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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十九章 導者

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第五百八十話 ラブロングサーカス団

〈さあ、みんなで楽しもう! ここは愛に満ちている! ラブ、ラブ、ラブラブ、ラブラブ、ラブロングサーカス!〉



 しばらくして俺たちにの元に頼んだジュースやお菓子が届けられてから十分後。

 映画とか劇場とかで必ず鳴る、ブーーというブザー音がした。そして流れるこのサーカスのテーマソング。



「いよいよって感じだね!」

「楽しみだねぇ!」



 俺と美花は椅子の肘置き越しに手を繋ぐ。ちなみに3組全員がそれぞれの想いの人と手を繋ぎ始めてるよ。まあ、これ実質トリプルデートだしね。



〈みなさん、愛が満ちるラブロングサーカス団へようこそ!〉



 どこかのスピーカーから聞こえてくる女の人のナレーションの声。



〈近くから、遠くから、お越しいただき誠にありがとうございます! この2時間、愛に溢れた夢のような時間を楽しくお過ごし下さい!〉



 舞台にヒョコヒョコしながら光夫さん…おっと、ピエロのロングハート君がタイヤのようなものを持ちながら出てきた。



〈ピエロのロングハート君が出てきましたよ! どうやら皆さんを歓迎するみたいです!〉



 ロングハート君はタイヤをわざとらしく置き、舞台より客席全体を手を振りながら見渡した。

 元々有名なだけあって、観客の熱気がすごいすごい。

 かくいう美花も若干はしゃいでるみたいで、俺の手を強く握り、輝いてる目でステージを見てるみたい。

 ……って、俺は美花じゃなくてステージを見なきゃね。

 せっかくサーカスを見に来たのに。



〈なになに、ロングハート君が、みなさまを歓迎するために、1芸披露します……? ですって! ではロングハート君でタイヤ乗りでーす!〉



 まだ何もしてないけど拍手喝采。

 光夫さん…じゃなくて、ロングハート君はタイヤを地面に置き、その上に乗った。

 乗ったとともに(普通に考えたら当たり前だけど)前に顔から倒れてしまう。

 

 タイヤは横に倒れ、ロングハート君は手足をパタパタさせて悔しそうにするの。それで指で『もう1回』とジェスチャーしながらまたタイヤを立てた。


 そしてもう1回乗ろうとするも、また転んでしまう。

 再び起き上がったロングハート君は悔しそうに地団駄を踏み、腕を組んで考える(フリをする)。


 5秒ほどしてからピンボーンという効果音とともに何か閃いたようなそぶりを見せ、またタイヤを立てた。

 そしてその上に立つ……のではなく、なんと倒立。

 

 それはもう鮮やかで、一発で成功させてしまった。



「ふええ…すっごい!?」

「わふ、私でもできる気がしないよ…!」

「さすがサーカスって感じだな」



 どう考えても立てたタイヤの上に倒立の方が難しい気がするけど…。

 タイヤから降りたロングハート君は、ウンウンと満足そうに頷くと、今度はまたタイヤの上に足で乗ろうとした。

 しかし、それは失敗する。

 あれは成功しておいて、それは失敗するんだよ。

 思わず吹いちゃった。



「うまく笑わすもんだね…ふふ」

「サーカスってこんなに楽しかったんだね、叶!」

「ん、まあ俺もほとんど初めてみたいなもんだけどね」



 サーカスが初めての2人は本当に楽しそうに観てる。

 あ、リルちゃんも子供も見たいにはしゃいで、翔にからんでるね。



「私たちが前に来た時よりクオリティ高くなったかしら」

「そんな10年前のこと詳しく覚えてないよ。でも…確かにそんな気はするよね」



 ロングハート君は『あれぇ?』とでも言いたげに首を傾げ、そのタイヤを持ち上げ首にはめると、観客に向けて一礼し、舞台の奥へと去っていった。



〈ロングハート君は度々出て来ますからね! それではまず皆様に披露するのは『エアリアル』。上から垂れる布を操り、可憐に舞ってくれます!〉



 宣言通りにこのテントの天井から布が降ってくる。

 数名のバレエダンサーのような服装を身にまとった人々があらわれ、お辞儀をする。

 証明がこのテント内を優美なものに変え、雰囲気を一変させたの。

 それぞれが布に足を掛け、音楽が流れ始めると、スルスルと捲き上げながら登ってゆき始める。



「わふー、よく器用に登ってくね」

「リルはあれできそうか?」

「タイヤの上で倒立よりはまだ可能性あるけど、基本的に無理だよ。狼族も万能じゃないのさ」

「そうかそうか」



 リルちゃんの運動神経がいくら人の道を外れてるからと言って(女子曰く体育がやばいらしい)、ああいう身体動かすこと全般なんでもできるわけじゃないんだね。

 まあ当たり前か。

 翔も運動神経化け物だけどサーカスみたいなことできないしね。



「むーん、サーカスって感じだね」

「そうだねぇ…」



 布を降り、また登り、また降りることを繰り返す口径は確かに可憐だった。

 さて、まだまだプログラムはあるはずだ。

 楽しまなきゃ。

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