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030:ガーディアン。其の3

 4月18日月曜日。

 地球の冒険者育成学府『ガーディアン』、通称は地球『ガーディアン』の午前中だ。

 高等部1年生ではあるが、学生の時間は同じなので似たような内容だ。

 一限目はプレイヤー学、自らの事を学び、終わり頃に小テストを受ける。

 二限目はWHO学、WHO惑星の知識を得る、エネミー学や、素材学もこれに分類される。終わり頃には小テスト。

 三限目は冒険者学、冒険者の職業に必要なすべての知識を学ぶ、知識を学べば必ず小テストを受ける、これをもって一人一人に能力を見るのだ。


 昼飯になり、料理スキルを持つ者から購入する者が殆どで、その理由は節約のため。

 何せ冒険に出ても必ず金になる訳ではない、生産系なら金は直ぐに溜まっても、戦闘系にとってみれば獲物を狩ったりすることが主な収入の元となる。

 この為に生産系と戦闘系は持ちつ持たれずの関係だ。

 戦闘・生産系はソロが多く、固定PTは少数派だ。


 時間が迫る、学校の有り難い昼食の時間だ。

 この素晴らしい時間は、レドにとってみれば幸せタイムだ。


 昼間は学園生活で最大のトラブル発生時間。

 変人や奇人しかいない為に、トラブルばかり、生徒会の主な武力鎮圧を担当する実行部は忙しそうにひたすら鎮圧を行う。

 この為に実行部の対人戦スキルは常に成長中だ。


 当然の様な薬品は必要であり、生徒会より素材と代金を貰い、レドは卒中生産し提供していた。

 誰だって不味い薬品は飲みたくない、なら回復魔法を使えばよいと思うが、回復魔法の方は取ったものその者が少ない少数派なので、貴重なのだ。

 この為にソロで回復魔法スキルを持つ者は、ヒーラー様と呼ばれ常に勧誘を受ける。


 生産系のレシピスペルの方もありそうだが、取得したの者が居ないのだ。最難関のものがレシピスペルなのだから、この為に生産系の者は必死な研究するが当座は先だ。


 戦闘系に属し持続型の回復効果を持つバードやダンサーも居るが、やはり演奏や踊りも困難であり、アーツに該当するが、取得はまだ出来ていない。


 この為にヒーラーによる回復か、錬金術師の調合スキルにより薬品かの二択だ。

 性能や効果が高い薬品は多い、むしろこの方向性の方が最多で有る。

 だが薬品は基本的に不味い、そんなものを毎日飲みたがる者は皆無で、このためにレドの薬品を買い求める者も多い、味が良く安いからだ。


 ポーションに代表される薬品は通称はPOTポット、掛けて回復する事も可能なのだが、60%の回復性能に落ちる、飲めば100%だ。

 そんな訳でレドの薬品は売れない時間はないのだ。

 となると生産用経験値がやたらと入る、熟練度も高まる、当然の様に調合スキルは性能が高まり、また味わいからまた売れる、非常に好循環なのだ。そんな有り難い話で、他の錬金術師たちも悔しいので努力する。飲み易い薬の知識を得る為に、毎日のように図書館に集まる。


 こんな事情もあり、回復魔法スキルも持つコマリは常に忙しい、養父が賢くなく、頭の方は残念な人なので、兎に角に補佐がいる。

 そんなコマリをプレイヤーは出来た娘と呼んでいる。もしくは保母さんだ。

 節約のためにコマリの辻ヒールを受けに来る者もいる。


 誰だった経験値と熟練度は欲しい、この為に色々な意味でトラブルが最大確率で起こるのだ。起きない秒はないほどだ。

 この為に高等部でも二つのアーツを持つサクヤも忙しい、鎮圧の為に実行部の担当者がどう考えても圧倒的に足りないのだ。


 サクヤの他の仲間も同じ様に鎮圧に向かう。

 トラブルばかり起こす問題児の二人もいる為に、より一層トラブルが起こる。

 これを片付けるヒリュウはの苦労が忍ばれる。

 そんなヒリュウを星空の苦労人と呼び、見た目も有るので非常に労わられている。

 戦士型の性格なので戦う時は容赦せず、この為にヒリュウは有名にもなる。そんな訳で、ヒリュウにクラスチェンジの話は多い、特に戦士や騎士からは熱烈にされる。さらに言うのら女性なら間違いなく最初に言う。

 当然の様に断るので、誰がどう考えてもクラス選択のミスであるが、適性の高いヒリュウの事は召喚士のクラスでも有名なので、人気者になってしまう、特に召喚士のクラスでは色々な意味で看板のようなものだ。


 常にトラブルを更に悪化させる問題児の二人。

 あだ名は姫、誰も怖いから略称で呼ぶ、兎に角に物騒過ぎる為に、よく暴れる連中とは好く戦う、その戦闘能力を買われ生徒会からの勧誘もある、戦闘系に属する装鎌士からは絶対にクラスチェンジしてくれと頭を下げられる。

 しかしアリサの獣使いとしての適性は高等部随一なので、獣使い達にとってみれば手放したくない、そうなるとまたトラブルの元となる。

 アリサとしても獣が好きなので、獣使いからのクラスチェンジはしない、と毎度の様に断るが、装鎌士は絶対に諦めない、これがまたトラブルの元。

 この為に獣使い達と、装鎌士はよく武力衝突を起こす。

 結果的にトラブルを更に悪化させるのだ。


 ウルカの方もトラブルばかり起こす、性格の方も有るので、侍からは適性もこともあってクラスチェンジの話は多く、この性格の事から、前衛のクラスからの勧誘も多く、特に前衛の女性からの人気が凄まじく、出会えばすぐに勧誘だ。


 そういう訳で、忍者クラスからは面白くない、何かと陰口をたたかれる、暗いだの、陰険だの、根暗いだの、陰湿だの、そう言った事ばかり言われるので常に我慢していた、何故ならウルカは忍びは忍ぶという性格なのだ。誰もそんなものは信じていないが。

 この少女はそういう事をよく言って戦うが、直ぐにキレて暴れる。これ幸いに忍者クラスの者は相手を襲い、経験値と熟練度を取得する。これにウルカが更にキレて暴れる。


 つまり二人の鎮圧はトラブルの悪化でしかないのだ。

 しかし戦闘能力はずば抜けているので、仕方なしに鎮圧に呼ばれる。

 トラブルを更に悪化させてしまう為に、また鎮圧の為にトラブルという構図だ。


 引率者のサクヤ、この学校唯一の魔法の指導者だ。

 性格もあり、年齢からの言葉もあり、ドラゴンさんの愛称で親しまれる人物だ。

 この為に魔法系のクラスからは絶大な人気を持つ。

 しかしトラブルメーカーの二人がいる為に、この処理の為にいつもいつも走る回る、当然の様に時間はない、魔法系クラスのものからすれば困るのだが、そこで考えた。

 鎮圧に参加すればいいのだと。

 この短絡的過ぎる結果の為に、攻撃魔法を使える者達は戦列を組んで鎮圧に参加する。

 前衛の者からすれば恐怖でしかないようなものだ。

 強力なスペルをあっさりと使ってくる、確かに初期かもしれないが、戦列を組んでスイッチまで使い絶え間ない攻撃を仕掛けてくる。

 この為に攻撃魔法のクラスでは常に戦列訓練だ。

 魔法の特に妨害系を使う者とは相性は素晴らしくよく、動き鈍らせるか、束縛してからの初撃、攻撃魔法での二段構えと居素晴らしい仕組みを考え、実行する迷惑集団だ。

 それだけならマシだった。

 防御系、支援系の者も参加するからだ。

 四列の集団が襲ってくるのは、前衛にとってみれば恐怖そのものだ。

 ヒーラーたちも待機しており、撃破された者の回復を行う。

 これらの者を、実行部の者が逮捕し連行する。


 これらの構図もあり、トラブルばかりの時間を更にトラブルの時間に作り替えてしまう結果になり、レドの薬品は飛ぶように売れるという有り難い話。

 学校の備品は壊れないのがとても不思議なぐらいだ。

 兎に角頑丈に作られているので壊れない。

 ちなみに高等部が最大の規模なので、この昼間の時間は戦争の時間と言い換えても何も変わらない。


 この学校では昼間の時間になるとこれを回避する者、参加する者に別れ、参加する者は武器を取り、参加しない者は主に生産系なので食事する。昼食の時間に毎日飽きもせず行われるトラブルタイム、経験値と熟練度の取得が主な原因で起こるが、この時間をPVP戦争と呼んでいた。

 有り難い話だ。


 □

 ▽

 プレイヤーネーム:レド

 種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 装備:細見剣、地球製の衣類。

 [スキル]

 剣Lv1、錬金Lv2 調合Lv2→ランクアップ

 スキル説明

 剣:剣アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

 錬金:錬金レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

 調合:調合レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

 ▽

『調合がランクアップしました』

『選択してください』

 ・調合Ⅱ

 ・調薬

 ・調香

『調合Ⅱを取得しました』

『調合Ⅱレシピ開放』

『調合Ⅱレシピスペル解放』

『称号を取得しました』

 ・調合士

 調合適正+1、調合にイレギュラー確率Lv1追加、調合関係生産アイテム開放

『レドは調合士を取得しました。おめでとうございます』

 ▽

 プレイヤーネーム:レド

 種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 称号:調合士

 装備:細見剣、地球製の衣類。

 [スキル]

 剣Lv1、錬金Lv2 調合ⅡLv1

 スキルポイント:1P

 ▽

 そんな素晴らしく美味しい時間は過ぎる。


 □


 放課後。

 月曜日の為に高等部最大規模の部活である剣術部。

 ここでレドはアーツの取得のために指導する。レドは錬金術師なのでケガ人が出ても薬を使い癒す。兎に角多忙なのだが、ウルカは常に傍にいる、その理由は高等部でも1,2をアリサと争うトラブルメーカーなのだから、当然の様に監視がいる。

 これがウルカには納得がいかないらしく、非常に不満そうだ。

 役割が逆転したが、天性のトラブルメーカーなので仕方がない。


 剣術部では、主に刀剣を教え、西洋も、東洋も全く関係なし、片手も、双手も、両手も同じ部活で学ぶ。実質的な顧問だ。


 前衛しかいない為に最初に行うのはストレッチ、この後に体力トレーニング、身体能力の向上の為に、様々なトレーニングが用意されている。

 各自のトレーニング用の武器も使われ、まだ平和な時間だ。


 1時間はこんなもので、残る1時間は刀剣スキルの技量上げ。

 刀剣系を使った対人戦で、主にロボットが指導する。


 細見剣の使い手のレドは、他のプレイヤーでは話にならない専用の戦闘機が用意される。

 人型の戦闘機は、細見剣を持ち、レドの技量によって能力が向上するように作られた上級生用の物だ。剣士としては似た様なモノで、防御傾向は主に回避型でもあり、受けもする。他の者では話にならないレベルの物なので、レドでも苦戦するようなものだ。

 たが経験というものだけは、真似できないので、レドにも分はあり、感情がない分この戦闘機も有利でもあり、これらの訓練の結果は似た戦績だ。


 これがウルカにとってみれば非常に面白くない、この為に対戦する忍者刀の使い手、主に忍者は酷い目に遭う。この少女にも本人なりに言い分はあるが、精神的な面ではまだ幼いのだと言えし、戦う者としての精神修行が足りない。


 その為にトラブルばかり起こす、結果的にレドの薬が使われる。こんな事もあるので忍者達の忍者刀を扱う能力は飛躍的に上がる結果に繋がる。結果を言えば忍者達が色々な理由でウルカが役に立っているのだ。不幸のような幸運のような話である。


 翌日、午前中の授業、昼間のPVP戦争、放課後の授業、平和な時間の部活動、火曜日は文科系のなので、調合の時間で、トラブルメーカーの方もこの時間だけは静かに裁縫を行う、このウルカの裁縫の腕前は高く、裁縫師の中では高い成績にある成長の方も高く、裁縫の時間はこの少女にとってみれば心落ち着く時間らしい。


 部活の時間だけは平和なので、この時間は最も良い時間だ。

 部活の後に、帰宅し色々と準備をしたからのログイン。

 戦闘・生産系の星空の記録は、主に生産重視の為に狩りより生産の為に冒険を行うので、誰もが落ち着いた平和な時間だ。


 そんな日々なので水曜日、木曜日となり金曜日となる。

 自由部活動の時間だ。

 いつもならバラバラで動くが、レドが提案し、今日は遊びに出かけた。

 困った事もある、遊び方がよく分からない、そもそも共通の趣味すらない集まりだ。


「じゃあ園芸店に行きたいな」


 レトがそう言うと誰もが不思議そうな顔で少年の目を見る。


「スキルポイントがある、これで園芸を取ろうと思う」

「ふむ。いつもの昼間でもう調合が上がったのか」


 忍者娘がこう言うと、少年の方は頷く、他の者も昼間の時間もよくわかる為に昼間のトラブルで消費される量の膨大な素材も、コインもレドの元に行く。


 結果的にレドの調合はランクアップし、コインが貯まり、このコインの方は主にこの少年の懐に入るが、別に独り占めをする性格ではないので、各自に提供もされ様々な生活費用にも使われる、特にいつも苦労するヒリュウは、料理関係の機械を購入しているし、全員が助かるので、レドもかなり多めだしている。


 他にも様々生活費用や、生産費用などもこの少年が出している。

 金に拘る性格でもないので、リーダーとしての成長は高いのが、全員にとっての幸いだ。


「ああランクはⅢだ」

「2ポイントか、随分と貯めたな」

「いや1ポイントだ。使った方は個人スキルの味わいを標準スキル化した」

「あの味が良くなるスキルか、主に調味料の元だったな」

「お蔭でレシピ開放、レシピスペルも解放された」

「僕にとってみれば助かるね。サクヤの料理には欠かせないし、皆も好きだから、特に最近はコマリもよく食べる様になったし、嬉しい事だね」

「ああ。好い事だ。ただこの味わいというものどういう種類なのかは分からないが、非常に変わっている。何せ味わいというがレシピは主に調味料、レシピスペルの方は二つとも生産用、この二つは美味しくと不味くの二つだ」

「ユニークな物ね」

「随分と変わっておるの」

「何処かで調べる?」

「検索しても一応有ったは有ったんだがな、生活に分類されるスキルなのだ」

「変わっているね。レドのクラスの人達は」

「伝えたところで取れないしな。もう少し研究を進めようと思っている。さて残る1ポイントだ。俺達は生産重視の為に、やはり生産系が欲しい、特に種は大量に有るこれを活用しない手はない」

「他にも服とか」

「装飾とか」

「補助系とかも必要だと思うよ」

「魔法?」

「どれもとてもいるのう。冒険も学校も始まったばかりじゃ、皆も逸る気持ちがあるのだからああして暴れておる。子供なりに成長したがっておるのじゃ」


 サクヤの言う事はそれぞれ分かる、急ぐなとは言えないからだ。急ぐ心があるから成長も早い事にも繋がり、悔しいから努力する事もに繋がるのだから、だから授業の間は私語の一つもない、全員が一生懸命勉強している姿が錬金術師の卵のコマリにもよくわかる。


「俺はある事を予想した恐らく当たると思う」

「なにレド?」

「種の改良だ。味わいを使い、味の良い薬草の種を作る、後は園芸を持つ者や農業を持つ者が栽培し、これを発展させ、量産する事で錬金術師の元に供給されるという構図だ」

「「・・・」」


 5名が沈黙していた。その顔を言い合わすなら何があったという顔だ。何せこの少年の頭の方は地球でのシステムアシストが悪いせいで残念な物であり、学校にも碌に行った事のない奴なのだ。


「最近は勉強をするので、頭が改善されてきた」


 全員が涙した。特にコマリはとても嬉しそうだ。

 涙を拭いたウルカが言う。


「よし園芸ショップだ」


 そこに一人の男がいる。話を聞いていたのかよく見れば大学生であり、プレイヤーにしては珍しい事にメガネをつけ、かなりのインテリ風な男だ。


「話は聞かせてもらったよレド君」

「おっギルドマスターお久」

「好い事だ。これで君に依存や負担が激減する、これは伝えておく」

『諸君』


 説明された。

 そんな訳で園芸ショップに来た、すでに農業と園芸の二つのスキルを持つ生産系の専門家が待機していた。

 超お勧めの物を渡され、レドも園芸のスキルを取る。

 生産系の中でも、特に地味すぎて取る者すら恐ろしく少ないこれらの系統、しかもクラスを持つ者すら少ないという、この為に農家クラスを持つ者は狂喜乱舞に喜んだ。

 錬金術師達も、正直に癪ではあるが何かとお世話にもなるしとあっさりと妥協し。

 これらを栽培し、後はレドの味わいで試し、コマリが調合し作ってみた、味の方はサクヤに試してもらうと、感動していた。この種を農家クラスを持つ者に渡し、やっとのこと昼飯が食べられるとレドなりに喜んだ。


 レドの薬品の一極体制がこれて改善されたことになる。こう言った風に何が役に立つか分からない事が証明され、様々なクラスの者やスキルを持つ者は、互いに情報を交換し始めて、クラス間の交流が大きく進歩した。


 こんな事もあり、錬金術師たちは早く上げて、味わいと園芸の二つのうちどちらかを取るしかないが、主に味わいが選択される事となる。


 今度は料理人クラスの代表者が来た、みんなの胃袋であり、味の方がいつも一緒なのが非常に悩みで有り、どうにかできないかと言った所だ。

 味わいを取れば改善されるが、誰もがスキルポイントがある訳でもない、そこで再び連絡し、農業の専門家が現れる、説明を聞いてすぐに種を用意した。

 味わいを掛けて、園芸で育て、これをヒリュウが試しに作りスキル生産とマニュアル生産の二つだ。味わいとしてはスキルの方は美味しいで有るがイマイチ、マニュアルの方はつい二口と箸が進む。

 マニュアルの方が美味しい事が証明され、料理に関してはマニュアル生産が推進された。

 特に食料品に関しては注文が有るので大量に作業、何せ味わいを持つのはレドのみで、しかも園芸まであるので非常に便利なのだ。

 これによって昼の食事が楽しみになるが、夕飯は抜かれるほど忙しかった。


 真夜中、夜食は健康には悪いのだがとヒリュウがぼやいてから作り、腹が減って目が回りそうなほどに減っていたために、疲労もあり食べてから寝る。


 □


 翌日、朝方から料理人と農家の代表者に頼まれ、今度は香りを取り、香辛料の種を作る。

 用意された物は恐ろしく多く、香辛料の種の全てを行うと一日が過ぎた。


 そんな日曜日、生徒会長より報酬が送られてきた。

 世界級の素材、レドの持つ生産スキルの錬金、調合、園芸の三つがあるので、この三つが送られる。

 錬金の方はレドより遥かに出来るコマリが担当したいが、スキルポイントがないのでこれは控え、調合はコマリの経験値の為に使い、園芸の方はよく分からない。

 再び農家の代表が呼ばれ、連絡は受けていたらしく直ぐに教えてくれた。

 これを育成すると直ぐに成長し、葉っぱが出来る、少したけ切り取ってからレドが調合士、作った。

 ▽

『レドの薬』

 [詳細]

 名称 レドの薬

 素材 世界樹の葉っぱ 薬品用液体

 等級 世界級

 耐久度 1/1

 品質 ☆×4

 完成度 1

 効果

 HP回復Lv4

 MP回復Lv4

 味わいLv2

 香りLv2

 備考

 所謂の世界級に属するクリエイトアイテム。レドの潜在スキルにより品質+1、簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

 評価 E

 ▽

「おっMP回復か、これは有り難い」

「世界級も大量に作れるわけか」

「しかしの、レドの調合をもってしてもこの程度じゃ」

「効果限界、品質による制限、二重混合の限界でもあるわ」

「今度はどうするの?」

「え?いやだって農家の人が、それは作るんじゃないか」


 農家の代表者が首を振る。その理由は成長しきっていない為に種がない。

 種が出来るまで成長するのを待つが、レドの園芸を育てるしかないのだ。

 貧乏くじではないので、全員はホッとした。

 どうも園芸の方も勉強する必要が出来たらしい。

 これに農家の代表は再び首を振る、農家の方から補佐するので安心らしい、何せレドによって農家も随分と改善され、料理人たちもやっとの事で調味料と香辛料の二つが手に入った。後は試行錯誤で、時間が解決してくれると農家の代表は言った。


 ▽

 プレイヤーネーム:レド

 種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 称号:調合士

 装備:細見剣、地球製の衣類。

 [スキル]

 剣Lv1、錬金Lv2 調合ⅢLv1 園芸Lv1 味わいLv1 香りLv1

 ▽


 日曜日の朝方、レドの園芸で育てた農作物での朝食。


「今度は肉かな」


 ヒリュウが言うと、アリサが険しい瞳で睨む。僕っ娘のヒリュウは分かってはいるが、必要なので強く言う。


「動物性たんぱく質はどうしてもいるんだ。これは絶対にいる、そもそも動物も食べるよ」


 これにアリサは解ってはいるが、動物が好きなのでどうしても同意は出来ないといった。

 アリサなりの譲歩らしい。

 二人の成長にサクヤは良い物だと言える。


「せめて卵とかは改善しないと、魚とかも」

「それならいいわ」


 一安心である。


「まだ改善もいるし、当座は本当に大変で困るよ。僕は一人しかいないんだけどね」

「機械の方も必要」


 コマリが言うと誰もが納得した。

 地球の知識に明るい少女の為に、機械や情報にも明るいとても優秀な少女なのだ。


「とはいえ、有機物でもないしな」

「こちらの物資を地球の協力者達に流す、これらから地球の物を得る」

「コマリは賢いのう。会長にも伝えんとの」

「いうのもなんだがな、服はどうする?」


 これには全員が弱った。さすがに服を作る為には一般的にコットンやシルクだ。

 綿花の方はまだ改善できない、シルクの方もそもそも蚕の為に植物ですらない。

 羊なども有るのでウールなども考えられるが、動物の方はアリサが大反対しかねないしとレドは思うが、どうしても必要なのはよく分かる。


「ひとまずは綿花だ。それならどうにかできるだろ」

「園芸も有るし、まあどうにかしてみよう、しかし断っておくが難しいぞ」

「分かってはいる、綿花に対応するスキルがまだ見つかっていない、かといっても簡単にスキルを取る訳にもいかない、着心地というスキルがあればよいが」

「他にも堅いとか」

「素早いが欲しいわ」

「やる事が多過ぎるというのも考えモノじゃな」

「ひとまず着心地を調べるてみる、スキルは膨大だ。これは大変な事になった」


 生産用経験値を使う、ひとまず味わいをランクアップさせる。

 味わいⅡ:味わいⅡレシピ・レシピスペル解放

 スキルポイント:1P

『スキルポイントを使いました』

『生活スキルを選択しました』

『検索開始、HIT、着心地があります。取得しますか』

『着心地取得』


「おう有った、着心地あったしっかりと取れたぞ」

「・・・それはあるとはわかるが、この生活スキルに関しての殆ど分かってはいない、そもそも最近注目された奴だ。生活スキルのレシピスペルはユニークだ。まるで+と-の様だ」

「恐らくそういう物、味が良ければ+し、悪ければ―することで調整する奴」

「それで」

「ひとまずは綿花を買って試そう」


 これらのものが必要なのは、プレイヤーの多くが防具スキルを持たないが、服を取ればどうしても問題が出る、それが着心地だ。他にも強度も、色彩も、それらがどうしてもいるのだ。何せ好みは千差万別だ。男女の違いも有るし、目的の用途もある。


 園芸ショップでの綿花の種を購入し、試す、取れた綿花の綿より、ウルカが連絡した裁縫師のクラス代表がやってきて、これを調べ、ひとまずこの綿花の素材を使い服を作る。

 スキル生産ではあるが、レドが試しに来てみるた。


「おおこれは高い服みたいだ」

「ひとまず成功だ」


 これで裁縫師の方も自由度が増したことになり、裁縫師の代表が種をもって農家の方に行く、ウルカには農家の方も大忙しだろう。特に今日は日曜日だ。ログイン開放まで時間は必死に働くのが分かるが、恐らく喜んで行う。何せ異星の事もあるが、スキルという未知の物でもある。それらが複雑に絡み合い結果としてはどうなるのかは分からない。

 それでも未知というものに強い興味を持つ人種は要る、科学者であり、冒険家であり、冒険者であり、生産者たちも十分興味を示すだろう。

 だからこそコマリの意見は当たる一方、危険性もはらむとウルカにはよくわかる。


(どうしてものか)


 レドは人が好い、特に身内にはとても甘い、それは良い一方、それを利用しようと考え者も出るだろう。当然だ。何せレドは地球のお尋ね者より悪い立場だ。


(ひとまずは様子見だ)


 □


 ▽

 プレイヤーネーム:レド

 種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 称号:調合士

 装備:細見剣、地球製の衣類。

 [スキル]

 剣Lv1、錬金Lv2 調合ⅢLv1 園芸Lv1 味わいⅡLv1 香りLv1 着心地Lv1

 ▽

 プレイヤーネーム:ウルカ

 種族:地球人

 職業:冒険者

 クラス:忍者

 装備:忍者刀、棒手裏剣、地球製の衣類

 [スキル]

 忍者刀Lv1、手裏剣Lv1、裁縫Lv3

 ▽

 プレイヤーネーム:サクヤ

 種族:龍(フォックスに変化中)

 職業:冒険者

 クラス:戦士

 装備:槍、地球製の衣類。

 [スキル]

 槍Lv1、鍛冶Lv2、木工Lv2

 ▽

 プレイヤーネーム:アリサ

 種族:地球人

 クラス:獣使い

 装備:大鎌、地球製の衣類。

 [スキル]

 大鎌Lv1、テイムLv1、装飾製作Lv2。

 ▽

 プレイヤーネーム:ヒリュウ

 種族:地球人

 職業:冒険者

 クラス:召喚士

 装備:斧槍、地球製の衣類。

 [スキル]

 斧槍Lv1、召喚Lv2、料理Lv2

 ▽

 プレイヤーネーム:コマリ

 種族:ブースデッドヒューマン

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 装備:杖、地球製の衣類。

 [スキル]

 杖Lv1、回復魔法Lv2、調合Lv2

 ▽

『星空の記録がログインしました』

 久し振りの皆での朝食。

 レド一家の6名、ウルカ、サクヤ、アリサ一家の3名まではよいが、ヒリュウと元従者達は家族ではないが、今でも交友があり同じ家に住み生活している。

 この為に大所帯なのだ。

 そんな朝を過ごした


『イーニャ』西門の外側に広がる森、エルフ、ダークエルフ、ドリアード、エルダーナイト等が住む『大森林』の出入り口だ。

『大森林出入り口』という場所だ。

 現れるエネミーは

 ・ウィロー:手足の付いた切り株。バッシグ。

 ・スポア:手足の付いたキノコ。バッシグ。

 ・プリン:スライムのようなもの。バッシグ。

 ・ワームテール:手足の付いた球根。アクティブ。

 ・ウッドウルフ:森に住む狼。アクティブ。


 手に入る素材

 ・薬草:葉っぱ、茎、根、花、蜜、実、種等

 ・木:主に木工用

 ・小石:主に細工、調合用

 ・岩:主に鍛冶、調合用


「結構いるな」


 森の入り口の為に、様々なプレイヤーがいるが、戦闘系は少なそうだ。


「よしここならアリサも大丈夫だろ」


 アリサは動物が大切なために、動物を倒そうとすると怒るので、これが他の者の悩みだ。

 そんなアリサはリーダーの言葉にうなずく。


「植物はどうでもいいし」


 アリサは大切なもの、そうでない物がはっきりとしているのだ。


「構成を伝えるぞ」


 前衛:ウルカ、アリサ、サクヤ

 後衛:レド、ヒリュウ、コマリ


「バランス重視という奴だな」

「僕やコマリは良いとしても、レドはどうするの」


 ヒリュウがこう聞くと、攻撃用のアイテムをレドが見せた。

 高速燃焼剤の入った火炎瓶、森用に作られた物で、命中すると高速に燃焼し、高い攻撃力と火炎属性の効果だが、燃焼が速すぎて森に被害が出ないのだ。

 他にも酸の入ったアシッドPOT、酸性の攻撃効果がある。


「戦闘用経験値が入るのレド」


 コマリが聞くと、レドは肯定した。

 他の者これで安心だ。

 レドはPTのリーダーだが、細見剣使いの剣士としても十分戦力になるからで、これを育成する必要があるからだ。


「後投擲も取っておけ」

「いやクロスボウを取ろうかと」

「いいから取れ!」

「説明しろ」

「ああ。簡単だ。クロスボウは確かに良い武器だ。これは認めよう」

「では何故」

「しかし欠点もある、それは矢に括り付ける必要があるからだ」

「言えているな。だがクロスボウ」

「やかましい!いいから取れ!」


 ウルカに言われ、レドは渋々に投擲を取る。

『レドは投擲スキルを取得しました』

 ▽

 プレイヤーネーム:レド

 種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

 職業:冒険者

 クラス:錬金術師

 称号:調合士

 装備:細見剣、地球製の衣類。

 [スキル]

 剣Lv1 投擲Lv1 錬金Lv2 調合ⅢLv1 園芸Lv1 味わいⅡLv1 香りLv1 着心地Lv1

 ▽

 成長しているとはいえ、相変わらずウルカの横暴に虐げられていると他の者は思う。


「うむ。これで手裏剣の互換性が生まれた」

「うわ。賢いよ」

「中々考えたわね」

「合理的」

「・・クロスボウ」


 レドは相当にクロスボウが欲しかったらしく、落ち込んでいたが、他の者はウルカの合理的な考えには賛成だ。

 近くにいた切りウィロー目掛けて手に持つ高速燃焼剤を力一杯に投擲した。

 痛そうなではない、死ぬかもしれない音がし、高速燃焼剤は名前の通り高速に燃焼し切りウィローは淡い光を放ち消滅した。

 サクヤとしてはウルカの横暴で、レドが八つ当たりを覚えた事はどうしたものかと悩む。


「おっ。中々見所あるじゃないか」


 見れば誰もが困った。

 野球のユニフォームを着た少年がいた。近くには同じような服を着込む、バッドを持った少女もいる。


「・・・」

「俺達は野球育成部の者だ。主に投擲の研究をするものだな。こんな風に」


 少年が見事なフォームで近くのプリンを倒す。

 プリンは形があるが、幾らでも変えられるような液体なので、物理系に強い耐性を持つこの為にこの少年の投擲Lvは非常に高い。見た目はあれであるが何せプレイヤーだ、変人、奇人の集まりだと誰もが納得した。


「他にも投擲を取った者への指導も行う」

「教わるよ。しかし凄いな、俺のLvじゃあ無理なんだよ」

「レドに言われると嬉しい様な、よし」


 投擲を教わる。

 本当に投擲の専門家らしく、レドの元々運動が得意な少年なので凄く覚えて身に着けた。

 プリン等に投擲しこつこつと練習。

 ウルカとしては面白くない、折角の手裏剣仲間を増やしたのにと悔しがる。


「そっちの忍者にはこれだ」


 手裏剣を見せる。誰もが困る。

 忍者少女は首を傾げる。


「投擲なら何でもござれ、当然手裏剣も研究している」

「なるほど」

「じゃあ指導する」


 ウルカも手裏剣を習う。本当に投擲の指導者として天性の素質があるのか、ウルカも直ぐに身に着け、格段に攻撃力が増した。


「俺達の研究で、正しい攻撃には攻撃力を補正する効果がある事が判明している、つまり理想近付けばその分攻撃は増す」

「なるほど、感謝する」


 近くに依ってきたウッドウルフをバッドの持った少女が、思いっきりスイングし一発で吹き飛び、信じられない距離を飛んだ後に消えた。

 二人が去る。


「よし投擲品店に行くぞ」

「楽しくなってきた」


 この二人はよく喧嘩するが、仲良しなので誰も何も言わない。

 投擲の店に来る。店の主人に見せられ様々な物が有る。

 ウルカとしては主に手裏剣が使いたいが、武器が小さすぎて扱い易いが、攻撃力が低かったのが悩みで、相応に大きい手裏剣に直ぐに飛びついた。

 レドとしては武器なら何でもござれではあるが、薬品を投擲するための壊れやす物を探していた。そんなレドの注文に、店の主人て頷いて見せた。

 ガラス製のものではあるが、投擲し易い様に工夫された物で、丸い形をしていた。


 ▽アイテム購入

 レド:投擲用薬品瓶

 ウルカ:大型十字手裏剣

 ▽


 誰も何も言わないが、二人は生き生きとした顔で投擲用のアイテムを大量に購入し、レドは直ぐには使えないので、投擲用薬品瓶に薬品を入れる。


「二人は仲が良いよね」

「いつもウルカに虐げられるのに、気の合うのよ」

「幼馴染?」

「違うわ。あたしからしても、ウルカのレドに対する暴力は確かにいけないとは思うけど、そんな関係でも二人は全くお互いを嫌い合わないのよ」

「男女の友情?」

「似た様なモノだね」

「まあ種族が違うからの、レドは戦艦じゃし、子は作れん」


 サクヤの言う言葉に、他の三名は複雑な顔になる。子供が作れない以上にウルカの気持ちも複雑なものが有る事はよくわかるからだ。


「開発者がどうにかするじゃろ。あの男は性格は最悪じゃが頭は恐らく世界一じゃ」

「戦艦を産むの?」

「ヒュムタイプなら人間と同じ」

「あ~確かに」

「・・・まあ♪」


 アリサの気持ちもわかるので誰も言わない。

 ただレドにそんな事を言っても分かるのかは、不思議な話だとヒリュウには思える。


「準備完了、楽しい実験だ」

「うむ。許可する。私も楽しくなってきた」


 非常に気の合う同士だと分かる。

 再びやって来た森の入り口。


「投擲開始」


 レドが投擲用薬品瓶を投げつける、ウルカも大型十字手裏剣を投げる。

 攻撃力は理想のフォームに近付いた事での補正、投擲用、大型に変わった事での攻撃力への+もあり、前回までの比ではない破壊力を見せた。

 二人は喜んで手を打ち鳴らす。


「本当に仲が好いわ」

「馬が合う二人だね」

「仲良きことは良き事」


 投擲と手裏剣で辺り一面の敵を破壊尽くす。

 戦闘用の錬金術師の誕生のようなものだ。


「おし、狩りに行くぞ」

「うむ。実に楽しい」

「構成はどうするのじゃ」

「ウルカとヒリュウは交代」

「了解~」


 投擲用薬品瓶を持つレド、大型十字手裏剣を持つウルカ、見るからに実に楽しそうだ。

 森に入る。

 採取なども行い、一般エネミー(所謂のモブ)を見付けると前衛担当の三名が殲滅する。

 ウルカもレドも生き生きと投擲し、その破壊力は他の類を見ない攻撃力だ。

 特にウルカの手裏剣は、大型の為に人の頭ほどもあるので、当たればとんでもないダメージだ。

 コマリはコツコツと採取、マイペースな少女なのだ。


『緊急ミッション発生、回避は可能です』

「回避はしない」

『緊急ミッションを行います。なお今回の敵はウィロー×12体です。ミッションスタート』

「歩く的が来た」

「この惑星大好き」


 二人がひたすら投げ付けて破壊、ウィローなどではこの二人に耐えられなかったらしい。


『ミッション終了。評価A。ミッションの報酬を後ほど転送します』

『戦闘終了。PT星空の記録、エネミー完全撃破、戦闘用経験値を全員に分配、コインを全員に分配、ドロップアイテムをラストアタックに分配、お疲れ様でした』

「む」

「あ」


 二人が変な声を出す、コマリが見る。


「むぅ。的がなくなった」

「くそ、まさかの薬品切れか」

「レド、薬品なら作る」

「経験値も有るし、コマリ頼む」

「うん」


 コマリが調合スキルのスキル生産での大量生産し、レドにトレードする。

 レドも素材費用も支払って完了だ。


「おいポーション」

「なんだ」

「この手裏剣に薬品は」

「うーん。まあなくはないが、破壊力が高すぎるから、ワンキルだぞ?」

「いいから寄越せ」

「何系」

「ふむ。バテステ系は必要ではないし、とするのならアップ系か」

「魔法付加薬品はまだない。支援系の者が居れば作れるが、取った者は少ないからな」

「うむぅ。困る」

「適当な薬品と言えば、やはり燃焼系だろう」

「どう使う」

「手裏剣に吊り下げるとか。当たれば衝撃で壊れるか、それとも手裏剣との両立した爆発か」

「む。爆発?」

「ああ。錬金術師の中には爆発系が大好きな奴もいる。この為に爆薬を作る者もいるのだ」

「危険な連中だな。やはり殲滅しておくべきか」

「まあ使えはする、ただ俺は爆薬は専門じゃないから、作れないぞ」

「知識にある」

「助かる」

「でも液体用の爆薬素材がない」

「それでなくても別のものとか」

「導火線の付いた手裏剣?」

「いやそれはダメだ」

「ならグリセリン系」

「むぅ。よく分からない」

「説明する?」

「いやいい。私は薬品は専門外だ」

「液体爆薬の入った手裏剣なら可能」

「ふむ。素材があれば作れるのか?」

「うん。作れるけど、とても高難度のアイテムなの」

「おいポーション」

「作れはするが、難しいんだよな。それに爆薬は好きじゃないし」


 そんなレドをウルカがあっさりと殴る。しかしレドは全く気にしない。

 仲は良いが、いつも喧嘩し、レドを虐げるウルカだが、頼りにするのもレドなのだ。


「素材も高いし、専用の生産品も高いし」

「・・・幾らぐらいだ?」

「あんな額を消費するのは正気じゃない」

「むぅ」

「コインは俺達の生命線だ。こればかりは」

「むぅ」

「地球産なら安いけど」

「・・・そんな粗悪品は」

「無理、地球製の性能では、こちらのエネミーにダメージを与えられれば御の字だ」


 薬品の専門家たちはよく知っているらしく、コマリは頭の良い少女でもあるし、レドも最近は勉強し頭が改善しているのは誰にとっても嬉しい事だ。

 ウルカとしても爆発する手裏剣は正直欲しい為に、困った。


「燃焼系なら安いよ」

「・・・分かったスキルで」

「なら製作したいが、今度は別の問題もある、それは手裏剣を製造する為には鍛冶スキルがいる」

「そうだな」

「この素材もスキルも簡単だ」

「ああ」

「しかしだ。手裏剣を製造する鍛冶屋が居ない」

「・・・」

「更に言うのなら、手裏剣を製造する鍛冶屋が居て、これを素材から加工し、これに燃焼系の薬品を加工して使ったとしても、別の問題もある、その最大の問題は複合過ぎて値段が信じられない巨額になる。よく考えろ。確かに手裏剣を製造するのは比較的簡単だ。これを作る素材も簡単だろ。ここまでは安いが、燃焼系を入れ、これを加工するなどもあり、これらに必要な仕組みなどの費用を考えればとんでもない金額だ」

「レドもこの惑星なら頭の良い方」

「つまり導火線の付いた手裏剣のみ?」

「安くするのなら、市販の手裏剣を加工するしかない」

「それを早く言え!」


 長々と説明し、余りに簡単な解決法に、ウルカがキレるが、他の者からすればこの惑星ではレドは説明するような、頭の良い方になってしまう為に、説明が長いのだ。


「しかし金属加工のスキルを持つ者は少ない」

「簡単にはいかないな」

「木工なら可能じゃよ」

「・・・木製の手裏剣なんて嫌だ」

「まあの。酷い性能じゃろうの」

「金属加工用の機械は高い」

「当然のように初期費用ですら高額だ」

「中々上手くいかないね」

「しかも機械系のスキルを持つ者も少ない、生産系も始まったばかり」

「ままならないものね」

「だから発想を変える」


 レドには妙案があるらしく皆が見る


「手裏剣にガラス製のものを取り付ける、確かに突き刺さらなくなるが代わりに燃焼効果を発揮する、俺が使うのと同じようなものだ」

「この惑星なら頭が改善されるな。地球でもマシになって来たし」


 兄の苦労が忍ばれる話しだ。


「何よりこんな単純な仕組みなら誰にでも作れる」

「ふむ。では製作してくれ」

「ただスキル生産が出来ない」

「「・・・」」

「そうなると一つ一つ作るしかないとても大変なのだ」

「スキルは」

「恐らく工作かも」

「スキルポイントはもう使ったし」


 ウルカの野望は潰え、珍しく落ち込んでいた。

 余程仕掛けのある手裏剣が欲しかったのと誰もが思う。


「生産用経験値を使えばまあ何とか」

「感謝する」

「ああ。ただ取れるとしても一つぐらいだ」

「・・・」

「ガラスの方はガラス製造スキルが要るし、工作を取れてもガラス製造スキルが無ければ毎度の様に市販のガラスを大量消費する」

「・・・素材費用は払う」

「ああ。恐らくそんなに高額じゃない、ガラスのとても小さな小瓶程度だ。金額にすればウルカの使う手裏剣より安い」

「それで燃焼系なのか」

「下手に全部作るよりも安く作る方法は常にあるものさ」

「お前のその語尾も特徴的だな」

「癖みたいなもの。錬金術ではガラス素材は作れるが、ガラスを加工し、これを好きなように作る為にはガラス製造スキルがいる。何せサイズから形まで様々だ」

「なるほど、確かにその通りだ」

「単純に生産系クラスとは呼ぶが、そんな物は千差万別だ。単独での生産など誰にでもできない、だから錬金術師と料理人、農家、裁縫師、その他の様々な生産クラスがそれぞれ協力し、どうすれば望む物が作れるのか常に思案しているのさ」

「レドは地球ではシステムアシストの関係ではそれほど頭はよくない、でもここでならとても頼りになる方、だから色々な人が連絡してくる」

「まあな。だがここでは冒険主体なので生産系にとってみても、地球とは切り替えてから生活している。ここはゲーム、あっちはリアルはそんな意味という訳なのさ」

「今度はガラス屋か、金がかかる」

「スキルポイントがあれば相応に作れるまでの我慢という訳だ」


 地球対応のシステムアシストが改善されるも、地球知識が足りなければそれほど良くないのタガ、少なくても地球人にはレドの頭は残念系だ。

 しかしこの惑星でのレドはシステムアシストの関係でかなり回転し、この為に頼りにする人は多く、色々と問題にも対応している。

 両極端な関係でもあるのだ。


 ガラス屋でレドとウルカの二人が色々と調整し、生産用経験値を使い香りをランクアップさせ、香りⅡを取るこれでのスキルポイントを取得し、これを使いレドを工作を取る。


『工作を取得しました』

『工作レシピ開放、レシピスペル解放』


 この後に素材を組み立てる。


『レドは手裏剣を発見した』

『手裏剣:手裏剣(燃焼):燃焼効果』

『レシピに追加されました』


 スキル生産を行う。

 大量の手裏剣(燃焼)を作り、これをトレードした。


「うむ。よい感じだ」

「後は酸とか、爆薬とかかな、付加さえ取れればいいが、彼方は魔法だしな」

「それなら妾が教えよう」

「いやまずは色々と勉強し試行錯誤だ。他にも生産系の方にもとらないともいけないし、経験値がいるなこれは」

「どうするのじゃ森ならば良いが」

「素材が兎に角いる、かき集めた方がいいし、森の出入り口でかき集めよう」

「生徒会に怒られるぞえ、ただでさえ昼間の時間で色々というのじゃから」

「知られないようにこっそりととかは」

「仕方ないわよサクヤ。必要なのよ。今生活スキルを持つのはレド位だし」

「そうなのじゃが、そうなっては他の者も行うじゃろ?」

「うーん。そうだ姫さんを頼ろう」

「姫さん?」

「森の都のお姫様、僕らが助けた、特にレドが作った色々なものが、とてもお気に入りでね、僕らのリーダーは腕の良い調合士だしね。欲しがる人が多過ぎてとても困る位だよ」

「地球では敵、ここでは多くの人が頼る人」

「まあ色々とあるものなのさ」

「森の都に行くぞ」


 □『イーニャ』→『森の都』


「ちーす星空です」

「星空の記録ですか?」

「姫さんに用事があって」

「随分とお変わりになられましたね」

「色々と合ってね。地球での生活や竜の惑星とか、大冒険って奴な」

「なら薬を貰えますか」

「ああ」


 レドの薬を渡す、兵士は匂いを嗅いで直ぐに敬礼した。


「失礼しました。どうぞ通りを」

「悪いね。初期化によって腕が落ちてね」

「いえ十分です。ただ味の方は」

「安心」


 兵士が飲む、実に幸せそうだ。

 兵士も不味い薬にはうんざりしていたらしく、しかも匂いの方もそんなに良くない為に、兵士達の間では早く薬を改良しろと要望を叩きつけていたらしい。だが薬師達も色々とするがとてもできないので、困りきっていたらしい。


 直ぐに騎士の上位の騎士が対応し、城に入る。

 星空の記録が来たことは直ぐに広まり、城の様々な役職の人々が集まる。

 姫の謁見の間で、近衛騎士隊長のチェニ・ル・クォーツが応じた。

 美貌のエルフは一切余裕であるが、PTのリーダーは直ぐに察し、頷く。


「サクヤは来てくれ、他の者はここで待機、何が有っても助けには来るなよ」

「おい」

「考えがある、恐らくサクヤなら可能だ」

「なんじゃよくない事かえ?」

「呪いだ」

「それは困ったのう。確かに妾の知識には解呪などもあるがの、薬と同じように対応したものでなければどうしても無理なのじゃよ」

「大丈夫だ。俺は竜の惑星を知っていた」

「なるほどのう。まあやってみよう」

「助かります。こちらへ」


 案内された姫の部屋、サクヤの顔がとても険しくなる、レドも薬品の事から必要になる薬品を取り出しておく。

 薬師達の長が直ぐに容態を説明した。

 森を維持するためのMPを消費し、森を維持するので、MPを回復させればよいが、初期化によりこれが不可能となった。


「姫さんいるか」

「主、元騎士なのにそれはなかろう」

「そう言う堅い性格じゃない、むしろ柔らかすぎて国民の悩みなんだ」


 サクヤはとても困った。他の者も頷くので、どんな奴なのかすら想像できない。


「姫様、レド殿が来ました」

「はいは~い。開けていいわよ~」


 幾壮年生きた竜も困るような森の姫君だった。

 開いた扉の前にいた女性、見た目はドリアードの女性であり地球人の男性なら喜ぶ様な美貌でありスタイルの女性で、身に着けているのはここは森の城なのだが、水着だった。

 扉が猛烈な勢いで閉まる。


 皆は困った顔だ。

 近衛騎士隊長は片眉をひくひくと動かし、大変な我慢を強いられているらしい。

 近衛騎士も、もう辞めたいとぼやく。


「・・・すまん。妾にも無理な人種じゃ」

「ああいう性格だから、国民全員の共通の悩みでな、特に城の者はこの姫さんにいつも悩まされる、今の様に良くやらかすし」

「・・我慢我慢我慢」


 サクヤはこの近衛騎士隊長を見ると、今にも武器を取りそうなぐらいの顔だ。

 何故、この女性が近衛騎士隊長なのかとてもよくわかり、普通のエルフではとても我慢できないものだ。


「まあ世界級の薬も有るしどうにかなるといいが」

「世界級?」


 チェニが直ぐに食らいつく。


「それがあれば姫の性格も」

「そう言う薬じゃない」


 全員が溜息を吐く、どうも待ち望んでいるのはそちららしい。

 サクヤとしても本当に悩んでいるのはよく分かる。あんな性格の姫君なのだから。


「MP回復効果がある」

「なるほど、確かに良いものですね。しかし世界級ですか」

「色々あるものさ。じゃサクヤは呪いの方を頼む」

「よいがの。あのような性格は呪いではないぞえ」

「性格じゃないのはわかるだろ」

「場を和ますジョークじゃよ」

「相変らずマイペースな方ばかり集まりですね」


 中に入る、今度はマシな格好だが、サクヤが知るルフの恰好とは程遠く地球のアラビアの踊り子のような格好だ。

 堅いというものが一切ない女性らしい。


「これを」


 薬をレドが渡す、姫君はこれを取り、匂いを嗅いで幸せそうな顔になり、味わう様に飲む。


「う~ん。これこそレドの薬、味よし、香りよし、効果もよし」

「・・・・妾はこんなエルフは初めてじゃ、あんな性格の悪すぎる連中に見習わせてやりたいわい」


 他の者はとても何か言いたそうだ。


「あなたは~」

「妾はサクヤじゃ、星空の一人じゃな。新しく入った方じゃよ。魔法が専門での」

「・・・呪いは解ける?」

「妾なら可能じゃろうな。竜の中の龍、知識と記録を担当る古老故に」

「なら安心~」

「よいのかえ。妾は竜じゃぞ?」

「だから?」

「変わった娘子じゃ。森の者が龍を嫌わんとはの」

「プレイヤーでしょ?地球からきている?」

「そうじゃよ。住み心地の良さそうな惑星じゃな。まあ呪いの方は解こう」


 サクヤが魔法を使い呪いを解呪した。強烈な衝撃波が全方位を放たれる。

 姫君はいつもと変わらないが、顔は次第により緩くなる。


「ありがと~サクヤさんのお蔭よ~森が生き返るわ~」

「ええんじゃ。じゃ妾達は帰る故に」

「薬もありがとねレド」

「ああ。後で飲み易い方法も教えておくさ」

「いぇ~い」


 姫君は喜ぶが、他の者は喜んでいるのか、それとも残念がっているのかさっぱりな顔で複雑そうな顔だ。

 レドが薬の知識を教え、薬師達もやっとの事で生産スキルに対応した生活スキルによってまともな味と匂いの薬が作れると喜んだ。


 姫を必死に説き伏せ、何とかまともな格好をさせて謁見の間に来る。ただ護衛のような監視のような近衛騎士たちは油断しない。


「終わったのか」

「呪いだけは解けたし、MP回復効果の薬品はまだ見つかっていないしな、何とかやっとの事、まともな生活スキルによって、まともな薬が出来るようになったにすぎん」

「世界樹でも探すか」

「そうしたいが、俺達の戦闘系のLvは低い、世界樹を守るような存在にはとても歯が立たん単なるモブにすらワンキルだ」

「ひとまずはひとまずだね。いや~ここの料理はおいしいからね」

「生産スキルよ。やっとの事生活スキルが知らされたぐらいなのよ?」

「・・・え~~」

「ヒリュウも料理人に伝えてきたら」

「そうするかなレシピも聞きたいし」


 この事を伝えると、全員が大喜びした。やっとの事美味しくない食事から解放されると。

 この為に食事の改善にヒリュウは貢献した。

 スキル生産や、マニュアル生産の違い、対応した生活スキル、必要な調理用機器の製造法など、幅広く貴重な知識を伝えた。

 レドには様々な植物の種の改良を依頼され、珍しく嫌そうな顔で居たが、何せ膨大な量だ。ウルカが殴ってやらせた。

『森の都』での種の改良が終わり、世界システムも事情を考えての延長を許可したのでレドはこき使われ、長時間も仕事をしていた。

 しかも次から次へと種が来る。さすがにと思ったアリサやヒリュウが言うが、ウルカがいつものように殴って絶対にやれと言ってやらせていた。

 レドは渋々過ぎるだが、見るからに疲れているのが分かる。

 だが生活スキルを持つのはレドのみなので仕方ない事でもある。

 そんな時に不幸の使者が来る。

 近衛騎士隊長のチェニと護衛の近衛騎士が付いた姫君だ。

 用件は簡単である、染料を作って欲しいという物だ。

 チェニが人の悪そうな笑みでニコニコという。

 レドはもう何も言わなかった。


 アリサも、ヒリュウも不憫過ぎて何も言えず、コマリも困った顔をしていたが、ウルカが強制的にやらせた。サクヤとしても魔法を使い癒してから何とかし、不憫と不幸のワンセットが常に寄り添ってしまうレドの状態だ。

 やっとの事で、終わった時にはすでに一週間、不眠不休、飲み食いすら無し、このままでは本当に死ぬかもしれないというが、ウルカは戦艦は死なんと言ってやらせた。

 ボロボロになった地球に戻る。事情の事は知らされていたので、特別に休養が渡された。

 その後の補習などもあり、更に一週間が過ぎた。

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