夫婦とは
4月3日(水)雨
なんかね、昔っからね、どういう訳か僕達夫婦は、夫婦円満ですねとか、ラブラブですねとか、ほっこり夫婦ですねなんつって言われることがちょくちょくあります。まあ、お世辞だなんてこたぁ重々承知なんすけどね。それでもこちとら恐縮してしまいますわ。
てゆーかさ、そもそもさ、思えば20数年前、うちの妻、よくもまあ僕みたいな男とお付き合いしたよなあと、んでもって、その挙句、よくもまぁ僕みたいな男と結婚したよなあと、今この瞬間もまったく首を傾げるばかり。我ながら不思議でしょうがない。
では、せっかくなので、突然ですが、このエッセイを読んでいる女性陣に質問です。
質問①
あなたは下記のような男と、お付き合いすることが出来ますか?
バカ。
チビ。
ブサイク。
偏屈。
貧乏。
実家も貧乏。
車、なし。
携帯電話、なし。
時々鼻を垂らしていることがある。
大人のくせに上手に鼻をかめない。
耳がツーンってなるらしい。
したがって鼻水はすすって飲んじゃう。
若はげ。
……以上、20年前の僕です。
無理でしょ?
無理でしょ?
無理でしょ?
質問②
あなたは上記の男と、何をとち狂ったか、お付き合いしてしまいました。では、実際付き合ってみて、あなたは下記のような男と婚約しますか?
定職がない。
バイトも続かない。
ズル休みする。
時々金をせびる。
貸した金返さない。
浮気する。
アルコール中毒
ニコチン中毒。
煩悩のかたまり。
てか、煩悩が百八つ以上ある。
除夜の鐘が物足りない、とか言う。
……以上、結婚前の僕です。
無理でしょ?
無理でしょ?
死刑でしょ?
あーもう、こんなやつ死んだらいいのにっ! ノミみたいに、プチッと潰されて死ねっ! ははは、申し訳ねー。
学歴、容姿、お金、社会的地位、強さ、優しさ。思えば、あの頃の僕には何もなかった。足りないものだらけだった。足りないもので手一杯だった。そんな馬鹿と結婚するかね? 妻もよほどの大馬鹿者だ。だはははは。
結婚後、僕は、たまたま、自堕落な生活に心から嫌気がさし、たまたま、突然無我夢中で働くようになり、たまたま、ほんの少しだけ豊な生活を送れるようになった。
たまたま、妻が拾った馬券は、たまたま、当たり馬券だったらしい。当時の妻が、僕の本質、僕の将来を見抜いていたとは、とても思えない。妻にそんな先見の明はない。言い切れる。絶対にない。当時の妻は、脳みそにシワ1本みたいな、ウサギみたいな、死因「寂しさ」みたいなヤツだった。偏屈で、無能で、働かない男に、一生連れ添うつもりだったのだろう、馬鹿だから。
たまたま。すべては、たまたまの連続だった。
お亡くなりになられた女優・樹木希林さんが、生前、夫の内田裕也さんが、諸事件で逮捕された際、このような言葉をメディアに残しました。
「夫婦である以上、引き受けていくしかない。夫の中には、今も純粋なものの、ひとかけらが見えるから」
当時、テレビを見ていた僕の妻は、深く、それはそれは深く頷いていました。ははは。うーん、僕は、内田裕也さんほど、破天荒ではないと思いますが……。うーん、深いねぇ。
さて。本日のエッセイのタイトル。「夫婦とは」なんつって、ぎょうぎょうしく題してみましたが。みなさん、夫婦とは、何でしょうねえ?……うーん、さっぱり分らん。
あれ? 今、一瞬、「トムとジェリー」浮かんだ。ははは、違うか。も~、真面目に考えなさいっての。……てか、まあ、そんで、いっかな。夫婦とは、「トムとジェリー」みたいなものである。なんとなーく、そんな気がします。
意味? トムはジェリーのことが大好きで、ジェリーもトムのことが大好きで、それなのに追いかけてまわして、それなのに逃げまわって、ダイナマイトに火がついて、真っ黒こげになって、目ん玉ボンヨヨヨーーンで、あれ? 何言ってんだ自分。マジでごめんなさい。
意味は、妻と一生かけて考えます。




