新法などもあり、地球『ガーディアン』への対応した弁護士、裁判官、査察官、警察、武装警察の派遣も受けたが、戦闘能力そのものが違う為に、これらに対する生徒会、実行部も関係する事となった。
教育者の派遣はない、その大きな理由は異星の勉強に来ているので対応する知識を持つ教育者が居なかったからだ。当然のように立法家、行政家も居ない、対応する校医すらいない事になる。
レドには囮総監より、やっとの事で10年分の給与を貰う。
ただ破壊した分は引かれた。
教育法の変更により今までの6年生は初等部は4年制、中等部4年制、高等部4年制、
大学部4年制の均一に4年制となった。地球『ガーディアン』高等部1年生、錬金術師クラス。
「おーし。やっとの事で囮捜査は終了、本日より学生として励みますよろしく」
転校生としてレドは居た。
クラスメイトは無視した。コマリも何も言わない。
そんな三女の隣に座る。
「やあ娘よ」
「知らないもん」
「まあまあ互いに色々と話そう、例えばティアの事とか」
「姉さん?」
「実はな、兄もWHO惑星のガーディアン停止には頭を悩ませていてな、とはいえ異星から来るわけにもいかない、かと言って放置するわけにもいかない」
「うん」
「そこで留学生を受け入れる事が決定した」
「うん!」
「彼方でも忙しいので志願者と、勉強してから対応したクラスに受かった場合と言う事になった」
「・・・うん」
「そこでいくつかの話し合いが必要とになると兄は判断し、幾つかの勢力、地球で有るのなら日本と、イーニャ、森の都、海の都、刀京の四都の代表と話す事となった」
「うん」
「まあそんな訳での事はひとまずは時間がそれなりにいる、という訳でこれは7月になった」
「それで」
「イーニャでの代表はリャナだ」
「「おお!」」
「うるさい」
「「・・・」」
「そんな訳でその家族の事もあり、ティア、ピローテスはこちらにくる」
「「ヒャッハー!」」
「やっと暮らせる」
「そんな嬉しいニュースって訳なのさ」
異星との交流もあり、日本の行政府も気を揉むなと言う方が変である、この為に色々と勉強しなくてはならず、他の国家勢力、ヒーローや、リンクスと言った勢力もまだ存在し、旧特別警察と対レド同盟の国家同盟勢力との緊張関係もある。
ちなみに錬金術師の男子はピローテス派、女子はティア派だ。
ピュシーは悔しがっていたが、リャナが説き伏せて何とかなった、ユキカゼとルリも来ることになる。
国外では地球の裏切り者として日本は糾弾されている、このまま袋叩きにならないのも囮総監を恐れているのだ、何せ様々な情報を握る立場だからだ。
今頃鼻歌交じりで楽しい警察の仕事中だ。
午前中の勉強時間を過ごし、昼間、いつもなら騒がしい高等部も静かだ。
錬金術クラスでは大変な騒ぎ、何せアイドルがやってくるようなものだ。
ただ親御さんに喧嘩を売ると酷い目に遭うので、バカは考えるな実行もするなと釘は刺された。
木曜日の放課後、調合の時間である。
その後にログインは学校の都合により休止、近所の者が集まる。
『トレーニングプログラム起動、選択、合戦、トレーニングを開始しますか』
「はい」
『全開の合戦より増加しています、初期より選択してください』
前回通りに選択した。
『トレーニングプログラム:合戦、地形:草原、対戦相手:同盟軍、スタート』
「前回と同じだ。という訳で陣形を整えろ」
「「は~い」」
前回の経験者が新入りに教え、指揮官たちの指示の元に陣形を整える。
基本的に最初は逃げ回り、相手の飛び道具を消耗させながら情報収集を図る為に、整えると前衛達は逃げる準備だ。
「後衛はMP節約を心掛け、妨害は常にMPを気にしながら相手の妨害を行え」
「了解した」
「攻撃に関しては許可があるまで攻撃はするなと言いたいが、アプリには経験がいるので自分の判断をよく考えて行え」
「了解した」
「回復は解毒のみ、これを厳守せよ」
「了解」
「防御は常に前衛へのダメージを理解し、これを緩和せよ」
「了解」
「支援は許可があるまでは待機、主に逃げる事と、調合がある者は連絡があれば配れ」
「了解」
「前衛は逃走準備、射撃もな」
「「了解」」
「ほんじゃ体力訓練いくぞ」
相手が見えたら逃走、近付いたら妨害し逃走、解毒は回復部隊が治療し、イエローゾーンに入った者にはポーション、後はこの繰り返しで相手の矢や石の消耗を強いる。
前回同様の戦いになり、相手の矢や石の攻撃が止まり、経験者はニヤリと笑う。
逃げてからの回復、調合スキルを持つ者達がにこにこと配る。
何せこのトレーニングには経験値が入り、コインも入る。
1日一回ではあるが、貴重な入手手段なのだ。
「おし。皆いいか」
「問題ない」
「おし長柄は囮に成れ、遊撃は準備、左翼、右翼は前回通りだ」
「「了解」」
「開始~」
ウルカが直ぐ殴った、あまりに早かったために反応できずに殴られる。
「真面目にやれ」
「へいへい、よし開始しろ」
前回同様の陣形を整える、長柄部隊の指揮官のヒリュウは前回のような焦りはなく、のんびりと指示を出していた。新しく参加する者には緊張するなと言う方が無理であり、経験者が教えていた。
長柄武器を持つ長柄部隊、その後ろには二つの部隊が待機し、いつもでも前進できるようにする。
刀剣部隊の指揮官であるアシルは、細かく言う事はなく、同じ固定PTの相棒と共に剣を持って待機している。
鈍器部隊のチャイムは、今度こそわ~という言葉を言って仲間に落ち着いてと宥められていた。
「来たぞ」
「おし。前回通りだ。怪我をするなよ」
前回同様な戦いに発展する。
さすがに一度経験すれば対応も滑らかだ。
頃合いを見てからレドが召喚士たちに指示を出す、現れたサラマンダーのブレスにより焼かれる事で淡い光を放ち消える。
これが切っ掛けでの攻撃魔法を扱う攻撃部隊より苛烈な攻撃が始まり、妨害部隊による遊撃への支援も開始される。
支援部隊も全力でバフを掛ける、防御部隊は仕事は終わり一休み。
「そろそろ前衛達が許可を求めるぞ」
「ラストアタックって金になるのか」
「換金用だからな」
「なら整列しよう、前衛だけに美味しい思いはあれだ」
「いや皆の意見としては前衛への褒美でよいと」
「そうかい、なら前衛は整列しよう、ゴブリンキングを倒した者が得る」
「了解だ。よし」
ウルカも指示を出す、四部隊の前衛達が並ぶ、ただ射撃部隊的には格闘部隊の支援を行う気らしい、これを黙認し、腕を振るう。
やっとの事下りた許可に、四部隊は猛烈な勢いで敵を倒す。
淡い光が乱舞する。
今回のラストアタックは意外な事に刀剣部隊だ。
ラストアタックに大喜び。
『トレーニング終了。ガーディアンに帰還します。詳細は後に程送信しますのでご心配なく、VIPは刀剣部隊、ラストアタックはアシル、全体指揮官はレド。疲れ様でした』
□
5月16日月曜日。
生徒会より体育祭、文化祭の二つが提案されたが、予算の都合で延期された。
行政府より派遣された弁護士、裁判官、査察官、警官、武装警官も暇なので勉強中、学生の様に暴けまくる体力はないらしく、鎮圧などは実行部に任せていた。
昼間のPVP戦争時間、色々と有っての前衛達は衝突し、経験値と熟練度を取得するめにひたすら暴れるが、参加しない者は襲わない鉄の掟がある。
生産系のクラスは食事をしながら生産、他にも研究等、勉強やらなんやら、こちらは普通の学生と変わらない、しかし前の日本に馴染めなかったはみ出し者達のアウトロー組、今の日本にも馴染めるかも怪しいものだ。
「今日は暇だね」
ヒリュウが暇そうに言う。
「まあそうね。レドが今日は休みって言うしね」
アリサが暇そうにこう言う。
「うむ。実にいい平和だな」
ウルカが嬉しそうにこう言う。
「学校が始まって初めての昼間が静かのじゃの」
サクヤがこう云う。
「好い事」
コマリがこう言う。
そんな星空の記録のリーダーのレドは、知り合いからの大量のメールを処理していた。
リアルが変わり、世界情勢すらも変わり始めた。
そこにギルドマスターが来る。
全員が挨拶した。
「やあレド君」
「おう」
「囮捜査は完了と言う事でよいのかね」
「もち」
「そうか。世界システムとも話し合ったがクラス分けを行う予定だ」
「そっか」
「世界システムが把握する人間関係に沿ったものだ」
「おう」
「6月までは今の学科クラスに所属する事にさせた。来年もこのようにする予定だ」
「おう」
「高等部の生徒会を任せたい」
「すまん」
「・・・残念だ」
「俺も学校は初めてでさ。よく分か内らないのさ」
「なるほど、確かに君は学校生活とは馴染みが薄かったしね。これは失念していた」
「ああ。まあ代わりに戦闘・生産系区画の自警団長ぐらいはできそうだぜ」
「あの合戦プログラムかね」
「ああ。1日一回だが、今じゃ参加者も増えたぜ」
「ふむ。それはまた。分かった後に伝えよう。では」
ギルドマスターが去る。
□
そんな放課後の部活、学校の方針で運動系1個、文科系1個に別れる事になった、また事情に関しても聞く事となった。
運動系部活の剣術部、高等部最大規模の部活ではレドが刀剣の扱い方を教えていた。
最近は学府1のトラブルメーカーも落ち着いていた。
戦闘・生産系区画に住む学生の、この部活に所属する者達には自警団の事は話し、話を通した者達は快く頷いた。
部活度終わってから帰宅し、その後のログイン、1時間後のログアウト、その後の休んでからの合戦トレーニング。
それぞれから話は聞き、自警団も6月より結成する事となった。
プレイヤーの多くが家族との関係は絶縁、少数派に関してのどうするのか話し合う事となっている。
また来年度の新入生に関してもてすでに志願者は多く、ネットでのこれらを集めているらしい、ただ世界システムが審査し、これを認めた者のみとなる。
日本ではプレイヤーに対しての蔑称は減り、通称はオタクから、プレイヤー、もしくは冒険者となった。
そんな冒険者育成学府は、地球でも珍しい異星攻略を行う本拠地なので、これを目当てに志願者は多いそうだ。ただ日本人以外からの受験資格を得るのは難しそうである。
ヒーロー側からも交流の話は合ったが、レドはそりが合わないとと断った。
武装探偵の学園よりの提案は快く了解した。
プレイヤーからすればヒーローは好きではないからで、武装探偵の方は気が合うのが多いし、仕事を共にするとも多く、知り合いも多いからだ。
プレイヤーへの報酬であったサブカルチャー学科は存続し、プレイヤーへの報酬となる。
武装探偵の公僕版の武装警察も新しい為に、まだ学園を持つかは考えていないそうだ。
ヤクザや犯罪者たちの学園である鳳凰学園は、日本の情勢の変更もありプレイヤーとなら付き合ってもよいという事になり、今は話し合っているところだ。
そんな二つの学園より専門家の教師が派遣される事となった。
武偵学園より司法系への教師として、模範になるべく来る。
鳳凰学園よりローグ系への侠師として、模犯となるべく来る。
自衛隊よりも指揮官育成、ガンナー系への教官が来る。
何やら偏っていはいるが、三人の教師が来ることとなった。
一応教職員組合の方も立ち上がる事となっている。
生徒に関しての留学生の事もあり、模範生と劣等生の二つが決まった。
校医に関しては日本の医者とでは無理と断られた。
この為に保健室はまだ解放されない。
ただやってくる人達には、生命保険などの各種保険には絶対に入ってもらう事となっている、また家族がいた場合は連れてきても学園には入れないので単身赴任だ。
□
5月23日月曜日。
5月も後は七日に近付く、クラス分けも発表され、全生徒が喜ぶような辛い様なそんな人選となった為に、既にあちらこちらでローグ系が暗躍する。
忍者達は生産会の護衛を行い、時には特殊作戦を展開し、このローグ系への妨害も時折行う。
学府の敷地も大幅改造された。
地上に関しては敷地が許可された範囲内で様々な工事が行われ、地下に関しては居住区、この他にも新しくダンジョン区が解放され、獣使い達の強い要望もありテイム可能なエネミーが集まるダンジョンもある、また最強の後衛の一つともいえる様な召喚士たちも、一つの従者のみでは辛いという事もあり、召喚士との従者契約可能な召喚物も解放される。
錬金術師様に人造生命も解放される予定だ。
これらのテイム型従者、サモン型従者、ホムンクルス型従者は一律に従者として扱われる。
また騎士職の者に対する騎獣も解放され、特に地上での訓練も行われる。
一部のローグ系、主に海賊などは海賊船を寄越せと騒ぐが、これは当座は延期された。
忍者達への教育もあり、各地の忍者達から人選が始まっているが、学校としてはレドにこれを任せたいという要望もあるが、学生であり、剣術部の顧問も行い、放課後の居住区での自警団長もするので、負担が大きいとしてレドはこれをことを断った。
ただそんなレドに忍者達は是非教えて欲しいという事もあり、時々教えている。
騎士職の者からは可能ならば、教えを乞いたいという要望もあり、こちらへの考えもある。
忍者達も、騎士達も地球では教われない為に教師には困っているらしい。
機械系の生産者達は、早く教師をと熱望するも、こんな物騒なところへの派遣を希望するところはないらしく、失意の中にいる。
新しく教師候補生という制度も誕生し、レドとサクヤがこれになる事が決定した。
サクヤはドラゴンさんの愛称で親しまれる学校唯一の魔法担当、レドの方は多過ぎてどれにするかは決まっていないが、多くの所より要望が届く。
特に忍者達は教わっているために、もっと教わりたいという強い要望を出しているのでこれに決まりつつあるようだ。
レドとしても色々と有り、昔馴染みに連絡し、海賊への教師を探している。所謂の宇宙海賊だ。ただヒーロー側とつるんでいそうな銀河警察からの連絡はあった。
この為に宇宙海賊、銀河警察の二つよりも派遣される事になりつつある。
宇宙関係ではレドに喧嘩を売るバカは居ない為に、どちらも人選には死に物狂いで選んでいる、下手な人事なら最高責任者の星が壊されるからだ。
教育に関係する事で、こちらの学府はかなり特殊過ぎる心材育成の為に日本行政府も頭を悩ませている。
日本の常識というものを教える必要性が皆無だからだ。
地球の知識と言っても覚えたところで一つの惑星に過ぎない、つまりこの学府は地球唯一の異星への学府、この為に地球知識を教えてもそれほど意味はない。
何せ他の惑星に比べれば非常に遅れた辺境の一つでしかないからだ。
地球人はそう考えないが、宇宙に暮らすものからすればよくこんな環境で暮らせるなと思う様な原始社会ビックリな生活でもある、この為にバカンスに来るようなものだ。
地球ではまだ星間航行すら不可能なのだから仕方がない。
□
騎士職クラス代表のアシル、忍者職クラス代表のウルカより要望書が提出された。
元騎士の為にレドは適任ではあるが、忍者からすれば信用できない教師に比べようがないほどよい人選なので、どうしたものかと悩んだらしい。
古い時代より生きる為にレドは様々な物を身につけているが、特に騎士職、忍者職は数多く行い、これらの方面では有名過ぎる戦艦でもある。
ただレドは惑星を壊す事はない、数多くの戦争の中でも星も壊さないが、権力者には理解できないらしい、常に惑星を壊さないでくれと頼まれる。
どの勢力にとってみても、レドのような惑星サイズの宇宙戦闘艦の性能は強力過ぎ、どうやっても倒せない為に、こんなところまで流れ着いた。
二つの頼みを聞き、二つに教える事にした。
「レド、教師の二人が来たそうじゃ、まあ別によいがの」
「ああ」
来たのは二人、ヒューマンタイプの人々だ。
一人はレドの馴染みである宇宙海賊のレッド、もう一つの銀河警察のポリスだ。
武装はない、その必要は全くない原始社会の惑星だからだ。
「久し振りだな騎士」
「お懐かしい」
「よく来たな、まあ適当に教師でもやる事になっている、惑星では暴れるなよ」
「その点は権力者共が密約でもかわしただろう」
「お話の事は覚えておられますか」
「だから結婚は無理ですと」
「何故です」
「面倒なのが来たな、なんで戦艦に求婚するのかね」
「バカは放って海賊のヒヨコ共は何処だ」
「今呼ぶ、後ポリスは変な事はするなよ、妙な事をしたら放り出すぞ」
「はい」
他の教師も集まり出し、担当するクラスへの説明も行われる。
武装探偵より司法関係、鳳凰学園よりローグ関係、自衛隊より指揮官関係、ガンナー関係となり、宇宙海賊より海賊、銀河警察よりサクヤの補佐となる。
サクヤは教師候補生の決定し、魔法関係、レドは騎士、忍者の二つとなる。
ちなみに教師用の職員室で、レドはポリスは離れている、その多くの理由はポリスはレドにベタ惚れで、しかも押し倒そうとする酷い女だからだ。
そんなポリスはエルフでもあり、強力な魔法文明の中でも古参の存在でもあり、魔法に専門家でもあり、かつてのレドの仲間でもある。
レッドはそんな二人とも長年の友人関係だ。
サクヤを見たポリスは何も言わなかったが、二人は会話すらしない。
エルフと竜の確執は宇宙でも有名で、そんなに種族が顔を合わせれば直ぐに武力衝突を起こす、そんな二人が同じ魔法担当となると、さすがにレッドの方も冷や汗だらだらとしていた。
戦艦に求婚し押し倒そうとするこの変態は、エルフの中でも変わり者過ぎてどうしようもない奴だが、魔法に関しては第1人者、特に生命に関しての事は最高峰過ぎてエルフの魔法関係の最高導師をずっとしている奴だ。
専門は無機物と有機物の子作り及びその関係。
レッドの方は宇宙海賊ではあるが、組織に属する者ではなく、主に惑星探索なども行う、冒険者と同じような仕事の者だ。
このポリスに関しては本名がありしかもとても長いためにもう知る者すら少ない、そんなポリスに養女のコマリを伝えた。
ポリスは涙を流しずっと泣いていた。
「このエルフさんは」
「父さんは古い時代の仲間だ」
「何故泣いているの」
「俺に同族がいる事が嬉しいのだ。しかも家族も居る事が嬉しいのだ」
「優しい人」
「ああそう言う奴だ。まあよく父さんを押し倒そうとはするが」
「・・・変人」
「無理だと言っているのによく押し倒されたよ」
「変態」
「そう言う変わった奴でな、戦艦に求婚する変わり者なんだ」
□
5月30日月曜日。
学府も整い始め、様々なクラスも、クラス分けもあり記念会が開かれる。
レドも錬金術師クラスでの記念会に参加していたが、ポリスが行きたがるので渋々許可したが、聞いたサクヤは槍を取ったが、一応説明した矛を収めてもらった。
レッドの方は海賊たちに色々と説明中だ。
武偵学園より派遣された教師の悪行颯真は、司法関係に回って挨拶していた。
鳳凰学園より派遣された侠師の任侠悪児は、ローグ関係に回って挨拶していた。
特殊過ぎる教師であるが、一番まともな自衛隊特殊作戦群の教官だった焔香は、指揮官育成講座に参加者、ガンナー関係を回って挨拶中だ。
担任は作らない事になった。数が足りない事と、一部の教師が一部のクラスに偏るからだ。
職員室の方でもサクヤとポリスの間には膨大な防御魔法が張られる、何せ相性は敵と敵だ。どうあっても和解はない会えば争うのみの関係なのだから。
戦闘能力があれなので他の教師も巻き添えが無いように配置されている、ただレドはそんな二人の中間にある。他の職員への被害を減らす為だ。
そんな平和な時間が過ぎた。




