表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
二十章 謎の男

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

665/1308

第六百二十九話 からっぽ

「穴があいてるし何もないけど……ここに金剛杵が入ってたってことでいいのかな?」

「多分ね」


 

 ぽっかりとお地蔵様の首に空いた穴。まるで宝箱の中身がスカだったような気分だ。



「やっぱり金剛杵はもう……」

「諦めるのはまだ早い! っていつもみたいに言いたいところだけど、手がかりが何にもないしなぁ…」



 叶までお手上げだったんならもうお兄ちゃんは何もいえないよ。



「え、てことは魔神……復活しちゃうの?」

「いや、そうとは限らないよ桜。ほら、魔神も戦ったときだって、あいつらは取り憑くのになにかいちいち条件が必要だったでしょ? それを満たさないと」

「確か最初に対峙した魔神は、メフィラド一族にしか取り憑けないんだったわね」



 なるほど、だったらまだ少しは安心できるよね。取り憑くのに条件が必要ならね。



「となると、次に考えなきゃいけないのはその条件か」

「叶は何か思いつく?」

「んー……まあ単純にいけば二つだよね」



 二つ。

 ああ、それってもしかして。



「ラーマ国王やその親戚に取り憑くか、導者に取り憑くかでしょ?」

「そうそう。前者の場合はまあしばらくは安心していいと思う。やばいのは後者だね」



 叶は真剣な表情をした。

 後者の方がやばいという理由をとりあえず訊いてみよう。自分で考えてもわかりそうな気がするけれど。



「それって?」

「ほら、今までの話を全部まとめるとさ、武士の子供はアナズムで導者になって、こっちに帰ってきたわけじゃん? つまり導者の方が地球にいる確率が格段に高い」



 確かにそうだ、それはやばい。

 だって……そうだよ、だってサマイエイルなんてカルアちゃんのお母さんの死体に取り憑いてたじゃん。死んだ身体にも取り憑くことができるんだったら、その金剛杵を持って行った人に神隠しにあった武士の骨なんて見つけられたら積み。

 地球で魔神が復活してしまう。



「前に導者が現れたのはいつなんだろう」

「あ、それはもう俺とミカがラーマ国王から訊いてるよ」

「そういえばそうだったね。……特に何も変化がないし、そろそろ翔さんとリルさんを呼んで相談に参加してもらおうか。その時にもっかい詳しく話してよ」

「おっけー」



______

___

_



「わふぅ……わっふぅ……」

「大丈夫か? 大丈夫か? ……よし、大丈夫そうだな」

「わっふぅ!」



 翔とリルちゃんが恐る恐るこちらにやってきた。カナタが今までについての説明を簡潔にしている。

 


「しかし、リルに何もなくて良かったぜ」

「わふん、てことは私はこのお地蔵様じゃなくて中の金剛杵になにかされそうだったってことかな?」

「かもしんねーな」



 その考えが妥当だね。お地蔵様そのものがリルちゃんになにかしたというわけではなく、中の金剛杵の魔神の封印が解けかけていてリルちゃんに影響したという方がしっくりくるもんね。



「えっと、それじゃあにいちゃん。今までラーマ国王から訊いた話、ほぼ全部しっかり話してよ。大まかなことしかまだ聞いてないから」

「そうだね、わかった」



 俺は覚えている限り事細かくラーマ国王から教わったことをみんなに話した。……まあ美花のほうが記憶が得意だからほとんど美花に助けてもらったけれど。



「わふ、気まぐれで導者にされたんだね」

「いやー、テキトーな性格ってのは何しでかすかわかったもんじゃねーな。そん時のブフーラ国大丈夫だったのか?」



 どうだったんだろ、大丈夫だったのかな。

 それとも今のエグドラシル神樹国みたいに、政治家たちがなんとか力を合わせてサポートしていたのかもしれないね。



「ねえにいちゃん。前の導者って、およそ100年前で、見世物が得意で、とても故郷に帰りたがっていたアナズムから見た異世界人で、その後手がかりを追ってメフィラド王国まで行った…でいいんだよね?」

「それでいいはずだよね? 美花」

「うんうん、私と有夢の記憶が確かならね」



 カナタは顎に指を添えた。そしてすぐに、いやもう間も無く叶の顔は青ざめてくる。普段からあんまり動じるほうじゃない叶が桜ちゃん以外のことでこうなるなんて珍しい。てことは……。



「何かわかったの?」

「何かわかった……いや、もう答えというかなんというか」

「おお、さすが叶君だぜ! で、どうなんだ?」



 叶はゆっくり口を開こうとするが、何かに怯えているのかなかなか言おうとしない。本当にどうしたんだろうか。



「大丈夫? 言いにくいなら俺にだけ言ってくれればみんなにちゃんと伝えるけど」

「いや……そうじゃなくて……どうしよう……」

「叶…? ね、大丈夫なの?」



 桜ちゃんが叶の背中を撫でた。叶自身も深呼吸をする。

 本当に何かを掴んだんだね、言いにくいくらいの。

 これでまだ中学二年生だから……もしかしたら重荷を背負わせちゃったかもしれない。

 

 桜ちゃんは背中を撫でるのをやめ、叶の後ろから優しく抱きついた。叶はなにか覚悟を決めたような表情をし、再び口を開き始めた。



「じゃあ……もう、ほぼ確信してるんだけど……その、前の導者が何者なのかを特定できたから、言うよ?」

「うん」

「……それどう考えても愛長光夫さんだよね」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ