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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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夢を壊された人のショックの強さ

 ユーネットワークに狙われた純君と小百合ちゃん。


 その魔の手から逃れる事は出来ないのだろうか。


 私は純君のお母さんとして純君の大切な友達を巻き込まれないようにしなければならない。

 そんな時だった私の携帯に一本の電話が鳴り響いた。


 出てみると。


「もしもし」


「クリスタルホテルの204号室」


 謎の機械音が鳴り響いた。


「豊川先生クリスタルホテルの204号室って機械音の様な声で聞こえて来たんですけれども」


 私はその事を豊川先生に相談した。


 そこで私はピンと来た、奴らは私達の仲間に何か酷い仕打ちをしているんじゃないかと。


 とにかくそのクリスタルホテルの204号室まで自転車で向かった。




 ★




 クリスタルホテルの204号室にフロントに問い合わせて見ると、204号室に昨日数人の客人が入ったと言っている。


 それに朝はそのホテルには入れないのに、まだ出てこない事に、フロントの人達は困惑していたのだった。


 そしてフロントの従業員と共に204号室の合鍵を持ち、フロントの人と行くことにした。

 まさか純君の友達に酷いことをして純君と小百合ちゃんに酷い仕打ちをしようとしているんじゃないかと思ってフロントの人達と中に入っていった。


 204号室の中に入ると、椅子に座っている大の大人が座っていた。


「あのーお客様」


 フロントの人がその男に肩に手を触れると、その男は椅子から倒れて、死んでいた。


 その男の顔を見てみると、以前純君に空気の注射針を突きつけた男であった。


 ユーネットワークの人間はこんな事までするのだろうかと私は呼吸が乱れて、地面に伏したのだった。


「うわー!!」


 とフロントの人は驚いて出て行き、警察を呼んだのだろう。


 その時、私の携帯に電話がかかってきた。


 震えた手で受話器を掴み、出てみる。


「・・・」


 私はショックで声も出ずに震えていた。


 すると機械音の様な声が聞こえてきた。


『高橋亜希子、ゲームの始まりだ。お前はそんな子供の様ななりをしているのはなぜだ?本当は三十路を過ぎた高橋純の母親だろう』


「そうよ。私は何か分からないけれども、子供のなりになってしまったのよ」


『まあ、そんな事はどうでも良い、これはゲームの序幕と言ったところだ。覚悟しておけ』


 そう言って機械音が途切れた。


 いったい何なのよ。


「ふざけるな!!」


 その場で私は叫ぶのだった。


 これがユーネットワークのやり方、いやこれは駒木根の仕業だ。絶対に許すわけにはいかない。


 数分後、警察の者が来て、刑事達や監視の人が来て、何やら、動き始めている。


 私は現場を見た初めての者だから色々と事情を聞かれたが、私がユーネットワークに狙われていると言ったら、警察達は私の相手をしてくれなかった。


 ユーネットワークは警察でも手が出せない。私達はとにかく純君を守るために、施設の光さんや英明塾の豊川先生を頼るしかない。


 私達は無力かもしれないが、闘うより逃げるしかないのだ。


 相手を平気で殺すような人間達だ。私は奴らを許すわけにはいかないが、とにかくユーネットワークに真っ向から立ち向かっても殺されるだけだ。


 せめて、私の息子の純君にその友達を助けるしかない。


 警察はユーネットワークと言ったらすぐに相手にされなかった。いやもしかしたら私が子供体型だからかもしれない。


 私は一人じゃないんだ。


 遺体をみたせいか、私の心は凄く乱れていた。


 とにかく落ち着けと自分に言い聞かせて、その場で深呼吸をした。


 何か悪い夢でも見ているみたいだ。


 でもこれはあくまで現実であった事だ。


 ユーネットワークが純君達の様な小学生相手に何を考えているのか分からないが、これは純君達の同級生であった駒木根の仕業だ。


 奴さえ抑えれば何とかなるかもしれないが、奴の居場所が分からない。


 きっとネットを経由して純君やその仲間達を殺そうとしているのだろう。


 とりあえず私は英明塾に戻って、純君と小百合ちゃんが私を迎え入れてくれた。


 二人は重度の傷があるというのに私の事を気遣ってくれている。


「お母さん、何があったの?」


「亜希子お母さん」


 私はそんな二人を抱き寄せて、ホッペにキスをしたのだった。


「何か久しぶりな気がする。こうして僕達の頬にキスをするなんて」


「お母さんはね、いつも純君やそのお友達の事を考えているのよ」


 そんな時である。私の携帯に電話がまたかかってきた。


 着信履歴を見ると、どうやら光さんからだった。


「もしもし」


『もしもし亜希子さんですか?』


「はい、そうですけれども」


『剛を知りませんか?』


「剛君に何かあったのですか?」


『はい、施設から飛び出して行くのを明が見ていて、何か心配しているのですけれども』


 何か嫌な予感がする。


 まさか、ユーネットワークを利用している駒木根が何かをしでかしたのではと思い、剛君の事が心配になった。


 いったい何なんだ?剛君は人に心配をかけるような小さな子供でもないし、いったい何があったのだろう。


 私は今朝の事で頭がいっぱいで精神的に追い詰められて、過呼吸をしてしまった。


「お母さん大丈夫」


 純君にそう言われて大丈夫じゃないとは言えないが、


「大丈夫よ」


 私は大丈夫のふりをしている。


 豊川先生も光さんも私もユーネットワークが関与して私達を狙っているから、剛君達や英明塾の人達に単独で行動してはいけないと言っているのに、剛君はいったい何を考えているのか見当がつかなかった。


 そんな時である。明ちゃんが英明塾にやってきて。


「ねえ、亜希子お母さん、剛の事を知らない?」


 いつもは冷静で頭の切れる明ちゃんでも恋人の剛君の事が心配で切羽詰まった様子だった。

「私にも分からないわ。とにかくあなたも単独行動は控えなさいって光さんに言われなかった?」


「でも、剛の事が心配で私はいても経ってもいられなくて・・・」


 明ちゃんは声を荒くして私にそう訴えかけている。


「明ちゃん、昨日剛君に何か、なかった?」


「そう言えば凄く明るかった感じで、一人でどこかに行くような事は考えてはいなかった感じだった」


「とにかく明ちゃん、剛君が行きそうな所を私が探して来るから、あなたは純君達とこの英明塾から離れないで」


 そう言って私は自転車に跨がり、剛君が行きそうな所を探して見ることにする。


 剛君達は光さんに単独行動は控える様にと言われているはずだ。


 なのに、なぜいなくなってしまったのか。


 自転車に跨がり、漕いで剛君が行きそうな所を手当たり次第に探して見ることにする。


 そんな時である。私の携帯が鳴り出した。


 携帯に出てみると、


『やあ、高橋亜希子ちゃん。今度は何があったか知りたくないか』


 機械音の様な声が私の耳に届いた。


「あなた剛君にいったい何かしたの?」


『剛君にはちょっと現実を教えてあげたのさ』


「現実?」


『そう、現実』


「現実って何よ」


『人間はもろい生き物だよ。ただ彼にはBリーグで活躍して光さんとやらに恩返しをするのが夢だと言っていた』


「あなた、何を剛君に吹き込んだの」


『僕はただ彼に現実の恐ろしさを教えてあげただけだよ。君にはバスケの才能なんてないってねえ』


「あなたそんな酷いことを言ったの?」


 彼はいつも元気にBリーグで活躍するためにいつも頑張っているのを知っている。そんな彼に才能がないとか言ったら、死ぬほどのショックを受けてしまうんじゃないかと私は考えた。


『さて彼はどこに行ったのだろうかね!?生きて戻って来ると良いけれどね』


「あなた人の心を弄んで楽しんでいない!?」


『楽しいさ、楽しくてたまらないよ。僕は人間の脆さをユーネットワークに教わったよ。亜希子さんだっけ、人間はもろい生き物だよ。その生き物の末路をとくと味わうと良いと思うよ』


「ふざけるな!!あなた剛君の居場所を知っているんでしょ。教えなさいよ」


『僕には分からないよ。でも人間の心って脆い物だね。たった一つの夢を壊されたからって死ぬほどのショックを受けてしまうのだから!?』


 そう言って駒木根はあざ笑って、電話が途切れたのだ。

続きが気になる人はおこがましいお願いですがブックマークを。そして出来ればこの物語の評価もよろしくお願いします。感想なんか来たら、私は飛び上がる程嬉しくなってしまいます。どうかよろしくお願いします。

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