ごはんを美味しそうに食べる人が羨ましい
3月13日(水)晴れ
僕の妻には、類まれなる才能があります。それは「ごはんを美味しそうに食べる」という才能です。たまぁ~にいるでしょ、何喰っても美味しそぉ~に食べる人。それです。
たとえコンビニのオニギリとかでもね、妻が丸い背中をさらに丸めてモリョモリョと食べてんのを見ると、美味そうに喰うなぁ~コイツって、いつも思う。
知人の家で手料理なんか振舞われた日にゃぁ~もぉ~、料理作った人、喜ぶ喜ぶ。涙目だもん、妻の食べっぷり見て。作り甲斐あるぅー! つって。涙目なの。
食べ方はね、特別キレイってわけでもなく、べらぼうに大食言ってわけでもないんすけどね。モリョモリョ、ペチャペチャ、ムッシムッシ、って感じで、ちんたらちんたら食べるんですけどね。ほんっと、美味しそうに食べるのよ。ペラッペラのたくあん一枚でも。賞味期限ぎりぎりの弁当の冷や飯の、梅干しで変色した赤ぁ~いところでも。
そうそう、二人で外食している時に、妻が僕の前で味噌煮込みうどん定食を食べていて、それがまた、美味そうで美味そうで、あんまり美味そうだから「おい、ちょっとそれ、一口くれ」つったら、「は? アンタ、今、同じの食べてるじゃん」つって笑われたことがあったな。
これぞ「持って生まれた才能」だと思う。真似しようと思って出来るもんじゃないよ。心から羨ましい。ああ、妬ましい。
言いたかぁねえけど、僕なんか、昔っからメシ不味そうに喰うって言われ続けてっから。今だに、よほど親しい人でないと、一緒にメシ喰うの結構抵抗あるのよね。不快にさせちゃいけないと思って。
若い頃、妻の実家でごちそうになってもさ。お義父さんが「Q輔、美味いか?美味いか?」つって、次から次へ料理を振舞ってくれるんだけどもさ。んで、僕、「美味いです。美味いです」つって食べるんだけどもさ。「正直に言え。喰いたくないなら喰うな」つって、なぜか突然席を立たれたことがあるという。泣きっ面ですよ、ホントにもう。
ああ、ごはんを美味しそうに食べる人が、心から羨ましいわあ。




