302、オッサンアイドルが舞台で何をやる???
長いことお休みいただいておりました。
奇跡的に前話から今回の「お知らせ」につながりましたので、本文と後書きを合わせてご覧いただければと思います。
【前回までのあらすじ】
スタッフや所属タレントを増員した如月事務所。
新しい風を感じながら、新たなる結束と未来への情熱を心に宿したミロクたち。
盛り上がる彼らの裏側で、人知れず暗躍するオネエ……尾根江プロデューサーとシャイニーズ事務所の社長がいた。
そんなある日、オッサンアイドル『344(ミヨシ)』の3人とマネージャーのフミは、とある劇場施設に案内される。
彼らを待っていたのはジャイニーズ事務所の国民的アイドルグループ『TENKA』の3人と、尾根江プロデューサーだった。
オッサンと若者のアイドルたちは、この劇場で一体何をさせられるのか!?
【あらすじ終わり】
尾根江の体に巻かれていたワイヤーアクション用の安全帯を、どこからともなく現れた黒子たちが手際よく取り外していく。
「というわけで、アナタたち『344』には『TENKA』と一緒に舞台に出てもらうわ」
「まぁそうでしょうね」
「だいたい予想はできていたけどな」
「ええっ!? KIRA先輩たちと一緒に舞台!?」
冷静に頷くヨイチとシジュの横で、全力で驚くミロク。
シジュは「ミロクは純粋すぎんだろ」と末っ子の背中を優しく叩き、ヨイチは「はい深呼吸だよ」と落ち着かせている。
そんなオッサンたちのわちゃわちゃが落ち着いたタイミングで、KIRAが口を開いた。
「俺らも社長から何も聞いていないんだよな。オッサンたちと色々やるからここに行けって言われただけで」
「KIRAは楽しそうだったけどネ! 344に会えるーってサ!」
「言ってねぇよ!」
「照れなくてもいいんですよ」
「うるせぇ!」
若者たちも負けじ(?)とわちゃわちゃしていると、メモ帳を持っているフミが尾根江に質問をぶつけていく。
「企画の段階で会場に呼ぶなんて、あまりない事だと思うのですが……」
「あら、いいところに気づいわたね」
尾根江は小指を立ててサングラスの端を持ち、楽しそうに口角を上げて続ける。
「この会場をね、今年、2025年12月11日から14日まで押さえているのよ」
「え?」
「クリスマスイベントの前哨戦ってことで、何か楽しいことやってみない?」
むふんと色っぽい(?)ポーズをとった尾根江を、フミは呆然と見上げる。
今、何と言ったのだろう?
12月の4日間、会場を押さえている。
如月事務所とシャイニーズ事務所の合同で何か楽しい事をやる。
以上。
「いやいやいやいや! さすがにそれは無理があるでしょ!」
「おいおいおいおい! 今は何月だと思ってんだ!?」
「楽しいことってなんですか!?」
ツッコミを入れるヨイチとシジュの横で、キラキラと期待を込めた目で尾根江を見るミロク。そしてスリッパで頭を「すぱこーん!」と次兄に叩かれる末っ子。
「なぁ、うちの事務所の公式が旧ツイッタラーに投稿してるんだけど」
「うわぁ……仕事早いネ……」
「何も決まっていないのに、何を投稿しているんです?」
若者3人がスマホを眺めていると、おもむろに尾根江は舞台に上がり指をパチーンと鳴らす。
再び会場内が暗くなり、客席の後方にライトが当てられる。
いつから用意していたのか、そこには黒子たちが垂れ幕を掲げていた。
【祝⭐︎オッサンアイドル⭐︎LIVE×Reading Musical化⭐︎決定!!】
「オッサンアイドルが!?」
「LIVE×Reading Musical化が決定!?」
「……って、なんですか?」
驚くオッサンたちは三人そろって首を傾げる。
それと同時にマネージャーも、若者たちさえも首を傾げるのだった。
というわけで、前話からものすごく間が空いてしまってすみません。
ですが、奇跡が奇跡を呼んでしまったらしく……
なんと『オッサン(36)がアイドルになる話』の『LIVE×Reading Musical 』が決定しました!
うわあああああなんだってええええええ!?!?!?
さらなる奇跡が起きて、本編と内容がリンクできちゃいまして。びっくりです。
2025年12月11日〜14日 博品館劇場(東京銀座)
キャスティング等の詳細については後日のお知らせとなります。
舞台で俳優さんたちが歌って踊って朗読劇をするような感じです。
ペンライト必須ですね!w
皆様ぜひとも、生オッサンアイドル『344』を体感してくださいませ!!!!
(そして「オッサンたちが作った歌詞」の部分から全力で目をそらす作者)




