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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
二十七章 災厄現象

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第九百八十九話 劣化スキル

「まずはまずまずまずまずます! わたわたわたわたわたわたしかららららららららッ!!」



 一番冷静さを書いた様子の、大量殺人鬼とされる男が前に出てきた国王ら四人に向かって飛びかかってきた。それは仲間に相談もせずの行動であることは明白であり、後ろ二人はため息をついている。



「国王のクビィィィィィン、もらったあああああああああ!」

「まず国王の前に姿をあらわすならば、それなりの態度でいてほしいものですな」

「がベッ……!?」



 殺人鬼は空中で一瞬静止すると、そのままものすごい勢いで地面に叩きつけられた。思い切り大理石でできた床に埋まってしまう。大臣であるオラフルの放った重力魔法であった。



「ち、あの馬鹿が」

「ずっと餌を目の前に垂らしてる獣と同じ状態でしたからね。まあ彼なら大丈夫なのでしょう? 俺たちも掛かりますよ」

「ああ」



 メフィストファレスは鎌の先端を杖のようにして国王らに向けながら、全身から大量の煙を放出した。そしてその煙が枝分かれし、それぞれがまるで一本の腕のようになる。さらに魔法を唱え、それぞれの腕に武器召喚魔法で呼びだされた武器が握られる。

 一方で黒づくめの男は両手に闇属性のものだと一目でわかるどす黒いオーラ系の魔法を纏った。



「まずは一品目! ジャグリングをお楽しみくださぁい!」

「曲芸か? 遊び半分ならば大したものではないだろう、あの頃の私達とは違う」



 一気に振るわれた多数の煙の腕による攻撃を騎士団長であるオルゴは剣一本で弾いて見せた。その間に拳を握って殴り込んでくる黒づくめの男からの攻撃を大司教が防護スキルで防いでいた。



「そういえばSSSランクになってからは対人戦は初めてだったな」

「明らかに強くなりましたな、ふむ」

「しかし奴らの実力もやはり探知の通りSSSランク相当かそれ以上……あなどれない」

「今のも本気ではなかったみたいだしな」



 国王らがそう呟くとメフィストファレスには聞こえていたらしく、再び君悪く笑いながら受け答えを始めた。



「えぇ、その通りです。いえ、なに、俺たちの目的は貴方方の首とかなんかじゃないので。……そろそろ起きたらどうです?」

「んんんん、なかなかなかなかなかにぃ、いい攻撃でしたたたたた!」

「……なんと……!」



 この場にいる誰から見てももう立ち上がれはしないだろうと考えられた大臣による重力魔法、これらのやりとりの間に一切力を緩めてなどいなかったが、そのなかから殺人鬼はまるで昼寝から起きるかのように立ち上がってみせた。そしてメフィストファレスよりも狂気を含んだ笑みを浮かべると、仲間の元へ戻っていく。



「やはりはりはりあの火力、転生を……」

「そんなことはここに来た時から言っていたではないですか」

「普通に魔法や技術のみで戦っていたら拉致があかないのは明白だ。……やるぞ」

「ええ」

「りょりょりょりょうかい!」



 大声で作戦会議をしているため、今の話は国王達に筒抜けであった。



「最大限の警戒をしなければ」

「そうですな、もし悪魔神のような力を使ってくるのであれば、我々でも防ぎようが……!? っ……?」



 大臣が急に気分が悪くなったよう地面に膝をつく。それとほぼ同時にその場にいる人間は皆、急激に気分を悪くしたかのようにその場に地面にへばりだした。



「なん……気分が……なんなんだこれは……」

「こ、これがローズちゃんの言っていた謎の力……お、おとうさま……」

「やはりあの男はカオスブラックドラゴン。この力は……」

「どうやら国王様方は知っているようですねぇ、あなたの力」

「よく歴史を勉強しているのだろうな。通りであいつを重力魔法で攻撃した時も、地面に埋めるという選択をすぐに取れたわけだ。……ま、どちらもあまり意味はなかったな」



 黒づくめの人の姿をしたカオスブラックドラゴンはゆっくりと、余裕を持って、へばっている国王達の前まで歩いてきた。そして国王らを無視しカルアとミュリ、リロの三人が固まっている場所までやってくる。



「なあメフィスト、人間というのはあの馬鹿みたいでなければ身内の女子供を目の前で殺された時にかなりの絶望感を味わうが……王族でそれを試したことはないんだ、今やってみてもいいと思うか?」

「……一般の方では試したことがあるのですか?」

「ああ、数百組な。だいたいパターンが決まっていて五十を超える頃には面白みも無くなっていたが。なに、気にするな。数百年前の話だ」

「彼らはまだ残しておきましょうよ、それこそ一応王族ですし、正当なメフィラドの血は大切なのですよ?」

「じゃあ姫様だけ残してこの二人の娘はいいだろ?」

「それはいいんじゃないですかね?」

「カタカタカタカタかた、片方残して欲しいですねん……」

「ああ、そうだったな」



 カオスブラックドラゴンは今度は右手にのみ闇属性のスキルを纏い、リロに向かってその手を伸ばした。リロは動悸を激しくし、震え、涙する。救いを求めるように周りを見るが、カオスブラックドラゴンのスキルの力により誰も動けない。見ていることしかできない。ついに手が首元まで伸びたその時、その手が金色の頭髪が覆いかぶさることによって妨げられることとなった。



「や……やめてくれ……」

「ほう、こいつは王子だったか、よく吾輩の力の中で動けるな。……昨日のあの男ほどではない、まあ人間ならありえる程度ではあるが」

「その様子を見るに恋人か何かでしょうねぇ。かっこいいですねぇ」

「感謝しますぞルイン様! しかし、じ、弱体化魔法とは全く別の対策しようがない滅びのスキル……『カース・ザ・ヒューマン』。なんて凶悪な……!」

「まあ普通にまた殺せばいいだけだが」



 ブラックドラゴンはルインの頭を思い切り鷲掴みにし適当にそこらに投げると、再びリロに向かって手を伸ばす。リロは投げ飛ばされたルインを心配したかったが、すぐ目の前まで迫っている自分の死に恐怖し硬直した。

 しかしまた、カオスブラックドラゴンは手を止めることになった。突如現れた光が気になったからである。彼はその光の方を見て、ニヤついた。



「……なるほど、こいつを召喚獣ということにしていたか。そうだ、たしかに吾輩のスキルは人族および獣人、魔族にしか効果がない。これは計算外だったな」



 そこには光り輝く翼のない竜がいた。

今日は報告を更新しますよ!

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