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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
第十一章 超強化

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第二百八十六話 リルの完治と翔への心 (翔)

「…これで何回目だっけ?」

「12回目だな。一休みしつつ…地上で箱を開けよう」

「そうだね」



 俺とリルは初めてミッションの部屋をクリアしてから、さらに10回ダンジョンを出入りしていた。

 担当としてはリルが3部屋し、俺が2部屋とチャレンジ部屋をやるといった感じだ。


 リル曰く、一~二撃でミルメコレオ劣化種を倒せるらしい。俺も魔法で1発だしな。

 おかげで平均1周7分程度で済んでる。速さを意識すると周りがゆっくりに見えるようになることに気付いてからは、さらにタイムが縮まった。


 俺は地べたに箱を並べる。



「じゃあ開けるぞ」

「うん」



 箱の中身はこうだった。



・Sランクの魔核10個

・レジェンドポーション

・無限収納エンチャントの伝説級のマジックバック

・大きなオリハルコン3個

・SSランクの魔核1個

・オルトロスという名前の魔物の死体

・マスターポーション10個

・SランクのSK1『瞬の不視化』

・エンチャントカード『不汚不朽』

・★★★★のSK2『大透視』



 一通り鑑定し終え、リルに結果を上記の通りに大まかにつたえる。

 詳しい説明は今日の夜にしよう。



「……大透視? あっ…」



 俺がリルに軽く説明をし終えると、リルは何かを察したような表情をしたあと、少し頬を赤らめながら俺にこう言った。



「御主人……御主人の前だけでなら…望むなら私、脱ぐから…さ。そういうのは習得しなくて良いよ」

「いや、別に…そういう風に使わないし。見たいわけでも…」



 半分嘘だが、まあ、こう言うしかないよな。

 しかしなぜか、リルは物凄く悲しそうな表情をしている。



「やっぱり…私は身体が傷だらけだから…だね」

「いや、そういう意味じゃねーって! ……別にリルの身体が……からだ…が? 身体_____!?」



 そこまで言って、俺はふと気がついた。


 手に入れた計11本のポーションの効果。これがリルに使えること。

 マスターポーションの効果はHP完全回復に加え、傷を消す上に腕なども生やせるようなモノ。

 つまり、リルに使えば、リルのコンプレックスにしているもの全てが消える!

 どうして見てる間に気が付かなかったんだろ、



「御主人…!? どうしたの?」

「なあ、リル。……耳、生えるとしたら生やしたいか!? 傷…消せるとしたら消したいか!?」

「そ…そりゃあもちろん…」

「なら…これを渡す」



 俺はリルにマスターポーションを手渡した。

 そのポーションをまじまじと見つめたあと、リルは俺にこれよ詳しい効果を訊いてくる。

 その効果を詳しく説明した。リルにどれほどの効果を出すかも合わせて。



「というわけだ。10本もあったし…遠慮なく使え。……今まで辛かったな」

「御主人……! ごめん、ちょっと…!」



 リルは目に雫をためたかと思ったら、次の瞬間にはどこかに向かって走り去っていた。

 探知で見たところ割と近くで停止したみたい。


 ああ、あれか。

 飲んだあとに無くなった傷とかを、俺の前で確認するのが恥ずかしいからだな。


 途中から何か吠えるような声がしたり、飲むだけなのにやけに時間が掛かっているのが気になった。

 しばらくして、リルは大泣きしながら戻ってきた。


 ……衣類を何一つ身につけておらず……口から血を流した跡があり、それがその全身の無傷の綺麗な白い肌に一直線に伝っている。

 耳は両方ともあり、尻尾は長くなって柴犬みたいにふさふさになっていた。


 よかった、本当に良かったと俺は言いたい。

 言いたいが…口から血を垂らしながら全裸でこちらに今にも飛びつきそうな様子でやってくるほぼ同じ年齢の女の子にどう対応すれば良いんだろうか? 

 それに片手に大事そうに何か握ってるし…。



「うわぁぁぁ…御主人っ…御主人っ! ううっ…私っ!」

「ちょっ…リル…服! 服を着てくれ…! それとそれは何の血_____」



 ガバッ_____と、リルは俺に抱きついてきた。

 その衝撃で俺は転ぶ。

 全裸で抱きつかれるとは…。本当にどうすれば良いんだろうか? 頼むから下のモノに気がつくなよ?

 いや…そんな余裕はないか…。

 俺も余裕はないけどな。


 

「御主人、御主人! 私は一生御主人に着いて行くよ。着いて行かせて欲しい…! 心身共に、深く御主人に忠誠…忠誠をっ…うわぁん…」

「おい、おいっ!? おいっ_________っ!?」



_____

____

__




「ごめんなさい、御主人」

「……ああ」



 しばらくしてリルは落ち着いた。

 無心になるのに大変だった。やればできるもんだぜ。


 今、リルは先程まで着ていた服を着て、俺に、落下の時に助けた後と同じように土下座をしながら何かを差し出している。

 それは、髪の毛の束に犬歯を縛り付け、血を垂らした、恐怖の対象でしかない物だ。

 つい気になって鑑定したが、『狼族の絶対忠誠の証』と表示され、さらに困惑している自分が居る。



「とりあえず…良かったな。おめでとう!」

「わふうっ!! 何もかも御主人のおかげ! 本当にありがとう、本当に…ありがとうっ」



 リルはまた泣き出した。

 まあ、それは別に良しとしよう。



「まあ、この際…嬉しかった気持ちはわかるし、その…抱きついてきた件に関しては、今は何も言わない」

「うん…」

「だが、俺は二つ疑問がある。一つは口から血を流してたこと。もう一つはリルが俺に今、差し出しているものについてだ」



 リルは一旦土下座をやめ、正座をしたまま顔をこちらに向けた。どこか笑ってるように見える。



「…じゃあまず前者。私は歯を抜いたんだ。ちょっと無理に抜いてしまって痛かったんだ…。その時の血だよ」

「なんでそんなことをしたんだ?」

「それは…これの説明で…わかる」



 リルは俺にまた、その謎の証とやらを見せつけてきた。



「これはね…自分の尻尾の毛の束を髪の毛で結んで束ねて、その真ん中に歯を入れて、血を垂らしたもの…」

「それだけ聞くと、なんか怖いんだが……」

「えへへ…確かにそうだよね。でもこれは、普段群れで行動する私達、狼族が一生側に居たいって思う人や力を認めた人に渡すものなんだ。一生に一度だけ」



 だから忠誠の証……か。  

 一生側に居たいと思える人に渡すもの…? つまりリルは俺にこれを渡したいんだな?

 俺に? マジで? それに一生に一度だけって…。



「なあ、リル。一生に一度なんだろ…?」

「うん、そうだよ」

「無理だ…。俺はそんなの受け取れない」

「な…なんで? 別に求婚してる訳じゃないよ? いや…その…そう捉えてもらっても構わないんだけど…。私は奴隷として、御主人の側に居て、一生支えたいって考えたから…」



 求婚…? なんだろうな、さっきから話が重い…。

 つまり、俺は今、なんにせよリルの一生を背負うような選択に迫られている訳だな。

 しかし…俺はリルを奴隷から解放するつもりでいる。

 一生俺の奴隷でいるなんて…な。

 そもそも俺は…地球に帰る…かもしれねーってのに。


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