謎の組織ユーネットワーク
小百合さんが僕と同じ目にあったみたいだとお母さんは言っていた。
僕は黙っていられずに、僕はその痛んだ体を起こして、歩き出そうとした。
でも僕はお母さんに止められて言われてしまった。
「純君、気持ちは分かるけれども、ここはお母さんと豊川先生に任せて、駒木根君がやったことを証明させてあげるんだから」
「そんな悠長な事は言っていられないよ、小百合さんはどこ?」
「小百合ちゃんも純君に会いたがっていたから、私が小百合ちゃんの部屋まで案内してあげる」
そう言ってお母さんは車椅子を用意してくれた。
僕は痛みに耐えられるが、心の痛みは一生消えないと思っている。
とにかく今は小百合さんのところに行って、無事かどうかを見に行かなければならない。
ここはとある総合病院らしいが、小百合さんはどのように痛めつけられたのか僕は気になった。
小百合さんの病室は僕の病室の隣にあった。
小百合さんは起きていて、リンゴの皮をむいている。
「小百合さん!」
と僕が言うと、小百合さんは僕を見て安心したかの様に、その大きな瞳で僕の事を見てくれた。
「純君!」
「小百合さん、小百合さんも僕と同じ目にあったって言うけれど、大丈夫だった?」
「私は純君ほど酷い目には合っていないよ。それにあの少年課の蔵石の骨を折ってやったけれどもね」
それを聞いて安心したし、何より小百合さんが無事なら結構な事だ。
「小百合さんは女の子だし、何か性的な乱暴は受けていない?」
「受けていないよ。蔵石の奴、私が麻美ちゃんに暴行を加えて、挙げ句の果てにネットに麻美ちゃんの破廉恥な姿を送ったって言い出して、私はカチンと来たよ。だからせめてもの報復に蔵石の腕の骨を折ってやったけれどもね」
さすがは小百合さんだ。
それは小百合さんがやるんじゃなくて僕がやるべきだったんだよな。
「それよりも小百合さんは何で入院しているの?どこか何かされたの?」
「ちょっと肋の骨を折られちゃって」
あの蔵石の奴、相手が女の子でも容赦はしないんだな。
「とにかく小百合さん。僕達は駒木根に報復する事にするよ」
するとお母さんは、
「それは大人の仕事よ。あなた達は怪我を治すことに専念しなさい」
「いや、お母さん。僕も闘うよ」
そこで小百合さんが、
「私も闘うよ」
それでも僕達は闘うと決めた事にお母さんは。
「相手は市議会員の父親を持つ駒木根よ。あなた達がこれ以上手を出したら、今度こそ殺されてしまうかもしれないのよ。私も純君や小百合ちゃんが傷つくのを見て、辛い思いをしているのを知らないでしょう?」
「「・・・」」
僕と小百合さんは何も言えなかった。
それはそうだろうな、僕達が何をやっても無力なのは分かった事だった。駒木根の事に関しては不本意だが、お母さんや豊川先生に任せるしかないみたいだ。
★
僕達の知らないところで、また何かが動き出そうとしている。
「すいません。駒木根さん、奴らに濡れ衣を着せる事は出来ませんでした」
そう言いながら蔵石は小百合さんに折られた腕をぶら下げながら、土下座をしたのだった。
「すいませんの一言で済むと思っているのかよ。このぼんくら!」
そう言って蔵石の顎を蹴り上げたのだった。
「お前には失望したよ。何でも、真実をねじ曲げるほどの力を持っていたのに、ガキ二人に濡れ衣を着せることが出来なかった何てよ!おまけに何だその腕は」
「高岡小百合と言う者にやられました。奴らはただのガキじゃ無いですよ駒木根さん」
「そんな事は知っているんだよ。てめえにはちょっと本気を出させる為に仕置きが必要の様だな!」
「やめて下さいそれだけは・・・」
「失敗したお前に拒否権はないんだよ」
そう言って彼は中指に入れている指輪を取り出して、ライターであぶった。
「駒木根様それだけは勘弁して下さい。この蔵石必ずや高橋純に高岡小百合に報復をします。だから、もう一度チャンスを下さい」
「ダメだ。でもチャンスは与えたって良い、だから、この指輪の★の紋章をお前の額に焼き付けるのさ」
「それだけは勘弁して下さい」
だが駒木根は容赦はしない。
そして駒木根は指輪であぶった★の紋章を蔵石の額に突きつけたのであった。
「ぎゃああああああああああああああああああああ」
と悲鳴をあげる蔵石。
「後四十八時間のチャンスをやるよ。それまでに高橋純と高岡小百合に死ぬよりも辛い事をさせてこい。そうしないと俺達の組織がお前を殺しにやってくるだろう。
さあ、悠長な時間は無いぞ。早く二人をこの世の地獄とも呼べる場所へ案内してやれ」
「分かりました!」
そう言って駒木根の奴は蔵石に本気で僕達の事を死よりも辛い事をしに来るはずだ。
だけど僕達はまだ、蔵石が本気で僕達の事を狙って来ることを知らない。
★
蔵石達に付けられた痛みが僕には止まらない。
こうしている間にも奴らは何をしてくるのか分からない。
僕は死んでも良い、だから僕達の仲間を傷つけることはさせたくない。
でも僕が死んだら、悲しむ人はたくさんいるだろう。
だってこの命は僕だけの物じゃ無いのだから。
この命はお母さんの物でもあり小百合さんや、剛君達や英明の人達の物でもあるのだ。だから簡単に死ぬなんて思わない方が良いのかもしれない。
でも僕は死ぬよりも恐ろしいことを知っている。それは仲間が傷つく事だ。
その痛みは蔵石から受けた攻撃よりも苦痛だと思っている。
駒木根の狙いは僕と小百合さんが傷つくよりも、僕達の仲間が傷つくのが苦痛だと知っている。
奴らは今度は何を仕掛けて来るのか分からない。
でも僕達は負けるわけにはいかないんだ。
僕一人の力は無力であっても、みんなの力を合わせれば、無限の力を得ることが出来る。
だから今は体の傷を治す事に専念するしか無いと思っている。
お母さんから言われたが、僕の体の傷は酷い有様だったが、命に別状は無いと言っている。
小百合さんも肋の骨を折ったが、それもすぐに完治すると言っている。
まあ、怪我を治すには時間がかかってしまうかもしれないが、僕は蔵石に付けられた傷を一刻も早く治すために、みんなを守らなきゃって思っている。
★
まさか純君と小百合ちゃんがあんな事になってしまうなんて思いもしなかったわ。
それよりもあの子達が怪我をしているからって、駒木根君とやらの仲間が純君と小百合ちゃんに何をしでかすか分からない。
私は純君の母親として、それと将来の純君のお嫁さんの小百合ちゃんの為に出来ることは、怪我をして無防備になってしまった。二人の事が心配だわ。
早速、私の恩師の豊川先生に力を借りるしか無いと思っている。
私は豊川先生の電話番号を入力して、豊川先生が出た。
『はい。もしもし』
「あー私、高橋亜希子だけれども、豊川先生ですか?」
『そうだけれども、亜希子ちゃん?』
「はい、高橋亜希子です。そこで豊川先生に力を借りたいと思っているんですがよろしいでしょうか?」
『その事なら大丈夫だよ。先ほど、君の息子さんの純君を痛めつけた蔵石を連行して置いたよ』
「やっぱり、あの子達の同級生の仕業ね。また何かあるかもしれないと思いませんか?」
『うん。あると思う。蔵石の額に★のマークが付けられていたよ。これはユーネットワークと言う組織の紋章だよ』
「じゃあ、蔵石はユーネットワークの組織の者に狙われているわけですか?」
『今回ばかりはかなりやっかいな事になると僕は思うんだけれどもね』
まさか駒木根がユーネットワークの者だなんて知りもしなかった。そうしたら、あの子達に駒木根に手を出すなと言っておいてあげたのに。
でも過ぎてしまった事は仕方が無いわ。
純君に小百合ちゃん。今回の件は私と豊川先生に任せて、とにかく今はユーネットワークと言ったら凄い裏組織なのだから。




