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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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子供の作り方を僕達はまだ知らない。

 小百合さんの家に泊まることになり夕飯もご馳走になり、小百合さんのお母さんは僕と小百合さんを一緒にお風呂に入れようとしている。


「小百合さんのお母さん。とにかくお風呂は別々でお願いします」


 僕が言うと、小百合さんのお母さんは、


「まさか、小百合の裸を見て欲情しちゃったんじゃない?」


「それもありますけれど、僕達はもう十歳で男女の仲でお風呂に入ることはまだ、ダメな気がします」


 小百合さんが、


「私は良いと思っているんだけれどもな」


「それが問題なんだよ小百合さん」


「仕方がない、小百合、先にお風呂に入ってきなさい」


「はい」


 とつまらなそうな感じでお風呂場へと向かって行った。


 何とかお風呂に入ることは免れたが、小百合さんのお母さんと二人きりになってしまった。

 テーブルの正面に小百合さんのお母さんが頬杖をつきながら僕を笑顔で見つめてくる。


 そんな風に見られると何か照れくさくなって、「何ですか?」と聞いてみる。


「ちょっと嬉しいだけだよ。純君と小百合はもう一線を超える仲になったの?」


「それってどういう意味ですか?」


「純君、それは女性の私に聞くのはセクハラになるよ」


「そっちが先に言ってきたんじゃないですか?」


「それもそうだね」


 一線を越えると言うことはどういう事なのか後で調べても良いかもしれない。


 それよりも小百合さんのお母さんは美人だなあ、以前も思ったけれども、小百合さんを大人にしたような美貌を持っている。


「純君、今私の事を見ていたでしょ」


「それが何か?」


「疚しいことは考えていないと分かったんだけれども、私ってそんなに色っぽいと思う」


 何て答えれば良いのだろう、そこで思いついたのは、


「小百合さんを大人にしたようにとても美人だと思います」


「もうそんなことを言われたら照れるじゃない。でもあなた達はまだ十歳でしょ。まだ結婚に至るまでは色々な試練が待ち受けていると私は思うんだけれどもな」


「それってどういう事ですか?」


「もしかしたらお互いの気持ちがすれ違って、別れてしまう時が来るかもしれないって事」


「そんな事はあり得ません。僕は小百合さんの事が好きです」


「家の子のどこが好きなの?」


「とてもかわいいし、それに優しいし、たまにライバル関係になる時もあるけれど、僕は小百合さんと一緒にいて楽しいと思っています」


「そうか、そんなに小百合の事が好きなんだ、じゃあこのまま行けば私にもすぐに孫が出来るかもしれないね」


「子供ってどんな風に出来るんですか?キスをすれば出来るんですか」


 すると小百合さんのお母さんは爆笑して、


「何を笑っているんですか?」


「いや、純君おばさんにはその事を聞いて良いけれども、他の大人の人にそんな事を聞いたら酷い目に合わされるから聞かない事よ」


 僕はさっぱり意味が分からなかった。続けて、


「とにかく大人になったら、子供の作り方を分かってくるから安心して」


「安心してと言われても・・・」


「だから、大人になれば子供の作り方を嫌でも知ることが出来るから安心しなさい」


 どうすれば、子供が出来るのか僕は興味を沸いてきた。


 子供って女性である小百合さんの様な人のお腹に宿るんだよね、どうやったら宿るのか僕は気になった。


 でも小百合さんのお母さんには教えてくれなかった。


 それに小百合さんのお母さんには聞いて良いことだけれども他の人に聞いたら凄く怒られると聞いた。


 子供ってコウノトリが運んで来るんじゃないかな?


 小さい頃そう教わったのだから、きっとそうだと思っている。


「純君は今、十歳でしょ。それなのに、小説を書いたり一学年上の勉強を小百合とやっている見たいじゃない」


「はい小百合さんが頑張ると僕も頑張れるんです」


「そうよ。今はあなた達子供なんだから、いっぱい勉強して、いっぱい遊んでいたら、子供の作り方を習うはずだからね」


「いつ習うんですか?」


「後一年後よ」


 そんな話をしていると小百合さんがネクリジェに着替えてこちらにやってきた。


「お母さん、純君とどんな話をしていたの?」


「子供の作り方に対してよ」


「子供ってコウノトリさんが届けてくれるんじゃないかな?それかお母さんのお腹の中に宿るって聞いたけれども」


 するとまた小百合さんのお母さんは爆笑して、「とにかくあなた達早く大人になりなさいって、そう言われなくても時が経てば大人になっていくのだからね。そうしたら子供の作り方を嫌でも知ることが出来るから」


 とにかく子供を作るには大人にならないと分からないみたいだ。


 小百合さんと僕の子供かあ、想像しただけでも何か胸がときめいてしまう。




 ★




 小百合さんの部屋で眠ることになって、残念ながら布団は小百合さんが使っているベットの布団しかないみたいだ。


「小百合さん布団が一個しかないなんてどういう事?」


「そのままの意味よ。お母さん布団持っているかな?私聞いてみるね」


 そう言って小百合さんは小百合さんのお母さんに布団を借りに行くのだった。


 もし布団がなかったらどうしよう。


「純君、布団あるって」


 それを聞いて僕は安心した。


 小百合さんのお母さんは重そうに布団一式を持ってきてくれた。


「何よあなた達、将来結婚するんだから、同じ布団で眠ったら良いじゃない」


「でも一緒の布団で眠るのはあまり良くないかもしれません」


 僕が言うと小百合さんは、


「私は別に良いと思っているんだけれども」


「小百合さんまで何を言っているの?僕達はまだ小学生だよ。そう言う事はもう少し大人になってからにした方が良いと思うんだけれどもな」


 そこで小百合さんのお母さんは、


「とにかく布団持ってきたから、純君はこれで眠りなさい」


 そして小百合さんのベットの横に布団を敷いてくれた。


「ありがとうございます」


「これはお父さんのお布団だけれども、ちゃんと手入れをしてあるから大丈夫よ。きっとぐっすり眠れるわよ」


 時計を見ると午後九時を示していた。


「それじゃあ、小百合さんに小百合さんのお母さん、お休みなさい」


「はい、お休みなさい」


 僕が布団に入ると吸い込まれるように睡魔に襲われた。


 今日も一日疲れたなあ、本当だとこのまま小説を書くつもりでいたが、昼間散々したのでそれでいいと思っている。


 今日も僕が描いた物語は進行している。


 とにかく明日も書いて書いて書きまくってやる。


 そして麻美ちゃんにも小百合さんよりも面白い小説を書いてやろうと思っている。


 この日僕は夢を見た。小百合さんと僕が結婚して子供を作って、その子供と一緒に小百合さんが子供の左手を取り僕がその右手を取り仲睦まじく戯れていた。


 これは夢なのだろうと思って、僕は夢なら覚めないでと思った。





 ★




 太陽の光が僕の目をくすぶっている。そうして目が覚めると朝であった。


 何か暖かく良い匂いがした。


 それにこの感触は何だろうと思って見てみると小百合さんが僕の眠っている布団の中に入って僕を抱きしめていた。


 これはいくら何でもまずいと思って小百合さんを起こそうとした。


「小百合さん、小百合さん」


 そう言いながら小百合さんを揺さぶった。


 でも小百合さんは起きようともしない。


 とりあえず体を起こそうとしたが小百合さんは強く抱きしめて、僕の体から離れない様に密着していた。


 そこで僕は気がついた。


「小百合さん、本当は起きているんでしょ」


 すると小百合さんは、


「何で分かったの?」


「小百合さん、僕達はまだこのような事は早すぎると思うんだけれども」


「だって純君とこうして眠ると何か気持ち良くて眠ってしまったんだ。それよりも純君」


 すると小百合さんは僕の頬にキスをした。


「何をするの小百合さん」


「何を言っているの?亜希子お母さんとはやっているのに」


「その話はやめてよ」


「まあ、良いわ、そろそろ起きようか」


 すると小百合さんは立ち上がってネクリジェを脱いだのだった。


 だから僕は小百合さんの部屋から出て行った。


「別に気にしなくても良いんだよ」


「とにかく小百合さん。もっと自分の事を大事にしてよ」

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