表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子供になったお母さん  作者: 柴田盟
14/107

スポーツ万能な亜希子お母さん

 河川敷の通りをまっすぐ、僕と小百合さんは二人乗りをして、お母さんは自分専用のママチャリを使っている。


 そして河川敷で遊んでいる昨日出会った五人組がいた。


「おーい」


 と僕が叫ぶと、剛君だっけ、その子がこちらにやってきた。


「おお、昨日のお二人ともう一人は誰?」


 するとお母さんはママチャリから降りて、「私は、純君の姉の高橋亜希子と申します」お母さんはそう恭しく剛君に一礼をするのであった。


「君達の事をお姉ちゃんに話したら、お姉ちゃんも君達に興味を持ち始めて来たんだ」


「それは光栄だね。じゃあ、早速バスケでもしようよ」


 と剛君は言って僕と小百合さんとお母さんはみんなの所に行った。


 そして僕達はみんなとバスケをする事になった。


 そう言えばお母さんはスポーツが万能なのだ。だからバスケも得意なんじゃないかと思ったら、その通りであり、スリーポイントの所からシュートをお母さんが撃つと、すんなりとゴールに吸い込まれるように入っていった。


「君、凄いね、何年生?」


 凛ちゃんが聞いてくる。


「私は純君のおかあ・・・じゃなくて、お姉ちゃんで今は小学四年生かな?」


「凄いね、あたしとバスケでワンオンワンで勝負しない?」


「良いわよ」


 これは見物だと僕達はその勝負の行方を追ってみる。


 亜希子お姉ちゃんがオフェンスで凛ちゃんがデフェンスである。


 ドリブルで責める亜希子お姉ちゃんはすんなりと凛ちゃんのデフェンスを超えて、すぐシュートを決めてしまった。


 すると施設のみんなはそんな亜希子お姉ちゃんに興味を持ちだして、みんな亜希子お姉ちゃんを囲んだのだった。


「亜希子ちゃん凄いね。今度は俺と勝負しない?」


 と剛君が言う。


 剛君は亜希子お姉ちゃんよりも少し背が高いので有利なのかもしれない。


 亜希子お姉ちゃんがデフェンスで剛君がオフェンスと言う事になった。


「さあ、僕のボールを受け止められるかな?」


 すると亜希子お姉ちゃんからギラリと目が光り、亜希子お姉ちゃんは剛君が亜希子お姉ちゃんを超えようとすると、すぐさまボールを取られてしまった。


「すげえな。剛のオフェンスを止めるなんて」


 あっ君が言う。


 僕はお母さんがみんなと合わせるのは少し不安だったが、この調子だと、もう大丈夫だと思った。

 亜希子お母さんはちゃんとみんなの輪の中に溶け込んでいる。


 剛君とあっ君は、亜希子お姉ちゃんにバスケを教わりたくなったみたいなので、僕と小百合さんは凛ちゃんと明と麻美ちゃんにバスケのやり方を教わる事になった。


「君のお姉ちゃんは凄いね。あの剛のオフェンスを止めるなんて」


 明が言う。


「亜希子お姉ちゃんはスポーツだけでなく勉強も凄いんだ」


「あの二人、亜希子ちゃんに目がハートだよ」


 麻美ちゃんが言う。


 僕はえっ?と思って二人を見てみると、本当に二人は亜希子お姉ちゃんに目がハートって感じだった。


 すると小百合さんが「ちょっとあっ君。あれはちょっとまずいんじゃないの?」


 みんなに聞こえないように小百合さんは言う。


「確かにそうかもしれない。剛君かあっ君が亜希子お姉ちゃんの事を好きになってしまったら、何か凄くまずい気がする」


「でしょう。ここで亜希子お姉ちゃんをどちらか二人が恋人になってしまったら、あなたのお父さんはあの剛君かあっ君になることになるわよ」


「それはさすがにないでしょう。そんなの僕が認めないから」


 それは小百合さんの妄想だ。そんなことはあり得ない。


 それに僕達はまだ小学四年生だ。まだ結婚とかそう言うの、出来るはずがない。


 今度は剛君とあっ君がデフェンスで、オフェンスは亜希子お姉ちゃん一人でやることになってしまった。


「これは見物だよ」と明が言って凛ちゃんも麻美ちゃんもその姿に釘付けとなってしまった。

 すると亜希子お姉ちゃんはすんなりと二人のデフェンスを超えて、ゴールを決めてしまった。


 まさかお母さんがあそこまでバスケが出来る女の子だとは思いもしなかった。


「凄いよあの子、亜希子ちゃんって言うんだっけ?純君のお姉ちゃんの」


 凛ちゃんが三人の様子を見て、目を丸くして驚いている様子だった。


「何よ、剛の奴、あんな女の子に気が入ってしまうだなんて」


「あっ君もあっ君だよ」


 明と麻美ちゃんが言う。


 どうやら明は剛君の事が好きみたいで、麻美ちゃんはあっ君の事が好きだと言うことが分かった。


「二人共落ち着きなさいよ。確かにあの二人は亜希子お姉ちゃんに惚れてしまっているけれど、純君のお姉ちゃんなんだから」


 小百合さんが言う。


「だから何だって言うの?剛の奴、あんな女の子に惚れてしまうだなんて、あたしもあの輪の中に入っていこう」


 明がそう言うと、麻美ちゃんも明に続くように行く。


 お母さんを連れて来たことは失敗だったかもしれない。


 何かあの輪の中で女同士の戦いが始まっているような感じがしている。


 とにかく止めに行かないといけないと思って、「ねえみんな、何もめているの?」僕が小走りで二人の後に付いていく。


 すると明は「何、こんな女の子に目が行っているのよ剛」


 そして麻美ちゃんは「ねえあっ君、亜希子ちゃんに目がハートになっているよ」


「なっていねえよ。別に」


「いやなっている。それに剛も目がハートになっている」


「バカ、ちげーし、俺達は亜希子ちゃんとバスケをしているだけだよ」


 そこで僕と小百合さんと凛ちゃんで仲裁に入り、僕が「とにかく喧嘩は良くないよ。みんなで仲良く遊ぼうよ」


「べ、別に喧嘩なんてしていないわよ」


 明は顔を真っ赤にさせながら言った。


「そ、そうよ、別にあたし達は喧嘩をしている訳でもないし」


 麻美ちゃんが言う。


 そこで凛ちゃんがやってきて、「とにかく遊ぶならみんなで遊ぼうよ。とりあえず一人増えたことだし」


「じゃあ、グーパーでチームを決めましょう」


 僕達はグーパーをして僕と凛ちゃんと小百合さんと剛君がチームになり、もう一方のチームは明に麻美ちゃんにあっ君に亜希子お姉ちゃんが加わる事になった。


 よしそうなれば試合開始だ。


 僕達のチームのエースは剛君だった。


 あちら側のチームのエースは亜希子お姉ちゃんかな?


 本当に亜希子お姉ちゃんは凄い、こちらのチームにボールが僕や小百合さんに渡ることはなかった。ボールがエースの剛君に渡っても、亜希子お姉さんがボールを先取してすぐにゴールにたたき込まれてしまう。


 この試合の結果、十対ゼロで僕達の負けになってしまった。


「凄いね亜希子ちゃん。あの剛を圧倒してしまうなんて」


 明が言う。


「味方につけると頼もしいね」


 と麻美ちゃんが言う。


 さっきまでは痴情のもつれで喧嘩になっていたけれど、こうして試合をする事になって、僕達は本当に楽しい思いをした。


 剛君が「亜希子ちゃん。もう一度勝負しよう。また俺とワンオンワンで」


「何度やっても同じだと思うよ。とにかく私は手加減しないからね」


「上等だよ」


「まだ懲りずに、亜希子ちゃんに勝負を挑もうとするの?」


 明は呆れかえっていた。


「とにかくこのまま負けっぱなしは嫌だからな」


「いつでもかかって来なさい」


 剛君がオフェンスで亜希子お姉ちゃんがデフェンスであった。


 だが、剛君は意地を見せたのか、亜希子お姉ちゃんのデフェンスを超えそうな所まで来たのだが、すぐにボールを取られてしまった。


「何だよ、すげー悔しいんだけど」


「私を超えたければ、もっと修行をしてきなさい。私はいつでも相手になってあげるよ」


 するとあっ君が「次は俺とワンオンワンで勝負しようよ」


 明も麻美ちゃんも亜希子お姉ちゃんの事を認めてくれて良かったと思っている。


 僕と小百合さんは凛ちゃんと明と麻美ちゃんにバスケを教わって、僕は密かにもし後で時間が合ったら、亜希子お姉ちゃんにバスケの練習をして貰おうと思っていた。


 亜希子お姉ちゃんは僕のお母さんだし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ