28話 プログラミングと男の浪漫
すいません、ネタ回です orz
皇帝からの許可は驚くほど早く返ってきた。出して1時間としないうちに許可されてしまったのだ。
だが、ミミィにはそれすらも予想の範囲だったのか、すでに業者や資材の手配は終わっており
すぐさま建築と魔力場の調整等が開始された。
「なぜ、我がっっ!我がこの世界でまでプログラミングせなばならぬのだ!」
トラウマでも思い出したのか、第2開発室と書かれた部屋で紳士が嘆いている。
この世界の魔法や魔術といった物は、プログラムに近い。
魔力という電気を魔法陣という回路に流しこんで動作させる。
だからこそ、紳士が選ばれた。
「だからといって!!!!システムから一新とかどんな無茶だという」
絶叫する紳士に部下が着けられた。
魔術開発のできる有能な部下ですとミミィが言っていた。
「大学出だろうがなんであろうと、実戦経験のない奴は使えないのである」
そして、ミミィから言われた一言。
労働基準などもないので使えない部下はすぐさま入れ替えていい。
他の部署にまわってもらうので心配はいらないと。
叩いて即戦力になる者だけでいいといわれて、了承した紳士。
「防壁システムのほうはホーネットが作るのならば、形式だけは揃えぬと……」
魔力の扱いについてはホーネットが才能を発揮したため、全て任せて良いらしい。
本人曰くプログラミングもしていたとのこと。
なので防壁関係はホーネットが、基本システムやレーダー等その他全部を紳士が開発することになった。
「時にホーネット、防壁であるが、ピンポイントシステムはどうであろうか?」
皆がいま、想像したマク●スのアレで間違っていない。
正確には、ピンポイントでバリアの強度を変えられる。
侵入者防止に都市全体を結界で覆うのは有効だ。だが攻撃に対して全て同じ出力では無駄が多い。
そして、極めつけの1つが、素通りである。例えば、強力なレーザー砲撃。
これが街の上を通る時に、バリアに穴を開けて通してしまうという荒業。
「紳士のほうが……無茶言ってる…………けど、凄く良い」
小さくうなづくホーネット。さらさらと筆ぺんを走らせてアイデアをまとめている。
魔力端末にアクセスし、魔法陣を新しく構築していっている。
そして自分も魔力端末にアクセスするのだが…………
「しかし、コレは不便だ。こうなったらOSから作ってしまおうと思うのである」
しかし、この魔力と魔法陣、プログラミングという発想おもしろいのである。
これは色々と作り出せば…………ふむ、色々試してみるのも悪くはない。
町外れの鍛錬場
並んでいる兵士はむさくるしい男ばかり、それぞれが良い身体つきをしており、いくつもの傷跡が見える者もいる。
彼らは使えない肉壁等と見下される兵士達ばかり。
魔法にも戦いにもコレといった才能が無いと言われた、ただ盾を構え防御し、味方を守る事しかできぬ兵達。
それならゴーレムのほうが頑丈で、忠実だと馬鹿にされた事もあった。そんな連中が一箇所に集められた。
「皆よく来てくれた!!!私が!ゼr……ガボットだ。諸君らの隊長を務める」
ざわりっとざわめきが起こる、一部の者達は、この場に集められて戦力外通達がされるのか、建築補助に回されると思っていたからだ。
「使えない肉壁等と言われてきた皆だが、肉壁とは偉大である!防御こそが最強!!!!」
腕を振り上げ、魂のこもった声が響き渡る。
「我らが守るのは、市民、そして仲間である!己の肉体を盾とし敵の攻撃を受け、それらを守るのだ!!!!」
暑苦しい程の叫び、ガボットのキャラとしての防御にかける情熱が込められている。
「いいか!!魔法なぞ必要ない!敵の魔法も!飛び道具も!攻撃もすべて受け止めるのだ!そして…………」
そこまで言って、沈黙…………しぃんっとした空気の中、タメを作ってから大声をあげる
「レベルを上げて物理で殴ればいい!!!!」
しばしの静寂………そして割れんばかりの野太い叫びが呼応する。
「新型の装備を支給する。そして新戦術によって我らは鉄壁となるのだ!!!」
察しの良い者ならわかったかもしれない。この世界にはない戦術。
そうファランクス。盾と槍をもった兵士達が横一列に並び、正に壁となって進軍する。
敵の攻撃をすべて受け止め、突き進む。
弓騎兵みたいな奴の相手?盾を構えて全力で走る
そして近づいて殴ればいいという、なんとも脳筋全開なスパルタ方式のファランクス。
「想いには世界を変えるほどの力がある、我らを使えない肉壁だというこの世界の常識に!反逆する!」
こんなもんでいいのかな、演説。すごい盛り上がってるよなぁw
しかし、見事に野郎ばかり、切ない、激しく切ない。
異世界テンプレのハーレムとかないのか!
いや、これは俺に男のロマンを実現しろということに違いない
夢は戦場で全て受け止め押し返すファランクス!ってな。




