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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十八章 安泰

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第五百三十五話 ウェディングドレス -2

 ひとまずウルトさんに見せるためにベールと手袋をパラスナさんにつけてもらって、しきりの後ろに隠れてもらう。



「アリムちゃん、連れてきたよ」



 連絡した通りにバッカスさんがウルトさんを連れてきてくれた。ウルトさんのタキシード姿、ビシッと決まってるよ。



「…ぱ、パラスナのウェディングドレス姿…」

「今お見せするので……パラスナさん、出てきてください」

「う…うんっ」



 パラスナさんは自分でドレスの裾を持ち上げながらしきりの後ろから出てくる。ベールを被り、うさ耳を生やし。

 誰もを魅了するであろうパラスナさんのその姿はウルトさんにはどう映るのか。



「パ…ラスナ…」

「ど、どうかしら?」



 パラスナさんは頬を赤く染めながら、スカートを少しヒラヒラさせつつ答えを求めるようにウルトさんの方を見た。

 ウルトさんは口を開け、見惚れるようにパラスナさんを見つめたまま答えない。



「……ウルト?」

「ウルト、答えてあげなよ」

「はっ…!? つ、つい見惚れてしまった。……とても綺麗だよパラスナ」



 正直に見惚れたと言った後に、恥ずかしそうに頬を掻くウルトさん。



「うふふ、ありがと。やっぱりいいわね、結婚って。柄にもなくドキドキしちゃう」

「そ、そうだね」



 二人は互いをジッと見つめた。

 この二人の間にきっと壮絶なドラマがあるんだろう。

 俺にもミカがいるからわかる。この二人からなんか『愛してる』という感情以外に『達成感』が見られるんだ。



「ふふ、ウルト…かっこいい」

「そう?」

「うん。いつもかっこいいけど、その数倍はかっこいいわ。私の御主人様」

「も、もうそれはいいだろ」

「えへへ、いじわるよいじわる」



 二人で何やら思い出話をし始めたようだ。

 俺とバッカスさんは顔を見合わせる。

 そしてアイコンタクト。



「じゃあまだまだ時間あるのでお二人で仲良くしててください。お便所などに行きたくなったなら、この部屋を出てすぐにありますから。その際はこの試着小部屋のようなものに一度入っていただくと、一旦別の服装になりますので」

「わかったわ。ありがとアリムちゃん」

「バッカスもありがとう」

「いいんだよ。じゃ、二人でゆるりと」



 俺とバッカスさんは控え室を出た。

 しばらくはあの二人でときめきあっていることだろう。



「アリムちゃん、プロポースしたのはどっちからだと思う?」



 俺たち客人専用の控え室に戻った時に、俺にジュースを注ぎながらバッカスさんは尋ねてきた。



「やっぱりウルトさんですかね」

「そうだよ。でね、ウルトがパラスナちゃんにプロポーズをしようと決めた理由の一つにどうやらアリムちゃんが関係あるらしいんだ。本人から聞いたんだけどね」

「へ!? そうなんですか」



 な、なんだろ。

 俺が関係あるって。



「……悪魔との戦争のとき、僕たちは全員実力問わず死んだよね。それをアリムちゃんが生き返らせた」

「は、はい。でも俺とウルトさんは生き残りましたが…」

「うん、ウルトの『クリーチャーマスター』は魔物の姿形を再現して能力を使用したり、身体を自由な形に変形できるスキルだから。その中でも特に不死身な魔物の姿に変身して凌いだんだと思う」



 つよっ。なにそれつよ!?

 じゃああの人はSSSランクの魔物にもなれる可能性があるということか。まだ見たことないけどね、野生のSSSランクの魔物なんて。

 でもドラゴンになったりできるわけだ。

 こんな詳細があったなんて…ね。



「一方、パラスナの『マジックマスター』はそれぞれの基本的な属性の魔法の威力を上げるんだ。まあ『水神』とかよりはそれぞれの属性は弱いんだけどね。……だからウルトみたいには生き残れなかった」



 僕もお酒の魔法で火力を上げるだけだから死んじゃったんだけどね、とバッカスさんは笑いながらそう言う。

 


「それで、戦争が終わってからアリムちゃんは全員生き返らせたでしょ? ウルトはその時に自分にとってどれだけパラスナちゃんが大切かを再確認したらしい」

「それでプロポーズに踏み切った……と」

「そうそう。本当なら2年前にプロポーズしてもよかったと思うんだけどね」



 そっか、俺ってばキューピッド?

 いや、それはともかくそんな話があるなんてね。ウルトさんがパラスナさんのこと好きだって言ってたのはそういうことね、うん。



「全部本人から聞いた話だから確実だよ。いやぁでもね、ウルトと付き合い長いけど、まさかあの時の奴隷の女の子がこうなるなんて思わなかったよね。……あ、ちなみに僕昔、ウルトの宿屋の隣に住んでたんだよ」

「そ、そうなんですか!?」

「そーだよー」



 しかしお酒の工場から近い方が良いと考え、16の時に引っ越したらしい。



「まああの二人の大体を知ってる僕だからこそ、二人には深く幸せになってもらいたいね」

「きっとなるでしょう、あの二人なら」

「あはは、そうだね」



 バッカスさんは少し伸びをしてから、また語り始める。



「僕もそろそろ彼女とか欲しいな。今まで一度もいなかったわけじゃないかどねー。ラハンドさんにはマーゴちゃんが居るし、ガバイナさんも最近言い寄ってくる子が居るらしいしね」

「マジですか!?」



 な、なんと、あの人達にも春があったんですか。

 結構ごついおじさん(まだそんな年齢じゃないけど)たちだからそういうのないと思ったのに!



「そーだよ。ここらのグループの中で恋愛の話ないの僕だけだよ。これはヤケ酒しなきゃ」

「式が始まる前に酔わないでくださいよ」

「酔ったことないから大丈夫!」



 バッカスさんはどこらかともなくワインを取り出し、飲み始めた。

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