先ずは生活
3月12日(火)雨
僕の作品の中には、社会生活に適合出来ない者、人に迷惑を掛けてしか生きられない者、完全に常軌を逸してしまった者などが、多数登場する。
何故僕がそういった「狂気の世界」に惹かれ、やたら「狂人」を描きたくなるのか? それはよく分からない。深く考えたことが無い。これからもたぶん考えない。
ただし「狂人に狂人は描けない」ぐらいのことは当たり前に考えていて、リアルが不安定になり、自己崩壊することがないように心掛けている。狂気の世界が好きで、いつまでも描き続けたいと思っているので、描く自分は誰よりも常識人で、常に正気でなければならないと言い聞かせている。
狂気のさなかにいて狂気は描けない。貧乏のさなかにいて貧乏は描けない。失恋のさなかにいて失恋は描けない。いや、描けるのかもしれんけど、主観が強すぎて、読者には伝わらないんじゃないかなあ。いや、描ける作家はおるのかもしれんけど、少なくとも僕は描けない。いや、がんばれば描けるのかもしれんけど。知らんけど。
面白い作品を書きたい。面白いと評価してもらえる作品を書き続けたい。だからこそ、先ずは生活。安定した生活の土台が重要。そう言い聞かせて、僕は、仕事も家庭も、むちゃんこがんばっとる。執筆に夢中になり、リアルをおろそかにしている者に、面白い作品は書けないと思う。いや、書ける作家はおるのかもしれんけど、少なくとも僕は書けない。いや、がんばれば書けるのかもしれんけど。知らんけど。




