ラジオ『ミヨシ・クラウン！』〜新しいお仕事の準備会議〜

〈オープニングテーマ『ｙｏｕｒ　ｓｋｙ』〉

「皆さんこんばんは！　手のひらにのせたヒヨコを爆睡させる特技を持つミロクです！」

「動物全般、だいたい話せば分かってくれるから可愛いよね、ヨイチと……」

「登るのだけはやめてくれ。シジュだ」

「三人合わせてー」

「「「『３４４（ミヨシ）』です！　よろしくお願いします！」」」

「シジュさんの場合、動物に限らず登られるじゃないですか」

「僕の前では大人しくなっちゃう子が多いから、羨ましいよ」

「本能で分かってんだろうな。逆らうと怖いヤツって」

「シジュ……」

「さて！　もふもふなロケの話も良いのですが、どうやらうちのスパダリ社長が新しいお仕事の話があるそうです！」

「ミロクに助けられた……兄は感動してるぞ！」

「ここでシジュさんが拗ねると、後が面倒なんで」

「末っ子が冷たい！」

「ミロク君は日々成長しているんだよシジュ。ところで最近よく聞くんだけど『スパダリ』ってなんだい？」

「スーパーダーリンの略みたいですよ。昔よくあった『三高』みたいなやつです」

「おう、それな。高身長、高学歴、高収入……だっけか？」

「それが分かる人って、限られているんじゃないかな」

「巨人、大鵬、卵焼きみたいですよね」

「おいミロク、お前……」

「冷蔵庫、テレビ、洗濯機とか？」

「ヨイチのオッサンに対しては驚かないな」

「一富士二鷹三茄子とか、縁起が良さそうです！」

「おい、離れていってねぇか？　いや、そもそもスパダリから話が逸れてんぞ」

「戻そうかミロク君」

「はいっ！　えーと、そんなスパダリなヨイチさんが新しいお仕事をゲットしたという話です」

「公開の許可は得てきたよ」

「さすがオッサン。根回しが早いな」

「どんなお仕事ですか？」

「ミステリー作家の綾部真雪先生の小説がドラマ化決定！　なんとそれに『３４４』の出演が決定したよ！」

「おー！！」

「すごいです！！」

「ミステリーの大家である綾部先生の作品に、僕らが携わることができるなんて……」

「ヨイチさん珍しくテンション高いですね」

「ミステリー小説とか、よく読んでるもんな」

「ＣＭです！」

〈ＣＭ〉

「さてさて、俺たち『３４４』がミステリードラマに初出演！　という話でしたが」

「なぁ、俺らは何をやるんだ？」

「ミロク君が主役の新米刑事だよ。ただ登場人物が多いから、ガッツリ主役という感じではないんだけどね。それでも大抜擢だと思うよ」

「新米って、二十代ですよね……俺でいいんですかね」

「外見が大学生の王子様なら、誰も文句を言わないと思うけど……。そんな新米の先輩刑事が僕で、シジュは途中からなぜか関わってくるチョイ悪ぶってる探偵役だよ」

「何だよ、チョイ悪ぶってるって」

「ほら、シジュさんってチョイ悪ぶってるじゃないですか。きっとそういうことですよ」

「どういうことだよ！！　つか、悪ぶってるじゃなくて、チョイ悪ぶってるっつー言い方がムカつく！！」

「まぁまぁシジュ、君の視点もあるんだから演技を頑張らないとね……チョイ悪に……ぶふっ」

「おい、今の完璧にバカにして笑ったな？　え？　笑っただろ？」

「すごいですシジュさん！　完璧なチョイ悪っぷりです！」

「……やめろミロク。力が抜ける」

「シジュが落ち着いたところで、もうひとつ発表してもいいかな？」

「いいとげほげほっ、もうひとつの発表ですか？」

「まーた、ロクでもないことじゃねぇだろな」

「こらこらシジュ、拗ねないの。そのドラマの主題歌を僕ら『３４４』が担当することになったってことだよ」

「新曲ですか！？」

「マジか！！」

「これは影で某プロデューサーが動いていると思われるよ。僕もさっき聞いてビックリしてるよ」

「最近、俺らのプロデューサーって影から出てきてねぇか？」

「ですよね……大丈夫でしょうか」

「大丈夫だよミロク君。あの人が隠れようと本気出したら、世の中の誰にも見つからなくなるから……」

「すげぇよな」

「本当にプロデューサーなんですか？　上忍とかじゃなくて？」

「下忍じゃないことは確かだよね」

「んでさ、その新曲は……もちろんミロクメインだよな？」

「なんでもちろんなんだい？」

「三人一緒に歌いましょう！　仲良く三人で！」

「はは、寂しがり屋さんだね。ミロク君は」

「ミロクはメインボーカルだろうが！　一人でしっかり歌っとけ！」

「そんな初期のキャラ設定、誰も憶えていませんよ！」

「ミロク君、ゲームじゃないんだから……。まぁ、そんなピュア王子の願いが通じたみたいで、今回はミロク君のソロもあるけど、基本は三人一緒に歌うらしいよ」

「やりました！　これで勝てます！」

「何にだよ……」

「シジュも、ボイトレ頑張ろうね」

「おぅふ……」

「そろそろ時間みたいですね。それでは三人そろって、せーの！」

「「「『３４４』でした！　また次回！」」」

〈エンディングテーマ『ｙｏｕｒ　ｓｋｙ』〜ピアノソロバージョン〜〉