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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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園児達と遊ぶ僕と小百合さん

 僕と小百合さんと亜希子お母さんは僕の家から任天堂スイッチを持って施設に行って、施設のみんなと楽しんだのだった。


 丸太が落ちてくるゲームをやっている。


 それをコントローラで巧みに使ってジャンプしてよけていくゲームだ。


 本当にこの任天堂スイッチはみんなでやると一層面白くなる。


 施設の五人も凄く熱くなって楽しんでいる。


「ありがとうね、純君に小百合ちゃんに亜希子お姉さん。みんな盛り上がって楽しそうにしているよ。それに私も楽しいよ」


 と明は僕達にお礼を言ってきた。


「別に良いよ。このゲームみんなとやると楽しいことを僕と小百合さんとお母さんは知っているから」


「それと、今日も幼稚園から、子供達と遊んでくれないかって連絡が入ったんだけれども、二人とも行く?」


「もちろん行くよ」


「私も」


 僕と小百合さんは是非とも行ってみたいと言った。


「そうじゃあ、場所は分かっているね、白井さんにはそう伝えて置いてあげるからね」


「ありがとう明」


「どういたしまして」


 僕と小百合さんがこれから幼稚園に行こうとすると、お母さんが、


「あなた達どこに行くというの?」


「幼稚園の子供達と遊んであげないかって連絡を明から聞いて幼稚園に行くところ」


「だったら、あなた達お昼どうするの?」


 そこで明が、


「お昼だったら心配入らないよ。幼稚園の方で出るから、しかも今日のお昼ご飯はカレーライスよ」


「そうか、せっかくお母さんがお昼ご飯を作ってあげたのに」


 しょんぼりするお母さん。


「じゃあ、お母さん。お母さんが作ってくれた僕達の分をこちらに渡してくれないか。幼稚園で食べる事にするから」


「本当に大丈夫なのあなた達」


「大丈夫だよ。お母さんのお弁当は世界一おいしい物だと思うから」


「私も、そう思っていますよ。亜希子お姉さん」


「本当にあなた達は・・・」


 嬉しそうに涙がこみ上げて来そうなお母さんであった。


 お母さんは以前と同じように五人の分までお弁当を作ってくれたみたいだ。


 それを光さんに話して、光さんに今日はお母さんのお弁当を作ってきたから、お昼は大丈夫ですと言って、光さんは恐縮するのだった。


 それよりも僕達は幼稚園に行くことに気合いが入っていた。


 この前の紙芝居以来、幼稚園児達に気に入られてしまったみたいだ。


 僕と小百合さんは二人乗りして、自転車であすなろ幼稚園に向かうのだった。


 幼稚園に到着すると、早速園児達は遊んでいた。


 僕が「おーい」と返事をすると、園児の一人が「あー紙芝居のお兄ちゃんとお姉ちゃんだ」すると園児達はこぞって僕達の方を見る。


 そして園児達は園内の門までやってくるのだった。


 すると幼稚園の園長の白井千香さんがやってきて、門の扉を開くのであった。


「あら、あなた達今日も子供達と遊んでくれるの?」


「明から電話で今日も幼稚園の園児達と遊んで欲しいって聞いたんですが」


「確かにその通りよ。今日もこの子達と遊んでくれないかしら、最近うちの幼稚園はあまり人がいなくてね。遊んでくれたら、ご祝儀も出すよ」


「そんなの入りませんよ」


「まあ、その話は置いといて園児達と遊んでくれないかしら」


「分かりました」


 そして門の中に入り、白井千香さんは僕達を招き入れてくれた。


 僕と小百合さんは園児達と遊ぶ事になった。


 こうして園児達と遊んでいると本当に楽しい時間を過ごしているような気がした。


 そして夢である保父さんの夢に拍車がかかるのであった。


 お昼ご飯になって、どうやら明の言うとおりカレーであったが、僕達にはお母さんが真心を込めて作ってくれたお弁当がある。


 お弁当の中身を見てみると、唐揚げにピーマンとトマトだった。


 どうしてお弁当までに僕の嫌いなピーマンを入れてくるかな?


 これはきっと昨日の残り物を詰めた奴に違いない。


 子供達の前でも僕は恥ずかしい思いをしなければいけないのか?


「あー純お兄ちゃんのお弁当にピーマンが入っている。僕ピーマン大嫌いなんだ」


 ある男の子が僕の弁当の中身を指摘する。


「純、お兄ちゃんはピーマン食べれるの?」


「食べられるよ。僕はピーマンが大好物なんだよ」


 そう言ってピーマンをごっそりとってピーマンを口に全部入れた。


 うわーこの苦みと臭み何とかならないかなと思いながら半べそ状態でピーマンを食べるのであった。


 隣にいる小百合さんは僕の事を面白がっているのか、ニヤニヤしながら見ていた。


 僕は目で小百合さんに訴えた。もし本当の事を園児達の前で言ったら許さないと。


 そんなアイコンタクトをとって小百合さんは僕がピーマン食べられない事を黙っていてくれた。


 だが、


「純お兄ちゃん半べそ状態じゃん。もしかして僕達の前でかっこつけてピーマンを食べたな」


 何て聡い子供なのだろうと僕はその子に怒りのゲンコツを与えてやりたかったが、そんな事をしたら、いけないだろう。ましてや相手は幼稚園児。


 すると小百合さんはそんな男の子が言う台詞に笑い出した。


 小百合さんも笑うことないんじゃない。


 それにお母さんもお母さんだ。なぜにお弁当箱にピーマンを入れてくるのか?ちょっと後でお母さんに教育が必要かもしれない。


 とりあえず僕と小百合さんはお母さんが作ってくれたお弁当を食べることが出来た。


 それに子供達はみんな大好きなカレーを食べていた。


 すると先ほどの男の子が、


「純お兄ちゃん。僕ニンジン嫌いなんだ。だから食べてよ」


「あれー、君はニンジンが食べれないのか?ニンジンを食べれない子なんて恥ずかしいよね。みんな」


「えー孝君ニンジンが食べられないの?」

「カレーに入っているニンジンはとてもおいしいのに」


「そうだよ。みんな、孝君、ニンジンが食べられないんだってさ」


 先ほどの仕返しに僕は孝君を辱めようとした時、僕の隣にいる小百合さんが僕の裾を掴む。それで小百合さんの方を見てみると、目を細めて、何か言いたげな顔をしている。


 そこで僕は小百合さんの言いたいことを察した。


 子供相手に僕は何をしているのだろうと、僕の中で恥ずかしい思いをした。


「まあ、ニンジンが食べられないのは結構いるよね。それは仕方がないことだよね」


 僕がそう言うと、遅かった。孝君は僕に辱められて、泣いてしまった。


「ほら、孝君、ニンジンは自然の味がするんだよ」


 と小百合さんが優しい声色で言った。


 小百合さんは孝君が突き刺したニンジンを僕に差し出して来たニンジンをパクリと食べる。

「んーおいしい。太陽と土の恵みの味がする」


 小百合さんがそう言うと、クラスの中の空気が変わった感じがした。


 それにニンジンが嫌いな子は孝君だけではなく他にもいた。


「僕もニンジンが嫌いだけれども、食べてみると甘い味がする」

「ニンジンってこんなにもおいしい物なんて気がつかなかった」


「そうだよ。お野菜は凄くおいしくて栄養が満点なのよ。みんな好き嫌いなく食べれる子は将来、凄く大きくなれるんだよ」


「じゃあ、僕もっと大きくなりたい」

「あたしも大きくなって元気の良い赤ちゃんが産めるような体になりたい」


「そうだよ。みんな、好き嫌いなく食べられる子は将来良い大人になれるんだよ」


 何か僕は光さんが神々しく見えた。


 本当に小百合さんは素敵な人だ。


 そして小百合さんは、


「実を言うとね、私もピーマンが嫌いだったの。でも素敵な女性になるために、この苦いピーマンを食べられる事が出来るようになったんだ」


 それは初耳だ。もしかして、作り話じゃないだろうか?でもどちらにしても小百合さんはちゃんとしている。


 今日は本当に小百合さんに助けられた。


 小百合さんはもしかして保育士に僕よりも向いているんじゃないかと、思って、僕も負けていられないと思った。


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