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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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恋人兼ライバル同士の関係

 小百合さんと僕とお母さんはお風呂から出て、着替えている最中になるべく小百合さんの方を見ないようにした。


 またエッチの烙印を押されてしまうから。


 本当に小百合さんとお風呂に入って良かったのだろうか?僕は千の景色を見るよりも、小百合さんの裸はそれよりも頭に焼き付く。


 小百合さんは実家から持ってきたネクリジェに着替えて、僕はパジャマに着替えて、お母さんはこれから仕事だから、青いジーパンに黒いトレーナーを着て翻訳家の仕事をする事になった。


 僕も負けていられないと思ってお母さんにライバル意識を燃やして、小説の続きを書くことにした。


「純君も小説を書くんだ。やっぱり私達は恋人兼ライバル関係だね」


「小百合さんも小説を書くの?」


「書くよ、私は純君には負けられないし、それに麻美ちゃんも今頃小説を書いていると思うから」


 そうだよな。僕達はライバル関係で麻美ちゃんともライバル関係なんだよな。


 麻美ちゃんの心に火を付けたのは紛れもない小百合さんだ。


 あんな事を言われて麻美ちゃんも黙っていられないだろう。


 そう言う事で僕と小百合さんはお母さんの仕事部屋に言って、『ここで小説を書かせてくれないか?』と僕が頼んだら、お母さんはOKしてくれた。


 お母さんはキーボードを叩く速度が速い。僕と小百合さんはそれに負けないように小説を書いている。


 本当に小説を書くことは楽しいことだと何度も思わされる。


 面白いアイディアが次々と思い浮かんで僕は小説を描いている。



 ★



「フー」と息をつき気がついたら時計は午前一時を示していた。


 さすがに疲れたので、小百合さんの方を見てみると、机に突っ伏して眠っていた。


 するとお母さんが、


「あなた達そろそろ寝なさい。寝る子は育つって言うでしょ」


「お母さんは寝ないの?」


「お母さんはこれからやることがたくさんあるから、純君達はもう寝なさい」


 そう言われて僕は小百合さんを起こして布団の所まで行って眠ることになった。


 本当に小百合さんは頑張り屋さんだ。そんな小百合さんに僕は負けてはいられない。


 とりあえず今日の所は眠ることにした。


 本当に今日も色々な事があった。


 小百合さんとは今日は少林寺拳法で汗を流したり一緒にすき焼きを食べたり、そしてお風呂に入ったり、さらにライバル意識を燃やして一緒に小説を書くことになった。


 そんな小百合さんの寝顔を見ていると、何か心がときめいてしまう。


 小百合さんは美人だもんな。栗色の長い髪に、円らな瞳にとても顔立ちが整っていると言っても過言じゃないと思っている。


 そうだ。明日も小百合さんと勝負をしないとな、小百合さんには負けられない。僕達は恋人兼ライバル関係でもあるのだから。


 それで僕は肝心な事を忘れているような気がした。


 そうだ。自分の小説をお母さんの仕事部屋に残したままであった。


 まずいと思って仕事部屋に戻ると、僕が先ほど書いた小説を見ていた。


「お母さん、何また僕の小説を見ているの!」


 お母さんから小説を奪い返そうとすると、得たいのしれない関節技を決めさせられて、動けなくされてしまった。


「やっぱり純君の小説は面白いよ」


「返してよお母さん!」


「ダメ、どうせ、純君と小百合ちゃんと麻美ちゃんでそれぞれの小説をお母さんに見せて勝負するんでしょ。だから先に純君の小説を私が見てあげているのよ」


 もう毎度の事だ。


「それよりもこの得たいのしれない関節技を解いてよ。もう奪い返そうなんて思わないから」


 するとお母さんは間接技をより強くした。


「純君、そんな嘘、お母さんに通じるとでも思っているの?」


 お母さんに僕の嘘は通じない。


「痛いよ、お母さん」


 僕は本当に泣きそうな程痛かった。


 するとお母さんは関節技を解いてくれた。


「お母さん。今の間接技僕に教えてよ」


「これは三段の技だから教えられないよ。とにかく知りたかったら、少林寺でもっと基礎を学んで強くなりなさい」


「分かったよ」


 と言って、お母さんの部屋から出ようとしたらお母さんは穏やかな顔をして「お休み」と言ってくれた。


 そう言えばお母さんは毎日夜も休まずに翻訳家の仕事をしている。それに剛君やあっ君にバスケを教えてあげているんだよね。それなのに悲しい顔辛い顔を見せた事がない。お母さんって本当に凄い人なんだなと僕は思った。


 もし僕が大人になったらお母さんを全力で守ろうと思っている。お母さんに苦労をかけっぱなしでは何か申し訳ないような気がしてくる。


 そんな事を思いながら僕は小百合さんの隣で眠ることになった。



 ★



 朝起きると、何か香ばしい良い匂いがしてきた。


 その匂いはお母さんが焼くソーセージの香りだと思って居間に行った。


 時計は午前六時を示している。


 そこには仲睦まじい様な感じの小百合さんとお母さんが料理をしていた。


「あら、純君おはよう。よく眠れた?」


「うん。五時間くらいは眠れたかな?」


 そこで小百合さんが、


「純君はもう少し眠っていても良かったのに」


「そうなの?小百合さんも昨日は夜遅くまで起きていたじゃん」


「私は今、亜希子お母さんに料理の勉強を教えて貰っているの」


「そうなんだ。じゃあ、今日は初めて小百合さんの手料理が食べられるわけだ」


 小百合さんとは異性同士で裸の付き合いまでしてしまった仲だからな。


「僕も手伝える事はある?」


 するとお母さんは、


「じゃあ、サラダの盛り付けなんてしてくれると良いと思うんだけれども」


「分かったサラダの盛り付けね」


 僕が野菜に手を出そうとしたところ、


「純君不潔、ちゃんと手を洗ってからにしてよ」


 と小百合さんに怒られてしまった。


「ゴメン」


 言って、僕は台所の水道で石けんで手を洗った。


 そう言えば僕は包丁をもったことがない。


 そんな事を小百合さんに知られたら、またバカにされるんじゃないかと思って、僕は包丁を持って、キュウリを切ろうとしたところ、お母さんが、


「純君、別に小百合ちゃんの前で格好付けなくても良いんだよ」


 僕はお母さんに心を看破されてしまった。


 そう言うことで僕はお母さんに包丁の使い方を教えて貰うことになった。


 実を言うと小百合さんも包丁を持つのは初めての事だと知って、僕は何かホッとしたけれども、小百合さんの前で格好を付けようとしたところを小百合さんにバカにされてしまった。

「何だよ。小百合さんも包丁を持つのは初めて何じゃないの!」


「そうだけれども、純君が私の前で格好付けようとしたところがなぜか笑える」


 でも小百合さんは包丁を持ってサクサクとリンゴの皮をむいていった。まるで初めての事じゃないような気がするほどだ。


 これは才能なのか、僕はお母さんに包丁の使い方を教えて貰い、とりあえず、トマトの切り方、キュウリの切り方を教えて貰ってサクサクと切る事が出来た。


 そうだよな。これも経験だよな。キュウリもトマトも農家の人達が汗水垂らして育ててくれた物だからと思うと、なぜか初めての事じゃないようにサクサクと切れるようになった。


 次は切った物の飾り付けである。


 僕はおいしそうにするために切ったキュウリとトマト、それとちぎったレタスでそれぞれコーティングをした。


 するとサラダもおいしそうに見える。


「お母さん。小百合さん。どうかな?」


「合格よ純君、初めてとは思えないほどの出来だよ」


 それで朝ご飯を食べる事になった。


 朝ご飯のメニューは目玉焼きにトーストに炒めたウインナーに僕が手塩にかけて作ったサラダだった。


「さあ、朝ご飯のしたくは出来たみたいね」


「亜希子お母さん。今度、また私に料理の仕方を教えてくださいよ」


「良いわよ」


「やったー」


 と嬉しそうな小百合さんだった。


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