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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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孤児の人達と遊んで、新しい友達が出来た。

 オフェンスとは攻撃を仕掛ける方、デフェンスとは相手の攻撃を防ぐことにある。


 僕がオフェンスで凛ちゃんがデフェンスである。


 僕はぎこちない感じでドリブルをして、デフェンスの凛ちゃんを突破しようとしたところ、すぐに玉を取られてしまった。


「凛ちゃん。相手は初心者よ、手加減してあげなよ」


 三人目の女の子が言う。


「分かったよ明」


「君は明ちゃんって言うんだ」


「その明ちゃんって言う名前で呼ぶのはやめて、恥ずかしいから。うちの事は明って呼んで純君」


「改めて自己紹介をするよ、僕は高橋純、君は?」


「塚本明、みんな小学四年生で今施設で暮らしているよ」


「施設って?」


「うちらみんな孤児なんだ」


 それを聞いて僕は驚いた。


 孤児と言うことはみんな親が居ないことを意味する。


「君達はどこから来たの?」


「場所はよく分からないけれど、僕達はこの河川敷の通路を小百合さんと二人乗りで来て、そこの団地に住んでいる」


「へー君達は親が居るんだ?」


 僕は明の言っていることに何て言ったら良いのか皆目見当がつきそうもない。


「まあ、良いか、とにかくうちらはバスケをやったり、サッカーをしていつもこの河川敷を遊び場として使っているよ」


「そうなんだ。サッカーはやった事はあるけれど、バスケはやったことがないかな?」


「今、うちらの学校では体育時間、バスケではなくポートボールをしているんだ。それでうちらはポートボールをするには人数が足りなくてバスケをしているんだ」


 そこでもう一人の少年の自己紹介が済んでいない。


「あの子は何て名前なの?」


「ああ、あの子は北村厚、みんなはあっ君と呼んでいるけれどね」


「それよりも純君だっけ、手加減してあげるからうちが、バスケットを教えてあげようか?」


「ぜひぜひ、教えて!」


「じゃあ、凛ちゃん、ボール貸して」


「あいよ」


 凛ちゃんは明にボールを差し出す。


 明がオフェンスで、僕がデフェンスになってしまった。


「君はボールを見過ぎ、ボールを見るんじゃなくて、うちの目を見る」


 言われた通りやってみるとデフェンスが出来そうな気がしてきた。


 ボールを見るのではなく、相手の視線を見ることが大事、だから僕は明の目線を見て、デフェンスにかかる。


 すると明からボールを摂取する事が出来た。


「やるじゃん、純君」


 するとあっ君が「そろそろ、バスケじゃなくてサッカーしない?時間が限られているからさ」


 そこで凛ちゃんが「君達は門限とかあるんでしょ。何時までなら大丈夫なの?」


「僕達は五時半ぐらいかな」


 小百合さんと相談して言った。


 今、何時だろうと時計台を見てみると、時計は四時半を示していた。


「じゃあ、小百合ちゃんに純君もう少しだけ遊べる?」


 この五人の中のリーダー格の剛君が言う。


「うん。遊べる」


「じゃあ、少しサッカーをして今日の所はお開きにしよう」


 そう言って僕達はグーパーでチームを決めて、とりあえず、僕と小百合さんと剛君がチームに加わり、もう一方は、明に凛ちゃんにあっ君に麻美ちゃんが入ることになった。


 それで僕達はサッカーをした。


 サッカーは隣のグラウンドにサッカーのコートがあった。


 そこでサッカーボールをあっ君が取り出してみんなでサッカーを楽しんだのだった。


 僕と小百合さんは凄く楽しくてこの時間がいつまでも続いて欲しいと言わんばかりにそう思った。


 でも終わりという物は当たり前の様にやってくる。サッカーの点数はゼロ対ゼロで引き分けになって終わった。


「じゃあ、そろそろ君達も帰りなよ。僕達も門限は五時半になっているからね。もし送れたら、施設長の雷が俺達に落ちるからね」


「そんなに施設って酷いところなの?」


「別に酷くはないけれど、まあ、学校の勉強をしっかりやっていれば何とかやっていけるって感じだよ」


「そうなんだ」


「もし良かったら。また明日、このグラウンドで遊ばない?」


 その誘いに僕と小百合さんは「「良いよ」」と言った。


 本当に今日は楽しかった。家で任天堂スイッチに飽きて、ここまで二人乗りして、新しい友達が出来て僕達は嬉しかった。


 帰り道、僕は小百合さんを乗せて、僕達が住む集合住宅に戻る事になった。


「純君、明日もあの子達と遊ぶの、楽しみだね」


「うん。僕はここに越してきて学校では小百合さんとしか仲良くなれなかったけれど、思わぬ出会いがあったね」


 そうして僕達が住む集合住宅地に到着すると、小百合さんを家まで送っていって、僕はお母さんが待つ自宅へと帰っていった。


 家に帰ると、僕は「ただいま!」と言う。


 そしてドタバタとお母さんがやってきて、「お帰り純君」と言って僕のホッペにチューをした。


「ちょっとお母さん、もうチューはやめてよ」


「何を言っているの、純君は私の大切な子なんだから、いつまでもお母さんに甘えても良いんだよ」


 それよりも台所からカレーの匂いがしてきた。


「お母さん。今日はお母さんの得意なカレー?」


「そうだよ、純君はお母さんのカレー大好きでしょ。それよりも小百合ちゃんは帰っちゃったの?」


「うん。自転車でお家まで送り届けて来たよ」


「何だ。せっかく小百合ちゃんの分のカレーも作って置いたのに、純君の将来のお嫁さんにご馳走してあげようと思ったのに」


 将来のお嫁さんか!小百合さんと一つ屋根の下で暮らすのは良いかもしれない。


 僕とお母さんはご飯を食べながら、今日隣町で会った施設の子供達と遊んで楽しかったことを伝えた。


「へーそんな出会いがあったんだ。じゃあ、今度お母さんも行っても良いかな?」


 そこで考えさせられるお母さんは何が起こったか分からないが、小学生の体型になってしまったんだよな。だから別に良いかもしれない。


 だから僕は「別に良いと思うよ」


「やったー!」


 お母さんは年甲斐もなく子供の様に喜んでいる。




 ★




「じゃあ、小百合さん、学校も終わったことだし、昨日の場所に行こうか?」


「うん。そうね、あの子達と遊ぶの、私は楽しみにしているんだから。それに純君と出会って色々な出会いに遭遇して私は嬉しいよ」


「お母さんも行きたいって言っているけれど、別に大丈夫だよね」


「そうだね。純君のお母さんは私達と同年代の体になってしまったから、純君のお姉さんか、妹にしておけば良いんじゃないかな?」


「じゃあ、家に帰ったら、小百合さん、僕のうちに来てよ」


「分かった。楽しみにしているからね」


 小百合さんといったん別れて、僕もうちに帰ることにする。


 そうして帰ってくると、お母さんが「純君お帰り」と言って僕の頬にキスをするのであった。


「今日はお母さんも行くんだよね?」


「うん。行くよ。だから昨日のうちに今日の仕事を片付けて置いたのだから」


 本当にお母さん行く気満々である。


別にお母さんが行っても大丈夫だとは思うな。僕達と同じ小学生四年生の体になってしまったのだから。


 そして早速小百合さんが家にやってきた。


「純君行こうよ。施設の子達待っていると思うから」


「うん。それとお母さんは何で行くの?」


「私も自転車で行くよ、二人は自転車で二人乗りで行くんでしょ。本当にお熱いんだから」


 何かお母さんの言葉を聞いていると何かイラッと来るような感じがした。


 とりあえず行くことになってお母さんの自転車は俗に言うママチャリである。そんな大きい物を扱う事が出来るのか不安に思ってくる。


 ママチャリはサドルを低くすれば大丈夫みたいだ。


 さあ、昨日の施設の子達と遊びに行こう。


 僕は小百合さんを後ろに乗せて、お母さんはママチャリを使用している。


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