夢を持って、いざ向かえ!
僕達は麻美ちゃんに感化されて小説を書くことになった。
でも小説を書く事って本当に面白いと僕は思った。
書いていて沸々と物語が頭の中に降ってくるように感じた。
僕と小百合さんは今、お母さん特製羽根つき餃子を食べている。
「純君、お母さんに続きを書いた小説読ませなさい」
「嫌だよ。それよりも小百合さんが提案したんだけれども、僕と麻美ちゃんと小百合さんの小説がどれが面白いかお母さんに判定して貰うことになったんだけれども、迷惑な話だよね」
「何それ凄く面白そう、どうしてそんな事になったの?」
「麻美ちゃんが僕達の小説を読んで嫉妬して、麻美ちゃんが小説家の夢を投げようとしたところ、小百合さんが、『辞めたきゃ辞めちゃいなさいよ』って言ったら、麻美ちゃんに火が付いて、僕達は小説で勝負することになったんだよ」
「剛君といい、あっ君といい、本当にあの子達って面白い子達ね」
「そう言えばお母さん、剛君とあっ君はお母さんに一本取れたの?」
「今日は二人相手に一本とられそうになったよ。あの子達本当に夢を本気で追いかけているわ。だから明日も、二人に付き合ってあげようと思っている」
そうか。剛君もあっ君もお母さんから一本とろうと必死に頑張って、剛君はBリーグで活躍する事を夢見て、あっ君は体育教師を目指しているんだっけ。
それは本当に面白い事だ。
本当に夢を持っている人って凄く輝いて見える。
僕の夢は小説家になることも良いかもしれない。でも保父さんの夢も捨てがたい。
でもお母さんの言うとおり僕達はまだ、若すぎる。それなのに夢を持つとこんなにも楽しく思えるなんて思えなかった。
これはあの孤児の五人に出会えたから、こうなったんだと思う。
僕はさっさとご飯を食べて、早く小説を書きたい気分だった。
「純君、もっとゆっくり食べれば?誰もあなたの物をとろうとはしないよ」
お母さんがそう言って来る。
「小百合ちゃんは今日は泊まっていく?」
「そうしたいのは山々ですが、明日学校もあるし、少林寺拳法の時間でもありますから」
そうだった。僕達は精神的にも体力的にも強くなりたいので少林寺拳法を習うことになったんだ。
「そうよね。明日は学校だし、とにかく学校はちゃんと行かないとね」
そろそろ晩ご飯が済んで小百合さんと僕はお母さんの後片付けを手伝った。
「別に手伝わなくても良いのに」
とお母さんは言うが、お母さんは僕達の為に料理を作ってくれているんだ。これぐらいの事はしてあげたいと思っている。
いつもお母さんは翻訳の仕事をして、収入を増やしているが、もし会社にこんな子供が仕事をしているなんて思われたら、辞めさせられてしまうかもしれない。
僕はお母さんに守られてばかりの子供にはなりたくない。これからは僕がお母さんを守ってあげなきゃと思っている。
そして小百合さんは帰って行って、僕とお母さんと一緒にお風呂に入ることになってしまった。
「どうしたの純君。お母さんとお風呂に入るのがそんなに嫌?」
「嫌と言われれば嫌だけれども・・・」
「嫌だけれども?」
お母さんの体をジッと見つめる僕。
「もしかして、お母さんの体が目当てで、純君、お母さんに欲情しちゃったかな?」
嫌らしい笑みを浮かべてお母さんは言う。
「違うよ!お母さんが一緒にお風呂に入らないとお母さん凄く悲しそうな顔をするからだよ」
「そんなに気を使わなくても良いのに。でもありがとう。お母さん純君とお風呂に入ることは一つの楽しみでもあるんだから」
実を言うとお母さんの体が目当てと言うのは半分あるかもしれないが、相手はお母さんだ。そんな邪な目で見るのはいけないだろう。
大人の時のお母さんとお風呂に入るときはそう言った邪な感情はなかったが、今は凄くお母さんの裸に興味を持ってしまう。
こんな事が小百合さんにばれたら殺されるかもしれないが、相手はお母さんだ。
でもこんな年になってお母さんとお風呂に入る事をクラスのみんなに知られたら、笑われるかもしれない。
でも僕と小百合さんはクラスからかけ離れた存在になっている。
お母さんのデリケートな肌に傷を付けないように背中をゴシゴシと洗ってあげている。
「純君、とても気持ちが良いわよ」
お母さんも僕の背中を洗ってくれて、気持ちが良かった。
お母さんのデリケートな肌にデリケートな銀髪の髪、本当にお母さん、このまま年をとらずに若返ったままなのだろうか?
でもお母さんがこんな子供体系になってしまって僕と小百合さんは仲良くなって、それに施設の五人組と会うようになって本当に充実した日々を送っている。
お母さんが子供体型になってしまったのは最初はためらったが、よくよく考えると、良かったのかもしれない。
でも僕も大きくなったらお母さんとお風呂に入ることは出来なくなるだろう。
こうしてお母さんに甘えられるのは今だけなのかもしれない。
大人になったらもっと大変な事になってしまうかもしれないが、僕には両手では抱えきれない夢がある。
その夢さえあれば、僕はどんな困難にも立ち向かえると思っている。
そう思うと大人になることが楽しみになってきた。
でもまだ僕は十歳だ。小百合さんも十歳で施設の子供達も十歳だ。それにお母さんは十歳の時の体型に戻ってしまった。お母さんもこれからなんじゃないかと思うが、お母さんは翻訳家の仕事に誇りを持って作業をしている。
本当にお母さんはスーパーガールの様な物だと思う。
お風呂から出て、お母さんの体を見ると、僕は興奮してしまう。
「どうしたの純君、顔が真っ赤っかだよ」
「気のせいだよ。とりあえずお母さん、服着てよ」
お母さんは子供用の下着とネクリジェを着て、僕はお母さんの長い繊細な髪をすいてあげた。
「どうしたの純君、お母さんの髪をすいてくれるなんて」
「別に深い意味はないよ。ただこうして、お母さんの綺麗な髪をすいてあげると何か僕は・・・」
「何?純君」
「べ、別に深い意味はないから、とにかくこの長い髪をすいてあげる」
僕はドライヤーの電源を入れて、お母さんの髪をすいてあげたのだった。
お母さん、これから仕事だからな。だから僕はちょっと嫌だけれどもお風呂に一緒に入ってあげているんだよな。
でも嫌だけれども、こうしてお母さんと一緒にお風呂に入れるのはどれくらいか僕は考えさせられる。そう考えさせられると、何か寂しいような感じがする。
「お母さんの髪って綺麗だよね」
「どうしたの?純君?そんなにお母さんの髪が綺麗?そんな風に褒めてくれるなんてお母さん嬉しいよ」
そうか、嬉しいか、だったらお母さんが嬉しいことを毎日でもやってあげたいと僕は本気で思った。
ちょっと抵抗あるけれど、毎日お母さんとこうしてお風呂に入ってあげないといけないと思う自分が存在している。
でもお母さんのその体に欲情してしまう僕が存在する。
別に疚しいことをしている訳じゃない。
そろそろ僕はお風呂も入ったし、宿題は図書館で済ませて来たし、後は寝るだけだ。
時計を見ると午後八時半を示している。
眠るにはまだ早い時間だ。だから僕は小説を進める事にした。
小説を書いていると本当に次から次へとアイディアが浮かんできて凄く進む。
僕は保父さんの仕事よりも小説家になった方が良いのかもしれないとも思ってしまった。
でも小説家になるには大変だよな、ちなみに今書いている僕の小説が面白いか、まだ分からない。
でも麻美ちゃんを嫉妬させるくらいの小説を書いたのは事実だ。
だから少し、自信を持った方が良いのかもしれない。




