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僕の日記  作者: Q輔
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しょせんオイラは中小企業の人間なのさ

 3月7日(木)晴れ


 社員数30人に満たぬ中小企業に勤める僕の、素朴な疑問。


 大手企業に勤める人ってね。例えば、豊田自動車とか、ソフトバンクとか。あとはどこだ? とにかく全国展開しているような、海外に支店があるような、でっかい企業。そういった大手企業に勤める人の、感覚的な会社の捉え方っちゅうのが、僕のような、視野の狭い生粋の中小企業人間には、まるで想像かつかない。


 自分にとっての会社といえば、見慣れた社屋のことなのだけれど。大手に努める人の会社とは、要するに通勤してる「支店」ってことでいいのかな? それとも、本社、全国の支社、海外の支社を含めた組織全体像で捉えているのかな?


 僕が、今の会社にいる理由は「社長に付いて行きたい」から。結局は、そこ。逆を言えば、トップに愛想が尽きたら、会社を辞める。さっさと辞める。では、豊田自動車やソフトバンクに勤める人はどうなのだろう? 会ったこともない、声をかけてもらったこともない、そんな雲の上の社長に付いて行くつもりで、日々がんばっているのだろうか? 社長の著書を読み、自分と考えとあまりに相違があった場合、愛想を尽かして退職したりするのだろうか?


 中小企業で、社員が会社の未来を変えて行くことは容易い。発言すれば、何かしら届く。会社の方向性の角度をほんの1度、自分の発案で動かすことができればよいのだ。そうすれば必然的に、一年後、五年後、十年後、本来行くはずだった場所とは、まったく違う場所に会社が佇んでいたりする。大手企業に勤める人はどうなのだろう? 自分の会社の未来をどのように考えているのだろう?


 その昔。リーマンなんちゃらっちゅう、見たことも会ったこともない、どっかの外国の兄弟の資金繰りが悪くなった時。この国の経済も、リーマンショックなんつって、けっこーな煽りをうけた。あの時、僕は社長に「会社の為に、死に物狂いで仕事を取ってこい!」と言われ。実際に、死に物狂いで頑張った。


 ところが、僕の会社の事務員さん曰く。大手企業に勤める彼女の旦那様は、その時会社から「こちらから指示があるまで出勤しなくてよい」と言われたらしく、しばらくの間、家でゴロゴロしていたそうだ。要するに、会社の為に「静観していなさい」と言われたのだ。僕なら、馬鹿にするな! と会社に怒鳴り込んでいるところだ。 大手企業に勤める人たちは、あの時期、どんな気持ちで毎日を過ごしていたのだろう?


 そこらへんの想像がまるでつかない。これが僕の限界なのだ。大手には向かない。かと言って独立もできない。しょせんは、中小企業でしか機能できない人間っちゅうこった。自分を恥じているわけではねっす。もちろん大手企業の人をひがんでいるわけでもねっす。ただ自分はそうだ。そういう人間なのだと。今、あらためてそう思っただけである。


 しょせんオイラは中小企業の人間なのさ。


 なんだバカヤロウ。


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