第九百二十話 今日の成果
「ふぅ、ただいま」
「おかえり。にいちゃん達と戦ってた魔物さ、普通に戦ったらすごく強そうな奴だったね」
そういえば終わったら屋敷まで転送するために叶はそれぞれの戦ってるところ見てるんだった。もうすでにショー達ももお父さん達も戻ってきてる。どうやら討伐順位はビリだったみたい。地形の修復までしてたから仕方ないね。
「うん、多分俺じゃなかったらやばかったと思う。おかげであの浜辺を元に戻すのに時間かかったよ」
「おー? どんなやつだったんだ?」
ショーとリルちゃんは何事ともなかったかのようにピンピンしてる。楽なところと当たったようで良かった。
俺の作った衛星装置の難点は、観測した魔物の姿と場所はわかっても強さとかがわからないことだよね。まあ、これは今の俺の技術じゃどうしようもないけど。
「いやぁ、とにかくやばい奴。めちゃくちゃ防御高いし、広範囲にわたって石化させてくるし……。状態異常に耐性を持ってるアイテムをたくさんつけてたからなんとかなった」
「そりゃ災難だったな。俺のとこは特に特徴がなかったから早く終わったぜ。あ、これ素材の破片な」
「ありがと」
ショーが俺に素材を手渡してくれる。そろそろいい感じにSSSランクの魔物の素材が集まってきたし、何か作るのもいいかもしれない。
「んじゃ、部屋に戻るわ。また何かあったら言ってくれよな!」
「わふわふ、いつでも駆けつけるよ」
ショーとリルちゃんはそう言って部屋に戻っていった。頼もしいね。
二人が去った後は、今度はお父さんが相変わらず余裕たっぷりの顔をして話しかけてきた。どうせ今回もすぐに終わらせたんだろう。SSランクから1つランクが上がったSSSランクの魔物ですら瞬殺してそうだ。
「こっちも翔くんと同じで楽だったなぁ。SSSランクの魔物も大したことないなー……ってさっきまで思ってたんだが、個体差はあるのか」
「いや、父さんのとこも絶対強敵だったって。SSSランクの魔核2つ出てたじゃん」
「ん? まあたしかに2つ出てたが」
やっぱりね。詳しい話を聞きたいけど、それにはお父さん本人に聞くよりカナタに聞いた方が正確そうだ。
「何あったの?」
「お父さんがさっさと倒しちゃったから魔物の詳細まではわかんないけど、いつも通り、相手に気がつかれない距離から倒しちゃったんだよ」
「ああ、いつも通りの」
「そうそう、いつも通りことだよ。本当に楽だったよー。人型だったし」
お父さんの念術の使い方は恐ろしいからね。俺がダンジョンというこの世界の抜け道を発見したのだとしたら、お父さんは念術で脳みそや臓器を直接揺らすという必殺の抜け道を発見したんだ。
もし、ゲームみたいにアナズム二週目なんかがあったら、間違いなくお父さんのを参考にして念術と魔力を中心的に鍛えると思う。それくらい。
「ま、さすがはお父さんって感じだね。お父さんが持ってきた素材はかなり状態がいいはずだよ。大きすぎるのが難点かな」
「脳みそを傷つけて倒しただけだからね。マジックルームを用意して。そこで渡そう」
言われた通りにマジックルームを取り出した。その中に入るなり、お父さんは自分のマジックバックからその倒したという魔物を取り出した。
それは全長30mはあるんじゃないかという大きさの筋骨隆々な無傷の巨人。脳みそをやられてるからか、1つしかない眼は白目を剥きながら血涙を流している。
鑑定してみると名前は『魔眼巨王バロール』っていうらしい。魔眼王っていうくらいだから、多分、見られたらやばいタイプの奴だったのかも。
「これでいいよね。なかなかいい体験になったよ」
「そうなの? こんな楽勝だったのに……」
「ま、それも含めてね。とにかく都合が良かったにせよ、ありがとうね」
お父さんはお母さんを連れて上機嫌そうにこの部屋を出て行った。特に皆問題なさそうで良かったよ。
「じゃあにいちゃん、俺達も部屋に戻るね」
「うん、ありがとね」
「また何か困ったことあったら言ってよ」
うちの可愛い弟も、サクラちゃんを連れて部屋に戻っていった。サクラちゃんもモニター頑張ってくれたんだよね。さて、ここは俺とミカの自室だったわけで。
やっとのんびりできる。もう今日の分は終わったから明日までまたSSSランクの魔物は出てこないだろう……今まで通りならね。
「あゆむぅ、朝の続きぃ!」
「おっと、そうだった」
そうだった、今日のミカは朝から興奮状態なんだった。まだソファにすら座ってないのにすっごく抱きついてくる。
「えへへへ」
「よしよし」
甘えてくるの可愛い。朝の裸エプロンも、海辺でのエッチな水着発言も悪かないんだけどね。やっぱりノーマルに甘えてくるのが一番だと思うんだ。
「よし、裸エプロンの続きを……」
「えぇ!?」
「や、やなの?」
「是非お願いします」




