やらないも行動のうち
3月18日(月)晴れ
二十代前半の頃は、村上龍氏に傾倒していた。僕の感性を震わせたのは春樹ではなく龍。断然、龍のほうだった。
氏のエッセイも読みまくった。あるエッセイの中で氏は「これからの時代で大切なことは『何をやるか、ではなく、何をやらないか』である」と述べていた。その言葉は、なんや知らんけど、衝撃的だった。
時を経た現在も、この言葉は僕の心の中で鳴っていて、生きる基準のひとつになっている。
何でも出来る。何にでもなれる。何でも言える。どこにでも行ける。欲しいものは何でも手に入る。そんな選択肢の飽和した時代だからこそ、大切なことは、何をやらないか。
あんな恥ずかしい行動はしない。あんな人にはなりたくない。口が裂けてもあんな発言はしない。あそこには絶対行きたくない。タダでくれると言われても、いらないものはいらない。
何をやるか、ではなく、何をやらないか。
おのれの人生を振り返った時に、よし、自分はこれをやらなかったぞ! と胸を張れることがあるか?
別に人生をサボってるわけではない。
やらないも行動のうち。
行動の選択肢のひとつだ。




