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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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麻美ちゃんの心の闇

 お昼ご飯のお好み焼きを食べて僕と小百合さんは楽しい一時を満喫して、再び小説を書こうと思ったが、小説を書くのも今日の所はこれぐらいにした。


 それでお母さんは剛君達にバスケを教えに行くのだった。とりあえず僕達はお母さんと共に行動を一緒にした。


 お母さんはサドルをうんと低くしたママチャリに乗って、僕は小百合さんと二人乗りして自転車で向かうのだった。


「たまには剛君達に会いたいよね」


「そうね、剛君達バスケは上達しているの?亜希子お母さん」


「あの子達凄いわよ、まだまだだけれども上達はしているわ。でも私にワンオンツーで勝負を仕掛けたらとられそうになったけれどもね」


 まだあの二人お母さんとワンオンツーでお母さんに勝てないのかぁ。


 僕のお母さんは本当に凄いよな。


 剛君達の所に辿り着くと、剛君達は何やら背の高そうな人達ともめている様な感じだった。

 それに剛君達はその中学生達三人に対して、剛君とあっ君と明と凛ちゃんで喧嘩になってしまった。


 すると剛君達は僕には分かるが少林寺拳法の技を使った。


 背の高い中学生ぐらいの男の子達は剛君達にのされてしまった。


 それを見たお母さんは、


「何をやっているのよあなた達」


「いや、こいつらが俺達がいつも使っているコートを奪おうと喧嘩を売りに来たんだよ。だから亜希子お母さん直伝の少林寺拳法でやっつけてやったんだよ」


「私は喧嘩をするために少林寺拳法を教えた訳じゃないよ」


「でも自分達を守るにはそれしかなかったんだよ」


 剛君達は無傷で、喧嘩を仕掛けて来た中学生達はボロボロだった。


「てめえ等、こんな事をしてただで済むと思っているのかよお」


 一人の中学生が言った。


「それはこっちの台詞だ」


 そう言って倒れた中学生に対して、顔面に蹴りを入れるあっ君。


「おい、アツジ!もうやめろ」


 剛君にそう言われて、あっ君は止まった。


 もう中学生達は身動きもとれない状態になっている。


「コートはみんなの所でしょ」


「それは分かっているよ亜希子お母さん。コートはみんなの所だって。でもこいつら俺達にボールを顔面に当てて来やがったんだよ!」


 亜希子お母さんはそれを聞いて、


「それはあなた達が悪いわね」


 中学生達に注意をするお母さん。


 剛君とあっ君の顔を見ると、凄いおっかない顔をしている。


 本当に近づいただけで何をされるか分からないと言った感じだ。


 すると、中学生の一人が立ち上がり、仲間を見捨てて逃げる。


 それに続くように中学生の二人もついて行く。


 本当にどうしようもない連中だ。


「あいつ等逃げて言ったけれどもどうするよ?」


 明が言う。


「ほっとけよ。それにしても亜希子お母さんが教えてくれた少林寺拳法凄く役に立ちましたよ」


 するとお母さんの中で何かが起きたような感じがした。


 お母さんは剛君にアッ君に明に凛ちゃんに対して、一人一人ピンタをかましたのだった。


「何するんですか?」


 剛君が不服そうに言う。


「確かにあの連中の方が悪いけれども、私は少林寺拳法をそんな風に使うために教えたんじゃないから」


「分かっているよ。でも奴ら俺達にこんな子供だからと言って、俺達に顔面にボールを投げつけて来たんだよ」


「あなた達の気持ちは充分に分かるよ、でも暴力はいけないよ」


「亜希子お母さん、俺達は悪いことをしたつもりはないよ。でも俺達はやらなければやられていたよ」


 熱くなる剛君。


 確かにそうだ。あの中学生達は剛君達に喧嘩を売ってきたんだ。だからやらなければ剛君達がやられていたよ。


 でもお母さんは暴力はいけないと思っている。


 中学生とは言え、あんなに痛めつける事はないと思うが、僕も剛君の気持ちが分かる。


 きっと剛君も弱い物いじめが嫌いなのかもしれない。


 僕も弱い物いじめが嫌いだ。


 なぜ人は弱い物をいじめ、そしてさらに弱い物をいじめるのか?僕には分からない。


 するとお母さんは、


「そうね、確かにあなた達のやった事は間違っていないよ。でもあんなになるまでやる必要はないんじゃないの?」


「「「「・・・・」」」」


 剛君達は言葉も出ない様子であった。


「まあ、良いわ、あなた達のやった事に間違ってはいないけれども。今後あのような事をしたら私がただじゃ置かないからね」


 そう言ってお母さんはボールを手に取って、剛君達のバスケの練習に付き合うのだった。


 僕と小百合さんはお母さんが剛君達にバスケを教えているところを見ていた。


 何か剛君達の動きが何か遠慮している様子だった。


 きっと剛君達は先ほどの件で蟠りを感じているのだろう。


「どうしたの剛君にあっ君、先ほどの事で蟠りを感じていたらBリーグなんて夢のまた夢よ」


 とお母さんは剛君達の蟠りに気がついているみたいだ。


 そこで僕には見えた、剛君達の蟠りが消えたことに。


 すると小百合さんは、


「いっけー剛君にあっ君」


 と言うと、お母さん、そして剛君とあっ君ワンオンツーをしている時、お母さんがオフェンスで剛君とあっ君はデフェンスで、初めてか?お母さんのオフェンスを止めたのだった。


「やったー初めて亜希子お母さんのオフェンスをとったぞ!!」


 剛君は叫んでとても嬉しそうにしている。


「なかなかやるようになったわね。その調子よ剛君にあっ君」


 本当に嬉しそうにしていた。


 何か見ている僕までも嬉しくなってしまった。


 すると小百合さんは、


「そろそろ秘密基地に行こうか。多分麻美ちゃんが待っていると思うからさ」


「そうだね」


 嬉しそうな剛君達を後にして僕達は秘密基地にいると思われる麻美ちゃんのところまで行った。


 秘密基地はこの土手を少し行った所にある。


 僕と小百合さんは秘密の基地の中に入っていった。


 入ってみると、そこには麻美ちゃんが小説を書いている途中だった。


「こんにちわ、麻美ちゃん」


「うん、こんにちわ」


 麻美ちゃんは僕達の目を交互に見つめてそう言った。


「いやーさっきはどうなるかと思ったよ」


 僕が言うと麻美ちゃんが聞いてくる。


「何があったの?」


「剛君達が中学生に喧嘩をして剛君達がその中学生達を撃退したんだ」


 すると麻美ちゃんは顔を真っ青にして、ブルブルと震えだした。


「どうしたの麻美ちゃん」


 小百合さんが心配する。


「や、やめて、ぼ、暴力だけは振るわないで!」


 麻美ちゃんが泣きながら訴える。


「ちょっと麻美ちゃんどうしたの?」


「いやああああああああああ!!!」


 麻美ちゃんに何があったのか、麻美ちゃんは叫びだして、泣きわめいていた。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・・」


 麻美ちゃんは椅子に突っ伏して泣きわめいてしまっている。


「ちょっと麻美ちゃん、大丈夫?」


「やめて暴力だけはやめて、私良い子になりますから」


 麻美ちゃんは何を言っているのだろう?すると小百合さんが、


「ちょっと麻美ちゃん。誰もあなたの事を暴力なんて振るわないわよ」


「近寄らないで」


 麻美ちゃんはどうしてしまったのだろう。


 僕が剛君達が喧嘩の話をした事に対してビビってしまったのかもしれない。


 それにこの麻美ちゃんの動揺ぶりには、きっと過去に何か悲惨な事があったのかもしれない。


 泣きわめいている麻美ちゃんに対して、小百合さんは、


「麻美ちゃん落ち着いて、とりあえず深呼吸をして見ましょうか」


 麻美ちゃんは涙を流しながら、呼吸が不安定になっている。


 そうだ。そう言う時は深呼吸をした方が良いと思っている。


「とりあえず、麻美ちゃん深呼吸をしよう」


 そう小百合さんに促されて麻美ちゃんは深呼吸をしたのだった。


 すると麻美ちゃんは少し落ち着いたのか乱れていた呼吸が治ってきた。


 原因は僕が剛君達の喧嘩の話をした事にあると思っている。その事で僕は罪悪感を感じてしまった。


 いったい麻美ちゃんの心の中にいったい何が潜んでいるのか、心配になってしまった。

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