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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
二十六章 不穏な異変

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閑話 あゆちゃんファンクラブ会合

 ここはとある、頭のいいことで有名な高校の一室。

 そこに何人もの生徒が集まっていた。誰もがその手に絶世の美少女の写真がプリントされた団扇を持ち、それを大事そうに抱きしめている。



「では……第七十五回、あゆちゃんファンクラブ会合を始めようと思う」

「押忍!!」



 凄まじい熱気。

 まだ冬だというのにこの部屋は、暖房をつけずに半袖でも苦しいほどの暑さを誇っている。これも全ては信仰する学園アイドルへの愛によるもの。


 この「あゆちゃんファンクラブ会合」は非正規の部活として活動しておりフル会員はおよそ50名。

 少し顔を覗かせたりするだけの軽会員というのも存在しており、それを含めるとこの高校の全校生徒の約6分の1がここの会員ということになる。



「掛け声を開始する! ひとぉぉぉつ!」

「「「あゆちゃんは小悪魔なり!」」」

「ひとぉぉぉつ!!」

「「「あゆちゃんはみんな……じゃなくて曲木さんのもの! 幼馴染カップルは尊い」」」

「ひとぉぉぉつ!!!」

「あゆちゃんには直接触れず、遠くから見守ること!」

「ひとぉぉぉつ!!!!」

「あゆちゃんにセクハラした者に死刑を!」

「ひとぉぉぉつ!!!!!」

「「「あゆちゃん万歳!」」」


 

 この部屋は防音が施されており、またそれなりに声を抑えているため周囲に漏れることはない。

 もし仮に周囲に漏れてしまった場合、崇めている本人に聞かれる可能性が出てくる。本人は崇められることを良しとしておらず、嫌な気分にさせてしまうため、細心の注意を払っているのだった。



「よしいいぞ。さて何か報告がある者はいるかな?」

「はいはーい!」

「むむ、佐奈田さん! またなにか情報を持ってきてくれたのかな?」

「はいこれ、最新の美少女ランキングです」

「おお、今月分か! ありがとう!」



 ポニーテールの美少女によって手渡された学校内美少女ランキング2月号。それをフル会員の50名は額を寄せ合いながら舐め回すように見た。



「お、おお、おおお! あゆちゃんが! 我らが小悪魔がまたしてもランキング1位におられるぞ! ミカちゃんファンクラブ、リルちゃんを応援する会を兼任している者も喜べ! 相変わらずこの3人がトップスリーだ!」

「あ、佐奈田さんも8位じゃん」

「ほんとだ。おめでとう!」

「あ、ありがとうございます……えーっと、じゃあ私はこれで……」

「また宜しく頼む!」



 ポニーテールの美少女は気恥ずかしそうにその場を去っていった。残った者たちは自分が信仰する対象について再び話し合い始めた。



「この間! ミカちゃんとあゆちゃんがキスをしているところを見ましたぞ!」

「なんと!」

「羨ましい限りですな、盗撮などはなされてないのでしょうかぁぁ?」

「ぶひぃ!」

「もちろんしたに決まっていますぞっ!」



 メガネをかけた会員がみんなに盗撮した写真を公開する。高性能のプロジェクターを通し、拡大して。



「た、たまりませんな……」

「女の子同士がキスしているようにしか見えません!」

「はぁ……すてきっ……!」



 それぞれが前回の会合から今回までの間に集めた信仰対象のエピソードや写真を公開して行く。それらのネタがないものは自作した妄想や対象への理論的考察などもする。

 そうして楽しんでいた中、この部屋の戸がガラリと開けられた。



「おいテメェラ! ……なーんだ、そんなちゃっちぃ情報でワイワイやってんのか相変わらず! たしかにキスシーンは超魅力的だが」

「むむ、君は第六十四回の会合の時に破門になった下田君!」

「何しにきた、このあゆちゃんに直接変態行為をするクソ変態野郎が!」

「文化祭の時にあゆちゃんのメイド服のスカートの中を盗撮した罪! 忘れたわけではありませんよね??」



 何十人もがヤジを飛ばす。しかしその時彼から公開された写真のことを思い出し、軽く鼻から出血する者も数人現れている。

 下田と呼ばれる変態男はやれやれ、と、肩をすくめ、プロジェクターの前に突っ立った。



「お前らに……レベルの違う、震えるような最高のものを見せてやる。それを仕入れたからここにきた!」

「な……なんだと!?」

「ど、どんな写真なんだ……!」

「どうせまたあゆちゃんの恥ずかしい姿に決まっている!」

「写真というよりは動画だな……。俺も何回血を吸い取られたかわからねぇ。だが恥ずかしい姿ってのは当たってるかもな」



 ニヤニヤと笑う下田に全部員が寒気を感じるも、興味はすでに最高潮。



「見たいだろ?」

「うん、みたい……いや、あゆちゃんが恥ずかしがる姿など……!」

「見たくないと言っても俺は見せてやるぜ……この、あゆちゃんの生着替えをなッ!」



______

___

_



「ごめんなさい、話したいことがあったの、忘れてて……て……へ?」



 ポニーテールの彼女は部屋へと戻ってきた。そこで彼女が見たものは、鼻血を垂らして血の海をつくりながら幸せそうな顔をしている男子たちに、クラクラと足取りがおぼつかない女子、そして、モニターに映し出された小悪魔の白い肌だった。



「いや、流石に着替えを盗撮はないわ。……あゆちゃん専用更衣室から変なものが見つかったから、みんな注意してって伝えようと思ったらこれだもんね。いやー、本人には教えられないなぁ……」



 そう言って彼女は素早く写真と動画のデータを根こそぎ持ち去ると家で全て削除し、ついでにあゆちゃん会合を管理している教職に犯人の名前を晒したのだった。

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