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015:四門ダンジョン。其の2

 3月26日の午後にログインした。

『レドがログインしました』

 定宿の自室で目覚める。

『ワンオフ・フリーライフ・オンライン』の世界では午前6時、リアルでは午後1時30分だ。

 近くには娘の様なティアが眠っており、反対側には従者のピローテスが眠っている、足元には従者のユキカゼが眠っていた。

 つまり川の字のように眠っていたのだ。


「おはよう」

「うみゅ」


 ティアが変な声で挨拶する、殆ど寝ぼけている様だ。


「おはようティア」

「おはようお母さん」

「男の時はレドの方が良いがな」

「今は女性だよ」


 姿を見ると女性アバターだ。


(12時間の充電が必要だったか)


 男性・女性のアバターにもなれるが、性別を変える為のアイテムを使う為には12時間の充電がいるのだ。


「おはようマスター」

「おはようピローテス」

「わふ」

「おはようユキカゼ」


 起きてから宿屋の自室から出る。

 朝食を食べながら、娘の様なティアに、生産の事を少し教えながら今日の予定を考える。


(生産をするか、しかし、金が余る一方だ)


 レドは生産プレイヤーでもあるので生産でも稼げる、この稼いだ資金が少し多い、というのも調合士(錬金術師のクラスの一つ)としてはこのゲームでは人気のある為に、レドのような生産を行う者にとってみれば、資金はそれ程に魅力ではない、かといって他に受け取る物もないのが困りようだ。生産をするためにはどうしても素材がいるのだが、この素材は各所より安く買える為に、特に困る事もないのだ。


(贅沢な悩みなのかな)


 レドの様なモノを抱えるプレイヤーは多いとレドも考えていた、というのもランクⅢでのカンストの為に、Lv換算でいえば30だ。この為に装備品は強力な物が作れても装備できない問題を抱えるのだ。当然の様に装備品が要らなくなるので、資金的には余る一方になってしまう。

 非常に悩ましい事ではあるが、かといっても使い道のない資金でもあるのだ。


「マスター、何かお悩みか」


 初期の頃からの従者のピローテスが控えめに尋ねる。


「いやピローテスはできた従者だなってさ」

「そうか、だがマスターの考えていることは別と分かるぞ」

「まあな。資金の余り具合が悩ましいと思ったな」

「なるほど、確かに資金は余り気味だ」

「かといっても使い道もないしな」

「無くては困るがあり過ぎても困るな」


 ピローテスにも分かるほど、資金的には有り余るというほどではないが、装備品も新しく購入する物がない為に、結果としてはかなり有り余る。

 今後の事も考えて、特に購入する予定もない、当然の様に使い道のない資金が貯まる一方なのだ。とは言え、ないと困るのも一つの一面でもあり、あり過ぎても困るのも一つの一面でもあるのだから、何かと困りものだ。


「どうしてのお姉ちゃん。お母さん」


 ホッとドックを頬張ってから咀嚼し終え、黒曜石の双眸のティアが二人に尋ねた。


「ああ。資金的に困ったなと」

「お金が足りないの?」

「逆」

「お金が有り余っているの?」

「購入する予定もないしな。金が有り余る、何せ作れば売れるし。購入する素材も生産者組合のCによって低価格に抑えられるし、結果としての利幅もあるが、まあ資金的には余る一方だ。困った」


 このゲームにはギルド制度はシステム的にはないが、生産者組合の『C』は生産者の保護を謳い、この『イーニャ』に定着した組織であり、数多くの案件を捌く巨大組織でもあり、PC・NPCの数多い関係者を持つために、この利益がどこに行くのかも謎の組織だ。


「銀行に預ければ」

「まあそうするしかないか、食事が終わったら銀行に言って預けてから生産でもしよう」

「了解~」

「そうしよう」

「わん」


 ユキカゼは美味しい従者用のフードを食べ終わり、更にお代わりをねだり、レドが与えると、ハフハフと言って食べていた。

 ちなみに従者用のフードは、見た目はPCでも食べる様なオートミールだ。

 従者用の調味料なども使われた、PCでも美味しく食べられる食べ物となってる。

 基本的にレドの生産する薬品などは、PC・NPC・従者が美味しく食べられるような安全な食品の様なモノでもあり、また味わいが非常に良く、多くの付加価値のある特殊効果等に、高くもない値段設定の手伝い、レドの作る生産品はよく売れる。


 銀行に行き資金を預け、市場などに言って素材を購入し、PTの私有地で作られている共同ハウスの建築状況を確認し、共同生産所での生産を行う。


 そうやって生産した物。

 □□□□□□□□□□

 名称   フード(従者用)

 素材   各種食品・薬品

 品質   ☆×3

 耐久度  30/30

 製作方式 素材増加方式

 効果:

 美味:美味しく食べられる味わい、誰にでも食べられる良い味わいを楽しめる。

 効果:スキル取得効果

【夜の加護】:夜間能力上昇、HP回復

【闇の加護】:光が差さない場所なら能力上昇、MP回復

【日光浴・小】:1時間に20%まで空腹値を緩和する

 備考

 固有スキル取得効果を持つ食品、味わいが良く、珍しいまでの食品でもあり、生産者の真心が込められた物だ。

 □□□□□□□□□□

「まあこんな物かな」


 生産者のレドが呟く、近くには勉強を行うティアが、ピローテスより生産の事を教わっていた。


(更に生産を行っておくか)


 勉強材料は多い方が良い場合もある。

 今までの生産品は主に+、所謂の所のバフ効果をメインに作っていた。

 ―の効果のデバブや、バトステ等はメインに作らず、特に困る事もなかったので、作ることも少なかった。


(さてどうしたものか)


 各種の耐性薬品でも作ろうかとも思い、自分なりに手探りで作る。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   水道水・毒物

 品質   ☆×3

 耐久度  30/30

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv3

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv3

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv3

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv3

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品、非常に不味いが性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

(ふむ。まずまずの性能だ)

 次に調合した薬品を作る。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   浄水・耐性薬品

 品質   ☆×4

 耐久度  40/40

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv4

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv4

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv4

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv4

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品の改良版、非常に不味かった味わいは変化し、そこそこに飲めるが、薬品嫌いを大量生産するような味わいとなる。性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

(中々の性能になった)

 次に調合した薬品を作る。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   高級水道水・耐性薬品

 品質   ☆×5

 耐久度  50/50

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv5

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv5

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv5

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv5

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品の改良版№2、そこそこに飲める味わいは変化し、それなりに飲める味わいとなる。性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

(この方向性で行くか)

 次に薬品を調合した。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   高級水道水・耐性薬品・調味料・果実

 品質   ☆×5

 耐久度  50/50

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv5

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv5

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv5

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv5

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品の改良版№3、それなりに飲める味わいは変化し、味わいは良くなり、普通の清涼飲料水として飲める。性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   高級水道水・耐性薬品・調味料・食品

 品質   ☆×5

 耐久度  50/50

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv5

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv5

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv5

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv5

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品の改良版№4、それなりに飲める味わいは変化し、味わいは良くなり、普通のコーンポタージュとして飲める。性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

(悪くない性能だ。ならば可能か)

 調合が楽しくなり次に取り掛かる。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐性薬品

 素材   高級水道水・耐性薬品・調味料・食品

 品質   ☆×5

 耐久度  50/50

 製作方式 試作方式

 効果

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv5

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv5

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv5

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv5

 暗黒耐性:暗黒攻撃に対しての耐性を得るLv3

 神聖耐性:神聖攻撃に対しての耐性を得るLv3

 備考:

 美味しい薬品を作ることが基本的な調合士が、珍しいまでに不味い薬品を厳選し調合した激マズ薬品の新作。味わいは良くなり、普通のコーンポタージュとして飲める。性能としては素晴らしい領域にある薬品。

 □□□□□□□□□□

「うむ。素晴らしい性能だ」

「マスター、そろそろお昼になります」

「む。もうそんな時間か」

「ちなみにティアは腹が減ったようと言って拗ねております」

「クックに行こう」

「やっとお昼だよぅ」


 共同生産所から出て、時刻としては午前11時50分だ。

 PTのたまり場で有り、PTへの依頼も請け負う『クック』に行く。


「二階を使わせてもらうぞ」

「はい。他の方々への依頼も溜まっているので、縄でもつけて引っ張ってきてください」


 何とも、言う言葉の端々に、依頼をさっさと済ませろ、という臭いが混じりまくっていた。

 二階に上がり、今日の所は一般的なサイドメニューを一通り注文した。

 ちなみにこの店の主力商品は料理であるが、サイドメニューのスープ類などは高い人気を誇り、今では主力の料理に匹敵する売り上げのようだ。証拠にメニューが増えていた。


 ◇◆◆◇


「さて昼も食べたし、調合を」

「ダメ!絶対にダメ」


 何故かとあるキャッチフレーズを言うティア。


「お母さんは放ってと直ぐに時間を忘れて薬品ばかり作るもの」

「いや時間の有効利用を」

「薬品は確かに重要な物だが、ずっとしておくのは健康によろしくないと思うぞマスター」

「いやしかし、丁度実験の方が面白く」

「ダメ!絶対にダメ」


 再びキャッチフレーズを言うティア。


「む。仕方がない今度は別の薬品を」

「なんで薬品ばかり作ろうとするの?」

「いやそう言われても俺は調合士だし」

「冒険者は冒険するのが生業なの、だから冒険するの」

「実証実験は必要では?」

「む。確かにデータ無き生産は不可能だ」


 ティアの駄々のような言葉もあるが、ピローテスの冷静な言葉は長い付き合いの主人を動かす事を容易く行う。

 色々と長けるレドだが、薬品などの混ぜる作業が好きな性質なのだ。


「では適当に準備するとしても、今度は境界線の所にでも行くか」

「海がよろしいのでは」

「何故だ」

「最近は南の草原や西の森の素材が豊富になり、逆に東の海の素材は品薄になります、南や西の素材が豊富なのはそれだけ取りやすい事もありますが、その分東の海の方の素材は品薄になりつつある。結果として素材の争奪戦のようなことが起きるでしょう」

「なるほど、確かに海の素材は取りにくいし、そうだな海に行こう」

「では水着とそれなりの装備が要ります」

「男性用の」

「お母さん、いきなり女性に戻ったらどうするの」

「いや俺は元々男性で」

「ダメ」

「むう」


 男性として微妙な事ではあるが、女性アバターから男性アバターに変更できるとしても、充電期間に入れば強制的に変更されてしまう。哀しいからとある謎の液体を被ってからレドの性別は反転し、このゲーム世界では女性アバターが元となってしまう悲しい性質を持つ。ただ身長がリアルより大きい186cmの為に女性とは思われない事が多い。

 ちなみにプレイヤーの女性で170cmに届く様なプレイヤーは皆無だ。

 レドの様な、男性でも見上げるような女性アバターは、珍しいまでの稀少性を持つのだ。

 男性アバターの基本的な身長を言ったとしても180cm前後なので、レドより小さな男性アバターの方が遥かに多い。

 だからこそレドのような巨大女性を見た男性アバターのPCは、レドをPCとは思わず、巨人族のNPCと勘違いする者も割と多目の数でいる。

 この為に男性アバターに変わっていないと何かとややこしいのだ。

 しかし。娘の様なティアは納得しないのが困る。


「マスター、いっその事女性の場合のみ装備を変更してみては」

「とゆうと?」

「かつてマスターはクロスボウを使っていました、薬品などの性能を試すには丁度良いのでは?」

「なるほどそれは良いアイディアだ。ありがとうピローテス」

「いえ」

「さすがはお姉ちゃん」

「マスターのクロスボウ使いとしても頗る腕は良い方なのだ」

「何かと上手なんだね」

「色々とな」


 ちなみにスキルポイントは、ランクの1、スキルLv換算で15上がるごとに1ポイント加算される、この為にレドのスキルポイントはかなり余っている。


「よしクロスボウを久し振りに使うために購入しに行くぞ」

「おお」

「了解しました」

「わん」


『イーニャ』の武装街の一角の在る飛び道具専門店『バリスタ』に来る。

 弓、クロスボウ、投擲ナイフ、スリリング(パチンコ)、手裏剣etc、etc。

 数多くの飛び道具があり、曲刀剣士のピローテスも、弓の扱いの方が長けるので、この店にはよく出入りし、飛び道具などにはかなり詳しい。

 レドも小学校時代の6年間、VRMMO『ナイツ・オブ・ナイツ』のプレイヤーとして、下級の兵士や傭兵に騎士等をやっていたので、飛び道具には詳しい。

 一般的に飛び道具は扱い難い、それは色々な意味があるが、一番に挙げられるのはその費用効果だ。弓矢クロスボウ等は矢を飛ばし攻撃するのだが、この矢を購入すれば最も安い1Gとしても10回攻撃すれば10、100回攻撃するには100Gが必要になる。

 大量に矢を持つのなら資金的にも、積載量などにも多大な負担を強いる結果となる。

 必然的にそれなりの矢を、それなりに数を、それなりの効果を持つ矢を取り揃えて使う必要があり、プレイヤーに合わせてそれなりの性能になると、必然的に費用が高価になる傾向にあり、当然の様に扱い辛くもなる、運用面のこのような結果もあり、あまり人気はない。

 また弓やクロスボウは、プレイヤーの技量そのものにも直結するほどに、扱い辛い物でもあって、攻撃その物が命中し難い、弓の達人でも50mを超える射撃は難しく、それを連続して当てるのは難題でもあり、クロスボウは扱い易い方に入っても矢を装填し、弦を引っ張る機構の関係で発射間隔が非常に長いのだ。

 つまり拳銃やアサルトライフルに比べて扱い辛く、またプレイヤーに高いレベルの技量を要求するタイプの厄介な一面が強いタイプの武器なのだ。

 ただ生産プレイヤーには人気がある。

 それは生産プレイヤーが費用の負担に強いだけではなく、生産プレイヤーの多くが器用さ=DEX値が高い事があげられ、この為に他の武器より相性が良いのだ。


 レドが選んだのは、クロスボウではあるが、最新鋭の給矢装置の付いた連射型のクロスボウだ。使用する矢などにもよるが、一発の威力が低く、また有効射程にも他のクロスボウには勝らないが、連射性能に関しては非常に高い性能を持つ、装填も容易く、次世代のクロスボウとして注目を浴びる一品だ。

 所謂の所の矢弾の入った矢筒(箱型形状)の物から、クロスボウの矢を発射するレールに落ちる仕組みであり、ショットガン=散弾銃の様なポンプ式の機構を持つのだ。

 連射式クロスボウでもあり、ポンプ式ショットガンの機構を採用したタイプのクロスボウだ。

 名前の方はポンプ式クロスボウと言う。


「これは割と良いな」

「連射式クロスボウか」

「何が違うのお姉ちゃん」

「通常のクロスボウには給矢機構はない」

「給矢機構って?」

「クロスボウは弓を横にしたようなものだ。矢を装填し、弦を使っての射撃を行う」

「うん」

「弓とよく似た原理ではあるが、弓とは違い矢を置く場所がいる」

「うん」

「弓と違い、矢を置く専用のパーツに、この矢を射る為の機構を持つパーツ、これらの機構が組み合わさって、矢が射られるのだが、こうなると弓より高価になり、弓より重くなる」

「弓と違って色々なパーツから組み上がっているから高価で重い訳か」

「そうだ。そうなると通常の弓より扱い辛い、運用面でも、射撃の面でも、携帯性の面から見ても、扱い辛くはなった」

「うん」

「この中で最も厄介なのが、矢を供給し、この矢を射る為の弦を引っ張るしかない原理だ。当たり前だが矢を供給し、弦を引っ張るしかない為にその発射間隔は長くなる」

「そうだね」

「弓が連射できるのに対し、クロスボウの発射間隔は長く、1分間に1発が精々だ。熟練した射手なら2発は撃てる」

「弓なら10発撃てるしね」

「そうだ。こうなると発射間隔の長いクロスボウ、弓のように連射出来る射撃武器、銃器なんかも有るので、弓に比べてクロスボウの方はなんかの利点も多かったのだが、欠点も多かった。これらの欠点の中でもっともの所が矢を装填し、弦を引っ張るしかない機構だ。これらの機構のせいで重く、携帯性に適さずに嵩張り、部品の事から高くなり、利点もあったが、欠点も多かった主な理由がこれらだ」

「弓の方が軽く持ち運びにも適し、部品が少ないから安かったって訳かぁ」

「そうだ。これらの問題の多くを抱えながら、クロスボウに新たな仕組みが作られたそれが給矢機構だ。ポンプ式ショットガンの様にポンプをスライドさせて矢と弦の関係の機構を行い、結果として数多くの利点を作る結果となったタイプだ。その分高価でもあり、使う矢の値段も少々高めだ。また熟練しなければなかなか命中しなったりもする」

「合理的だね」

「マスターが選んだものはそな物だ。何よりマスター自身が薬品を調合し、この矢その物に薬品を掛けることで、他の矢とは違った高い効果が期待できる」

「へー。お母さんが選んだのには理由が多かったんだね」


 □□□□□□□□□□

 名称   クロスボウ

 素材   各種軽量化・高耐久素材

 品質   ☆×1

 耐久度  20/20

 有効射程 30m

 命中率  ―20%

 装備効果

 物理攻撃力 +15

 備考

 クロスボウシリーズの最新作、次世代型の給矢機構を持つ事も可能なクロスボウ。

 □□□□□□□□□□

 名称   矢筒(箱型形状)

 素材   各種軽量化・高耐久素材

 品質   ☆×1

 装弾数  10/10

 装備効果

 物理攻撃力 +1

 備考

 クロスボウシリーズの次世代型の矢筒、給矢機構に装着する矢筒

 □□□□□□□□□□


「これをくれ」

「毎度~」


 購入し、クロスボウのスキルも取得する。

 ▽スキル取得

 クロスボウ:クロスボウが使用できる。

 ▽

 スキル構成変更:スキル枠50+5

 武器スキル:暗黒騎士剣Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 暗黒騎士槍Ⅰ クロスボウⅠ

 防具スキル:布製Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 革製Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 

 装飾スキル:アクセサリーⅠ.Ⅱ.Ⅲ ウェアラブルPCⅠ

 魔法スキル:暗黒魔法Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 神聖魔法Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 付加Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 付加術Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 弱体化Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 弱体化術Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ

 補助スキル:魔法才能Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 両手利きⅠ 両手持ちⅠ.Ⅱ.Ⅲ 剛力Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 眼力Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 発見Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 夜目Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ 鷹の目Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ

 生活スキル:

 生産スキル:

 種族【闇木香】:範囲内のMP/TP自動回復効果。

 ジョブⅡ【錬金Ⅱ】:錬金Ⅱまでをスキル無しに行う。

 クラスⅡ【調合Ⅱ】:調合Ⅱまでをスキル無しで行う。

 ジョブ【騎乗】:騎獣に騎乗できるようになる。

 ジョブⅡ【指揮】:将軍専用スキル。範囲内の補正+1

 ジョブⅡ【軍学】:将軍専用スキル。軍学Ⅱまでをスキル無しに使える。

 クラス【暗黒剣】:ダメージの10%を吸収

 クラス【神聖剣】:攻撃ヒット時に神聖属性の追加ダメージ

 クラスⅡ【竜騎乗Ⅱ】:総指揮騎士専用スキル。竜騎に搭乗可能になる。

 クラスⅡ【テイム】:テイムスキル無しでも行える。

 ジョブⅡ【呪音楽Ⅱ】:呪音楽Ⅱまでをスキル無しでも行える。

 クラスⅡ【演奏Ⅱ】:演奏Ⅱまでをスキル無しで行える。

 ▽

「さあ実験」

「マスター、水着が必要です」


 すかさずピローテスが言う。

 ティアは嬉しそうにうんうんと首を縦に振る。


「むう。水着か、精神的な付加について」

「全身ウェットタイプを」

「それならまあOKだ」


 ダイバースーツや、尼さんが着込む様なスーツだ。

 水着専門店『アクア』で購入し、ついでに珍しい薬品を見付けたレドは、これを直ぐに購入した。

 □□□□□□□□□□

 名称   耐水性薬品

 素材   企業秘密

 品質   ☆×1

 耐久度  10/10

 効果

 耐水効果:素材に耐水性を与えます

 備考

 薬品としては意外に高め、しかし稀少性はない。

 □□□□□□□□□□

「これはいい。素晴らしい薬品だ」

「・・・そっとしておこう」


 ピローテスは懸命だった。

 ティアには薬品の素晴らしさを言われても困るので、黙る。

 直ぐに調合したレドが店内での薬品調合は困ると、店員に少し怒られてから追い出される。

 そうやって製造された薬品は。

 □□□□□□□□□□

 名称   塗料

 素材   塗料・耐水性薬品

 品質   ☆×3

 耐久度  30/30

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 毒耐性:毒に対しての耐性を得るLv3

 眠り耐性:眠りに対しての耐性を得るLv3

 麻痺耐性:麻痺に対しての耐性を得るLv3

 気絶耐性:スタンに対しての耐性を得るLv3

 暗黒耐性:暗黒攻撃に対しての耐性を得るLv3

 神聖耐性:神聖攻撃に対しての耐性を得るLv3

 備考

 とある調合士が調合した薬品、高い性能を持つものの、味わいの方はそれほど良くはないが、塗料のため、塗って使うので特に関係はない。

 □□□□□□□□□□

「十分の耐性効果を得られた。ピローテス、ティア、これを使うと言い」


 性能がピカイチなために、二人ともびっくりのよう物ではあるのだが、もし仲間のPCが居れば、さすがはレドと納得する性能。


 水着に使っても消えない為に、近くで暇そうに眺めていたPCが薬品の性能に微かに驚いて声をかけてきた。


「もし」

「はい?」

「その薬品は?」

「作った物だ」

「ああ。クリエイト級か、出来たら売ってもらえないか」

「別によいが」

「10万位か?」

「そんなに購入してどうする?」

「いや値段の方だ」

「ああ値段なら1000Gぐらいだ」

「安いな」

「特に金にも困っていないしな」


 PCとトレードし、薬品と資金を交換した。


「マスター、このような耐水性のある薬品で、海用の薬品を作ればよいのでは」

「矢とか装備に掛けて使えればよいよね」

「なんと、それは素晴らしい、よし早速調合を」


 注意:レドは上位調合士の固有スキル【調合Ⅱ】を持っています。

 クラスⅡ【調合Ⅱ】:調合Ⅱまでをスキル無しで行う。


「こんなところで調合しないでくれ」

「おお。そこの店員、好い物を作ったので耐水性をくれ」

「?ああ耐水性の薬品をくれってか、どれぐらいだ」

「100個ぐらいだ」

「ひとつ1000Gはするぞ?」

「そんな事はどうでもよい」

「まあ買うって言うのなら金と交換はするが」


 直ぐに10万Gを支払い、耐水性薬品を100個手に入れる。

 薬品を調合し、直ぐに耐水性を得た薬品を製造した。


 □□□□□□□□□□

 名称   塗料

 素材   塗料・耐水性薬品

 品質   ☆×3

 耐久度  30/30

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 毒属性:毒属性を得るLv3

 眠り属性:眠り属性を得るLv3

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv3

 気絶属性:スタン属性を得るLv3

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv3

 神聖属性:神聖属性を得るLv3

 備考

 高い性能を持つ耐水性塗料、これを使った攻撃等は下手な攻撃より効果が高い。

 □□□□□□□□□□

「あんたな、薬品を作るなって言ってんだろ」

「まあまあ、この薬品を使ってみてくれ、眼力なんかでも調べてもよいぞ」


 耐性薬品を見せる。店員も眼力で調べると信じられない顔で、何度も薬品とレドの顔を行き来する。ちなみに店員の身長は高く185cmは有るので、レドとは1cm差だ。


「こちらが耐性薬品で、こっちが属性薬品だ」


 見せられた薬品に、店員は困った顔で二つを見る。

 性能はどちらもよいだろうが、店員が決める様な薬品ではない上に、下手な防御効果より高すぎるので、取り揃えれば直ぐに売れる様なモノだが、残念なことに、店員は臨時のアルバイトだ。店長を呼ぶべきなのだが、現在は昼飯で居ない。


「凄いが、それを」

「耐水性薬品を売ってくれたしな。これは試作品として置いていく、好きに使ってくれ」

「ああ。ありがとう」

「属性の方は少し強力な物で、さすがには置けないのでな」

「置かれても困る」


 店員が素直に本音を言ったので、レドは笑ってから更に耐水性薬品を購入し、外に出る。

 外の近くにベンチに座り、属性の薬品をひたすら矢に塗って、矢筒に塗って加工する。

 新米の錬金術師であり、調合士のティアもレドの薬品を真剣に分析し、自分なりに色々とメモをしながら、情報を集めていた。

 ピローテスも矢に塗っていた。


「よし、生産完了」


 □□□□□□□□□□

 名称   属性矢

 素材   耐水性属性塗料・矢

 品質   ☆×1

 耐久度  1/1

 装備効果

 物理攻撃力 +1

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 毒属性:毒属性を得るLv1

 眠り属性:眠り属性を得るLv1

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv1

 気絶属性:スタン属性を得るLv1

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv1

 神聖属性:神聖属性を得るLv1

 備考

 極普通の1Gの矢が、特殊な薬品の結果、高い性能を持つ強力な矢となる。しかも耐水性を持つために水に溶けないが、物理攻撃力を考えれば初心者用。

 □□□□□□□□□□


「うー。性能が」

「落ちたな」

「がたがたに落ち過ぎたぜ全くよう」

「だが使えない訳でもないので、海での狩に使いましょう」

「賛成」

「じゃ行くぞ」


 □


 クロスボウのレド、暗黒騎乗弓のピローテス、ショートボウのティアの三名が矢を番える。近くで暇そうにユキカゼが久し振りの砂場にとことこと歩き、ティアの足元に座る。

 ジャイアントクラブ、キラーフィッシュの群れに、三名が射撃を行う。

 ポンプ式の連射クロスボウを持つレドは、素早くポンプをスライドさせて装填を完了、弦も引っ張りも終え、一匹のキラーフィッシュにHITさせる。

 各種属性により行動不能となったキラーフィッシュ、素早くスライドさせて更に放ち、二匹目、更にスライドさせて三匹目も射る。

 ピローテスの弓からも矢が射られ、すでに四匹目を行動不能にしていた。

 ティアは四苦八苦しながら、何とか一匹を行動不能にしていた。

 ユキカゼは欠伸をかみ殺し、立ち上がって近付くモブの群れに、口を開く。

 固有スキル【アイスブレス】によって一瞬にして接近して居たモブを氷漬けにした。


「ユキカゼナイス!」

「わふぅ~う」


 眠いらしく欠伸をするユキカゼ。


「まあこんな物か、適当に練習でもしよう」

「は~い」

「練習には向いていそうな地形だな」


 モブたちが襲ってくるのを、ひたすら射撃の的のように扱って射る作業だ。

 新しいクロスボウの性能は高いのだが、矢を水の如く消費していた。

 銃器の弾薬と違って、重さがあり、また長さもある為、どうしても装弾数が制限されるのがネックだ。


「うーん。練習にはなるが、どうも効果的とは言えんな。ピローテス、ティア、ユキカゼ一旦帰るぞ」

「うん」

「ああ」


 ユキカゼがアイスブレスの一吠えで、近付くモブを氷漬けにしてから、返答した。


「わん」


 帰還してから『イーニャ』の武装街にある飛び道具専門店『バリスタ』での矢などの補充を終え、他の薬品なども製造の為に素材を市場で購入し、共同生産所で使う塗料などを製造した。


 □□□□□□□□□□

 名称   塗料

 素材   耐水性薬品・塗料

 品質   ☆×3

 耐久度  30/30

 作製方式 素材増加方式

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 水棲属性:水棲エネミーに特攻Lv3

 毒属性:毒属性を得るLv3

 眠り属性:眠り属性を得るLv3

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv3

 気絶属性:スタン属性を得るLv3

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv3

 神聖属性:神聖属性を得るLv3

 攻撃力低下:ATKダウンLv3

 防御力低下:DEFダウンLv3

 敏捷性低下:AGIダウンLv3

 備考

 ダウン系の能力が特徴的な矢。使い手そのもの影響を与えてしまう度に強い魔力が宿る。

 □□□□□□□□□□

 弱体化の魔法スキル効果もあり、高い性能は確かにあるが、器用貧乏感は否めない程度の性能しかない。

 逆に強化を司る付加を使う。

 □□□□□□□□□□

 名称   塗料

 素材   耐水性薬品・塗料

 品質   ☆×2

 耐久度  20/20

 作製方式 素材増加方式

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 水棲属性:水棲エネミーに特攻Lv3

 毒属性:毒属性を得るLv3

 眠り属性:眠り属性を得るLv3

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv3

 気絶属性:スタン属性を得るLv3

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv3

 神聖属性:神聖属性を得るLv3

 攻撃力上昇:ATKアップLv3

 防御力上昇:DEFアップLv3

 敏捷性上昇:AGIアップLv3

 備考

 アップ系の能力が特徴的な矢。使い手そのもの影響を与えてしまう度に強い魔力が宿る。

 □□□□□□□□□□

 今度は高い能力を持つ薬品が作られた。

 どうも魔法スキルの強化を司る付加と、妨害を司るこの二つは使い分けるしかないらしく、付加をメインにするか、弱体化をメインにするかで悩ましい物が有る。

 二つのを塗料を使った安物の矢を使い、試しに射る。

 軽く引いて射たダウン系の矢は、動きが鈍くなり、他のダウン系もかかるようだ。

 同じ様に軽く引いて射たアップ系は、動きが速くなり、他のアップ系もかかるようだ。

 結論から言えばダウン系は失敗、アップ系は成功となる。


「マスター、その動きが鈍る薬品はそのまま投擲すれば使えるのでは?」

「ああ。確かにその通りだな。ただまあ劇薬過ぎるな」

「性能が高すぎるなら薄めるとかあるんじゃあ」

「そういう問題ではない、動きそのものに影響を及ぼし、動きを鈍化させ過ぎて、投擲までの動作が鈍る。とても使えるようなものじゃない。精々罠に使える程度でこの性能は微妙だ」

「劇薬過ぎた結果使い道に困る薬品もありと」

「使えなくはないが、使い道には困るな。あまりに限られた用途しかない、例えば薬品を詰めた小瓶を紐でくくり、それを矢に括り付けて飛ばす、これ自体はよく使われる手ではあるのだが、ビンはそれ程安くはない、下手したら矢代かかるのだ」

「効率的とは言い難い物だ」

「そうなるな」

「分量を変化させるとかは」

「最小のガラス小瓶の、一つ分しか作っていないからな。これ以上小さくなると効果その物がなくなってしまう恐れがある」

「久し振りにマスターの失敗ですね」

「よくある事さ。実験して正解だったし」


 アップ系の薬品を生産し、後はひたすら薬を塗る作業だ。


「この作業が面倒だな」

「そうだな」

「いっその事漬けちゃえばいいのに」

「ナイス、そう漬けてしまえばよい」


 ある一定量の液体を作り、これに矢をつけるとあら不思議。

 □□□□□□□□□□

 名称   属性矢

 素材   塗料・矢

 品質   ☆×1

 装弾数  1/1

 作製方式 素材増加方式

 装備効果

 物理攻撃力 +1

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 水棲属性:水棲エネミーに特攻Lv1

 毒属性:毒属性を得るLv1

 眠り属性:眠り属性を得るLv1

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv1

 気絶属性:スタン属性を得るLv1

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv1

 神聖属性:神聖属性を得るLv1

 攻撃力上昇:ATKアップLv1

 防御力上昇:DEFアップLv1

 敏捷性上昇:AGIアップLv1

 備考

 属性矢としては貴重なまでの物、通常の矢とは比べようがない恩恵をもたらす。使い手そのもの影響を与えてしまう度に強い魔力が宿る。

 □□□□□□□□□□


「おーし狩りに行ってみよう」

「「おお」」

「わん」


 □


 狩りでの効果は通常の矢とは比べようがないほど高かった。

 何せATK・DEF・AGIの、特にATK・AGIの上昇は、強力なバフとなり高い連射性を発揮し、攻撃力の増加により、高い効果を発揮した。

 改めてこのクロスボウをメインにしてみる計画を行う。

 ジョブ変更チケットを使い。

 ▽ジョブ追加

 三名に弓使い追加。

 弓使い適正:弓弩+1

 固有スキル:【矢作】


 プレイヤーネーム:レド

 ジョブ:上位錬金術師 将軍 音楽家 弓使い

 クラス:上位調合士 総指揮騎士 聖騎士 弦楽器演奏家


 従者ネーム:ピローテス

 ジョブ:騎士 ダンマスター 弓使い

 クラス:暗黒騎士 聖騎士 剣舞踏士


 特殊NPCネーム:ティア

 ジョブ:錬金術師 弓使い

 クラス:調合士


 ▽クラス選択

 猟師:弓と、狩猟と、罠との相性が良くなる

 弓師:弓との相性が非常に良くなる

 弩師:弩との相性が非常に良くなる

 弓弩士:弓と弩との相性が良くなる。

 ▽


「弓弩士だな。相性が良くなるのが二つもある、弓師、弩師は相性が一つしかない特化型だし、猟師は使わない狩猟や罠と言ったものもあるので微妙だ」

「弓弩士に決定」

「二つ使えるのは確かに嬉しい」


 ▽クラス選択

 弓弩士:弓と弩との相性が良くなる。

 クラス適正:弓弩+1

 固有スキル:【射手の目】

 ▽クラス追加

 プレイヤーネーム:レド

 ジョブ:上位錬金術師 将軍 音楽家 弓使い

 クラス:上位調合士 総指揮騎士 聖騎士 弦楽器演奏家 弓弩士


 従者ネーム:ピローテス

 ジョブ:騎士 ダンマスター 弓使い

 クラス:暗黒騎士 聖騎士 剣舞踏士 弓弩士


 特殊NPCネーム:ティア

 ジョブ:錬金術師 弓使い

 クラス:調合士 弓弩士

 ▽

 ジョブ変更チケット残り2

 ▽

 □


『イーニャ』の東側にある海岸での射撃練習後、南東にあると思われる境界線ダンジョンを目指し、騎獣に乗って探す。


 探していると、見慣れたフォックスの少女を見付けた。


「サクヤ」


 名前を呼ぶと、このフォックスの少女はこちらを見る。


「レド、ピローテス、ティアではないか」


 三騎が近寄る。


「レドは武装を変えたのかえ?」

「ああ。女アバター時はクロスボウ使いにするつもりだ」

「なるほどのう」

「境界線ダンジョンでも探しているのか」

「そうじゃ。まあ見つかって一休みしていたところじゃよ」

「じゃあPTでも組もうぜ。今のところ前衛が足りないからな」

「別に武装を変えればよかろうが」

「偶にはクロスボウもいいぞ」

「まあええ。主らには借りがあるしの」


 ▽PT加入

 サクヤが加入しました。

 ▽


【従者召喚:リャナ】

【従者召喚:ピュシー】

 この二人を召喚した。

 事情を話し、境界線ダンジョンに入る。


 ▽境界線ダンジョン『海底都市への道』

 [前衛]

 槍使いのサモナーのサクヤ。リトルフェンリルのユキカゼ

 [中衛]

 連射式クロスボウを持つレド、暗黒騎乗弓を持つピローテス、ショートボウを持つティア

 [後衛]

 上位地母神のリャナ、上位妖精のピュシー

 ▽

「偉くバランスが良くなったのう。のうユキカゼ」

「わふぅ~う」

「ほらほら行くぞ」

「なんか大所帯になって楽しいね」

「騒がしくなっただけとも言うがな」

「皆さんも楽しそうですね」

「女ばっかり」


 レドが進み始めると、他の5名+1匹が歩き始める。


「そういえば、サクヤ」

「なんじゃ」

「海なので水着はあるか」

「なんに使うんじゃ」

「水着があると耐水性効果がある」

「なんじゃと、それを早く言わんか」

「わりぃな。聞かれなかったものでね」

「今着込むわ」

「俺も着込むか」


 サクヤ、ピローテス、ティアも下着を水着に変える。

 レドも下着の上からウェットスーツに着替え、特殊展開装甲の指輪を使う。

 ウェットスーツの上に、更にメタリックなボディスーツを着込むようなものだ。


「レド、主は水着とは言えまい、ピローテスやティアはまともと言うのに」

「男としてのプライドさ」

「阿保、着込む時点でないわ」

「だって男の物とそれほど変わらないだろ」

「・・・主は殺されたいのか」

「?」

「そのスタイルで、男と変わらないというのは、女に喧嘩を売るようなものじゃよ」

「ぷ」


 レドが大笑いをし始める。

 レドのスタイルやピローテスのスタイルは凄いが、サクヤのスタイルは慎ましいスレンダーなモノだ。ティアとそれほど変わらないタイルだ。


「一度PKしてやりたいのう」

「すまん。いや天下の槍使いにも悩みはあるな。じゃあ行くぞ」


 ▽装備変更

 下着→水着

 レド→特殊展開装甲〝破壊工作型〟

 物理攻撃力  :☆☆☆

 物理防御力  :☆

 スキルスピード:☆☆☆☆

 魔法攻撃力  :☆☆☆

 魔法防御力  :☆

 スペルスピード:☆☆☆☆

 回復魔法威力 :☆☆

 破壊魔法威力 :☆☆

 命中率    :☆☆☆☆☆

 回避率    :☆☆☆☆☆

 ▽

「モブじゃの」


 現れたのはジャイアントクラブをさらに巨大化させたカニ。

 眼力でレドが調べる。

 □□□□□□□□□□

【ジャイアントクラブMk.Ⅱ】

 種類 ノーマルエネミー

 種族 水棲

 Lv 29

 HP 3480/3480

 MP 100/100

 TP 300/300

 STR 21

 INT 1

 MND 1

 VIT 50

 DEX 10

 AGI 1

 LIK 1

 CHR 1

 耐性 火炎・氷結

 弱点 雷撃・神聖

 スキル 格闘系

 □□□□□□□□□□

 レドがパラメーターを読み上げ、耐性と弱点を説明した。


「3480!、なんというタフさじゃ」

「軽く片付けようぜ。何直ぐだ」

「マスター、即死系も試しますか?」

「いや、即死系は集団に対してもの、普通に狩れるような弱い相手だ。」

「主、頭がおかしいのじゃないかえ?」

「ひでえなおい。まあ射撃部隊は射撃をGO、魔法部隊は魔法でGO、前衛は防御に徹してくれ、直ぐに分かる」


 射撃部隊の三名からの属性矢の攻撃を受けたカニMk.Ⅱは、動きが止まり、バットステータスにより行動不能になる。


「なんじゃ」


 サクヤが眼力で調べると、殆どのバットステータスを受けるカニがいた。


「毒、眠り、麻痺、スタンとはえげつないのう。じゃあ狩るかの」

「わん」

「ユキカゼは休んでおれ、こういうデカいのは不味いからの」

「わふ」


 サクヤが槍を持って襲い掛かり、魔法部隊の二人が、元素魔法スキルの雷撃系等のスペルを使い、カニを程なく焼いていく。

 射撃部隊の魔法の使い手達の、レド、ピローテスは、カニの弱点の神聖系スペルを使い、適当に叩く。

 程なくして狩れた。


「ソロより簡単じゃ」

「よし前に進むぞ」


 一本道を進む中、次第に道は狭まり、ついは二つの分かれ道につく、レドは近くにロウソクを置いて火をつける。

 炎の揺れ具合で風の強さを測り、強い場所は外に通じるので、ここに向かう。

 次に遭遇したのが魚なと植物の集団。


「即死系GO」

「承りました」


 暗黒魔法スキルの系統に属し、即死系の範囲系に分類されるスペルを使い、四割を即死させた。


「わん」


 10割から4割が減り、ユキカゼの固有スキル【アイスブレス】での氷結の一掃で、半分が砕け散る。

 7割が削られたところで、射撃部隊の迅速な射撃でさらに動きが止まり、残った一体にピュシーの元素魔法スキルの雷撃系単体スペルが灼いた。

 ソロプレイヤーのサクヤからすれば、やたらと集団に強いPTとしか思えない。


「適当に狩るぞ。射撃部隊は取り回し易い白兵武器に切り替えての攻撃に移ろう」


 白兵武器とは要すれば刀剣、この場合はレドの暗黒騎士剣、ピローテスの暗黒曲刀、ティアのショートソードだ。

 後はひたすら殴る(斬るとか突くとかとも言います)


「雑魚は楽でいいな」

「マスター、あの塗料をサクヤに渡せば」

「ああ。サクヤ」

「なんじゃ」

「その槍の品質は?」

「等級かえ?1じゃよ」

「ならこれを使え」


 渡された塗料を眼力で調べてから、こいつはバカだろうかとも思うが、気にしても意味はないので忘れてから使う。


 ▽装備変更

 ショートスピア→コーティング済みショートスピア

 □□□□□□□□□□

 名称   属性槍

 素材   塗料・槍

 品質   ☆×1

 耐久度  10/10

 装備効果

 物理攻撃力 +10

 効果

 耐水性:水に浸かっても解けない

 水棲属性:水棲エネミーに特攻Lv1

 毒属性:毒属性を得るLv1

 眠り属性:眠り属性を得るLv1

 麻痺属性:麻痺属性を得るLv1

 気絶属性:スタン属性を得るLv1

 暗黒属性:暗黒属性を得るLv1

 神聖属性:神聖属性を得るLv1

 攻撃力上昇:ATKアップLv1

 防御力上昇:DEFアップLv1

 敏捷性上昇:AGIアップLv1

 備考

 属性槍としては貴重なまでの物、通常の槍とは比べようがない恩恵をもたらす。使い手そのもの影響を与えてしまう度に強い魔力が宿る。

 □□□□□□□□□□


「・・・妾は何故貢がれたのじゃ?」

「おいおい俺は調合士だぞ。こんな簡単な物は簡単に作れるさ」

「安い物ではあるまい」

「いや安いぞ1000Gぐらいだ」

「1K?こんな物がたった1Kじゃと」

「正確には1000Gだった品質☆×3の1/600だ」

「・・・べらぼうに安いの、どこで売っておる」

「俺のオリジナルレシピ、今度、工房を持つから買いに来てくれよ」

「そうかえ。まあ買いにいくわ」


 話も終わり、再びの分かれ道、ロウソクを置いて風を測定し、強い方に向かって歩く。

 再びカニMkⅡと遭遇し、対処法は最初と同じで軽く倒す。

 その後に再び分かれ道、同じように風を測定し、向かった側には魚と植物とカニと言う、海のレシピフルコースのおもてなし。

 対集団用戦術に切り替えて殲滅。


「そろそろ海じゃ。風に塩が強くなっておる」

「・・・まさかな」

「お母さん?」

「俺の予想が外れればいいんだが、落ち着いて聞いてくれよ」

「なんじゃ」

「満ち潮じゃないかと」

「「!?」」

「という訳で逃げるぞ」


 潮の満ち引きはよくある事だが、海岸線のど真ん中での満ち引きは危険すぎる。

 全員が全速力で逃走した。

 ちなみに足元は次第に塩水の海水が流れており、逃げる全員の脚がさらに強くなる。

 洞窟の外に飛び出したところで、背後は水浸し、危うく全員で仲良く水没するところだったという落ちになりかけた。


「うわ~満ち潮だよ」

「月の引力により発生する潮の満ち引きですね。少し厄介です」


 サモン従者の二人はそれぞれ感想を述べる。

 テイム従者のピローテス、ユキカゼは息を切らしてゼイゼイと言った所、ティアも危うく死ぬところだったので、スタミナ回復用の薬を調合して飲んでいた。

 サモン型の従者は死んでも復活するが、それ以外は死んでも復活しないのだ。

 プレイヤーのサクヤもレドも、このゲームでは死にたくない、それは死に戻が嫌煙される痛みがリアル過ぎて、誰もが死に戻りを選択したくないからだ。そんなゲームで水死も立派な恐怖があるのは、想像を少しすればわかる事だ。


「相変らず優しくねえ運営だなおい」


 レドが悪態をつく。


「そうじゃの。全員で土左衛門になるところじゃった」

「全くひでぇ目に遭い掛けたぜ」

「こうも天然のトラップがきついと、これは不味いの」

「しゃあねえ。薬でどうにかするぜ」

「なんじゃ水中で呼吸の出来る素晴らしい便利な薬があるのかえ」

「浮く薬ならある」

「空中散歩は良いかもしれぬが、ここは海になるぞえ?」

「ユキカゼ、リャナは固有スキル発動!」


 ユキカゼの固有スキル【氷海の氷獄】、リャナの固有スキル【豊饒の大地】の二つにより、海の海水が氷、植物が育成されたことにより、一つの拠点のような場所となる。


「ピュシー、薬を作るぞ」

「海のど真ん中での調合とかマスター正気?」

「じゃあどうやって脱出するんだよ」

「・・・えへへ」


 笑ってごまかすピュシー、レドとピュシーの二人が薬を作り、全員に飲ませ、騎獣にも飲ませた。

 全員が浮き上がり、空の散歩を楽しむ前に、うんざりとするような海の潮風を絶え間なく吸うために気分が悪くなるものすらいる。

 海岸育ちのレドでもうんざりするほどに潮風がきつい。

 何とか脱出した時には、境界線のダンジョン周辺の海岸は全て水没していた。


「しゃ、洒落にならん」


 全員が海岸線より脱出した小高い丘、薬があっても効き目が落ちたら全員で仲良く水泳大会を開く羽目になるで、それは嫌だった。

 しかし、不運という者は続くらしいことが誰にでもわかる。

 小高い丘には、次第に強くなる風、次第に迫る塩水。

 レドがせっせと作った浮遊ポーションを染料化し、全員の衣類などを掛ける。


「薬は一時、染料は恒常的、という訳で脱出するぞ」


 全員が異論はない。

 すたこらさっさと逃げだした。


 ◇◆◆◇


 逃げ出した一行だが、優しくない、性格の悪い運営はあの手この手と考えていたらしく、水棲系のエネミーが襲ってくる。

 射撃・魔法に依って何とか脱出した。


 岸側に着いた時には、先程あった小高い丘まで水没しており、逃げ出したことは良かったが、運の悪い事には続く様で、逃げ付いた個所が悪く、水没しかけた海賊船があったのが全員が悪態をつきそうだ。


「性格悪!」


 レドこう言うのも無理はない。


「どうするんじゃ。ここは水没しかけた海賊船とやらがある以上、あのクエストがあるぞえ」

「海賊船クエかよ。どうやって逃げようか」

「この船を何とか動かすとか」

「木工のスキルがいるのう、後造船ものう、更に言えば操船もいるのう」


 ティアの甘い考えをあっさりとサクヤが打ち砕く。


「金具も有るし、金細工やなんやらがいるのう、要すれば不可能と言う事じゃ」

「何とか脱出を考えるが、ひとまず休もう、疲れたものじゃないぜこれはよう」


 一番の体力派のレドが言う、全員も騎獣すらも異論はない。

 食事をして休む。

 潮風だけではなく、今度は天気まで悪くなる運の尽きようだ。


「・・・呪いという物が有ったかえ」


 サクヤすらも考えてしまうほどに運が悪い。


「・・・どういうシステム外バトステだよ」


 不運、この一言に尽きる。

 全員が、騎獣すらも海が嫌いになるのは致し方な事だ。


「全力で逃げるぞ」


 運の悪さに定評が付きそうなぐらい運が悪い一行は、実体化したアンデット系の呪われた海賊船の船員たちと対峙した。

 ちなみにアンデット系には毒・睡眠・麻痺・スタンは効かない、それだけではなく暗黒系や即死系に耐性を持つ。


「・・・妾が何をしたというのじゃ」


 ぼやく言葉が出るのは致し方ない。

 レドの声が響く


「朱雀カモン!」


【従者召喚:朱雀】


「焼き払え!」


 朱い大きな鳥は一声でなく。


「くぇぇぇ」


 召喚された朱雀が放ったファイアーブレスにより、アンデット系のパイレーツたちは直ぐに消滅した。


「そうじゃったのう。朱雀参れ」


【従者召喚:朱雀】

 呼び出された赤い大きな鳥。


「焼き払え!」


 放たれたファイアーブレスにより、更にアンデット系パイレーツは燃え尽きた。


「燃やし尽くせ!」


 レドの怒声により、朱雀が大きく首を動かし、灼熱の業火を吐く。

 アンデット系のパイレーツ達は殆どが全滅した。


「わん」


 ユキカゼのアイスブレスにより、残りは消えた。


「逃走準備!」


 その後に逃走した。

 何とか小島に対岸に付いた一行。

 もう勘弁して、そんな声が届きそうなぐらい運が悪すぎる。

 現れたのは運が悪い事に、嵐の非に時折現れる精霊系エネミー。


「「・・・・」」


 魔法に強い耐性を持ち、かつ物理攻撃についても耐性を持つ厄介なタイプだ。

 しかも攻撃魔法や召喚魔法まで使う。


「ふっふっふっ」


 理性がぶっ飛んだような笑い声を出すサクヤ。

 レドも強く共感するような意見だが、要すれば


「「もう知らん」」


 キレた二人は、朱雀を使い焼きながら矢継ぎ早に攻撃用のアーツを使い叩き潰した。

 ただシステム外のバトステの様な呪いは続く、天気は荒れに荒れ、大嵐の真っ最中だ。


「くそ海まで無理かよ」

「不幸過ぎる」

「お家に帰りたいよう」

「これでは浮かぶ程度では無理じゃ、朱雀に乗るしかないが、下手したら全滅じゃな」

「兎に角休むしかない、何処か探そう」


 そこに声が響く。


「あのー」

「なんだ!」

「ひっ」


 レドの怒声に声の主は怯えた声を出す。

 みればニクシーの女性が一人いた。


「すまん。ちょっと立て続けに不幸があって気がたっていたすまん」


 ニクシーの女性は理解した様子で、こう話す。


「陸の方々には厳しいので、私達の村で休みませんか。幸いあなた方は女性のみですし」

「感謝する」

「いこうぞえ」


 案内された村。

 大嵐の中で、しかも女性のみのPTしか入れないと言った女性ニクシーに、全員が運が悪いのかそれとも善いのか不思議な気分にさせた。

 ちなみに男性のみだと男性ニクシーの村に行くらしい




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