純君との思い出
純君と小百合ちゃんはユーネットワークに拉致されてしまった。
私は二人を助けるにはどうしたら良いのか分からない。
それで私はユーネットワークの人間と話し合いをしている。
『とりあえず、君の大事な純君と小百合ちゃんは無事だよ』
「じゃあ、純君と小百合ちゃんの声を聞かせて」
すると受話器の向こうから純君と小百合ちゃんの声が聞こえてきた。
どうやら二人は無事のようだ。二人の声を聞いて私は安心した。
「あなたいったい何をするつもりなの?」
『これからゲームをやりたいと思っている。こんなに面白いゲームは久しぶりだからね』
「あなた狂っているわ。とにかく二人を解放して下さい」
『それじゃあ、ゲームにならないよ』
「ゲームってあなた何をしたいの?」
『この二人をかけてゲームをするつもりさ』
「そんなの何も面白くないわよ。とにかく何度も言うけれど、二人を解放しなさい」
『フフッ、そんなにこの二人の事が大事か、そうでなくちゃ面白くないからね』
「あなた何を考えているの?」
『僕は本当に楽しいよ。これからゲームが始まるんだからね』
「あなた、いったい何者なの?何かあなたと話していると、初めて話した様な感じには聞こえないんだけれども」
『君、かなりの洞察力を持っているね。高橋亜希子さん』
「あなたはいったい何者なの」
『とにかく、ゲームを始めよう』
そう言ってユーネットワークの人間と通話が切れてしまった。
豊川先生のところに行くと、私は先生と話すことになった。
「ユーネットワークの人間と話して見たんだけれども、これがどうやら、私と話すのは初めてじゃない様な事を言っていたんですが、どう思います?」
「分からないな。とにかく、ユーネットワークに真っ向から勝負を仕掛けても勝算はないよ」
確かにそうだ。ユーネットワークは警察でも手が出せない集団であることを私も豊川先生も知っている。でも豊川先生はユーネットワークの人間の事を良く知っている。
「でも、私達は闘うしかないみたいですね」
「でも、ユーネットワークには僕の知り合いがいるから、それで何とかなるかもしれない」
「そう言えばそうですね、豊川先生はユーネットワークと仲がいい人もいたらしいですから、純君と小百合ちゃんの事は何とかなりますか?」
「それは分からないよ。その君と話している。ユーネットワークの人間はかなりの力の持ち主だと分かったよ。だからと言ってここで諦める訳にはいかないからね」
私はユーネットワークにさらわれた純君と小百合ちゃんが心配で呼吸が乱れたが、ここで私が何とかしないと、奴らに純君と小百合ちゃんを殺されてしまうかもしれない。
私は自分に言い聞かせた。考えろと。
でも考えても、ユーネットワークは闇の組織であり、私達が何とか出来る事はないと思う。
どうすれば良いのだ。
そこで私は頭を冷やすために深呼吸をした。
そう言えば、奴はゲームだと言っていた。
これから奴は私の携帯に電話をかけてくると思う。
それまで私はとりあえず待機をしようと思っている。
「豊川先生、とりあえず、英明塾のシェルターに戻りましょう」
「分かった。僕も極力協力する事に決めたよ」
私は二人の事が心配で疲れていることを忘れてしまっていた。
純君と小百合ちゃんはバカだ。無謀にもユーネットワークに喧嘩を売るような事をして。
これから純君と小百合ちゃんがどうなるのか、考えると悪い方向にしか考えが行かない。
純君、お願いだから無茶な事はやめて欲しいと思っている。
とりあえず、私は豊川先生の車で英明塾に到着して、純君と小百合ちゃんに対して、ゲームを仕掛けると言っていた。
とにかく奴らのゲームに乗るしかないと思っている。そうして純君と小百合ちゃんを助けるしかないと思っている。
もし純君と小百合ちゃんが殺されてしまったら、私は絶望してしまうだろう。そんな事は考えたくない。
私は二人の事を考えると、震えが止まらず、呼吸も乱れてしまう。
そんな時、豊川先生は、
「亜希子ちゃん。落ち着いて、こういう時だからこそ落ち着くのが一番だよ」
そうだ。豊川先生の言うとおりだ。とにかく落ち着いて私は深呼吸をした。
すると少しだけ落ち着いてきた。
とにかくユーネットワークから連絡が入らない限り、こちらは何もする事が出来ない。
そこで私は瞑想をする。
感覚を研ぎ澄まして二人の行方を探ってみたけれども、何も分からないままで終わってしまった。
でもこんな時こそ、豊川先生の言うとおり、落ち着いて私は瞑想を始める。
心配な気持ちは止まらないが、とりあえず気持ちは落ち着いた。
純君小百合ちゃん、待っていてね、私があなた達の事を助けてあげるからね。
私は純君が生まれて来たことを思い出していた。
純君が生まれて私はこの子は私が育てようと決心した。
ちなみに父親は、私が子供が出来たら降ろせと言われて、それで別れることになった。
今頃私とその男の父親は何をしているのだろう。
そんな私と純君を捨てた父親のことなど、どうでも良い。
私はこんな子供のなりになってしまったけれども、純君を育てる事で今まで一生懸命に働く事が出来た。
そんな純君がいなくなってしまったら、私は何のために生きれば良いのか分からない。
純君が成長して、本当に純君は良い子だった。
私はこんな良い子に恵まれて幸せだと思った。
「ママ、ママ」
と言葉を使い始めて私はこの子の母親なんだなってつくづく思った。
保育園に行くことになり、私が体調を崩して、純君は右も左も分からずに、私を心配して、外に出て助けを求めに言ったこともあった。
あの時は心配で、純君の気持ちも分からずに怒鳴ってしまった事もあったっけ。
ゴメンね純君。純君の気持ちも分からないで、私は何をやっているのか。
そして小学生に入って純君は優しい子だからすぐに友達は出来たけれども、純君をいじめる人に出会い、いじめられる事になってしまったんだよね。
でも私は純君がいじめられている事は知らなかった。
純君は私に気を使って、学校は楽しいよ、何て嘘を言っていたけれど、本当に辛い思いをさせてしまったね。
それで今に至り、純君は色々な人達と出会い、小百合ちゃんと言う将来結婚の約束をしている子と出会ったんだよね。
純君は小説も頑張り、勉強も頑張り、駒木根と言う子にいじめられたけれども、報復して撃退したんだよね。
それで純君は小百合ちゃんと共に歩み出したんだよね。
学校はつまらないと言っていたけれど、私が英明塾を紹介してあげたら、そこで素晴らしい出会いをして、勉強と小説を書く気が以前よりも増したんだよね。
私は純君と小百合ちゃんが良い子だって事を知っている。
そんな良い子がなぜユーネットワークに狙われなきゃ、いけないの?
純君と小百合ちゃんが何をしたって言うの?
「どうして、小百合ちゃんと純君がユーネットワークに狙われなきゃいけないの?」
私は考えただけで気持ちを取り乱してしまった。
すると豊川先生が現れて、
「亜希子ちゃん。こういう時だからこそ、落ち着く時何だよ」
「落ち着いていられませんよ。なぜ純君と小百合ちゃんの様な良い子が狙わなければならないの?」
「亜希子ちゃん」
そう言って豊川先生は私に戒めのピンタをしたのだった。
その時思った、私が取り乱してしまったら連中の思うつぼだと。
私は純君の母親でもあり、小百合ちゃんは私の娘の様な者である。
だから冷静にならなければならないと思っている。
今日の所は眠ろうと思っている。
そう純君と小百合ちゃんが生きていることを祈りながら。




