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オッサン(36)がアイドルになる話  作者: もちだもちこ


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ラジオ『ミヨシ・クラウン!』〜オッサンアイドルのお悩み相談室〜

企画のご参加、ありがとうございます!


〈オープニングテーマ『puzzle〜ピアノソロバージョン〜』〉




「皆さんこんばんは! 最近よく『それをしまいなさい!』と言われる344(ミヨシ)メインボーカルのミロクです!『それ』って何ですかね?」


「最近、社長業が忙しくてスポーツジムに行けないヨイチと……」


「最近、弟に萌え殺されるかと思ったシジュだ」


「三人そろって……」


「「「344(ミヨシ)です! よろしくお願いします!」」」


「シジュの萌え殺されるっていうのは、ミロク君かい?」


「うちの末っ子は、本当に敵味方問わずにフェロモン振りまくんだ……ヨイチ兄貴、教育的指導はしっかりしとけよな」


「俺は何もしてないのに……ひどいですよ兄さん達……」


「さて、落ち込む末っ子ミロクはさて置いて、今回のラジオは『オッサンアイドルのお悩み相談室』ということなんだけど」


「おう、リスナーさんに募集かけたんだよな。かなり集まったって?」


「そうなんです! ありがたいですよね!」


「とゆわけで、早速読んでいこうか。じゃ、長男からよろしく!」


「僕から? じゃあ、一人目。神奈川県のペンネームゆきさん、アラフォーの男性からだよ。『いつも344の皆さんの活躍を同世代としていつも嬉しく思っています』ありがとうね! 『今回、自分に出会いが無いことを悩んでいて投稿させていただきました。職場恋愛は難しく、自宅と職場と飲み屋の往復でアラフォーになってしまいました。344の皆さん、前向きになれるアドバイスをお願いします!』だって。どうかな?」


「おい、どっかで聞いたような名前だな。とりあえず俺からは『視野を広げろ』だな。もしかしたら自分を見てくれている人が今いるかもしれないという意味でな」


「そうですね。毎日の往復をする中に、他の世界を入れるとか良いと思います。世界が広がれば出会いは自ずとあるかもですし」


「前向きねぇ。僕は年齢関係なく、自分を輝かせる努力をするというのも大事だと思うよ。ゆきさん前向きにやっていきましょう。えーと……次はシジュで」


「よし、読むぞー。某アイドル事務所近辺に住むペンネーム現代の飛脚さん、二十六歳の男性からだ。ありがとな。『ある事務所の事務員さんが気になり仕方ないです。配達に行くと小動物のような可愛らしい笑顔と声で「いつもお疲れ様です」と言われ癒されます。その茶色いポワポワした髪の毛を撫でまわしたい! 正直お付き合いしたい! どうしたらいいでしょうか?』だと」


「へぇ、茶色い、ポワポワした髪……うわっ、ミロク君! 怖い! なんか怖い!」


「宅配の人、へぇ、あの人ってそうなんですか。ふぅん」


「落ち着けミロク。『いつも』っつー言葉の意味をしっかり考えろよ?」


「え? ああ、そういえば……ああ、もしかしたらあの子かな? それなら何も恐れずにアタックしてみてください。話題のパンケーキの店とかに誘うと良いですよ」


「めっちゃ的確なアドバイスだな! 現代の飛脚さん、試してみてくれ! じゃあ次はミロクだな!」


「はい。えっと、北海道のリカちゃん五才の女の子です。ありがとうございます。代筆は叔母のあかりさんだそうです。あ、以前デート企画でお世話になった方みたいですよ! 悩み事は『どうすればシジュさんのお嫁さんになれますか?』だそうです! シジュさんモテモテです!」


「すごいねシジュ!」


「顔が笑ってんだよ二人とも! うがーっ!」


「あはは、シジュさんが悶えてますね。それで、答えてあげてください」


「くそ、しゃあねぇなぁ。リカちゃん、俺の嫁になってくれるって言ってくれてありがとうな! リカちゃんはよく食べて元気に暮らしてくれ。そんで大きくなって俺好みの女になれ。あせんなよ。待っててやるからな」


「……ヤバイね」


「……ヤバイですね」


「何がだよ!! いったんCMだ!!」




〈CM〉




「はい。というわけで、シジュさんの照れ隠しCMが明けたところで、今回は『オッサンアイドルのお悩み相談室』ということでお送りしています」


「じゃあ、どんどんいくよ。ペットカフェ二階に住む、コロちゃん三才の女の子から。『ワンワンワーン』って、あれ? ワンちゃんかな? えーと『大好きな王子様達の無双を見れなかったと、うちのコロが嘆いていたのでペンを取りました』と、皇麗華さんから追記があったよ」


「え!! モフモフなコロちゃんが!?」


「あいつ可愛いよなぁ。俺ら見ると転がるみてぇに駆け寄ってくるんだよなぁ」


「僕らにはすぐお腹見せるんだよね。他のお客さんにはなかなか見せないのに。ふふ」


「この前のイベントに行きたかったってことですかね? コロちゃんありがとう! オフの時に行くからね!」


「よし解決だな! 次は……なんか深刻だぞ? エルフの郷に住むエルフのゆきかさん、年齢不詳からだ」


「わぁ! エルフですか! 長生きしていそうですね!」


「ミロク君の専門知識?が活かされそうだね。それで悩み事は?」


「読むぞ『生き別れの妹を探してください。かつて大切な友人がおりました。ともに過ごした時間は大切な思い出です。島を離れるとき再会を約束したのですが、連絡先を書いたメモを紛失してしまい音信不通となってしまいました。彼女は女優を志していたはずですので、お三方ならばなにか手がかりが、と思い筆をとった次第です。どうかアドバイスをいただければ』ってことだ。何だろうな、文章から何か感じるんだよな」


「シジュさんもですか? 俺も何かひっかかるんですよね」


「女優って言ったら、僕たちと関わったのは彼女しかいないんだけど……ほら、この前のドラマで一緒だった美海ちゃん」


「ああ! それそれ! なんか似てんだよなぁ、不思議と。若いくせに妙に落ち着いててなぁ」


「すごいですね。美海ちゃんはエルフと知り合いなんですね。いいなぁエルフ」


「まだ決まってないけどね。このラジオを聴いてるらしいから、美海ちゃん、心当たりあったら連絡してあげてね。ゆきかさん諦めずに待っててあげて」


「じゃあ次ですね。東京都のセブンさん。たぶん男の子だと思います。『好きな子が大人の魅力ってやつにやられてるんだ。どうすればそんな魅力を身につけられるんだ。父さんに聞いても大人になればできるさというけど、俺は今欲しいんだよ~~』とのことです。これは大変ですね!」


「あん? そうなのか?」


「そりゃそうですよ! 大事なお姫様をどこぞの馬の骨に取られてるんですから!」


「はは、まぁミロク君の言うことも分かるけど落ち着いて。彼にしっかりアドバイスしてあげないとだよ」


「男なら女に振り回される場合じゃねぇだろ。しっかり地に足つけて、いつでも受け止められる器量を持つ。これだな」


「ええと、つまりちゃんと食べて、勉強して、大きくなって、その子がいつどうなっても支えてあげられる男になりなさいってことですかね?」


「そうだね。芯をしっかりと持って、良い男になるのが大事だと思うよ」


「頑張れよ! セブン!」


「ふふ、じゃあ今回最後だね。某アイドル事務所近辺に住んでいるペンネーム黒曜のパパさん、三十二歳の男性から『現在病院に通院していて、今度長期入院するのですが、家で黒曜というワンコ飼っていて残していくのが不安です。オススメの施設などありますか』とのこと。これは心配だよね」


「何が心配って、このパパさんは長期入院でいつ戻れるか不明ってところか。家族はいないのか?」


「どうですかね。色々ご事情があるのかもしれませんけど……」


「それなら、今回特別に長期預かってくれる人を募集するっていうのは?……うんうん。番組プロデューサーの方でも頷いているから、やってみようか?」


「公式ホームページで、写真あげときましょう! 急いで連絡とって黒曜ちゃんの預け先を決めないとですね!」


「黒曜のパパさん、安心してくれ。微力ながら力になるからな! 無理せず連絡待っててくれ!」


「それでは、今回はここまで。皆様のお相手は……せーのっ」


「「「344(ミヨシ)でした! また次回!」」」







〈エンディングテーマ『puzzle』〉





お読みいただき、ありがとうございます。

ラジオ企画、まだ続きます。よろしくです。m(_ _)m

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