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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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悪意の気配

 人間は一人では生きていけない。


 だから僕には小百合さんや剛君達に英明塾の人達がいるのだ。


 そして僕達の知らない所で、口を大きく開けて笑っている者がいる。


「ひゃああはっはっはっ、これは愉快痛快こんなに面白い事なんてないと思っていたのに、なかなか面白い事を考えたよ」


 僕達の知らないところで駒木根は一人で笑っていたのだった。


「高橋純と高岡小百合に関係している者達を一人一人潰せば、俺の頭のこぶが一つなくなる。待っていろよ高橋に高岡、お前達を絶対に地獄へと導いてやる」




 ★




 朝起きて、僕と小百合さんはお母さんが作ってくれた卵サンドを食べている。


「麻美ちゃんをあんな目に合わせたのは駒木根って言う、以前あなた達が通っていた学校の同級生がやった事なのね」


「証拠はないけれど、それしか考えられない」


「確かにね証拠がないんじゃ何も出来ないね」


 すると、小百合さんは、


「今度は剛君達の誰かが犠牲になってしまうかもしれない。駒木根の奴は私達が一人になったところで、仕返しをしに来るかもしれない」


「そんな事はさせないわ。純君と小百合ちゃんはいつもの様に勉強と小説を頑張っていれば良いのよ。とにかく剛君達にはお母さんがついているから、安心しなさい」


 僕はテーブルを思い切り叩いて言った。


「僕達は無力だ。そんな無力な人間に奴らの力に敵うわけないよ」


「大丈夫よ、純君、剛君達は私がついていてあげるから、もう一度言うけれど、あなた達は英明に行って小説と勉強をしていれば良いんだよ」


 そう言ってお母さんは僕達を英明で勉強と小説を頑張ることを言い聞かせたのであった。


 僕と小百合さんは自転車で二人乗りして英明塾に向かうのであった。


 英明に到着すると、みんな元気そうに僕達を迎え入れてくれた。


 それはそれで嬉しかったのだけれども、僕達と付き合っては危険だと思って、豊川先生に相談するのであった。




 ★




「なるほど、その駒木根君って子が、君達の大事な仲間に傷を与えたんだね」


「はい、本当に僕達は無力です。それで奴はこれからも僕達の仲間を傷つけるかもしれません」


「でも純君には亜希子ちゃんがついているんでしょ」


「確かにお母さんは強いかもしれないけれど、駒木根の力は計り知れないほどの物だから、お母さんがいくら強くたってやられてしまうかもしれない」


「大丈夫だよ。君のお母さんはそんなにやわな人間じゃないよ。僕も彼女の強さと頭の切れの凄さを僕は知っているから」


 そう豊川先生に言われると、何か希望の光が見えてきた感じがした。


 そうだ。僕達は一人じゃないんだ。今こそ、力を合わせて、奴に立ち向かっていく事を考えなければいけない。


「ありがとうございます。豊川先生、先生に相談して良かった。とにかく僕達はお母さんの言うとおり今小説や勉強を出来る事に専念したいと思います」


「その意気だよ小百合ちゃんに純君。とにかくお母さんも今出来ることを頑張っていると思うよ」


「小百合さん。麻美ちゃんの事は仕方がないけれど、僕達は僕達で今出来る事を頑張ろうよ」


「そうね、純君の言う通りね」


 豊川先生にお礼を言って僕と小百合さんはパソコン室から出て勉強室に入ることにした。


 勉強室には東大を目指す型破りな高齢者の徳川さんと、大学受験を控えている勝さんがそれぞれの勉強をしていた。


 僕と小百合さんは見つめ合い、同時に頷いて、僕達が今出来ることを頑張るのであった。


 とにかく麻美ちゃんの事に関しては僕達にも責任があるのかもしれない。だからと言って手をこまねいていたって、仕方がない。だから僕達は勉強と小説を頑張るのであった。


 麻美ちゃんの事に関しては残念な事だと思ったが、麻美ちゃんも一人じゃない。きっといつかそのこぼれ落ちる涙を拭って、また僕達と熱を出し合いながら勉強や小説を頑張る事が出来る事を信じている。


 今はお母さんや剛君達や英明塾の人達を信じて、僕達は行くしかないのかもしれない。


 勉強や小説をしているときに麻美ちゃんの悲鳴が僕の頭の中でリフレインする。


 でも僕は今は麻美ちゃんを信じて、勉強や小説を頑張るしかないと思っている。


 とにかく僕達は前に進まなければいけないのだ。


 僕達は一人じゃないんだ。だからこうして僕には仲間がいる。


 その絆はたとえ百万ドル合っても買えない物だと思っている。


 勉強も小説もキリが良いところで、僕と小百合さんはみんなが外に行くのについて行くことにした。


 今日はバスケットコートがある中央公園に僕達は歩いて行った。


 僕と小百合さんは以前も見せたようにスリーポイントの位置でボールを投げてバスケットコートにすんなりと入るところを証明した。


「小百合ちゃんの純君、本当に凄いね。僕には真似の出来ないことだよ」


 笹森君が言う。


「こんな事、何回か練習して出来るようになるよ」


 と僕は教えてあげた。


 笹森君達は僕と小百合さんの事を真似るようにスリーポイント位置からシュートを打つのであった。


 こうして僕達は楽しい時間を過ごしたのであった。


 でも何だろうか、僕は嫌な予感しかしてこない。


 僕の気のせいかもしれないけれど、何か視線を感じるんだ。


 小百合さんにその得たいのしれない視線の事を言うと小百合さんもその視線に気がついていた。


 駒木根の奴は僕達が一人になるところまで徹底的にやろうとしているのを感じる。


 笹森君達はスリーポイントのシュートの練習をしている。


 そんな穏やかな感じでも奴らは僕と小百合さんの仲間を打ちのめそうとしている。


 今度のターゲットは誰にするつもりなんだ。


 僕達は英明塾に通っている人達を僕は守ろうとしている。


 これ以上、駒木根の好きにはさせないと思っている。


「みんな、そろそろ英明に戻ろうよ」


 僕が提案したところ。


「まだ来たばかりじゃない」


 小百合さんは言う。


「小百合さん。僕達は狙われているんだよ。しかも僕達の大切な仲間を一人一人に酷い目に合わせようとしているんだよ」


「確かにそうだね。そろそろお開きにした方が良いかもしれないけれど、みんな楽しそうにバスケの練習をしているわ。とりあえず、何か得たいのしれない視線を感じるけれど、私と純君がついていれば大丈夫よ」


 そうだよな。僕と小百合さんは少林寺拳法で強くなれたんだ。


 僕達がついていれば大丈夫だと思っている。


 すると笹森君が、


「何二人とも難しい顔をしているの?」


 と聞かれて、僕と小百合さんは言葉を選ぶのであった。


 何て言ったら良いんだろう。


 僕達二人と一緒にいるとみんな狙われてしまうと言うとみんなを怖がらせてしまう。


 だから、僕は、


「そう!?難しい顔をしていたかな?」


「うん。凄く難しい顔をしていたよ。純君と小百合ちゃんは何を考えているの?」


「別に何も考えていないよ。僕達が難しい顔をしているなんて、気のせいだよ」


「なら良いんだけれども」


 今度は奴らは笹森君をターゲットにしているみたいだ。


 僕と小百合さんは何か視線を感じている。


 それに徐々に近づこうとしている。


 本当に大丈夫なのだろうか?


 とにかく僕達はか弱い笹森君を守ってあげなければならない。


 僕と小百合さんの巻き添えにはさせたくないと思っている。


 そう思うと僕達は疫病神何じゃないかと思ってしまう。


 現に僕達のせいで麻美ちゃんを傷つけられてしまった。


 僕達はどうすれば良いんだ。


 笹森君も麻美ちゃんと同じような目には合わせたくないと思っている。


 その為には僕と小百合さんは笹森君を守ろうと決意した。

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