表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子供になったお母さん  作者: 柴田盟
36/107

将来を誓い合った仲

朝、起きると僕はいつの間に眠ってしまったのか、机に突っ伏して僕は眠っていた。


 大きなあくびが漏れて、机の上を見てみると、なぜか僕の原稿用紙が見つからない。


「あれ!?」と思って辺りを見渡して見るとお母さんが僕の原稿用紙を見つめていた。


「ちょっとお母さん。何をしているの?」


 お母さんに奪われた原稿用紙をとろうとすると、お母さんは僕に技をかけて動けなくさせられてしまった。


「ちょっとお母さん。僕の小説を見るのは麻美ちゃんと小百合さんと僕との勝負の時まで待っていてよ」


「だってお母さん。純君の小説が面白いんだもん。もう少し読まさせてよ」


「もう少しってもうほとんど見ているじゃない!」


「本当に純君の小説は面白いとお母さんは思うんだけどな」


「とにかく技を解いて返してよ」


「これは返さない。これは私の仕事にも役に立つ物だと思うから」


「お母さん小説家じゃないでしょ翻訳家でしょ。何で僕の小説がそんなに必要なの?」


「まあ、細かい事は抜きにして、お母さんに小説を読ませなさい」


 そう言ってお母さんは技を解いてくれた。


 これは少林寺の技だろうか、首の辺りがかなり痛い。


 お母さんに小説を奪われたままだ。


 お母さんに奪われた小説を奪還しようとしても無駄な事は分かっている。お母さんは少林寺拳法四段でジュニア大会で準優勝を果たした事のある人だから。


「ほら、純君、早く着替えなさい」


 時計を見ると、午前七時を示している。


 まだ、支度するには早い時間だ。


 そんな時である。チャイムの音がして、玄関のドアを開くとランドセルを背負った小百合さんが迎えに来てくれた。


「ヤッホー純君、それに亜希子お母さんおはようございます」


「あら、小百合ちゃんおはよう。朝早いのね」


「昨日は少し徹夜しちゃいましたけれど、ちゃんと睡眠をとれてますんで大丈夫です」


「もしかして、それって小百合ちゃんも小説を書いていたんじゃないの?」


「どうして分かるんですか?」


「だって、純君と小百合ちゃんって恋人同士でもあってライバル関係だと私は思うんだけれども、どうかな純君」


 お母さんは超能力者か?どうして僕達の関係をそんな簡単に看破出来るんだ。それはそうとお母さんは少林寺拳法四段の持ち主だから頭も体も切れるんだろう。


 とりあえず小百合さんには上がって貰って、お母さんは小百合さんにコーヒー牛乳を入れてあげた。


 僕はとりあえずお母さんが作ってくれた、ベーコンエッグとトーストとサラダを食べた。


 お母さんの手料理は相変わらずにおいしいと言う一言しかないかもしれない。

 

 今日は学校が終わったら、すぐに少林寺拳法を習う日だ。僕はもっともっと強くなって、お母さんや小百合さんに守られてばかりの人にはなりたくない。これからは僕が小百合さんやお母さんを守るんだ。


 そう思っているとお母さんは、僕の事を優しい目で見つめてきた。


「どうしたの?お母さん?」


「何か、純君本当に大人になったような顔をしているなって思った。以前は弱々しい感じだったけれども、今はとてもたくましく思えるよ」


「本当に亜希子お母さんの言うとおりですね、純君最初にあったときは何て弱々しいんだろうと思ったけれども、今はとてもたくましく思えるよ」


「そう」


 二人にそう言われて僕は少し照れてしまった。すると小百合さんが、


「あっ!純君照れてる照れてる。本当に純君ってすぐに顔に出るから面白いよね、亜希子お母さん」


「そこが純君のかわいいところ何だよね。小百合ちゃんこれからもこんな息子だけれども、かわいがってあげてね」


「何そのかわいがってあげてねって、僕を舐めているの?」


「舐めて何ていないよ。純君はとても良い子だとお母さんは純君を産んで良かったと思っている位なんだから」


「本当に純君は優しくて素直な人だよね。嘘はつかないし、でもあの時、駒木根君を殺そうとした時、私はちょっと心配だったんだよね。あのまま誰も助けに来なければ、殺してしまったのかもしれないと思うと」


 そうだった。あの時の事を反省させられる。


「また顔に出ているよ、不安そうな顔をしている」


 と小百合さんは穏やかな顔をして僕を見つめた。


 僕ってそんなに思ったことが顔に出るタイプなのかな?


 今度、ポーカーフェイスの練習をしておかないとね。


 僕は思うんだ。不安や悲しい表情をすると周りが心配してしまうって。


「ほら、純君、早く朝ご飯食べちゃいなさい。遅刻するよ」


 そう言われて僕は急いで朝ご飯を食べていた。


 今日は少林寺拳法の日だ。




 ★





 学校が終わると、駒木根の奴がガン飛ばして来たが、僕も負けずとにらみ返してやった。


 すると駒木根はビビって僕から目を背けるのであった。


 僕は弱虫なんかじゃない。守られてばかりの自分になりたくない。


 そう思うと、僕は駒木根にいじめられて良かったのかもしれない。


 でも僕はトランス状態になると、見境もなく相手が潰れるまで倒しちゃう所があるからな。

 そして僕と小百合さんは一度、それぞれの家に帰って、少林寺の胴着を持って小百合さんを待った。


 十分くらいが経過して、小百合さんは僕の家に来た。


「じゃあ、行こうか小百合さん」


「うん。純君が運転する自転車に乗って行きたいと思っていた所だよ」


 そう言う事で僕は小百合さんを乗せて、スポーツ会館まで自転車で行った。


 道場である体育館に到着して、僕と小百合さんは手を合わせて一礼をして「「こんにちわ」」と言った。


 始まりの合唱をみんなでして、まず前受け身と後ろ受け身のやり方を教わった。


「君達飲み込みが早いね。さすがは高橋さんの息子とその彼女さんか」


 と主将に褒められてしまった。


「とにかく受け身は基礎だからね。これは毎回やることだからしっかりと覚えて置くんだよ。特にこれらの受け身で事故に遭いそうになった時、助かっている人はたくさんいるんだよ」


 と教えられた。


 なるほど、何事も基礎が肝心かそれはそれでいいと思った。


 そして受け身が終わったら、組み手の練習に入った。


 組み手は僕と小百合さんが組むことになり、僕は小百合さんが放つ拳を右手で払い、そして後ろに下がってまた拳を放って来たら、左手で払う、それをお互いにした。


 以前お母さんから習った技は、初段以上の技みたいだ。


 とにかく僕達はまだ白帯だから、基礎からやるのが当たり前の事だと思った。


 でも基礎以上の事をしたいと僕は思った。


 駒木根やその兄貴をやっつけたのも初段以上の技だ。それを会得するにはまずは基礎を固めてやるといきこんだ。


 そうして基礎を固めて行っている内に、瞑想が終わって二時間なんてアッという間に過ぎてしまった。


 男子更衣室で着替えていると、汗がかなり凄かった。


 これは帰ったらすぐに洗わなきゃな。


 外に出ると小百合さんはもう着替えは済んだのか?体育館の外で待っていた。


「お待たせ、小百合さん」


「純君、拳を放つパンチはぶつかると同時に力を込めるんだね。私、剣道をやってすぐに辞めちゃったけれど、それと似ているなって思った」


「そうなんだ。小百合さん剣道をやっていたんだ」


「まあ、すぐに辞めちゃったけれどもね」


「ふーん」


 理由を聞いてみたいとおもっていたが、ここは聞かないで置こうと思う。


 時計を見ると、午後八時を示していた。


 そんな時、僕の携帯が鳴り出して、お母さんからだった。


 小百合さんも一緒だと言う事を知り、明日は土曜日でお休みだから、今日は泊まって行ったらどう?と言われて、小百合さんはOKをしてくれた。


 また小百合さんが家に泊まりに来るのか?


 まあ、小百合さんは将来の僕のお嫁さんだからね、それも良いかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ