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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十七章 地球

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第四百八十四話 翔のリルへの思い (翔)

「……これが私の半生だよ」



 リルは大雑把に自分の人生がどんなもんだったかを教えてくれた。

 なるほど、一番最初にリルの裸を見た時から記憶に残っている、あの身体に刻まれた傷の多さが全てを事実だと語っている。


 それにしても…そうやって生きていた中で、ここまで自我を保ち、しっかりとした人格形成がされているのは、やっぱりすげーことだ。

 極端だが、リルは精神年齢が5歳でストップしてると言ってしまっても過言じゃねーよな。



「なるほどな。向こうの世界のことだから私がとやかく言えたことではないが…とりあえず、過酷だったのだなと言っておこう」

「リルちゃん…」



 リルは今にも泣き出しそうな目で俺らを見ている。

 見たこともないくらいに震えてもいる。

 そういや…俺がリルの半生を知ることによって、リルのことを嫌うだとかなんとか言ってたな。

 


「なあ、リル」

「なっ…なんだい?」

「リルの半生はわかった。……辛かったな。一緒に居て言っていた言葉や行動も今なら全て納得がいったぜ。ところで、だ」

「わふっ」

「どこに俺がお前を嫌いになる要素があるんだ?」



 リルは目をまんまるく見開いて虚をつかれたような顔をした。目はひどく充血し、少しの衝撃があるだけで涙が溢れてしまいそうだ。



「えっ…え、だって…き、汚れてて汚いし…あ、あと私があまりちゃんとした出じゃないってこととか…き、教養が少ないし…なにより、なによりもう私はっ…傷だらけで…」



 なんだ…なんだよそれ。

 俺は少し睨みを利かせながらリルの顔を見て、そのリルの答えに対する俺の考えを述べることにした。



「ここ数ヶ月一緒に居て、俺が身分とか一切考えないってこともわかってるはざだ。教養は…すでに俺より頭良いみたいだが、今まさに身に付けようとしてる。傷は俺がなおした。自分のことを汚物のように思う、そういう心の傷がまだあるんだったら…俺がなおしてやるよ」



 『へ…』とリルは呟くと、ついにせき止めて居たものが無くなったのか、目から大粒の涙が留めなく流れ始めた。

 口を開け、俺のことを見据えたまま、滝のように。



「ででで、でもわわわわ私っ、だ、打算的で汚いんだぁ。こ、ここここ、この話をしようとした理由も、りり、両親の前で話したら、ショーは私のこと嫌いにならないかなって思って話しは、はは始めたし、もっと早く言わなきゃいけないはずなのに」



 震える声で、リルは次々と自分で自分が許せない事柄を語ってゆく。

 もはや今更だと思うことや、そんな些細なこと誰も気にしないということまで、まるで俺に嫌われようとしているかのように次々と。

 懺悔でもしているかのように。



「それだけじゃない。それにわ、私は_______」

「なあ、リル。お前は俺に嫌われたいのか?」



 俺はそう訊いてみた。 

 リルは話して居た前の言葉を発するための口のまま、再び固まってしまう。

 いや、かろうじて首だけがよこに振られてるように見えるな。



「嫌われたくないか?」



 震えているだけなのか見分けがつかないほどの微振動でリルは頷く。



「じゃあなんでさっきから自分の悪いところばかり話すんだ? その理由を言えるか?」



 そう問うと、リルは口だけをモニョモニョと動かしどうやら深呼吸をしているとみて取れるような行動をした後に、再び震えながら答える。



「だって、本当に、ショーほど素敵な人が…私なんかでいいのか…わからなくて。嫌いに嫌いに…」

「いや、告白してきたのはリルからじゃねーか。そしてそれを俺は受け入れたんだろ?」

「えあ…こ、ここ、告白したのは…その場の流れというか…か、感情の爆発というか…あ、あの時も断られるものだとばかり思ってたから」



 結局、こういう話になるのか。

 どうやらリルは俺が何度も好きだといっても信用してくれないらしい。

 普段の愛の告白の仕方が間違っているのか?

 わからない。

 人生で初めての彼女…いや、もう俺の心の中では最初で最後の彼女だが…愛が足らないか? 足りないのか?

 じゃあ…名一杯好きだって言ってやるよ。



「いいかリル。これが最後だ。もうこの話は何度もした。何回もした。出会ってからこの数ヶ月の間で何度何度もした話だ。本当に最後だからよーく聞けよ」

「う、うん」



 俺は息を吸い込む。

 リルは俺の顔を真剣な表情で見る。

 ……言うぞ。



「俺はリルが好きだ。可愛いところが好きだ。俺の話で笑ってくれることが好きだ。俺に対して尽くそうとしてくれるところが好きだ。無論、尽くしてくれなくても好きだ。俺が何かするといちいち嬉しそうに反応するのが好きだ。好きだ、全てが好きだ、大好きなんだ!」



 リルがぽかんとした表情のまま俺みつめている。

 親父と母さんはただ黙って俺とリルを見ているようだ。

 俺とリル以外、両親がここに居たって、別に問題ないだろ? 本音はぶちまかし続けさせてもらう。



「さっきまで言ったようなこと、普段からの自分を卑下している内容、俺にとってはそれがどうしたって話なんだ! だから、頼む。俺がリルのことを嫌うだとか、俺が本当はリルのことを嫌ってるんじゃないかだとか2度と疑わないでくれ。俺のこの気持ちは嘘じゃない。嘘なんかじゃない! これ以降は…自分が不安なら、不安であるなら、何が不安かを言ってくれ。言ってみてくれ。その都度答えてやる。その逆も然りだ。俺に対する不満も言ってくれ。直してゆく。………もう一度言う。リルがリルをどう思ってようが、リルがどうであれ、俺はリルのことを心から愛している」



 言い切った。

 あたりはまるでここら辺だけ……いや、リルの止まることのない涙を除き、それ以外は全て時間が止まっているようだ。

 

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