同じセリフを何度も使い回す
3月2日(土)晴れ
かつて、ナンバーガールというロックバンドの向井秀徳は「繰り返される諸行無常 よみがえる性的衝動」というフレーズを繰り返し叫んだ。同じフレーズを違う作品で幾度も使い回したのだ。
「珍遊記」の作者、漫画太郎氏も、作品のなかで同じ展開をしつこいぐらい繰り返し「ループ漫画」なるジャンルを確立した。
僕の大好きなドリフターズの志村けんも、マンネリを恐れず、同じコントを何度も繰り返し演じ、お茶の間の爆笑をさらっていた。
偉大なる御三方に影響されてか、かくいう僕も、自作のなかで同じセリフを何度も使い回している。
僕のそれは「家族は、たとえ死に別れてしまっても、いつか生まれ変わって、きっとまた巡り逢える」というセリフ、または同じ意味合いのセリフ。あるいは展開である。
深い考えがあってのことではない。ただそうしたいから、そうしている。同じことを繰り返すのが昔から無性に好きなのだ。自分の伝えたいメッセージは、しつこいぐらい繰り返してなんぼだと思っている。
一人の作家が生涯をかけて伝えられることなんて、たかが知れている。
マンネリを恐れていては、伝えられない。




