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オッサン(36)がアイドルになる話  作者: もちだもちこ


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ラジオ『ミヨシ・クラウン!』〜復活!オッサンアイドルのお悩み相談室〜

企画にご参加いただき、ありがとうございます!



〈オープニングテーマ『puzzle』〉




「皆さん、こんばんは! そろそろだね。え? 何がって? 君の甘いの、くれる日だよ? ミロクと」


「苦くて、甘くて……まるで僕を惑わす君みたいな味だよね。ヨイチと」


「義理ってやつか? ありがとうな! んじゃ、お返しは俺の本気……なんてな。シジュだ」


「三人合わせてー」


「「「『344(ミヨシ)』です! よろしくお願いします!」」」


「皆さんは、聖なるカカオの日の準備は進んでいるかな? ほら、年をとると毎日があっという間でね」


「年寄りくさいですよヨイチさん。もしファンからチョコをもらえたら、それ食べて若返りましょうね」


「チョコレートって、食うと若返るのか?」


「何を言ってるんですか。いっぱい愛情のこもったものにはパワーが宿るんですよ」


「受け取れるのは既成品になるけどね」


「買ってくれたものでも嬉しさは同じだろ。待ってるぜ、かわい子ちゃんたち」


「俺、もらえたら食べる前に鼻血出ちゃうかもです……」


「ミロク君、落ち着いて! 顔が尋常じゃなく赤いよ!」


「あー、末っ子が撃沈してっから、俺から言うぞー。今回、あの企画が復活したんだぞー」


「リスナーさんからのお悩みを僕らがなんとなく解決するかもしれない、『オッサンアイドルお悩み相談室』だよ」


「皆さん、たくさんのメッセージをありがとうございます!」


「復活が早いなミロク」


「じゃ、ミロク君からいこうか」


「では、兵庫のリオンさん、18歳の女の子からです」


「若いな」


「若いね」


「嬉しいですね。えーと、『344大好きです! いつも応援しております! 実は、春から無事大学生になる予定なのですが、アニメが好きということを隠したまま友達作りをした方がいいか悩んでいます。この歳までずっと隠れオタクだったので、今更オープンにするのもどうかな……と。同じ趣味を持つミロクさんの意見をお聞きできると嬉しいです!』とのことです。俺は大学の時、自分の趣味とかオープンにしました」


「俺は大学に行ってねぇけど、話を聞くと多種多様の人間が集まるから、自分を出した方が得だって言ってたな」


「特殊な趣味を持っていると、それはそれで個性として受け入れられやすい場所でもあるよね。まぁ、僕も仕事があったから大学には行ってないけど」


「俺は、リオンさんが楽しい方を選んでほしいです。学生生活は人生において短いものだし、楽しく過ごした方が勝ちだと思うから。考えてみてくださいね!」


「次の相談の前に、一旦CMだ」




〈CM〉




「というわけで、僕たちの学歴がさらりと出てたね」


「俺はやりたいこと決まってたからなぁ。忙しかったし」


「道が決まって、それに必要だと思ったらシジュさんも通ってたと思いますよ」


「んー、まぁな。とにかく自立はしたかったから、金は自分で稼いでたと思うけど」


「シジュらしいね。それじゃあ、次の相談だよ。えーと……東京在住のエルフさんから」


「え!? 東京にエルフがいるんですか!?」


「マジか。俺は北海道あたりにしか生息してねぇと思ってた」


「生息って……読むよー。『最近、恋人が私の会話は古くてついていけない、などとのたまうのだ。友人や義妹にきいても、のんのん(私のことだ)はそのままで良いとしかいってくれなくて困っている。高校生の男子を喜ばせる話、というものは、なにか無いものだろうか』だ、そうです。エルフは長生きだから、常にジェネレーションギャップの危険にさらされているよね」


「アレは危険です。俺も何度泣いたことか……」


「この前、ワープロって何ですかって聞かれたぜ。俺……」


「と、とにかく、エルフさんの相談だけど、周りがそのままでいいと言うなら僕は大丈夫だと思うけどね」


「そうだなぁ。むしろそのまま突っ走って『このような事も知らぬのか。そなたら』とか言ってほしいかもな」


「あと、気になるなら恋人の好きな話題を聞く側になるとかどうでしょう。それで『好きなことを話している君が愛おしい』とか言って、エルフ・フェロモンを展開させればいいと思います」


「おい待て。なんだそのエルフ・フェロモンっつーのは」


「また新しいスキルを……」


「東京のエルフさん! お試しあれ、ですよ!」


「まったく……じゃあ、次行くぞ。ユキさんシジュ推しの男性から。おい、またどっかで聞いたようなヤツが来たな。『皆さんこんばんは。今回、お悩み相談スペシャルということで、お手紙させて頂きました。最近忙しく、偶のお休みにも仕事モードが抜けなくて何だか休んだ気がしません。今、ガンガン露出が増えている344の皆さんですが、忙しい中でオンとオフを切り替えるコツのようなものがあったらぜひ教えて下さい』とのことだ」


「オンはともかく、オフはラノベを読む時ですね。あと家にいる時です」


「んー、僕はお風呂に入って、ルームウェアに着替えた時かな。その時は緊急の電話以外はとらないようにしてる。パソコンも閉じちゃうね」


「俺は酒をひと口でも飲んだらオフだな。トレーニングもできねぇし、しないって決めてる」


「僕らは定時というのがないから、オンオフはしっかりしないとね。メリハリこそ仕事とプライベート両方を輝かす方法だと思うから。それじゃ、今回最後の相談だよ」


「俺が読みますね。都会の高校生さんからです。『こんばんは! ラジオ楽しく聞かせてもらってます! 悩みというか相談なんですが、もうすぐバレンタインデーというお菓子屋の陰謀がやって来ますよね。344の皆さんは、チョコや贈り物ってどう対処されるのでしょうか? 毎年、学校でかなり貰うのですが、どうして良いのかわからなくなります。女子からなら良いんだけど、俺の通う高専は野郎率高いので、くれるのは野郎ばかりです。よきアドバイスお願いしまっす』とのことですが。モテモテのお二人はどうでした?」


「僕は学校が休みがちだったし、『アルファ』時代はトラック数台でプレゼントがきてたよ」


「ヨイチのオッサンのは参考にならねぇな。高校じゃ俺もまぁまぁもらってたぞ」


「まぁまぁって、いくつくらいですか?」


「二十個くらいか? 数えたことねぇし、その場で食べたりしたからな」


「リア充だね」


「ですね」


「なんでだよ! オッサンもミロクも、今はガンガンもらってんだろが!」


「そうですね。すごく嬉しいです。学校だと二、三個もらうくらいでしたからね」


「……おい、ちょっと待て」


「ミロク君、それって……」


「義理とはいえ嬉しいものでした。あ、都会の高校生さんの相談にちゃんとこたえないとですよ」


「まぁ、いいか。あー、野郎からのチョコね。俺もなんか知らんがもらったが、男からもらっても嬉しくねぇっつって、相手の口に突っ込んでやった!」


「シジュ、それご褒美だと思うよ」


「俺はもらえたら嬉しいので、笑顔でお礼言います!」


「ミロク君、フェロモン自重だよ。都会の高校生さん、僕からは強く生きてという言葉を送ります」


「どういうことだよ」


「都会の高校生さんが、左右どっちかによると思いますけどね」


「ミロク。落ち着け」


「というわけで、ザックリですが今回はここまで! いただいた他の相談は、次回に読ませていただくよ!」


「それでは、せーの!」


「「「『344(ミヨシ)』でした! また次回!」」」




〈エンディングテーマ『chain』ピアノバージョン〉







お読みいただき、ありがとうございます!

数話本編のあとに再びラジオ回になるので、まだお悩み相談は続きます。

気長に待ってやってくださいませー(*´∀`*)

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