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028:ガーディアン。其の1

『星空の記録がログインしました』

WHOの共同住宅、こちらでの家族が暮らすところでもある、全プレイヤーの初期化を受け、こちらのNPCも初期化されたらしく、大混乱だったらしい。

始まりの町『イーニャ』のNPC達も、さっぱりと分からなかったために、ログインしてきたPCに尋ね、事情を知るレドが説明した。

この事を初期化の日、もしくはスタートの日と呼ぶようになる、全初期化ではなかったが、様々な事があり、この『イーニャ』でもやっとのこと生活が始まる事となる。

プレイヤーネーム:レド

種族:ブースデッドヒューマン(戦艦タイプ)

職業:冒険者

クラス:錬金術師

装備:剣、地球製の衣類。

[スキル]

剣Lv1、錬金Lv1、調合Lv1

スキル説明

剣:剣アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

錬金:錬金レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

調合:調合レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

プレイヤーネーム:ウルカ

種族:地球人

職業:冒険者

クラス:忍者

装備:忍者刀、地球製の衣類

[スキル]

忍者刀Lv1、手裏剣Lv1、裁縫Lv1

スキル説明

忍者刀:忍者アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

手裏剣:手裏剣アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

裁縫:裁縫レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

プレイヤーネーム:サクヤ

種族:龍(フォックスに変化中)

職業:冒険者

クラス:戦士

装備:槍、地球製の衣類。

[スキル]

槍Lv1、鍛冶Lv1、木工Lv1

スキル説明

槍:槍アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

鍛冶:鍛冶レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

木工:木工レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

プレイヤーネーム:アリサ

種族:地球人

クラス:獣使い

装備:大鎌、地球製の衣類。

[スキル]

大鎌Lv1、テイムLv1、装飾製作Lv1。

スキル説明

大鎌:大鎌アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

テイム:テイム型従者を連れる事が可能、Lvに依存した補正を従者に与える。

装飾製作:装飾レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

プレイヤーネーム:ヒリュウ

種族:地球人

職業:冒険者

クラス:召喚士

装備:斧槍、地球製の衣類。

[スキル]

斧槍Lv1、召喚Lv1、料理Lv1

スキル説明

斧槍:斧槍アーツ使用可能、Lvに依存した補正有り。

召喚:サモン型従者を召喚可能、Lvに依存したストックを解放。

料理:料理レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

プレイヤーネーム:コマリ

種族:ブースデッドヒューマン

職業:冒険者

クラス:錬金術師

装備:杖、地球製の衣類。

[スキル]

杖Lv1、回復魔法Lv1、調合Lv1

スキル説明

杖:杖サポート使用可能、Lvに依存した補正有り。

回復魔法:回復魔法スペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

調合:調合レシピ・レシピスペル使用可能、Lvに依存した補正有り。

こちらでの朝方の午前6時より説明等を行い、正午。

コマリとティアは同じ種族、正真正銘の双子だった。

コマリは涙し、ティアはそんな妹を温かく抱きしめていた。

ちなみにレドは男性型のブースデッドヒューマンだ。本体は戦艦であるが、それも話した。こちらではよく分からないので、この惑星を守っていると伝えた。

そんなティアが頼み、コマリはレドの養女となった。

大人数で動く必要はないので、コマリが落ち着いてから、PTでの狩に出る。


『イーニャ』の南側に広がる『イーニャ草原』に来た。

『ガーディアン』のこの辺りの情報は学んでいた。


主に低Lvのリトルウルフ(小さな狼)、リトルボア(小さな猪)、ラビット(単なる兎)、ヒヨコ虫(愛嬌のある変な生き物)、リトルベア(小さな熊)、攻撃草(植物系エネミー、近付くと葉っぱで攻撃する)位だ。


手に入る素材は、小石(主に細工用、砕くとバフ効果を持つ薬の元とバフ効果を持つ塗料の元)、薬草(回復用、解毒用、薬物ブースト用の三種類)、花(飲料用の蜜、香水用の花弁この原料となる)、実(種は農業用、果肉は料理用)位だ。


「広くなっているな」


見渡す限りの草原だ。全プレイヤーが居ても密集すらしない、戦闘系の者は早速の狩だ。生産系の者は素材を集めている、二つを両立する戦闘・生産系は最も少ない、その理由はどっちつかずになるからだ。この為にPTでは主に生産を重視する。

しかし素材を集める為には、戦闘能力を上げる必要があり、この為に狩りをメインに行う予定でもある。


戦闘系に分類される者は1万名、生産系に分類される者は8千名、戦闘・生産系に分類される者は2千名だ。何せ初期スキルが少なかったためにこうなった。


「おし狩るぞ」

「「おお~」」


歩きだし、直ぐにエンカウントした。攻撃草、全長1メートルほどの移動しない固定タイプの植物。だが攻撃はばっちりしてくる。

ちなみにPCはセーブポイントに送られるが、復活はする、ただデスペナルティもあり、また痛い為に誰も死に戻りは嫌だろう。


それぞれが武器を取る。


「ひとまず実験だ。ヒリュウは召喚」

「了解~」


召喚は一定のMPを消費し、タイプ別の召喚を可能とするものだ。一度召喚すれば持続的に扱え、消費する事はないが、帰還させてからの再度の召喚はMPを消費する。

【召喚:タイプ従者:サラマンダー】

火トカゲが現れる、ただLvが低い為にあまり強そうには見えず、一応空中に浮いて体の周りには小さな炎が巻き起こる、どうやら命令待ちらしい。


「やっちゃえサラマンダー」


サラマンダーが、攻撃草にブレスを吐く、攻撃草は葉っぱで本体を守る。

攻撃が終わるも、攻撃草のHPゲージは半分に減っただけの倒せずにいた。


「うーん。防御されるとブレス効果が減るんだよねえ」


固定タイプのエネミーは必ず防御機能がある、しかもブレス系への防御性能は高く、50%もカットされる。プレイヤーはこんな固定タイプを、足止め野郎と呼ぶ。

移動しないために回避はしない分、硬いのだ。


「はい♪」

「ダメだ」

「え~草は刈るべきよ~あたしの鎌でね♪」


色々と合ったが、アリサに攻撃させると碌な事がないのは誰もが知る。


「ひとまず私とアリサで攻撃するのは」


サブリーダーのウルカが言う、折衷策の様だが、アリサはうんうんと頷いていた。余程暴れたいらしい、ただレドの頭には特別警察本部でのアリサの物騒過ぎる行為がある為にどうしても頷けない。

あの後、二つの組織より、アリサだけは連れてくるなと言われた。

武装探偵組織の者達からは、アリサだけは勘弁してくれと言われるほどだ。

ヤクザですらアリサとは戦いたくないらしく、下の者にこいつを見たら絶対に近付くな目も合わすな話もするな、そんな風なお達しが出る程。

この二つの勢力からしても、アリサの物騒過ぎる行為は胆が冷えたらしく、あんな物騒なものを見て、アリサに声を掛ける様な破滅志願者は皆無だった。

とても困るレドだった。

そんなアリサに攻撃を許可すると、笑って刈るからだ。


「・・・どうしよう」


とても困っていた。


「しかしLvはあげるしかない」


ウルカは冷静に言う、この指摘は確かに頷ける。

レドは渋々に頷き許可した。


「草刈り♪」

「うむ。支援する」


二人が左右に飛び出し、ウルカは忍者刀を正眼に構え、突き刺す構えだ。攻撃草はウルカよりアリサを脅威と判断したらしく、葉っぱで攻撃するも、アリサの攻撃でこの葉っぱが刈られた。

どうも植物系エネミーには大鎌は特攻効果があるらしく、サラマンダーのブレスを防ぐほどの、強固な防御を可能とした葉っぱを、あっさりと刈ったのだから、だから攻撃草はアリサを脅威と判断したらしい。

そこにウルカの忍者刀が攻撃草の本体に深々と突き刺さり、ウルカがアーツを使う。

《アーツ:タイプ忍者刀:烈火突き》

高速の突きが放たれ、パイルアンカーのような光剣が本体を貫通した。

HPゲージはなくなり、攻撃草は淡い光を放って消滅した。


『戦闘終了。PT星空の記録、エネミー完全撃破、戦闘用経験値を全員に分配、コインを全員に分配、ドロップアイテムをラストアタックに分配、お疲れ様でした』


WHOの世界システムより各自の視界に表示されるシステムメッセージ。

戦闘用経験値は戦闘系に属するスキル用の経験値で、戦闘をすることで得られる、逆に生産系に属する経験値は生産用経験値という。

コインはこの惑星の通貨であり、プレイヤー達の町の通貨だ。PTもソロも基本的に同額が支払われる。

ドロップアイテムはラストアタックを行えた者のみで、エネミーでしか得られない。


「よし次に行こう」


次に行くのだが、近くにあった小石と薬草を掴み採取した。


『採取完了。生産用経験値を取得、素材をアイテムボックスに転送しました』


採取するとこうなるらしいことが分かった。


再びエンカウント。

今度はラビット、単なる兎の為に攻撃しなければ干渉しないタイプのバッシグ型エネミーだ。


「うーん。美味しそう」


料理スキルの為にヒリュウが言う、動物好きのアリサが睨む、コマリとしてもこんな小動物を虐めのは心が痛み、ウルカとしては毛皮が非常に気になる。


「こいつはパス、兎はNPCの物にしておこう」

「え~」

「毛皮がかなり上質の様な」

「動物を虐めないで!」

「はーい」

「う、うむ」


動物と人間の不等式が違う気がしてならないが、レドは言わなかった。

次にエンカウントしたリトルウルフ、アリサが直ぐに二人を睨む、二人は視線を逸らす。

これもパスとして、次にはリトルボア、アリサが直ぐに二人を睨む、これもパスし、次のヒヨコ虫、これはアリサ的にも可愛いがOKだった。そもそもアクティブ型エネミーなのだから、襲ってくる。

魚のようなヒレ、背びれ、尾、動物のような体、全長は30cmほど。

口から火炎属性のブレスを吐き攻撃してくる、これを火トカゲのサラマンダーが受け、同じ火炎属性なのでダメージは大幅にカットされる。


「サラマンダーさん」


【スペル:タイプ回復:ヒール】

サラマンダーの体が光りHPが回復する。


「じゃ」


レドが剣を向ける、駆け出しての振り下ろしでヒヨコ虫の背中を叩き切る。

そこにヒリュウの斧槍がヒヨコ虫の口を突き刺し、そのまま持ち上げ、力任せに地面に叩き付け、更に突き刺し、また持ち上げて地面に叩き付ける、そんな事をされたヒヨコ虫は直ぐに淡く光消滅した。

ヒリュウがバーサクの名前が付くのはこのため、倒すのなら絶対に容赦という事をしないからだ。


「はい、完了~」


世界システムからの戦闘終了メッセージがあり、次に遭遇したのはリトルベア、アリサが直ぐに二人を睨む、どうも動物の、それも小動物はアリサは絶対に狩りたがらないらしい。

サクヤとしてもこんな小さな獣を虐める気はない、龍たるサクヤがこんなことをすることはない、襲ってくるのなら話は別だが、この小さな熊はアクティブ型ではない。

結局、ヒヨコ虫、攻撃草の二つを狩る。

採取なども行い、小石や植物なども取り、そんな事をしていると時間も経ち、町に帰還した。


星空の記録の共同住宅、ここで素材やドロップアイテムの分配を行う。

レド一家の者は、全員が錬金術師のクラスなので、調合系の素材は重要だ。

現在はスタートしたばかりなので、この『イーニャ』の冒険者育成学府ガーディアンは停止中だ。教師の者も混乱もあって現在は休職中になってしまった。その理由は初期化の為にスキルが失われたからだ。全員が仲良くLv1なのだから、教える事は出来ない。

しかし図書館のみは解放されている。

この為に生産系に属する者や、生産スキルを取得した者は、図書館での勉強中だ。

作業をする。

小石を砕き、これと薬品用の液体と混ぜる。

『レドは薬品を発見』

『薬品:バフ薬品:DEF+1』

『レシピ追加:バフ薬品(DEF上昇)』

[詳細]

名称 DEF上昇薬品

素材 小石 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

DEF+1(一時効果)

味わい+1

備考

レドの制作した薬品、レドの個人スキルにより味わいが+1。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E


今度は塗料用の液体と混ぜる。

『レドは塗料を発見』

『塗料:バフ塗料:DEF+1』

『レシピ追加:バフ塗料(DEF+1)』

[詳細]

名称 DEF上昇塗料

素材 小石 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

DEF+1(固定)

備考

レドの制作した塗料。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E


続いて薬草を磨り潰し、薬品用の液体と混ぜる。

『レドは薬品を発見』

『薬品:回復薬品:HP回復+1』

『レシピ追加:回復薬品(HP回復+1)』

[詳細]

名称 HP回復薬品

素材 薬草 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

HP回復+1

味わい+1

備考

レドの制作した薬品、レドの個人スキルにより味わいが+1。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E


同じ様に別の薬草を磨り潰し、薬品用の液体と混ぜる。

『レドは薬品を発見』

『薬品:治療薬品:解毒+1』

『レト追加:治療薬品(解毒+1)』

[詳細]

名称 解毒薬品

素材 薬草 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

解毒+1

味わい+1

備考

レドの制作した薬品、レドの個人スキルにより味わいが+1。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E


同じ様に別の薬草を磨り潰し、薬品用の液体と混ぜる。

『レドは薬品を発見』

『薬品:ブースト薬品:薬品ブースト+1』

『レト追加:ブースト薬品(薬品ブースト+1)』

[詳細]

名称 ブースト薬品

素材 薬草 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

薬品ブースト+1

味わい+1

備考

レドの制作した薬品、レドの個人スキルにより味わいが+1。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E


今度は花を磨り潰し、香水用の液体と混ぜる。

『レドは香水を発見』

『香水:香水(花の香り)』

『レシピ追加:香水(花の香り)』

[詳細]

名称 香水

素材 花 薬品用液体

耐久度 1/1

品質 ☆×1

完成度 10

効果

花の香

備考

レドの制作した香水。

簡単な物で初心者用、完成度はLv1位の物。

評価 E

レシピに追加された後は、量産するためにレシピを選択し、数を選択し生産した。

『指定の数を生産しました。生産用経験値を取得しました』

『生産用経験値がLvUP可能数値に達しました』

『Lvを上げますか?はい/いいえ』

はいを押す。

選択項目が現れる。

錬金Lv1

調合Lv1

味わいLv1


(味わい?生産用だから、備考にあった個人スキルか)


悩んだが、今は調合を上げた。


『調合Lvが上がりました』

『レシピスペル解放』

『レシピスペル:タイプ攻撃:アシッド』

『レシピスペル:タイプ生産:液体精製』

『レシピスペル取得』


地球『ガーディアン』では学んだ事の一つ、生産系にも戦闘能力が必要という事での攻撃用、生産時に使わないMPを活用する為にも生産用も追加された。

本職のスペルに比べれば性能は劣るが、自衛用位にはなるらしい。

生産系にとってみれば助かる物で、これを教わった時の生産系プレイヤーは非常に喜んでいた。

調合用の生産施設のある部屋、レド一家勢揃いで、発見し追加されたレシピを生産していた。


「どうして失敗するかな~」


レドの姉の養女のピュシーが、ティアの失敗に呆れていた。

他の者があっさりと成功する物をティアは失敗し、原因は不明ではあるが、ティアの失敗率は高く、よく失敗する。


「ち、ちゃんとやったよ、間違いないよ、本当だよ」


ティアの姉のピローテスは不思議そうに手順を見ていた。誰がどう見ても成功のはずだった、何も間違ってはいない、加工法の方も丁寧でしっかりとしていたし、ティアには落ち度はないのだが、失敗していた。

ティアの双子の妹、姉妹の三女のコマリはよく理解できないらしい。


「姉さん、もう一度」

「う、うん」


何度もやるも依然として失敗ばかり、長女のピローテスも頭を抱える、レドの姉に当たるリャナも困っていた。失敗する筈のない物を失敗するのは、誰にもよくわからないのだ。

レド一家の全員の悩みだ。

ログアウト時間になり、地球『ガーディアン』に戻る。


◇◆◆◇


地球では1時間が経っており、地下の自宅のVRルームに転送されていた。

WHOで貯めた金を持って買い物に向かう。


固定PT『星空の記録』の全員が集まる。

ちなみにコインはとても大切で、様々な施設利用にも必要、物を買うのにも必要、サービスを受けるのも必要、運営提供の課金アイテムや課金サービスにも必要で、何をするにも必要だ。


「ひとまずは武器ショップだ」


誰もが頷く、何せ武器は初期装備、防具は地球製の衣類で、こんな初期装備でも、地球製の武器に比べれば遥かに性能の良い物だ。

戦闘・生産系区画商店街、この商店街の複合ショップ、この武器コーナーに来た。

金はそれほどない、何せアリサは動物好きなので、動物を狩るのをとても嫌がり、傷つける事すらできないために、資金的にも心もとない。

しかも今日の食費もあり、ある程度残さないともいけない。

そこに知り合うと逢う、同じ区画に住む『南十字星』の三名だ。

リーダーの召喚士のリード、サブリーダーの獣使いのバッシュ、メンバーの商人のチャイムだ。

挨拶した。


「久し振りだな。南も武器の購入かリード」

「ああ、久しぶりだ。私達も武器の購入に来たのだ星空、何せチャイムは商人なので金がある」


さらりと言うリード、星空の面々は半分が羨ましそう、残る半分は睨んでいた。

商人の生産系に属するクラスで、資金的にはかなり恵まれ、誰もが羨むような話でもあり、この為に商人クラスを持つ者は何処からもお話が来る。

それだけでも羨む事なのに、物の売り買いに補正が付き、最初から銀行が利用可能なのだ。資金的にはどんなクラスよりチートクラスで、そう言う金持ちPTなのだ。


「そいつは良かった。レドの薬品とか買わない」


リードは考えていた。レドの薬品はWHOでも最高峰の薬品の一つなのだ。最大の特徴の効能ではなく、その飲み易い味、これだけは誰もが真似できないレドのご自慢のスキルだ。

だからレドのPOTポットはよく売れ、しかも値段も手軽なので欲しがる者は多い、というより戦闘系なら絶対に欲しがるもので、何せPOTは冒険の友でもあるが、基本的に薬の為に不味い。


「チャイム」


リードが言う、チャイムがハンマーを担ぎ直してニコニコという。


「買うよ~レドっちのPOTは高く転売できるから~」


こんなあこぎな事を言うチャイムだが、レドは全く気にしない。


「よし交渉と行こう」


在庫がかなり販売できた。

次に再会したのはツグミ&ユウヤ、略称はT&Y、プレイヤーの中でも珍しいガンナー系に属する戦闘クラスの、更にレアなヘビーガンナーのツグミと、侍のユウヤの双子コンビだ。

何せヘビーガンナーの初期装備は、馬鹿でかいアンチマテリアルライフル、もしくは対物ライフル。145cmの身長のツグミが、身の丈を超えるガンナー系武器の最強の種類、このライフルを持っていれば一発で分かる。

この店に来ていたプレイヤーは全員がツグミを見る、実質的に最強のプレイヤーの一人なのだから、もし草原などの障害物の無い場所ならどんな事が有っても負けない。

二人が星空を見ると手を振る。

そんな二人が歩いて来る。

対物ライフルは重い為に、走れないのだ。

ユウヤの方は刀を腰に差し、槍を背中に持つ、このユウヤも二つの武器スキルを持つダブルウェポンスキルのプレイヤー、生産は鍛冶だ。

二人は極めて攻撃力に偏ってPTなので、攻撃力のみなら最強のPTだ。

ただツグミの足は非常に鈍い、どう見ても積載量オーバーである。

やっとのこと着いたツグミ、弟のユウヤが直ぐにPOTを渡す。

飲んだツグミはとても不味そうな顔だ。


「・・不味い、ユウヤ、美味しくない」

「いやだってレド兄ちゃんのPOTじゃないし」

「やれやれ、スタミナ回復薬か?」

「はい、このライフル重過ぎて直ぐに疲れるのです、しかも積載量オーバーだし、嵩張るし、弾薬は高いし」


対物ライフルの欠点で、不満だらけらしい。

弟のユウヤは首を振ってから、レドに話す。


「そんな訳でPOTを売って欲しい、素材持ち込みで」

「スタミナなら、荒野の荒山の薬草がいる、持っているのか?」

「ああ。ばっちりだぜ」


全プレイヤーが草原にはいなかったらしい事が判明、二人はどの地形の中でも最も困難な場所で狩っていたらしく、採取も行っていたらしく、大変な余裕ぶりである。

素材をトレードされてから、レドか知識から品質などを見極め、状態もよく、新鮮な薬草でもあるらしく、その他にも様々な調合用の素材もある。


「後で作っておく、ユウヤが取りに来るか」

「ああ。何せツグミは足がな」


弟のユウヤとしても、姉のツグミの鈍足ぶりには困っていたようだ。

その後に別れるが、ツグミの足は鈍く、普通のプレイヤーの半分以下だ。

他のプレイヤーはこんなツグミを固定砲台と呼ぶ。

脚が鈍ければ補助系を取り改善できるが、そんな余裕はない。


戦闘・生産系は防具すらないのだから、その理由は初期スキルが3個だったために、戦闘系は武器・防具・補助系を取り、生産系は生産オンリー、戦闘・生産系は武器・生産などのスキルや魔法スキルで、防具系スキルも補助系スキルもない。

そんな訳でスキルがLv30に達し、スキルポイントを取得してからだ。かなり先の話でもある。


武器コーナーでの二つのPTとの再会を終え、その他の色々な事をした後に、武器を見る。

レドとしては、剣ではあるが、片手用の剣が好みで、片手剣や細見剣等でもある。

ちらりと物騒な仲間のアリサを見る。

大鎌を嬉しそうに吟味中、知らない者はいないために凶器の選別中だ。


他にもまともなヒリュウは、斧槍見ているが、大きさや性能によって当然の様に値段は上がり、サイズ・性能に比例して高くなる。

当然の様に長柄武器では、最高峰の武器の斧槍は、基本的な値段すら高い、多機能すぎて高いのだ。


ウルカの方はダブルウェポンスキルの持ち主だが、この中でもバランスの良く、近接用の忍者刀、消費はする飛び道具の手裏剣の二つだ。


サクヤの方は標準的な槍の為に、値段は高くなく、地球での性能と、WHOでの性能の二つがある為に、どちらを重視するかにも分かれ、また値段が手軽なために機能が高い物も選べるの特徴、同じ長柄武器の斧槍に比べれば武器の更新速度は速い。


これらの武器の中でも珍しいのが杖に代表されるものだ。


杖自体には攻撃機能はない、攻撃用のアーツもない、攻撃用のスペル当然の様にない、しかし、魔法を使う者は必ず取る、これはサポートが使用可能で、魔法に対応した様々なバッシグ機能もあり、魔法系のスペル効果を飛躍的に高めるのも最大の特徴。

種類はMP最大値を増加する増加タイプ、このMPの回復率を上げる回復タイプ、スペル効果を上げるブーストタイプ、他にも有効射程を上げる射程タイプ等がある。

これらの中でも杖は標準的な片手用のワンド、両手用のロッド、小型のタクトに別れる。

コマリは迷っているらしく、標準的で何かと好いワンド、性能が高いが欠点も多いロッド、タクトは好みではないらしく見向きもしない。


レドも武器を見る、剣にはサイズ的に言っても、片手、両手の二つ、斬る用途の物、突き刺す用途の物、この二つを兼ねる物、何を重視する戦闘スタイルなのかでも大きく分かれ、バランスの良い標準的な長剣、突き刺す用途の細身剣、他にも斬る目的の曲刀もある。

購入したのは細見剣だ。

一家の殆ど者が選択する剣の種類でもある。

そこに知り合いの固定PTと逢う。

レイヴンズ、略称は鴉、獣使いの双剣士のカズヤ、侍の太刀使いのクライン、商人の斧槍使いのエギル、ちなみにクライス、エギルの二人は既婚者で、NPCの女性と家庭を持っている、三人とも成人した大学生組で、高い戦闘能力と高い品質の武器を専門的に作り鍛冶屋集団でもある。


「ちーす。何で鴉がこんなところにいる」


レドがこの固定PTの略称を呼ぶ。

リーダー役のカズヤが用件を言う。


「薬品を売って欲しい」


防具スキルも、補助スキルも、魔法スキルもない戦闘・生産系の為に、POTに代表される薬品は欠かせないのだ。しかもカズヤは不味いのが大嫌い、この為にレドと会うまでは薬品すら使わなかった。


「素材持ち込みなら安くするぜ」

「助かる」


カズヤがトレードを申し込み、レドはこれらの物を見て沈黙した。

どれもダンジョンでしか手に入らない物ばかりの薬草なのだ。

光合成が出来ない場所での薬草は、他の薬草より遥かに高価であり、高い品質を持ち、もし一つでも取って叩き売っても大金となる。

そう言って物ばかりトレードされた。


「・・・」

「朱雀ダンジョンでの採掘だ。我々は鍛冶屋だからな」

「なるほど、確かに、良い武器を作る為にはどうしてもいるからな」

「そういう事だ。敵の方は大したことはない、召喚士ではないので朱雀は欲しくはないしな」

「そうか、獣の方は見つからないのか」

「白狐の方は良いが、日本狐は好きじゃない、熊の方は鈍そうだし、何より前衛は要らない」

「なるほどね」

「細身か?」

「何せ俺は錬金術師で専門は調合だ。大きい両手も、嵩張る長剣も必要ないからな、曲刀は好みじゃないので、懐かしい細身にした」

「なるほど、どうりで刺突系が得意なはずだ。では後で取りに行く」


そんな買い物を終えた。


帰宅した後に仕事に取り掛かる、素材が違えばレシピはない為に、荒野の荒山の薬草、朱雀ダンジョンの薬草をひたすら磨り潰し、レシピスペルの液体精製での専用の液体を作り、ひたすら製造しレシピに追加、作業を終えてから素材の数を指定し生産した。

その後依頼してきた二人が取りに来て、代金を受け取り品を渡した。


この後に更に知り合いがやってくる。

固定PTのノラノラ、略称は野良、戦闘・生産系に属し、攻撃魔法の特に火炎系を得意とするリーダーのアプリ、バランスの良いPTなので色々な所から共闘の話が多く、殆ど傭兵のようなPTだ。ただそんなPTにも悩みがあり、弓使いのヒーラーのプレイヤースキルが恐ろしく低いのだ。素材を受け取って生産し、代金を受け取って提供した。


その後にもう一つの固定PTのリーダーが来る、正式な名前は戦乙女騎士団、男女から畏れられ、特に女性からは絶対に近付かれない、略称は百合騎士このリーダーだ。色々な意味でぶれない女性で、身内は禁止なので色々とヤバい方なのだ。

本音を言えば安全圏のレドなのだが、色々と事情がありあまり会いたくない。

用件は単純に、とても簡単な事だったが、レドは即断った。

レドの女性版アバターが大好きだった女性なのだったため、要件というものは、女性になって結婚してくださいという求婚だった。

断って追い返した。



翌日の学校、アイテムボックスから教科書を取り出す、午前中の授業はエネミー学と素材学を中心とした授業だ。

この二つは基本的な知識なので、誰もが受ける。

その後は小さなテストと、昼食、その後にスキル学、個別スキル学習もある、部活もあり、運動系の部活は剣術部、文科系は調合部に所属している。

今日は剣術部の方で、最大規模の部活でもあり、剣や刀等の刀剣系スキルを持つなら必ず所属する部活だ。なぜならアーツが学べるからだ。

部活も専門に別れ、片手用、両手用、双用に別れる、これらから更に専門的な斬撃系、刺突系に別れ、細かな物で言うのならトレーニング用のメニュー別にも別れる。


そんな部活が終わり、軽く食べてからログイン、今日は狩らないでせっせと採取を行い、生産しまくっていた。

その後のログアウト、時刻は午後7時、自宅で準備と着替えてから知り合いの所に向かう。


地球ガーディアンの周辺は全て無人の町、一度は特別警察が封鎖したが、地球製の兵器では傷一つつかないロボットにより放り出された。この為に一部の者を除き誰も近付かない、プレイヤー用の乗り物、見た目はレトロなクラシックカー、乗り込んでから行き先を指定し、後は無人で動く。


そんな移動を終え、到着したとある病院、レドを見れば誰もが分かるために一部を除き会話すらしない、そんな一部の人に挨拶した。

病院の専属警備員のお爺さんだ。

事情を説明しスタミナ回復薬を渡し、老人の警備員はあっさりと飲んで、体力が瞬間回復したことを驚いていた。幾つかの薬品を渡し、病院に入り、レドの専門の医者を訪ねる。

この掛かり付けの医者にも説明し、必要な薬品を大量に渡した。

医者も試しに飲み、味わいが好い事と、体力が瞬間的に回復したことを喜んでいた。


その後に蔑称は猟犬の小屋、正式には『武偵学園』に来る。

レドが支援し、友好的に接したので、ここでは歓迎され、学園長に会う。

烏丸という元老婆だ。

昔は傷が多く、外見は老人であったが、レドがコツコツと治療し現在では見た目は20代、傷一つない女性だ。

そんな訳で、レドの薬品の事は一部であるが高値で取引される。


「よう烏丸」

「よく来たな」

「最近はやっとのこと色々と出来る様になってな、こんな風に」


調合スキルのレシピスペルを使い、液体精製を行う、コップに注がれた水、これは薬品用の物の為に味はない、烏丸は珍しそうに見てから飲む。


「味がない」

「薬品用なので味わないが、軽い遅滞性の回復効果はある」

「便利な物だ。スキルというものか?」

「ああ。このスキルによってWHO惑星の文明は劇的に変化し成長している」

「なるほど、他には」

「このスキルの中でも、生産系に属するスキルによって素材さえあれば、瞬間的に大量生産が可能だ。薬品の為に重くもない」

「なるほど、文字通り生産するわけか、工場のようなものだな」

「そういう訳で大規模な生産設備は必要はない」

「・・・一人一人が工場なのか」

「地球の生産レベルや効率に比べれば信じられないレベルだろ」

「当たり前だ。素材さえあれば瞬間的に大量生産されれば、どうしようもない物量となる」

「こんな訳で、あの惑星とこの地球では全く別のものだ」


烏丸は黙る、生産レベルの比が違うのだ。レドの薬品が一瞬で大量生産され、こんな物が地球に流れたら産業は壊滅するからだ。

そんなスキルを持つ者が2万名も居る。

自衛用の神話級兵器もある、見た目は旧世代の兵器ではあるが、地球製の兵器などが玩具としか思えないレベルの、高性能兵器だ。

プレイヤーをオタクと蔑称で呼ぶが、もしプレイヤーがその気になったら地球の産業は全滅する。これをどうにかしなければならない。

レドは察したので伝えた。


「地球に興味はない。プレイヤーにとってみれば地球ガーディアンがあるだけの場所だ。まあ一部の者はそう思わないが」

「成功率は?」

「確率の方はあれだ、失敗する確率は個人差はあるがほぼ100%失敗しない」


もし烏丸が全地球人を殴れるのなら実行していた。

一人一人が工場の様な人々と喧嘩するのは、無謀を通り越し破滅志願者だ。

この戦艦にはそんな興味はない事は分かる、ただ普通の地球人には理解できないのだ。


「ちなみにあの神話級兵器は初期装備だ」

「・・・」


地球人の兵器が玩具としか思えないほどの高性能兵器が、初期装備、つまり最低の本当の意味で自衛用だったらしい。


「レドの薬は高く売れる、調整さえすればよい資金源だ」


強かな戦艦だった。

一般的に言っても自己紹介の出来ないようなポンコツ戦艦ではあるが、自立型の為に乗員用の機能が一切ない、乗る者が居ないのにつける者はいないのだ。


「とはいえ、地球の金を貰っても全く意味はない」


烏丸からしてもこんな地球の金を貰っても、プレイヤーにとってみれば使い道がない、そもそも買う必要がある物がない、受けたいサービスもない、つまり地球には魅力がなかった事になる。


「そう言った金は全額この学園に寄付するよ」

「ああ貰っておく、レド製薬工場の卸問屋か、むしろ小売店か」

「ただ一つ」

「なんだ」

「プレイヤーに仕事を斡旋して欲しい」


烏丸は理解が及ばない、その必要が全くないからだ。メリットの無いものを受け取っても何の意味はない、確かに烏丸には意味は有っても、プレイヤーには意味がない。


「プレイヤーは主に戦闘系、生産系に別れる、この為に戦闘の訓練、生産の訓練がいる」

「経験値の為にをするのか?」

「何事も経験は必要だ。なによりこちらとの交流にもなる」

「ふむ。では何を渡す」

「おいおいプレイヤーだぞ。蔑称で言うのならオタクだ」


烏丸はたっぷりと沈黙した。要するにプレイヤーの大好物のサブカルチャーらしい。

確かにプレイヤーを餌で釣るのなら、これは当たりだろう。

ちなみにレドの薬は高い、下手な兵器より高い、そんな物を渡されて、代わりに仕事の斡旋、この代金はサブカルチャーの物、お値段の事を考えれば破格な話だ。


「分かった受けよう」

「おうじやまた来る」



狂報。猟犬の小屋にサブカルチャー学科創設、サブカルチャー支援を表明、サブカルチャー文化保護、サブカルチャーの全生産者を保護する事を表明。



そんな事もありプレイヤー達の学校である地球『ガーディアン』では大騒ぎ、何せ大々的発表されたので、プレイヤー達は大喜び、一部の者は何があった武偵とぼやく。

直ぐに仕事の斡旋が始まる。

プレイヤー達は直ぐにここに集まり、担当のロボットが説明を聞いて愕然、このサブカルチャーに関しては、年齢制限が開発者より課せられた、直ぐに察知したらしい。

規約違反には罰則まである始末だ。

一部のプレイヤーは神運営と喜び、一部のプレイヤーはくそがと吐き捨てた。

そんな訳で餌に釣れられてプレイヤー達は仕事を行う。


戦闘・生産系に属する固定PT『星空の記録』の6名は、戦闘・生産区画の武装探偵業務斡旋時所に居た。

それぞれには好みがあり、レドは騎士好き、ウルカは時代劇好き、アリサは動物好き、ヒリュウは戦士好き、サクヤやコマリはよく分からないらしい。

四人が喜ぶ中、龍のサクヤは付いていけず、コマリはこう言う文化に触れた事がないので理解が及ばない。

そう言った好みから、仕事は奪い合いだ。

我先に好みの物を得るために仕事を引き受ける。

あちらこちらで衝突が起き、大混乱だ。

そんな時に衝突する者達の頭が勢いよく沈む。


『規約違反です』


世界システムに鉄拳制裁されたらしく、衝突していなかった者は神運営と思わずにはいられない。

一瞬で鎮圧された結果、整理券が配られる。

ただとても痛かったために、鎮圧された者はなかなか起きないが、一部のプレイヤーだけは一瞬で復活し、欲望に生きる女性たちはそう言う報酬を受ける為に並ぶ。

起きた後の整理券を持って並ぶ。

レドも並び、騎士系の物の報酬を得る為に仕事を行う。



そんな訳で仕事を引き受けたレド、報酬を得る為に働く、レドには厳しい規約が課せられ、仕事の方も制限されていたので、非常に不満だった。

地球用の戦闘機能を有する剣を購入し仕事に向かう。


そんなプレイヤー達を、一般的な蔑称で、彼奴らはオタク過ぎると吐き捨てられる結果となる。

レドも仕事を引き受けたからには完遂したい。

とあるヤクザの本部。

本当に現れたプレイヤーの一人に、ヤクザ達は沈黙していた。

誰も面と向かっては言わない、内心は考えているのはよく分かる。

そこには一人の傭兵が居た。

戦艦を恐れないらしく、あっさりと禁句を言う。


「オタク戦艦」


非常に寛容なレドが剣を抜き、傭兵の武器を一瞬で破壊し、強化服すら細見剣で突き刺しまくりボロボロにした。

誰も何も言えなかった。傭兵すらもボロボロの強化服の中で沈黙していた。


「禁句は言うな」


装備を破壊された傭兵は涙した。

ヤクザ達も、プレイヤーと傭兵だけは、一緒に雇わない事が直ぐに通達されるも、すでに遅く、あちらこちらで衝突が起こる。

一般的な蔑称であるオタクという言葉は、プレイヤーにだけは面と向かって言わない事が決定し、こんなトラブル三昧の日でもあった。

装備を壊された傭兵は、直ぐに帰り、ヤクザ達も仕方がないから仕事を説明した。

今回の仕事は単純に、ゴミ以下の仕事を行う汚職警察の施設破壊だ。

こう言う仕事は大変得意なので、喜んで向かう。

価値観の違う為に、ヤクザ達は悩む、最初からこんな風に扱って居れば何も問題はなかったんじゃないかと。


一つの施設の前にポンコツ戦艦、もしくはオタク戦艦が現れる。

特別警察、通称の汚職警察は直ぐに武器を向け、破壊の為に戦う。


「プレイヤーのレドで~す。報酬の為に破壊に来ました~」


誰もが直ぐに推測が付き吐き捨てる。

武装探偵の発表した餌に釣られたと、レドの蔑称がオタク戦艦に変更された。

特別警察は地球防衛組織の構成員だ。ポンコツ戦艦に負けるのも非常に嫌だし、オタクなどに負けたら面子丸潰れどころじゃない、汚職をよくするが、エリートでもある特別警察はオタクに負けたらプライド全壊で、もう再起不能になってしまう。

全兵器を使いレドを破壊しようとする、しかも増援まで呼ぶ。

レドは全く気にせず、コツコツと破壊を開始する。


「一日一善は健康の元」


地球用の戦闘機能を有する細見剣でのコツコツの破壊、攻撃してくる機動兵器を細見剣で貫き、剣アーツを使う。

《アーツ:タイプ剣:緋閃》

有効射程全域を一瞬で切り裂いた、この後に細見剣が輝き光剣が作られて、機動兵器を両断した。

細見剣の剣身の周りを光り輝くエネルギーを纏い、全長は5mもある。

殺さないだけアリサよりは遥かにマシだが、特別警察にとってみればそんな事はどうでもよい、何が何でもオタク戦艦を破壊しなければならない、もし失敗したらもうどうしようもなくなる、生き恥どころでは済まないからだ。


「ちゃんと手加減はするさ。これでも元騎士だしね。まあ騎士に戻ったら敵は殺すけどね、ほんじゃ破壊活動いってみよう~」


闘争が始まる宣言を行う。

自立型の機動兵器、スリムなデザインのリアル系ロボットだ。サーフにより提供された拠点防衛用兵器の一つだ。

剣であっさりと足を破壊、ロボットは好きではないのだ。何せ卒中レドを破壊しようとする尖兵のような奴らだ。

このまま剣でひたすら破壊、ふと思い出しレシピスペルを使う。

【レシピスペル:タイプ攻撃:アシッド】

液体が降り注ぎ食らった一機が、そのまま溶ける。


「おぉ~」


剣で破壊するよりよほど楽だと学習した。ウルカの教育により地球での学習機能が高まってるのだ。

このアシッドで機動兵器達を破壊していく。

特別警察もレドの性能が上がっていることに愕然した。今まで精々格闘位だ。それが剣という武器を持ち、機動兵器を破壊するような液体を創り出し転送し落とす等、このポンコツ戦艦にこんな機能はないはずだった。何せ宇宙用だ。惑星活動用ではない。

本部に直ぐに報告された。

本部からの命令はレドの性能把握だ。それも最優先命令でもある。

しかし地球全域でのプレイヤー達の活動、主に施設破壊だが、全員ではないが救いではあり、半数位のプレイヤーが仕事を引き受けたらしい事は直ぐに判明した。

特別警察は全兵力をもってこの鎮圧を行っていた。

それだけではなく、日本ではヤクザ、武装探偵の二つが活発に活動し、特別警察と激しく衝突していた。この為に特別警察は傭兵を雇いこの鎮圧の戦力としていた。

ヒーロー達もこのプレイヤーと戦っているらしいが、プレイヤーの神話級兵器は性能が向上し、スキルにより様々な事を可能とし、ヒーローでも苦戦しているらしい。

プレイヤー達が1万名位なのがまだマシなのだが、ヤクザや武装探偵まで活動しているのなら、明らかにどちらかが支援し、仕事を斡旋したことになる事は誰にでも理解できた。

しかもプレイヤー達はレトロな乗り物に乗り、この乗り物は陸海空万能らしく武装こそないが、一切傷が付けられない。

ここで長官は一つの決断を下す、レドの仲間であるヒリュウと交渉を持つ事だ。

彼女は撤退する者達を殺さずに、追い打ちすらしない事を約束した少女だ。プレイヤーの中でもかなりまともな分類に入るし、何より家族は縁を切らなかったために話が通じるのだ。


そんなヒリュウに家族から連絡が入る、家族に説得されヒリュウはやり過ぎだっと反省し、レドに連絡する。


ヒリュウ:

『レド~』

レド:

『どしたヒリュウ』

ヒリュウ:

『戦争一歩手前だから家族が辞めてって』

レド:

『・・・報酬は諦めるよ、仕方ないからクエストは中断だ』

ヒリュウ:

『皆にもいってよ』

レド:

『困ったな。分かった』


レドが兄に連絡した。兄の開発者にとってみればどうでもよい事らしいが、大切な弟が困っているので、世界システムを使い仕事をするプレイヤーを殴った。


『システムより通達、全クエスト失敗、帰還します』


地球全域で暴れていたプレイヤー達が、強制的に転送される。

その後に、ヒーロー達、傭兵達も、特別警察達も戦っていたプレイヤー達が消えた事に戦いの一つが終わった事を理解したが、実感は出来ない。

これにより日本での活動していたヤクザ、武装探偵の活動は沈静化した。

その後のプレイヤー達は反省会。

各勢力も今後の事を考え、プレイヤーに対する研究を行う事が決定した。


プレイヤーに仕事を斡旋した武装探偵の『武偵学園』側は、何がいけなかったのかが分からない為に、ヤクザ側の代表者も呼んで、レドを呼ぶ。


『武偵学園』学園長執務室。

武装探偵の学園この学園長の鳥丸、ヤクザ側の最大勢力の組長、プレイヤー側の特に地位はないが看板のような奴のレド。

WHOの世界システムによりクエストが失敗したことを伝えた、要すればやり過ぎだった。プレイヤー達からすれば地球の事など関心はあまりない、この惑星に住むヤクザや武装探偵は実質的な抵抗運動を行う人々だ。

プレイヤー達の戦闘能力には誰もが一目置くが、頭の方は大したことがないし、そもそも学生の為にアルバイトのようなものでもあった。

立場や、役割や、事情はそれぞれ違うも、一つ分かった事は、計画性が無さ過ぎた。

プレイヤー側も反省し、今後の報酬を得る為に生徒会を立ち上げ、色々と試行錯誤を行う。


4月の中頃、地球『ガーディアン』では生徒会の発足し、元々の巨大組織のギルドCが元となり、主に生産系の者が関わり、戦闘系の者も参加した。戦闘・生産系の者は一人残らす断った。


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