ビックマック最強説
3月4日(月)晴れ。昭和50年代。ビックマックといえば、マクドナルドの数あるメニューの最高峰であった。最強であった。少なくとも、鼻垂れ小僧の僕にとってはそうだった。昼時に親から金をせびり倒して、友達とマックへ行き、なけなしの金で、普通のハンバーガー(ピクルス抜き)のサンキューセットを頬張り、その後、悪ノリして「スマイル¥0」を、店員のお姉さんにしつこく注文して、他の客に聞こえない程度の小声で「散れ、クソガキ」と凄まれたりしながら、いつか喰ってやる! 大人になって、自分の金で、嫌と言うほど喰ってやる! 待ってろ!ビックマック! と心に誓ったものだ。 大人になったこんにち。自分の金で、いくらでも好きなハンバーガーが食べられるようになったこんにち。僕は、マクドナルドでビックマックしか食べない。令和になってもビックマック最強説。自他ともに呆れるほど執拗にビックマックにこだわっている。そもそも期間限定とか新作とか、試験的な商品に興味がない方だし。ビックマックは、シンプルにボリューミー&美味なので。極めてシンプルに浮気知らずの大ファンだっつー話なんすけどね。あと、うまく言えんけど何つーの? 人生の達成感っつーの? マイホームを建て、お気に入りの車に乗り、綺麗なべべを着ても尚。何や知らん、おぼろげな。人生の、おぼろげなそれが。 ビックマックを頬張った時に、確かに口いっぱいに広がる気がするっつーか。よし、自分、がんばった! 見たか、昔の自分! っつーか。 ぶわはははは。あと、同じような達成感を感じる時と言えば、足をのばせる風呂に浸かって、追い炊きボタンをポチっと押した時。よし、自分、がんばった! 見たか、昔の自分! だ~しゃあしゃあしゃあしゃあしゃあ。




