とんちんかんな先入観
2月15日(木)曇り
村崎羯諦先生の『余命3000文字』に出逢うまで「小説家になろう」というサイトの存在すら知らなかった僕が、なろうにユーザー登録をした直後、まだ右も左も解らない頃のお話。
「小説家になろう」といえば、「ウェブ小説投稿サイト」。
「ウェブ小説投稿サイト」といえば――
それは例えば、1885年(明治18)に大学予備門に集いし尾崎紅葉や山田美妙らが創立した文学結社「硯友社」の現代版のようなコミュニティで。サイトに集いし文士たちは、日々新しい文学、新しい文体、新しい法則を模索し、前衛的な作品の数々を次々に発表し、ネット上で文学論を喧々囂々(けんけんごうごう)と論じ合っているところ。
――なんて勝手に思い込んでいた。とんちんかんな先入観である。恐るべきアホである。
んで、なろう界隈をうろつき始めて、ぽっくん、面食らった。だって、ドラクエみたいなお話と、ベルサイユの薔薇みたいなお話ばかりなんですもの。あれれ、硯友社の現代版は? ネット上で文学論をケンケンゴーゴーは? これは何かの間違いだ。たぶん僕が偏った検索をしているだけだ。うん、そうだ。きっとそうだ。そう自分に言い聞かせ、あらためて界隈をうろついてみる。
いやいやいや、だ、か、ら~。異世界転生って何よ! ざまあって何よ! テンプレって何なのよ! てか、なんでこんなに似たような作品ばかりなのよ! 新しい法則は? 前衛的な作品の数々は? これ、夢? 僕は、悪い夢を見ているのだよね? ちょ~ちょ~♪ ちょ~ちょ~♪
今では懐かしい思い出です!
では、また明日。




