波乱よドンと来い
心の蟠りを消す方法を考えた。そこでYouTubeで心の蟠りを消す方法を検索してみた。
とある昔、お釈迦様と言う偉い人が言っていた。
お釈迦様は知識も多彩で心も最高の人だった。
お釈迦様は生まれた時に七歩歩いて『天上天下唯我独尊』と言ったらしい。
天上天下唯我独尊と言う言葉は、SMAPで言う世界に一つだけの花だと言うことを分かりやすく教えてくれる。
そのお釈迦様は蟠りの元となっている心配事や悩み事を消すために滝にも打たれて死ぬ寸前まで断食をしたそうだ。
それでもお釈迦様はその後に言った。悩み事や心配事を消すことは難行苦行しても無意味であると。
お母さんが言っていることとは違うような気がする。
お母さんは体は子供だが頭脳は大人だ。それなのに心配事や悩み事がないと言っているのは矛盾している様な気がする。
さらに言ってしまうと、僕は大人が泣いているところを見たことがない。
それにお母さんの涙も見たことがない。
もしかしたらお母さんは悲しいとき辛いとき、そう言ったときはいつも僕に笑顔を演じているんじゃないかと思った。
難行苦行をしたお釈迦様でさえ、悩み事や辛い事をいつも穏やかな感じで隠しているんじゃないかと僕は思った。
YouTubeで見て、僕は一つ悟った。お母さんは悲しいときも辛いときも笑顔と言う仮面を付けているのだと。
きっとお母さんは僕や小百合ちゃんや剛君達がいるから、そうやって笑って入られるんだと思う。多少の無理がそこにあっても。
だから僕も心を悟られないように笑顔を演じて生きて行けば良いのだと思っている。
これで一つ僕は大人になれた感じがした。
そう思って僕はパソコンを閉じて眠りに入ったのだった。
右の布団には小百合さんの布団で、左の布団にはお母さんが眠っていて、中央の布団には僕の布団が敷かれている。
今日も色々な事があったけれども、僕は麻美ちゃんのおかげで一つ大人になれた事に誇っても良いとさえ思っていた。
麻美ちゃんを泣かした傷は癒えないけれども、僕もお釈迦様の様に、蟠りは難行苦行をしたってダメな事に気がついた。
それだけでも良いような気がした。
そうだよ。難行苦行したって蟠りは消えやしない、でもその思いを分かち合えば思いは強まることを知った。
この事はお金では買えない物だ。
それに凄く大事な事なんだと思っている。
そうして僕は布団に入り、眠りにつくのであった。
★
朝、起きると、午前六時半を示している。
台所に行くとお母さんは翻訳の仕事をしていた。
「お母さん、おはよう」
「おはよう、純君、そろそろ朝食の準備に取りかからないとね」
「僕も手伝うよ」
そう言うと後ろから小百合さんが現れて、
「私にも手伝わせてください亜希子お母さん」
「良いわよ」
僕はトマトとキュウリを切り、そうしてレタスをちぎり、サラダの出来上がりだ。
小百合さんの方はと言うと、ちょっと危ないが、小百合さんはお母さんに目玉焼きの作り方を教わっている。
「上手よ小百合ちゃん」
小百合さんの方も順調に進んでいるらしい。
メニューはトーストに目玉焼きに、それに僕が切ったサラダだった。
そうして出来上がり、僕達は食事をする事になった。
トーストの上に目玉焼きをのせて食べるのが僕は好きだった。
小百合さんも僕と同じようにして食べていた。
僕はこの食べ方をラピュタ飯と呼んでいる。
本当においしい料理を食べられて今日も一日頑張れそうな気がする。
それに麻美ちゃんの蟠りはいつの間にか消えていた。
これで一安心だと思ってはいけないような気がしてきた。
今日も何か辛いことや悲しいことに出会うかもしれないと僕は心の中で怯えている。
それを解消するにはどうするかは分からない。
でもそれに怯えていてはいけないような気がしてきた。
辛いこと悲しいことに怯えて生きるのは弱虫な証拠だと思った。
さて今日も麻美ちゃんがいると思われる、図書館に行こうと思っている。
でも昨日泣かせてしまった麻美ちゃんに対して僕は蟠りを感じていたが、僕は麻美ちゃんに会いに行かなければならない。
そして謝らなければならないと思っている。
でも麻美ちゃんは図書館に来るのだろうか心配だったが、僕は行く。
もし昨日の事で麻美ちゃんが来なかったら、僕は蟠りを感じてしまうが、でもその蟠りを通り越して、僕は行かなければならない。
麻美ちゃんがくじけているなら、僕はその先に行くしかないと思っている。
そうして僕と小百合さんは朝ご飯を食べて、図書館に向かうことにした。
そこには麻美ちゃんの姿があって、僕は一安心した。
「麻美ちゃん。昨日はゴメンね」
「何謝っているの?」
「いやだから」
「とにかく今日もあなた達から熱を感じさせて、小説を書いて書いて書きまくるんだから」
どうやら麻美ちゃんも強くなったみたいだ。もしかしたら麻美ちゃんは仮面を被っているのかもしれないが、それでも良い、僕達は熱を出し合いながら、小説を書くライバルとして僕は書き続けようと思っている。
よし、僕も小説を麻美ちゃんに負けてはいられない。
昨日の事に関して僕は麻美ちゃんに大事な事を知ったことに僕は人間は一人では生きていけず、互いに魂を削り合う仲も存在している。それは千の文字よりも刻まれていくんだ。
そんな僕と小百合さんと麻美ちゃんは魂を削り合い仲を深めて行く仲だと思った。
これから僕達は悲しいこと辛いことが待っているに違いない。
でも悲しいことがあったら、きっともうすぐに楽しいことが待っていると気がついた。
涙の数だけ強くなれるって本当の事かもしれない。
だから僕は思うんだ。悲しみよドンと来いと。
その意気ならこれから毎日僕達は明日に向かって走れる様な気がした。
そんな思いを込めて僕は小説を書くことに専念する。
僕は小説家になりたいし、それに保父さんの仕事も捨てがたいと思っている。
そこでお母さんが図書館にやってきた。
「あら、あなた達、今日も三人で小説を書いているの?」
「うん。そうだけれども、お母さん図書館の中では静かにしなきゃダメだよ。それにお母さん、何しに来たの?」
「いや今日はグラウンドに剛君達がいないからさ」
「えっ!?」
僕は剛君達の事が心配になってしまった。
「秘密基地には行ったの?」
「行ったけれどもいなかったわ」
そこで麻美ちゃんが、
「Bリーグを夢見ている剛達が来ないなんて珍しいわね」
僕は立ち上がり、
「とりあえず、剛君達を探しに行かない?」
「そうね、剛君達の事が心配だからね」
そう言って、僕達四人はいつも剛君達がバスケの練習をしている所まで行くことにした。
行ってみると、剛君達がいなかった。
「どうしたんだろう剛君達?」
だったら、秘密基地に行くことにした。
秘密基地に到着して廃バスの中に入ると、誰もいなかった。
だからもう一度、いつも練習しているコートに行ったら、剛君達と何やら大人達ともめている様子だった。
もしかして麻美ちゃんの前で喧嘩を押っ始めようとしているのか?
僕とお母さんと小百合さんで仲裁に入るところ、剛君達は。
「ここを取り壊すって本当なんですか?」
と剛君達は大人達に抗議をしている。
「そうだよ君達、この場所をもっと新しい場所にしなくてはいけないんだよ」
「俺達はこの場所が気に入っているんですよ。ここでいつもバスケの練習をしているんですよ」
「そう言われても、上からの命令だから我々に言っても仕方がないことなんだよ」
ここのバスケットコートが壊されて新しいバスケットコートが出来るのか?
このバスケットコートは剛君達にとってなじみの場所であり、新しくなるならそれはそれでいいが、何か複雑な気持ちだった。




