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ガーディアンズ・オブ・シコク  作者: 五月雨拳人
第一章 ガーディアンズ
32/55

警報

     *


 天は望夢たちに味方した。というと大袈裟かもしれないが、次にモウリョウが四国に現れたのは、それから十日後だった。


 それは、望夢が麗奈たちのDSDから引き出した個人情報を隅々まで精査し、思いつく限りの作戦を立案するのに充分な時間だった。


 ガーディアンズ本部の建物内にモウリョウ出現警報が鳴り響いたのは、午後の訓練が始まる少し前だった。


 教室前方のスクリーンの上に据えられたスピーカーから、サイレンのような音が鳴り響くが、一年生はまだ実戦に出させてもらえないので関係ない。だが、四国にモウリョウが現れたという事実に、新米隊員たちは身を強張らせた。


 その中でただ一人、望夢だけは違った。彼はサイレンと同時に愛用の拳銃が収まったアタッシュケースを引っつかんで立ち上がると、教官に「失礼します!」と一言だけ断って教室から出て行く。


 この時すでに一年生の間には、望夢が二年生のチームの隊長に抜擢された事は知れ渡っていた。なので彼が教室から出て行ったという事は、モウリョウとの実戦に行くのだと誰もが知っていた。


 教室に残された隊員たちは、まだろくな訓練を受けていないのに実戦へと向かうのが自分ではない事に安心した。それと同時に、何の迷いもなく向かった彼に恐れと羨望に似たものを感じた。

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