第八百八十五話 お留守番とSSSランク
土日は特に何もないで良かった。お地蔵様は相変わらず首を回転させてたけど、それ以外は変わったことなんてなく平和に過ごせた。
おかげでゲームと動画投稿も満足できるくらいにできたし、日曜日には美花とデートした上で___!
ともかく先週の土日と比べて非常にゆったりしていた。
世間は異常な雷と隕石が話題で忙しそうだけど。動画サイトをチラッと見たところじゃ、空に現れた魔法陣を中心として、家凍結、隕石、雷は全て関係があるもので何者か(あるいは神)の計画だと考察し、動画を出してる人がたくさんいた。あながち間違ってないのがすごいね。
「今日は私一人のお仕事かー」
「俺一人のお仕事は度々あったけど、最近はミカ一人のお仕事も増えてきたね」
アナズムにきてすぐにスケジュールをチェックしてミカがそう言った。彼氏としては彼女を一人でお仕事行かせるのは心配だけど、今日のお仕事先はバッカスさんのところだから大丈夫だと思う。
バッカスさんだけでなく常連のお客さんならオーケーだけど、初めてお仕事を依頼してきた団体には絶対にミカ一人でいかせたりしない。セクハラしてくるかもしれない。
ちなみにバッカスさんは、なんでもグリーンカラーの新しいお酒ができたらしいから、(アナズムでは)緑色の髪のミカだけで宣伝をしたいらしい。
「たっぷりゲームするんだろーなー」
「そうだね、ゲームしながらSSSランクの魔物が出てこないか監視かな」
「帰ったらたくさん甘えるからね! 覚悟しておいてね!」
「昨日あれだけ甘えたのに?」
「地球は地球、アナズムはアナズム」
そうしてミカは朝ごはんを食べてからお仕事に向かった。その後すぐに俺はドラグナーストーリー4の6週目の続きをやることにした。
流れるように無意識にゲームを起動し、キリがいいところで時計を見たらミカを見送った時刻より3時間あと。
まだ30秒くらいのつもりだったんだけど……ゲーム画面はしっかり進んでるし、気のせいではないんだろう。でも、あんまり覚えてない記憶を無理矢理ほじくり返してみると、いい感じのネタなりそうな画は撮れたっぽいし構わない。それに1時間が10秒に感じるなんて普通のことだと思うんだ。。
ともかく何も装備させずにレベルが上がり次第どんどん進んでいくって言う縛りもなかなか大変だね。
「そろそろミカ帰ってくるかな……?」
ちょっと寂しくなって、そんなことを誰もいないのについ呟いちゃったその時。トズマホが鳴った。
トズマホにはいろんな着信音を入れてある。その中でも危険度が高いものほどおどろおどろしくしてるけど……今鳴ったのはその中でも最上級。
「うへぇ、アナズムの月曜日からでてくるの……」
そう、SSSランクの魔物がどこかに現れたことを知らせる着信音。ほんと嫌になる。
あり得ないくらい出現しすぎなんだよ、本当に。
とりあえずトズマホで場所を確認。
「んー……? ここはどこ」
示されているのは様々な国から離されている、そのSSSランクの魔物以外生体反応がない無人島。
こういうところなら人もいないしほっておきたくもなるけど、飛んで行ける魔物であり、一番近くにある国が危なくなったりする可能性もあるから一応行って倒すなり封印なりしなきゃならない。
早速俺は机に書き置きを残し、現場へと向かう。
移動に5分ほどかかったけど、その移動時間の間にSSSランクの魔物の動きはなかった。
着いた現場は大きくも小さくもない無人島。そこにでっかい何かがうずくまって眠っているのが一目見てわかる。色は真っ白。
「これは何だろう……」
<人間のにおいがする……!>
真上から見下ろしているとそんな声が聞こえた。なるほど、SSSランクの魔物ってダンジョンの魔物と同じで話すことできるんだね。
<人間がそこにいるのか……?>
「いるよー」
<少女の声……どこだ!>
「上だよー」
眠っていた魔物は起きたようで、首をむくりと持ち上げてこちらを見てきた。こいつ、ドラゴンだったんだ。
見る限り翼竜じゃなくて地面を歩くタイプのやつだね。ドラゴンの羽がついてたらすぐに判別つくもの。
<なんだ……なにか特殊な物体しか見えないが>
あ、飛行機に乗ったままだった。
仕方がないから降りてあげよう。このまま問答無用で倒しちゃってもいいけれど、喋れる相手にそれをするのはちょっと心が引かれる。
「これでいいかな?」
<な、なんと美しい少女だ……! 余の嫁にしてやっても良いぞ!>
「いや、結構です」
なんか偉そうな人から求婚されること多い。世間に出してるアリムはまだ13歳だから……みんなロリコン。さすがにドラゴンから求婚されるとは思わなかってけど。
しかし、これがSSSランクの魔物かぁ。
一応魔神がSSSランクの亜種扱いだったのか、封印したら魔核を大量に出してくれたけど、ちゃんとしたのは初めてだね。SSSランクの魔核は一つだけ落とすのかな。
<なんだと!? 余をどのような存在かわかって言っているのか美少女!>
「SSSランクの魔物のドラゴンでしょ?」
<な、なにわかっているのか……。その肝の強さ……貴様、SSSランクの冒険者だな!? その若さで! SSSランクの冒険者! 嫁にしたい!>
うーん、そう言われてもなぁ。




