偉大なお母さんの仲間達
お母さんは風邪をひいてしまった。それでもお母さんは僕を養うために、無理してでも翻訳家の仕事をしようとしていたので、止めた。
剛君達に事情を説明すると、剛君達は僕の家にやってきて、お母さんのお見舞いに来てくれて、僕は胸が熱くなった。
剛君やあっ君に明に凛ちゃんに麻美ちゃんが来てくれて、みんな僕の家の掃除をしたりしてくれた。
「そんな事をしなくても良いのに」
とお母さんは言っていたが、みんなお母さんの為に必死になって働いてくれる。
お母さんは大変なんだな。毎日翻訳家の仕事以外に掃除、洗濯、料理までするのだから。
これからは僕も手伝うことにした。
僕と小百合さんは勉強や小説どころではなく、お母さんがちゃんと眠っているか監視している。
お母さんの体温を測ってみると、六度九分になっていた。どうやらお母さんは剛君達のおかげで安静にして眠っていたから、熱は下がったみたいだ。
でも油断してはいけない。
風邪はお母さんから聞いているが、風邪は治りかけがやばいと言っていた。
「純君、小百合ちゃん。私はもう熱が下がったから、翻訳家の仕事と今日の晩ご飯の買い出しに行かなきゃいけないんだけれども」
「ダメよ亜希子お母さん。今日は絶対に安静にしてください。風邪は万病の元と言います。それに風邪は治りかけが一番危ないんですから」
「小百合ちゃんも純君ももう大丈夫よ。それに剛君達も私はもう大丈夫よ」
そこで僕が、
「ダメだよお母さん。今日はやめておこうよ」
「純君も小百合ちゃんも大げさだな!亜希子お母さんは大丈夫よ」
またお母さんはこりもせずに起き上がろうとしている。
「だからダメって言ったじゃないですか、亜希子お母さん。風邪の時はちゃんと眠っていないといけないんですから」
そこで剛君が、
「亜希子お母さん卵酒を作って見ました」
「剛君が、卵酒を作れるなんて」
お母さんの驚いた顔をしていた。
そこで明が、
「何を言っているのよ、作ったのは私と凛で単細胞の剛にこんな物が作れるはずがないでしょ」
「何を言っているんだよ。材料を買いに行ったのは俺だろ、酒を買うのに凄く苦労したんだから、どこの店も俺みたいな子供に酒など、売れないって言い出すんだよ。だからやる気のない定員が接客している店で日本酒を買いに行ったんだから」
「あなたにはそれぐらいの事しかできないでしょ。卵とお砂糖はお借りして、キッチンもお借りしました。だから亜希子お母さん飲んでください」
明が言う。
「じゃあ、遠慮なく飲ませて貰うよ」
お母さんが湯飲みに入れた卵酒をずずっと飲んで、
「これはおいしいわね。どうやって作ったの?」
「スマホでレシピを手に入れました。風邪の時はどんな料理が良いか、調べたんですよ」
そうしてお母さんは卵酒を一気に飲み干して明と剛君と凛ちゃんを抱き寄せた。
「ありがとう。あなた達。本当にありがとう」
「何を言っているんですか、亜希子お母さん。いつも俺達にバスケや少林寺拳法を教えてくれるから、当然の事をしたまでですよ」
剛君が言う。
「何よ、この単細胞、あなたは酒を買いに行っただけでしょ」
明が剛君にきついことを言う。
「だから・・・」
「だから、酒を買うのに苦労したことは褒めてあげるけれども、作ったのは私と凛だから」
「明、てめえ、」
そこで僕が、
「ちょっとちょっと二人とも病人の前で喧嘩しないでよ。お母さんはまだ風邪が完治したわけじゃないんだから、まだそっとしておこうよ」
「まあ、こんな単細胞の事で怒っても仕方がない事ね。ちょっとでも褒めると剛は調子に乗るから嫌なのよ」
「誰が調子に乗っているって!?」
「喧嘩なら外でやるよ」
「馬鹿野郎、女相手に喧嘩なんて出来るかよ」
「フン!」
明と剛君は付き合っているのにいつも喧嘩ばかりをしている。本当にこの二人は互いにどこが良くて付き合っているのが今の僕には分からなかった。
とりあえず喧嘩はやめてくれて、お母さんの体温を測ると六度七分まで熱が下がった。
もう大丈夫だと思うが、やはり今日はお母さんに働かせるのはあまり良くないことだと思って、やめさせて、僕と小百合さんと剛君達はそんなお母さんの看病をしてくれた。
こんな狭い家に僕と小百合さんとお母さんと剛君達で八人いるのだから窮屈だろう。
僕と小百合さんはお母さんの前で看病をして、剛君達は、部屋のお掃除や洗濯物や料理まで作ってくれている。
それほどお母さんに対して感謝でいっぱいなんだ。
時計は午後六時を示していて、そろそろ剛君達を返そうとしたが、剛君達は、帰らずに、最後に夕ご飯を作ってくれるみたいだ。
材料は剛君とあっ君が買ってきてくれて、凛ちゃんと明と麻美ちゃんは卵が湯と野菜のスープを作ってくれている。
これらはスマホのネットで調べて、病人に一番良い料理を探してくれたメニューみたいだ。
僕や小百合さんや剛君達もお母さんと同じメニューを食べることになった。
卵が湯も野菜スープもおいしかった。
お母さんももりもり食べて、元気が漲ってきたみたいだ。
それでもお母さんは大丈夫だと言って、翻訳家の仕事に入ろうとするが、僕と小百合さんでそれは阻止させた。
「ダメだよ亜希子お母さん。翻訳家の仕事は今日は一日休みましょう。純君や剛君達もそう思っているよ」
「もう仕方がないわね。今日だけでもあなた達に甘えよっかな!」
そう言いながらお母さんは小百合さんと僕を布団の中に入れられた。
「ちょっとお母さん何をしているの!?こんな事をしたら僕達まで風邪がうつってしまうよ」
「そうよ亜希子お母さん。こんな無茶な事はやめて」
僕と小百合さんが言う。
「だって嬉しいんだもん。純君も小百合ちゃんもそれに剛君達の優しさに私は本当に至れり尽くせりだよ」
こうしてお母さんと同じ布団の中で抱きしめられると、凄く暖かく良い匂いがしてくる。
そう言えばお母さんは病気の時でも僕達に弱音を一つも言わずに翻訳家の仕事をしようとしていた。
僕はお母さんが弱音を一回も聞いたことがなかった。
本当にお母さんは凄い人なんだなと僕はしみじみ思った。
こんな僕達と同じ十歳になっても弱音を一つも言わないのは凄いと思っている。
きっとそれは僕を養う為にそうしているんだとも僕は思っている。
僕はお母さんの様に強くなれるだろうか。
時には優しく、時には厳しく怒ってくれた事もあった。
それに学校に行きたくないって言ったら、それを受け入れてくれてフリースクール英明塾を紹介してくれた。
それで勉強にも小説にも熱が入るようになった。
お母さんには感謝仕切れないほどの事をされている。
僕が小百合さんと結婚して大人になったらお母さんを楽にさせてあげたいと思っている。
★
そんなこんなで時間は経って行き。剛君達は帰って行った。
「小百合さんも帰らなくて大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。私も亜希子お母さんにはいつもお世話になっているので、今日は泊まっていくよ」
「じゃあ、小百合さん、お母さん熱は下がってもう大丈夫かもしれないけれど、お風呂に入らせる訳にはいかないから、お母さんの体を拭いてくれないかな?」
「うん。分かった」
僕は熱いお湯にタオルを浸して、小百合さんに渡した。
「これは女性である小百合さんにしか頼れないことだから」
「うん」
本当に今日は大変な一日だったけれども、小百合さんや剛君達が来てくれて、本当に胸が熱くなれる一日になった。




