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オッサン(36)がアイドルになる話  作者: もちだもちこ


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ラジオ『ミヨシ・クラウン!』〜舞台ミクロットΩに出ます!〜

〈オープニングテーマ、新曲『your sky』〉







「こんばんは! 飛ぼうとする君を抱きしめて閉じ込めたい……ミロクです!」


「自由に飛んでいいよ。でも、僕の所に帰ってきたらもう、離さないよ? ヨイチと」


「ほら、飛んで行けよ。見ててやっから。シジュだ」


「三人そろってー」


「「「『344(ミヨシ)です! よろしくお願いします!」」」


「この飛ぶとかって、『ミクロットΩ』に出てくる飛行ロボット『ディーバ』のことですかね」


「そうだね。主人公の女の子だけが乗れる『ディーバ』と、少女から大人の女に羽化する様子を言葉にした感じだよね」


「なんかヤラシイな。オッサン」


「だからね。もう何度も言ってるけどシジュと僕は一才しか年齢差はなくてだね……」


「さて! 俺たち『344』は、ミュージカルになったアニメ『ミクロットΩ』の舞台に出演することが決定しました! 僕らがデビュー曲でコスプレした敵役三人を演じます!」


「おおー! ミロクが進行をゴリゴリ押し進めている!」


「うんうん。日々成長しているね、ミロク君は」


「成長してなかったら、俺はただのダメ人間じゃないですか……それは置いといて、とにかくミュージカルですよ! ヨイチさん! シジュさん!」


「それなー、俺は舞台の経験あるけど、ミュージカルって結構メンタル削られるのな」


「歌で表現するところが多いからね。もちろん普通の台詞もあるけど」


「俺は全部が初めてなんで、とにかくやってみないと分からないですね」


「ミロクが羨ましい……何も知らない無垢なままなら、こんなに恥ずか死ぬることはなかったのによ」


「無垢なシジュという図が、まったくイメージできないけどね」


「うっせーよ」


「でも、歌で女性を口説くなんて、なんだかロマンチックですよね」


「お前、リアルでやるなよ? 絶対やるなよ?」


「え? それはやれってことですか?」


「芸人じゃねーからな!? ガチなやつだからな!?」


「シジュ、そうやって言ってると本当にやる感じになっちゃうから。あと女性っていうか少女を口説くんだよ……僕たち……」


「ちょっと犯罪っぽいですよね。アニメの設定でも敵役って三十代とかそんな感じでしたし」


「一応俺ら宇宙人だから、地球とは寿命が違うとかそういう感じだった気がするぞ」


「意外と勉強してるんだね。えらいえらい」


「うっせーっつの」


「照れて拗ねちゃうシジュさんを愛でつつ、一旦CMです!」




〈CM〉




「さてさて、なんと『344』がミュージカルの舞台出演することになった……という発表をしたんですけど、そこのところ社長のヨイチさんとしてはどう考えてますか?」


「急に真面目だねミロク君。うーん、いま2.5次元の舞台出演といえば、世に出る一つの登竜門みたいになっている……って、某出版社の某編集長さんが仰っていたからね。僕らにとってはチャンスだと思うよ」


「さすがオッサン、顔が広いな」


「伊達に年はとってないよ」


「ということは、俺たちがアイドルとして世に出るには、この舞台は大事だということですね」


「そうだね。まぁそこまでしなくてもミロク君は売れちゃうと思うけど」


「だな。天性のものっつーのも必要だろ」


「俺は全然そういう風に思えないんですけど、ヨイチさんやシジュさんみたいに『大人の色気』みたいなのとか出せないですもん」


「もん、じゃねーよ。お前これ以上何出すんだよ。一生引っ込めとけ」


「ミロク君、訴えられたら終わりなんだよ?」


「お兄ちゃんたちがヒドイです!!」


「冗談はミロクが部屋着として持っているウサ耳パーカーだけにしとくとして、今回の舞台はかなり大事だっつーのは分かった。歌って口説く……やってやろうじゃねぇか。元ホストを舐めんな」


「僕も頑張らないとね。今こそ、シャイニーズアイドルとしての経験を生かさなきゃかな」


「そんなやこんなやで! 舞台公演まで頑張ろうぜ企画、『可愛いあの子を落としまSHOW!』のコーナー!」


「ワー、パチパチパチ」


「ノリがいいな、オッサン」


「このコーナーでは、すっごい年下の女の子に向けて、オッサンがいかに『落とせるか』を歌って競うものです。はい、俺は言っててよく分かりません!」


「進行であるミロク君、見本をお願いしたいんだけど」


「えー、いやですよー」


「おい、こんな企画聞いてねぇぞ?」


「俺も聞いてないですよ。カンペ読んだだけですもん」


「もん、じゃねーよ。さてはお前気に入ってるな?」


「言葉じゃなくて歌ともなると、尚更ミロク君にお任せするよ。ほら、頑張って」


「えーと、じゃあ適当にいきますよ?」


  私だけの 姫でいて

  甘く 甘く 甘やかしてあげる

  今だけでも ここにいて

  その 一瞬 虜にしてあげる


「……はい! それでは今日はこの辺で!」


「『344』でした! また次回会おうぜ!」


「え、ちょっと、なんで……」


「「また次回!!」」







〈エンディングテーマ『puzzle』〉



お読みいただき、ありがとうございます!


そして、某作家先生に好感触だった『ネット小説の外側でありそうな話』という全3話で上げています。

よろしければ、おやつ感覚でお楽しみくださいませ(*´∀`*)

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