ラジオ『ミヨシ・クラウン!』〜大晦日スペシャル!〜
今年最後の更新です。
〈オープニング、アルバム収録曲『ワルツ』〉
「君と一緒に年を越せるなんて夢みたい。嬉しいな。ミロクです」
「僕の部屋で過ごす? 初日の出、見れるかな?……ヨイチと」
「蕎麦食う? 俺こうやって二人で蕎麦すするの夢だったんだよな。シジュだ」
「三人揃ってー」
「「「344(ミヨシ)です! よろしくお願いします!」」」
「大晦日に、やらしいなオッサン!」
「え? そうかな?」
「ヨイチさんはピンク要員なんですかね?」
「ちょっとー。僕は一応社長なんだから、クリーンで清純なイメージにしてよ」
「無理だな」
「無理です」
「シジュ、次のボーナス無し」
「ちょ、なんで俺だけなんだよ!」
「ミロク君は可愛いし弟分だからね。兄は末っ子に甘いものだよ」
「贔屓だ! そういうのダメ! 絶対!」
「さて、大晦日スペシャルという事ですが、僕らはまだデビューして一年も経ってないんですよね。それなのにラジオでスペシャルまで……でも、いつもと同じ時間しかやらないんですけど」
「さらっと進行して軌道を正すとは、本当にミロクは成長著しいなぁ。そういや何でスペシャルなんだ?」
「この後、チェケラ先輩の番組にも出るから、そういう意味ではスペシャルになるのかな。あと、今日はすごい事が起きるからね」
「すごい事ですか?」
「おい、こんな新人ペーペーなアイドルに何をさせるんだよ」
「そりゃあ、僕のコネとかコネとかコネを使いまくって、ファンの皆に年越しプレゼントをお送りしようと思っているよ」
「コネしかないですよ!?」
「黒い! 笑みが黒い! この顔をネットで映像公開して大丈夫なのか!?」
「それがシジュさん、最近この黒い笑顔が密かに人気なんですよ。知ってます?」
「マジか! 怖いもの知らずか!」
「へぇ、そうなんだ。それは光栄? かな?」
「それで、年越しプレゼントって何ですか?」
「それはもう、この後短時間で地獄の打ち合わせで仕上げにかかるから、覚悟しておくように」
「「マジかー」」
「一旦、CMだよ」
〈CM〉
「さて、ラジオ『ミヨシ・クラウン!』大晦日スペシャルという事でお送りしていますが、告知があるんですよね」
「そうだなぁ。一月末に発売される344初のアルバムか?」
「はい! アニメ『ミクロットΩ』二期の放送も決まりましたし、アルバムのカバーはアニメバージョンと、僕らのコスプレバージョンとあります」
「オープニングで流れたアルバム収録曲の『ワルツ』と、他アルバム用に作った俺ら作詞の曲も三曲追加してるぞ。俺、今回も頑張った」
「シジュさんが作ると、なぜかR18な歌詞になっちゃいますからね」
「修正が大変だったよ……あと、初回特典は大判のポスターと、僕らのキャラクターが付けている王国の紋章のレプリカピンバッジだよ」
「レプリカ? 何でレプリカ?」
「やはり本物が出回ると、王国の権威が揺らぎますからね」
「ミロク、お前今適当に言ってるだろ」
「ざっくりと感じ取っていただければと思います!」
「笑顔で誤魔化すな。フェロモン振り撒くな。上目遣いはやめろ!」
「……真っ赤になっているシジュは放っといて、もう一つ告知があるよ。これは年明けに公開されるから、ぜひ僕らの公式ホームページを見て、応援してくれると嬉しいな」
「え? もしやあの事ですか? もう決定なんですか?」
「諸事情で、決定にしてもらったよ。来年頑張ろうね!」
「これじゃリスナーには分からねぇだろ。どこまで言っていいんだ?」
「えーと、僕らのドラマ出演が決まったって所かな。ネットのニュースで年明けに記事にするみたいだから、言っても良さそうだけど……」
「とりあえず、一番の問題なのは、その事を俺は今知ったって所だと思うんですけど」
「俺も今知ったぞ?」
「え? そうだっけ? 仕事を受けるっていうのはOKだって言ってたから大丈夫だよね?」
「いや、そこまで決めてて大丈夫じゃないとは言えねーだろ」
「ヨイチさんって、言質とったら即行動派なんですね……」
「いやぁ、ゴメンゴメン。お偉方がノリノリなんだよね。高視聴率の期待が半端ないし」
「プレッシャーなんですけど……」
「大丈夫ミロク。俺はさっきから膝の震えが止まらねぇ」
「ある程度は僕らの性格に沿った登場人物みたいだよ。まぁ、問題はミロク君かな」
「はい。事前の話だと『武士』ですからね……」
「言葉遣いとか言い回しが難しそうだよな」
「俺、滑舌良くないんですよ。今からでもやれば少しは良くなるんですかね」
「何事も始めるのに遅すぎるという事はないからね。僕らが良い例でしょ?」
「んだな。オッサンでデビューしたアイドルなんて、ファンのかわい子ちゃん達とかに受け入れられたのは奇跡だよな」
「かわい子ちゃん、幼児かな?」
「むしろ幼女ですね」
「何で好かれるのか、未だに分からねぇんだけど……」
「それでは、シジュさんでオチを決めた所で、今日はここまでです!」
「今年は応援ありがとう! 来年もよろしくね!」
「……オチ……まぁ良いけど……じゃ、いくぞ。せーの!」
「「「344(ミヨシ)でした!また次回!」」」
〈エンディングテーマ、アルバム収録曲『セレナーデ』〉
お読みいただき、ありがとうございます。
年越しにぶつける彼らの勝負?は正月明けに公開できるよう頑張ります
一年未満ですが、今年はお世話になりました。
来年もオッサンアイドル並びにもちもちを、よろしくお願いいたします。




