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僕の日記  作者: Q輔
9/50

近頃のトイレ事情

 2月20日(火)晴れ 


 僕は仕事で、学校や公衆トイレの新設・改修工事に係わっている。


 というわけで、今日なんて日は、近頃のトイレ事情で特記すべき話題を二つほど書きます。


 数年前、ジェンダーレストイレが盛んに計画される次期があった。旧態依然とした社会的性別が顕著なトイレは廃止するべき、という動きがあったのだ。


 室内の扉や壁の色は、従来のような、男性=黒・青 女性=赤・ピンクという固定概念を見直し、同色とした。男性像・女性像の象徴となるトイレピクトグラムも当然ながら廃止。入口のところに、同じ字体で『M』『W』のマークをさりげなく掲げた。打ち合わせの段階で、僕は何度も異議を申し立てたが、設計士は「そういう時代なのだから仕方がない」とのことで、まったく聞き入れてくれなかった。


 ところがどっこい、現在は、もっぱらこのような設計は鳴りを潜めている。多少のジェンダーレスへの配慮はあるものの、基本的には従来の設計に戻った。理由は明白。間違えて異性のトイレに入るというトラブルが多発したからだ。だろうね。感想は、この一言に尽きる。


 あと、とあるお笑い芸人が、多目的トイレで性行為をうんぬん、という騒ぎがあって以降、業界から「多目的トイレ」というワードは、瞬く間に消えた。「多目的」という言葉の中に「該当行為」も含まれるという誤解を避けるためであろうか? その代わりに、一時期「みんなのトイレ」という言葉が登場した。しかし「みんな」の中に「該当行為を目的とする人々」も含まれる恐れがあるという判断か、最近はあまり見かけなくなった。


 かつての「多目的トイレ」のことを、近頃は「バリアフリートイレ」と呼びます。直訳すると「障害となるものを除いた便所」。上手いこと言う。これは定着するかも。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 本当にあった話として。 かつてアメリカ本土の海兵隊施設で、女性隊員の「男子トイレに小便器があるのは不公平」という訴えで、男子トイレから小便器が撤去されたんだそうで。 これ、もう訴えた女性…
[一言] 確かに、たまにおしゃれすぎてどちらなのかわからないトイレありますよね……。 建物のコンセプトに合っていればまだいいのですが、幅広い世代が集まるショッピングセンターとかだとやはり視認性の良さっ…
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