閑話 有夢が惚気させられる話
「今日はやりたいことあるの!」
「ほうほう」
ミカが目をキラキラさせながらそう言ってきた。よほどいい案が浮かんでいるんだろう。付き合ってあげようね。
「まずはアムリタを出して?」
「はいはい」
アムリタをひと瓶机の上に置いた。
「それを飲んで若返るのよ」
「前にやったやつじゃん」
「そーそー」
若くなる過程はともかく、そのあと、珍しく俺の方からミカを襲いメタメタにしてしまった案件。本人はものすごく満足してたけど……。
またあれをやるのか……週のうちに2回もあれはきついな。俺が耐えればいい話かもしれないけど、多分、美花への愛が湧き上がってきて無理だと思うんだよね。
「むむむ……」
「構えないでよー」
「また襲ってしまうかもしれない……」
「いいじゃないそれで。……でも今日は若返るのは私じゃないんだなー」
「ああ、なるほど」
俺は自分で机の上に置いたアムリタを掴み、少しだけ口に含んだ。年齢は……この間のミカと同じ5歳程度でいいだろう。みるみるうちに体が縮まって行く。
もちろん服は自動でサイズを合わせてくれているよ。
「これでいい?」
「は……わ……わ……!」
お互い椅子に座ってるはずなのに、ミカが大きく見える。下から見上げても美人で可愛いなぁミカは。全方美人ってやつだね。
「なんか違和感」
「はわわ……わわわ……」
「どしたの? ミカ」
言葉は言葉になっておらず、プルプル肩を震わせ、瞳孔はらんらんと輝き、食い入るように俺のことを見ていた。そんなに見つめられると恥ずかしい。
「そんなに見つめられたら恥ずかしいよ」
「かわ……」
「ん? 可愛い?」
「がわ"い"い"っ!!!」
聞いたこともないような変な声を出しながらミカはソファから降り、立ちながら俺のことを抱きしめた。
俺の顔面の位置にちょうど胸が来る。埋められてしまった。それ自体は天国なんだけど、やばい、息ができなくなってくる。
「んごー! んごー!」
「かわいい、まじ可愛い、超かわいい! あああああ可愛いいいぃいあああいぃあああああ」
「んごー! んごー!」
ミカのおっぱいに埋もれて死ぬ! 幸せ! ……じゃない、やばい、それは流石に恥ずかしすぎるぞ。
なんとかしないと……まともに喋れないしメッセージで……。
【ミカ、息苦しい! 死んじゃう!】
「あ、ごめん!」
やっと離してくれた。
それにしてもめちゃくちゃ嬉しそうな顔だ。お互い多分、今は嬉しそうな顔をしてる。
「可愛い、可愛い!」
「えへへ……ありがと」
「かわいい、だめ! かわいい!」
「ちょっと冷静になろうよ」
「無理よ可愛すぎて! あ、鏡見る?」
ミカは返事をする前に鏡をどこからともなく持ち出してきた。そこに俺が映る。
どう考えても女の子がそこには居た。自分ながらこれは昔から女の子と間違われてと仕方ないと思うほど女の子。
そういや小5までミカより若干身長低かったかし尚更かもしれない。
「これは流石の俺も言い逃れできないよ」
「でしょ? 女の子でしょ?」
「うん」
「じゃあ着せ替えさせてもいいよね!」
「どしてそうなるの」
「ダメ?」
「いいよ」
それからおよそ3時間、ミカの手によって俺はひたすらに着替えさせられた。なんでも着たよ、なんでも。
パシャパシャ写真撮られながらさ、メイド服もきたし、ゴスロリや着物も。
「この写真は後で義母さんに送るね!」
「え、俺の? マジで送るの?」
「当たり前じゃない。あの人は私の将来の義母さんであると同時に有夢の着せ替え仲間なんだから」
そう言えばそうだったね。ミカはすでに写真を送ったみたいだ。つまりいつかお母さんからもやらされるということだ。別に嫌ではないけど。
「さて……後いくつかしてほしいことあるんだよね、いい?」
「いいよ」
「ほっぺたぷにぷにさせて……?」
「もちろんいいよ」
ただでさえアリムのほっぺたでああなんだ、今の俺はどうなってるか計り知れない。
ミカは俺のほっぺたに指を埋めてきた。
5秒停止。そしてすぐに腰から砕け、地に膝をつける。
「どしたの!?」
「マシュマロを超えた……!」
「そっか。ふむふむ」
自分で自分のほっぺたをツンツンしてみると、確かに柔らかくて気持ちいい。よし、それじゃあこれならどうだろう。
「ぷくーー!」
「かかかかかわいいっ! つ、つついてみていい?」
口に空気を含んでるので黙って頷く。ミカがほっぺたを潰した。まさに破顔としか言いようがない顔の砕けよう。
「かわいいよぅ……かわいいよぅ……」
「ありがとう。昔はヤだったけど今となっては普通に照れるよ」
「よし、次はこのまま一緒にお風呂はいろ!」
「えっ」
それは流石にどうなのかと断ろうとしたけど、抱っこして持ち上げられて連れてかれた。
んで、お互い裸のままなのにさっきと同じように抱きしめられて窒息どころではなくなったり……………まあ、とにかく色々あった。




