表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の日記  作者: Q輔
33/50

歌の中の女性に心を奪われる

 3月6日(土)晴れ


 斉藤由貴の「卒業」という歌が好きです。


 1985年にリリースされたこの曲を聴いた時、僕は小学四年生だった。同時期に菊池桃子や尾崎豊が同じ「卒業」と言うタイトルの歌をリリースしていたが、その世界観は他の歌とは一線を画していた。


 歌の中では「卒業式で泣かない」醒めた女性の気持ちが綴られ、サビの歌詞は「もっと悲しい瞬間に涙はとっておきたいの」で結ばれる。


 当時僕は、この歌の中に登場する女性に心を奪われた。悲しいでもない、嬉しいでもない、切ないでも、虚しいでもない、そんな上手く形容出来ない気持ちで胸がいっぱいになったのだ。


 僕が小説を書く行為とは、この歌を聴いた時のような「名なしの感情」を捕らえ、なんとかして言語化する行為なのかなと、そこはかとなく思っている。


 斉藤由貴と言えば、もう一曲特記しておきたいナンバーがある。「かなしいことり」という曲で、彼氏がいるくせに他の男と付き合って、でもあなたへの気持ちは嘘ではなくて、でも彼氏と別れるつもりはありません、と言い切る、そんな救いようのない女心が歌い上げられている。この曲を聴いた時も「名なしの感情」で胸がいっぱいになった。


 あと、中島みゆきの「御機嫌如何ごきげんいかが」の歌の中にでてくる、別れた男に「あなたを忘れました。嘆いていないわ。うぬぼれないでほしいのよ」とうそぶく女性。


 あと、ジュディーアンドマリーの「そばかす」の歌の中にでてくる、失恋したばかりの切ないはずの夜に、もう彼氏の顔を思い出せないでいる女性。


 こう記していくと、どうやら僕は、したたかで強い女性が好きなのかなあ。いや、でも情念の濃いドロドロ失恋ソングも好きだしなあ。う~ん、どうなのだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「かなしいことり」は、作詞は銀色夏生さんですね。 銀色さんは「そして僕は途方に暮れる」も書いています。 どちらも銀色さんぽく、透明感があって好きです。 AXIAのカセットテープで聴いて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ