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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
二十六章 不穏な異変

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閑話 リル・フエンを応援する会

 ここはとある、頭のいいことで有名な高校の一室。

 そこに何人もの生徒が集まっていた。その手には何かを握っているということはなく、ただ彼らは椅子に座り、話をしている。



「設立したばっかりなのにかなり人がいるな」

「それだけリル・フエンさんが人気ということだろう」

「この間発表された美少女ランキングでは3位をキープ。やはり流石というべきか……」



 この集まりは『リル・フエンを応援する会』という設立されてから2ヶ月も経たない同好会だった。

 メインの部員は15名。しかし既に校内の10分の1の人間がサブの部員として加入している。


 美少女ランキング1位から3位の人間の同好会は、校内の人間の5分の1や10分の1など加入しているが、兼部している者を1名と数えて合計3分の1近くはどこかに入っている。

 逆にその事実を知ったこの高校に通っている者は『3分の1しかいないのか、少ない』という感想を抱くことが多いという。

 だが、本当は同好会に所属していないだけで校内の98%が誰かしらのファンだったりする。

 これらは高等部内の計算であり、この高校のエスカレーター元である中等部と、エスカレーター先である大学、大学院を含めたら誰も把握できないほどの人数になるのだった。



「いやー、まさに二次元から出てきた人間ってのはあんな感じなんだろうなと」

「本当に。それに頭や身体的スペックも人間離れしているからラノベや漫画から出てきた人間としか……」

「身体的スペックとは運動能力? それとも……ナイスバディ的な方?」

「どっちも」



 この同好会は某ランキング1位のファン会合とは違い、過激な者は少ない。いないわけではないが、誰もがその3位の少女の彼氏を恐れているからであった。

 柔道を主にした武術の天才であり人間離れした怪力と耐久力を持ち、重火器相手に素手で挑んで打ち勝ってしまうような人物。そして親は警察のお偉いさん。

 何かをしようなどとは思えないのであった。普通は。



「あー、しかしなー、あのデカイの一回でいいから揉んでみたいぜ……」

「お、おい、今の魔王に聞かれてたら……!」

「っと、ヤベェ……。殺されるところだった。よかったここがファンクラブで」



 願望を述べた男子と、それを聞いていた男子は冷や汗を掻く。



「しかしどうだろう、魔王は既に揉んでいるという可能性はないか?」

「目撃情報はキスまでだけど……どーせそうだろうなぁ」

「1つ屋根の下だもんな」



 今度はため息を吐く。このファンクラブがすることといえば、設立以来ほとんどこの程度だった。

 あとはたまに「顔派」「脚派」「胸派」「スタイル派」で言い争いがあるくらい。

 

 しかしこの日は違った。



「おいオメェら!」

「誰だ……お、お前は!?」



 一人の人相がいかにも悪人な男子生徒が、USBメモリとパソコンとプロジェクターをもって駆け込んできた。



「あゆちゃんを盗撮して停学中の下田! よくもあゆちゃんを辱めに合わせやがってクソ野郎! 何しに現れた!」

「ふっ……俺の持っているものをみてわからないか? そしてここは誰の同好会だ?」

「ま……まさか!?」



 メイン部員全員が騒ぎ出す。今まで下田という男がわざわざ『リル・フエンを応援する会』に来た意味。

 この学校に頭の悪い者はいない。皆すぐにその意味がわかった。



「流石にそれはマズイんじゃないのか!? あ、あゆちゃんはまだ、信じたくないが一応男子だから大問題までに発展しなかったんだ。リルさんは正真正銘の女子! マズイんじゃないのか……!」

「え、あゆちゃん先輩って男なの!?」

「1年生には後で説明する。……下田、俺たちはそれをみないぞ。あゆちゃんファンクラブの輩と一緒にするな。むしろここでお前を取っ捕まえて学校の運営に突き出すまであるわ! 観念しろ!」

「おいおい早まるなよ………盗撮じゃねぇ」

「なんだと!?」

「見りゃわかる」



 下田は机の上にプロジェクターを設置し、パソコンとUSBメモリを使って映像を投影し始めた。

 そこは体育館内の映像であり、リル・フエンを中心として展開されている。



「体操服……!」

「これはバスケの授業の時のものだ。監視カメラをジャックした」

「なんだと!?」

「んで、みてろよ……」



 女子がバスケをしている中で、リル・フエンはひときわ活躍していた。スポーツ万能。これは既にみんな知っていることだった。



「女子がスポーツしているだけでは?」

「ここからドアップになるぜ」


 

 映像がリル・フエンに向かって拡大されて行く。ボールが彼女にパスされ、ドリブルで走り始める。

 その走り始めた時に皆、下田が何を見せたかったのか察知した。揺れる双丘。そのドアップ。



「んなっ……!」

「どうだぁ?」

「太ももの映像はないの?」

「いや、今のシーズンはだいたいみんな長ズボンだから…………ん?」



 下田の前に一人の巨大な影。

 それは鬼のような形相でパソコンをいじる下田を睨みつけていた。そして彼は無理やりパソコンからUSBを抜き取ると、それを己の握力で粉々にしてしまう。



「えっ」

「えっ、ではない。この場から去れ、下衆が! リルさんも火野も不快にさせるようなことをしやがって!」

「部長……!」

「剛田先輩……!」



 剛田という名のこのファンクラブの部長に怒鳴られた下田は、プロジェクターとパソコンを持って渋々部屋から出ていった。

 その後、剛田は部員から拍手喝采を受けることとなったのだった。

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