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ガーディアンズ・オブ・シコク  作者: 五月雨拳人
第一章 ガーディアンズ
6/55

放課後①

     *


 望夢は、徳島駅前の複合型デパートメントビルから伸びる歩道橋の上で、ふと足を止めた。


 眼下には、片側三車線の国道192号が走っている。この道路は県西から徳島駅前に向かい、県庁へと向かう国道11号へと繋がる主要道路である。本来ならこの時間は帰宅ラッシュで大渋滞なのだが、モウリョウによって四国から民間人が退避した現在、走っている車は一台もない。


 電力節約のために信号も点灯していないので、いつもなら堂々と道路を横断して向かい側まで渡っていたのだが、今日わざわざ歩道橋に上ったのには理由があった。


 頭の中が、来週から始まる戦闘訓練のことでいっぱいで、つい道の流れに沿って階段を上ってしまったのだ。


 もうすぐ待ちに待った戦闘訓練が始まる。ようやく本格的にモウリョウと戦う訓練が始まると思うと、興奮を抑えきれない。


 しかし期待が高まると同時に、不安も募っていた。


 他人よりも肉体的、頭脳的に優れているわけでもない自が、果たしてモウリョウと戦えるのだろうか――と。


 そうして頭の中でいろいろと考えて歩いているうちに、つい道を間違えたのだ。


 気を取り直し、望夢は歩道橋の上から徳島駅周辺を眺める。無人の閑散とした道路やビル街も、もはや見慣れた光景だ。


 モウリョウさえ現れなければ、今頃は多くの人や車が目に映ったことだろう。一日でも早く、元通りの駅前に戻したい。そのためには、一日でも早く自分がモウリョウに勝てるようにならなければならない。


 望夢は決意も新たに歩き出す。


 今度は道を間違えないように、宿舎へと向かった。

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